コーヒー豆のツヤツヤした感じは何なのかな?
コーヒー豆の油が原因なのかな?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
- コーヒー豆に艶ができる原因
- その艶が与える影響
- 焙煎度合いや抽出方法による変化
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう。
コーヒー豆にツヤが出る理由
では本題のコーヒー豆にツヤが出る理由について解説していきます。
コーヒー豆のツヤは、コーヒー豆の油分である「コーヒーオイル」と呼ばれるものが原因で起きます。
添加物などではなく、本来コーヒー豆がもっている成分のことなのです。
コーヒー豆は、アカネ科の常緑種である「コーヒーノキ」という植物の種子のことです。
そのコーヒー豆を精製、脱穀して生豆にしていきます。
コーヒー豆のツヤは植物が本来必要とする油
コーヒー豆も植物の種子であるため、ごまの種子から作るごま油や日本でも古くから整髪などに使っていた椿油などと同様に、種子に油が含まれていることは、何ら不思議なことではないでしょう。
植物にとって種子に含まれる油分は、芽を出して自分で光合成をして成長するまでの成長過程において、必要な栄養分というわけです。
コーヒー豆にツヤが出てくるのは、腐ったりしているわけでもないため、心配はあまり必要ありません。
コーヒー豆のツヤが与える影響
では、コーヒーのツヤが与える影響について解説していきます。
一般的に飲食物は油分があるほうがコクを感じたり、味に深みを感じリすることが多いと言われています。
コーヒーも同様に、油が多く抽出されているほうが、まろやかで甘みを感じるという理由から、好む方も多いのでしょう。
しかし、これはあくまでも好みの問題であるため、すっきりとしたコーヒーを好む人は、コーヒーオイルが出ていないほうが、美味しいと感じる可能性は高いです。
コーヒーのツヤが出ているということは、油が多く抽出されるためまろやかで甘みを感じやすいという影響が出てきます。
結果的にはコーヒーは嗜好品なので、最後はその人の好みになります。
- コーヒー豆のツヤが多い:まろやかで甘みを感じやすい
- コーヒー豆のツヤが少ない:すっきりとしていて飲みやすい
焙煎度合いでコーヒー豆のツヤが変わる
これは意外かと思いますが、コーヒー豆の焙煎度合いの違いによってコーヒー豆のツヤが変わってきます。
コーヒー豆の焙煎度合いは大きく分けて8種類あります。
詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
コーヒー豆は、基本的に、焙煎度合いが低い順に、浅煎り・中煎り・深煎りとなっています。
そしてコーヒー豆の焙煎度合いが強いほど、コーヒー豆のツヤがたくさんあります。
コーヒー豆の脂質は、約12%~20%含まれています。
これが焙煎という作業を通ることで、油分となり表面を覆います。
それにより、コーヒー豆をツヤツヤにするのです。
焙煎することで水分が抜ける
理由としては焙煎することでコーヒー豆から水分が抜け、焙煎度の浅い豆よりもコーヒーオイルの比率が高くなるからなのです。
ツヤの原因である、油の量が増減するわけではなく、コーヒー豆そのもの水分が抜け、相対的に比率が高くなるわけです。
つまりここから言えることは以下の通り。
- ライトロースト・シナモンロースト・ミディアムローストなどは浅煎りのため、ツヤが少ない
- フルシティロースト・フレンチロースト・イタリアンローストなどは深煎りのため、ツヤが多い
抽出方法でもコーヒー豆のツヤが変わる
ここまでは、焙煎度合いでコーヒー豆のツヤが変わることをお伝えしましたが、抽出方法を変えることでもツヤも多く出来たり、少なく出来たりします。
ツヤを変える方法は以下の2通りです。
- ペーパーフィルター、カップオンタイプドリップバッグ
- フレンチプレス・浸ける型ドリップバッグ
ペーパーフィルター・カップオンタイプドリップバッグを使う
コーヒー豆のツヤをあまり抽出したくない場合には、ペーパーフィルター、カップに乗せるタイプのカップオンドリップバッグなどが適しています。
コーヒー豆を挽いた粉にお湯を通してコーヒー成分を摘出する「透過式」という方法が合っているでしょう。
ドリップしている際に膨らんだ豆が上部に油分が残ることや、素材である紙がコーヒー豆のツヤ(油)を吸着するため、コーヒー豆の油は少なくなり、雑味が少ないキレのあるコーヒーを作ることが出来るのです。
フレンチプレス・浸ける型ドリップバッグ
コーヒー豆のツヤを少なくしたい方向けにはフレンチプレスや浸ける型ドリップバッグがおすすめです。
フレンチプレスは、コーヒーの粉がお湯に浸った状態で抽出するため「浸漬式」と呼ばれます。
粉や紙にコーヒーの成分が付着せずにそのまま直接抽出されるため、コーヒー豆のツヤの量も多くなります。
浸ける型ドリップバッグも同様です。
いずれにせよ、料理などに使用する油と同じで、コーヒー豆のツヤも油分である以上、気をつけたいのが時間の経過とともに進む酸化です。
酸化は、コーヒー豆にとっては天敵です。
酸化について詳しく知りたいという方はこちらの記事を参考にしてみてください。
風味の劣化スピードを抑えるためにも、保存には気をつけて、美味しいコーヒー生活を楽しみましょう。
適切なコーヒー豆のツヤは味に深みをもたらす
いかがでしたでしょうか?
「コーヒー豆にツヤが出来る理由とコーヒーの味に与える影響とは?」というテーマでお伝えしました。
まとめると、適切なコーヒー豆のツヤは味に深みをもたらすということです。
コーヒー豆のツヤは悪いのではなく、自然に含まれている油、脂質になります。
うまく利用していきたいところですね。