コーヒー粉をしっかり保存したい!豆のままと同じようにすればいいのかな?
未開封と開封済みで保存方法が変わってくるのかな?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
コーヒー粉の正しい保存方法について徹底解説していきます。
あなたはコーヒー粉をどのように保管していますか?
実は未開封と開封済みでは保存方法が異なります。
劣化する原因や鮮度を保つための方法なども紹介していくので、気になっている方は参考にしてください!
- コーヒー豆は生鮮食品のため劣化する
- 豆よりも粉の状態の方が劣化が早い
- 未開封と開封後では保存方法も賞味期限も異なる
- コーヒー粉の正しい保存方法は高温多湿・直射日光を避けること
- 未開封なら賞味期限は約1年が目安
- 開封後は密閉状態で保存し、常温なら賞味期限は7〜10日以内
- 冷蔵保存なら2〜3週間程度・冷凍保存なら約1ヶ月程度まで賞味期限を延ばせる
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
コーヒー豆・粉は生鮮食品
コーヒー豆・粉には、当然のことながら賞味期限があります。
コーヒー豆の本来の姿は果実であり、生鮮食品です。
その果実の果肉を精製処理して生豆の状態にし、乾燥〜焙煎の工程を経ることで、普段目にしているコーヒー豆の姿ができあがります。
コーヒー豆・粉の劣化は、焙煎したその時点からすでに始まっているため、正しく保存しなければ美味しく味わうことができません。
コーヒー豆は酸化することで劣化する
コーヒー豆の入ってるパッケージを開けたとき、油が浮いているような現象を見たことはないでしょうか?
これは、本来果実であるコーヒー豆に脂質成分が十分に含まれているためです。
この脂質成分が焙煎の最中に高温の影響を受け、空気に触れて酸素と結合することで「酸化」が始まります。
そのため、焙煎豆はできるだけ空気に触れないように外気から守ることが大切です。
そうすることで劣化の速度を緩やかにすることが可能になります。
僕自身もコーヒー豆を初めて買った際に、油が浮いているのを見て「腐ってる!」と激しく動揺したのを覚えているよ。
コーヒー豆の油についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
コーヒー粉の正しい保存方法
コーヒー豆を挽いた「コーヒー粉」をできるだけ新鮮な状態で保つには、どんな点に気を配ればよいのでしょうか?
コーヒー豆・粉の賞味期限を早めてしまう要素は「紫外線」「酸素」「温度」「湿度」の4つです。
これらをコーヒー豆・粉からシャットアウトできれば、劣化の速度を早めることなく美味しいコーヒーを飲むことができるわけです。
特に「粉」にしたコーヒーは、豆よりも劣化の速度が早いため、豆の状態のコーヒー以上に気を配る必要があります。
以上を踏まえて「コーヒー粉の正しい保存のコツ」をまとめると以下の通りです。
- 高温多湿・直射日光は避ける
- 密閉した状態で保存する
- 開封後は冷蔵庫・冷凍庫で保存する
- コーヒー豆との保存の仕方の違い
1つずつ具体的に見ていきましょう。
高温多湿・直射日光は避ける
コーヒー粉は、湿度が低く直射日光の当たらない場所で保管することが鉄則です。
特に、焙煎後のコーヒーは水分を非常に吸収しやすい状態にあるため、湿度が高いところで保存していると一気に劣化の速度が上がってしまいます。
梅雨の時期や、外気と室内の温度・湿度の変化が大きく結露しやすい季節にはより注意が必要です。
また、太陽光による紫外線もコーヒーを傷める原因となるため、日当たりの良い場所を避けて冷暗所で保存しましょう。
密閉した状態で保存する
コーヒー粉は、開封後は密閉容器やチャック付きのアルミバッグなどで保存することをおすすめします。
密閉してできるだけ空気中の酸素に触れないようにすることで、酸化を遅らせることができます。
コーヒー専門店で購入した場合には、外気を遮断しガスを排出するバルブ付きのアルミバッグ入りのことが多いです。
その場合にはそのまま保管してもよいでしょう。
そうでない場合には、開封後はコーヒー粉を密閉できるものに移し替えて鮮度を保つよう心がけましょう。
開封後は冷蔵庫・冷凍庫で保存する
コーヒー粉を開封して密閉容器に入れた場合でも、常温のまま長期間放置すれば鮮度が落ちてしまいます。
飲みきるのに1週間以上かかってしまう場合には冷蔵庫、または冷凍庫での保存がおすすめです。
温度が高くなればなるほど劣化速度は速くなります。
キッチンの火の元に近い場所は避け、高温になる暑い夏場であれば開封後はすぐに冷蔵庫・冷凍庫で保存する方が望ましいでしょう。
コーヒー豆との保存の仕方の違い
先ほどもふれましたが、コーヒー粉はコーヒー豆よりも劣化速度が早いです。
コーヒー粉は粉砕により二酸化炭素が失われた状態にあるうえ、表面積が大きいため空気中の酸素や水分を吸収しやすいためです。
そのため、豆よりも早めに消費しなけらばならないとともに、より保存状態に気を配る必要があります。
密閉状態で高温多湿、直射日光を避け、開封したら冷蔵または冷凍で保存し早めに飲み切りましょう。
冷蔵保存、冷凍保存の場合の賞味期限については後半で解説します。
コーヒー粉が美味しく飲める賞味期限は?
コーヒー粉の賞味期限は、開封済みと開封後とで異なります。
結論として、開封済みのコーヒー粉の常温で10日以内、未開封は1年程度が目安です。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
開封後は10日以内
開封されたコーヒー粉は、劣化の原因となる酸素や湿度に触れた状態になります。
特に挽いて粉状にしたコーヒー粉は酸素に触れる表面積が増えるので、酸化のスピードも豆の状態よりも格段に早まります。
そのため開封後は粉なら常温で7〜10日程度、豆なら30日程度で飲みきるのが良いでしょう。
また、粉の場合で上記の賞味期限内に飲みきれない場合には冷蔵庫・冷凍庫を活用することをおすすめします。
劣化速度を緩やかにできるため「冷蔵保存」で約2週間程度、冷凍保存」で約1ヶ月程度を目安に、常温保存よりも長い間美味しく楽しむことができます。
未開封の場合は賞味期限以内に飲みきる
コーヒー粉の賞味期限は、未開封であれば大体1年程度です。
開封後は、さきほど解説した「飲み切れる日数に合わせた保存方法」で、それぞれの賞味期限を目安に飲みきりましょう。
ただ、賞味期限はあくまでも美味しく飲める期限として捉えることが大切です。
賞味期限内であっても新鮮な状態に近い早めの時期の方が、コーヒーが持つ本来の香りや風味を楽しむことができます。
賞味期限にとらわれずに購入後はできるだけ早めに飲むようにしましょう。
コーヒー豆・粉は経時変化で苦味・コク・香りも変化する
コーヒー豆も粉も実は、焙煎直後から内部ガスを放出していきます。
このガスこそが香りの成分となっているのですが、興味深いことに焙煎して2~3日は、あまり香りが感じられません。
焙煎後3日程度経過したころから、香りが豊かになると共に苦味やコクも出てきます。
上のグラフは、平均的なコーヒーが経時変化によって苦味・コク・香りがどのように変化するかを表したものです。
このグラフでも分かるように、香りは焙煎から1週間前後にピークを向かえ、そのあと緩やかに下がっていきます。
一方で、苦味とコクは緩やかな上昇を続けますが、2週間ほどをさかいに苦味成分が香りを上回ります。
3週間ほど経過すると、香りをほとんどを感じられなくなり、言ってしまえばただ苦いだけのコーヒーになってしまいます。
そして、これ以上経過したコーヒーは、普通の食料品同じように「酸化」を始めます。
酸化しても見た目では判別しにくい
コーヒー豆・粉に含まれている脂質とその他の成分は、時間の経過とともに酸化が進み、最後は果物と同じように腐敗をしていきます。
しかし、焙煎されたコーヒー豆・粉は、茶色く色づいていることから、酸化してしまっても見た目には判断がつきにくいです。
そのため、コーヒー粉が酸化していても気づかずに飲んでしまっている可能性が高いのです。
コーヒー粉の「賞味期限」という表記は注意が必要
では、ここで日本のコーヒー豆の規定について見ていきましょう。
「賞味期限」は、開封前の状態で定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると事業者が認める期限を示す年月日をいう。
ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。
全日本コーヒー公正取引協議会
つまり、これらの情報に記載されているコーヒー豆・粉の賞味期限は、あくまでも未開封を想定しています。
ここでもう一度、前半で解説したコーヒー粉の開封前、開封後での賞味期限をまとめておきましょう。
- 未開封:約1年
- 開封後
- 常温:約7〜10日
- 冷蔵庫:約2〜3週間
- 冷凍庫:約1ヶ月
上記はあくまでも1つの目安ですが、開封後は未開封と異なりずいぶん賞味期限が短くなります。
正しい保存方法で少しでも鮮度を保ち、酸化する前に美味しく飲みきりましょう。
コーヒー粉を正しく保存して新鮮なコーヒーを楽しもう!
いかがでしたか?
コーヒー粉の正しい保存方法や美味しく飲める賞味期限について、豆の状態との違い、未開封と開封済みの違いなどもまじえて解説してきました。
本記事のポイントをまとめると次のとおりです。
- コーヒー豆は生鮮食品のため劣化する
- 豆よりも粉の状態の方が劣化が早い
- 未開封と開封後では保存方法も賞味期限も異なる
- コーヒー粉の正しい保存方法は高温多湿・直射日光を避けること
- 未開封なら賞味期限は約1年が目安
- 開封後は密閉状態で保存し、常温なら賞味期限は7〜10日以内
- 冷蔵保存なら2〜3週間程度・冷凍保存なら約1ヶ月程度まで賞味期限を延ばせる
保存方法 | 特徴・メリット | 注意点 | 推奨期間 |
---|---|---|---|
常温保存 | – 手軽に保存可能 – 香りが長持ちしやすい | – 湿気や高温で劣化する – 光を避ける必要がある | 1〜2週間程度 |
冷蔵保存 | – 温度が一定で劣化を遅らせる – 冷暗所として最適 | – 他の食品の匂いを吸収しやすい – 使用時に結露が発生する可能性 | 2〜3週間程度 |
冷凍保存 | – 長期保存に最適 – 酸化を大幅に抑える | – 解凍時に結露が発生する可能性 – 小分け推奨 | 1〜2ヶ月程度 |
真空保存 | – 酸化を最大限防止 – 香りが維持される | – 専用の機械や容器が必要 – 手間がかかる場合がある | 1〜2ヶ月以上 |
密閉容器保存 | – 湿気・光を遮断できる – 香りを閉じ込める | – 長期保存には不向き – 容器の品質に依存する | 2週間程度 |
ぜひコーヒー粉を購入したら正しい保存方法に気を配って、美味しいコーヒーを堪能しましょう!
また、もしコーヒー豆が賞味期限切れになってしまった場合には、捨てずに再利用することをおすすめします。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。