フェアトレードコーヒーってどんな特徴があるの?
フェアトレードはそもそもどんな意味があるのかな?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
一度はフェアトレードコーヒーという言葉を聞いたことがあると思いますが、深く理解するのは難しいですよね。
そこで本記事では、そもそもフェアトレードとは何かということから実態、おすすめのコーヒーまで幅広く紹介します!
- そもそもフェアトレードとは公正な取引という意味をもつ
- 今のフェアトレードは、コーヒー豆の最低価格が設けられている
- スタバだけではなく、カルディやシアトルズベストコーヒー・タリーズもフェアトレードコーヒーを使用
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
フェアトレードコーヒーの前に!そもそもフェアトレードとは?
フェアトレードとは公正な取引という意味です。
しかしなぜフェアトレードをスローガンとして謳っているのか、また意識的に動く必要があるのか解説していきます。
貿易をする2つの国を例に考えましょう。
貿易とは輸出する国と輸入する国の両方に利益をもたらす行為です。
- A国:生産し輸出した国にはお金
- B国:購入し輸入した国には自国では作れない生産物や欲しい物
こうしてA国もB国も貿易する前よりも豊かになります。
しかし実際には、一方は豊かになりもう一方は豊かになりません。
また解説したA・B国の場合、何が起こるでしょうか?
B国はA国に対してコーヒー豆を作るための方法や農機具を揃えより効率的に生産するように促します。
そしてA国はそれに従い、生産量を増やし輸出量を増加させるでしょう。
ここで生じる最も重大な問題は、A国で生産したコーヒー豆の価格をBが決めてしまうということです。
B国は安く輸入して大きな利益を獲得するのに対して、A国は利益が得られず、人々は安い賃金で働きます。
これによって貧富の差が生まれるわけです。
貿易によって相互に豊かになる
このような状況を変え「貿易によってお互いの国が豊かになる」という本来の貿易をしていこうというのが、フェアトレードの始まりで、現在はスローガンになっています。
またフェアトレードと一緒に、ダイレクトトレードという言葉が使われます。
しかしダイレクトトレードは、生産者と買い手を直接結ぶ取引のことで、継続的に取引をしないといけないという点がダイレクトトレードとの違いになります。
詳しくは「ダイレクトトレードとは?メリットやコーヒーが買えるサイトも紹介!」の記事を参考にしてください。
【実態】フェアトレードコーヒーとは?
もともとコーヒー豆の価格設定は、国際金融市場という農家から遠く離れた先進国で決められていました。
この価格設定には農家の人件費や実際にかかった経費などは一歳加味されることなく、勝手に決められていました。
国際金融市場が崩壊すると、コーヒー農家の収入に直接影響を与えていました。
その影響を緩和し、正当な価格で販売できるようにフェアトレードの整備が進んできました。
認定基準
今のフェアトレードでは、コーヒー豆の最低価格が設けられ、コーヒー農家が苦しまずに生活することができるようになりました。
また、フェアトレードの認定基準も設けられ基準を満たしていることを認定された商品には認証マークが表示されます。
スターバックスのコーヒー豆もフェアトレード
また、世界で一番大きなスターバックスコーヒーの使用するコーヒー豆は、フェアトレードの認定商品であることは有名ですよ。
その他のカルディコーヒーファームやシアトルズベストコーヒー・タリーズコーヒーなどもフェアトレードに賛同し認定商品を販売しています。
フェアトレードコーヒーの値段
気になるフェアトレードコーヒーの価格ですが一般的に高いとされています。
具体的な数字はないですが、私の所感だと大体約2倍です。
また日本はフェアトレードに対する意識が低く、上の写真から分かる通り、国民一人当たりの国際フェアトレード認証製品の購入金額は日本とスイスやアイルランドなどのヨーロッパを比べると100分の1程度です。
フェアトレードだと値段が高くなる理由
では、なぜフェアトレードだと値段が高くなるのか簡単に説明します。
フェアトレードで輸入したコーヒー豆が高くなるのは、認定基準の中に輸入業者側のルールと生産者側のルールがあるためと言われています。
- フェアトレード基準で定められた最低価格の保証
- フェアトレード・プレミアムという奨励金の支払い
- 長期的な取引や前払いなどの保証
- 労働条件の遵守
- 環境基準の遵守
- 奨励金を使い生産や地域社会の発展に取り組む
以上のようなフェアトレードの認定基準を満たすためのルールがあるからです。
当たり前ですが、輸入業者の販売価格が上がってしまうことが原因とされています。
フェアトレードコーヒーの歴史
フェアトレードは、当初メノナイト中央委員会(MCC)というキリスト教系NGOの理事長夫人 エドナ・ルース・バイラーが始めたとされています。
貧困地域で作られた針編みレースなどの刺繍製品を買い取り、知人や友人・親戚などにチャリティーバザーとして販売したことによって今でも行われています。
SDGsで注目される
また、現在ではSDGsの一環としてフェアトレードの利用や販売がなされています。
上記でも解説しましたが、フェアトレードはコストが高くなりがちで、短期的には利益が減る恐れもあります。
そのためフェアトレードに取り組むことは、持続可能なビジネスモデルの構築につながるという長期的な視野が必要になります。
コーヒーを含むフェアトレード市場全体の拡大
フェアトレードはまだ日本には完全に浸透しきっていませんが現在、日本国内では131億円規模にまで成長しています。
※2024年12月時点
またその売り上げの半分以上がコーヒーを占めている状態で、そのほかの生産物のフェアトレードが進んでいないのが実情です。
ただ、SDGsの需要の高まりから認証参加組織数は前年比の1.9倍の263件に増加し、今後も市場は拡大し続け生産者の貧困も減っていくと予想されています。
フェアトレードコーヒーが普及しない理由
前述の通り、フェアトレード市場で考えると市場の半分以上をコーヒー豆が占めているのですが、コーヒー豆全体の市場で見ると国内の市場の0.2%程度しかありません。
ではなぜ普及しないのか、それは価格と認知度にあるといっても過言ではありません。
価格はフェアトレードのものとそうでないものと比べ200〜300円程度の価格差があるとされています。
つまり、消費者にとっても販売業者にとっても以前より割高になるということが、フェアトレードコーヒーに手を出しにくい要因かと考えています。
また、認知度についてはSDGsの関心から企業の認知度、教材などへの掲載増加から子供や教育現場での認知の増加傾向にあります。
しかしそのほかの一般人に認知してもらうことが難しく、現在の日本においての課題ともいえます。
フェアトレードコーヒーに対する批判
フェアトレードに関して実際に支払ったお金が生産者に届いているのか不透明で、実は何も変わっていないのでは無いのかという批判的な意見もあります。
他にもフェアトレードに参加していない生産者の売上が下がるといった意見もあります。
ですが、生産者のフェアトレードへの参画には比較的障壁は低く、環境への意識配慮などの明確なルールがあることから今後の持続可能な環境を作ることに一役買っているのもまた事実です。
通販で買えるおすすめのフェアトレードコーヒー3選
ここでは通販で買えるおすすめのフェアトレードコーヒーを3つ厳選して紹介します!
まとめると以下のとおりです。
ウォームハーツコーヒークラブ」
- ウォームハーツコーヒークラブ
- 女性への自立の懸け橋「フェアトレードコーヒー カルディ」
- 深みのあるコク「フェアトレードイタリアンロースト」
順番に解説していきます。
1. 100%が生産国への寄付になる!しかも美味しい「ウォームハーツコーヒークラブ」
ウォームハーツコーヒークラブのコーヒー豆は、マラウイ北部にあるミスク地方の標高2,000メートルの大自然の中で作られています。
日本で目にすることは稀ですが、気候を生かした良質なコーヒーが栽培されています。
またウォームハーツコーヒークラブでは、その中でも高品質なAAランクのコーヒー豆を使用しています。
\ 100%寄付になるサステナブルコーヒー /
より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
2. 女性への自立の懸け橋「ウーマンズハンド フェアトレードブレンド」
フェアトレードシリーズは全5種類ありブレンド・コスタリカ・グアテマラ・ダークロースト・ブラジルとあり、好みにあったコーヒー豆を選ぶことができます。
特に「ウーマンズハンド フェアトレードブレンド」は優しい口あたり、すっきりとした後味が魅力です。
また、女性の自立を応援するウーマンズハンドプロジェクトの商品を取り扱っており女性生産者のサポートを目的とするプログラムで生産者とともに2021年からスタートしました。
3. 深みのあるコク「スターバックス フェアトレード イタリアンロースト」
イタリアンローストはチョコレート、カラメル、スパイスと相性の良いコーヒーです。
風味は強くコクも程よく、フードの生地感は中程度のものをおすすめします。
よりおすすめのフェアトレードコーヒーが知りたい方は、以下の記事をチェック!
フェアトレードコーヒーを購入して生産者の手助けをしよう!
いかがでしたでしょうか?
フェアトレードについて実態からおすすめ商品まで幅広く紹介しました。
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- フェアトレードとは公正な取引という意味
- 現在のフェアトレードは、コーヒー豆の最低価格が設けられている
- スタバだけではなく、カルディやシアトルズベストコーヒー・タリーズもフェアトレードコーヒーを使用している
ぜひ一度調べて、一度手にして関心を持つところから初めてみてはいかがでしょうか?
またフェアトレードコーヒーを購入・利用することで生産者の手助けにもなり、持続可能な産業の手助けにもなるので購入してみてください!