
コーヒー豆の粗さってそもそも何?

コーヒー豆の挽き方と粗さの関係性が知りたい!味や風味は違うの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
いざコーヒーを飲もうと思っても、どのくらいの粒度で挽けばいいのかわからないという方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、コーヒー豆の粗さと挽き方の関係について徹底解説していきます。
味・風味の違いを理解して美味しいコーヒーを淹れましょう!
- コーヒー豆の粗さとは、挽いた際の粒度の大きさによって決まる
- 挽き目の粗さの違いは、抽出したコーヒーの味わいや風味にも影響する
- 粗くすれば粒の表面積が大きくなるので、すっきりとした味わいに抽出されやすい
- 細かくすれば粒の表面積が小さくなるため、苦味の強いしっかりとした味わいに抽出されやすい
- コーヒー豆を挽く際には淹れる直前にゆっくりと挽くのがポイント
- 初心者にはペーパードリップで淹れる「中細挽き」がおすすめ
- 粉にしたら密閉容器に入れて高温多湿を避け、直射日光が当たらない場所で保存する

日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう。
コーヒー豆の粗さと挽き方の関係
まず、コーヒー豆の粗さとは挽いたときの粒度の大きさによって決まります。
この粒度の大きさを決めるのが「挽く」という行為なのです。
美味しいコーヒーを入れるためにはコーヒー豆選びも大事ですが、挽き目の粗さの違いによっても味や香りが異なってきます。
コーヒー豆の特徴や淹れ方に対して適した挽き目があるため、コーヒー豆の挽き方は非常に大事なポイントです。
コーヒー豆の挽き目は5種類
コーヒー豆の挽き目は5種類あると言われています。
この挽き目の違いが粗さの違いというわけです。まとめると以下のとおり。
- 極細挽き
- 細挽き
- 中細挽き
- 中挽き
- 粗挽き
それぞれの特徴や適した淹れ方をまとめると次のとおりです。
挽き方(番号) | 粒のサイズ(メッシュ) | 特徴 | 適した淹れ方 |
---|---|---|---|
極細挽き(2・3番) | 「白砂糖」ほど | 苦みが非常に強い | マキネッタ エスプレッソマシン |
細挽き(5・6番) | 「白砂糖」と「グラニュー糖」の中間 | 苦みとコクが強い | ウォータードリップ ペーパードリップ |
中細挽き(7・8番) | 「グラニュー糖」ほど | 一般的でバランスが良い | ペーパードリップ コーヒーメーカー |
中挽き(9~11番) | 「グラニュー糖」と「ザラメ」の中間 | 雑味がなくクリアな味 | サイフォン ネルドリップ |
粗挽き(12・13番) | 「ザラメ」ほど | 苦みが少な目で酸味がやや強い | パーコレーター フレンチプレス |
1つ1つ解説していきます。
極細挽き
極細挽きは、粒のサイズが白砂糖と同じくらいで、非常に細かいのが特徴です。
苦みが非常に強く出るため、エスプレッソコーヒーにぴったり。
マキネッタやエスプレッソマシンなど苦みの濃いコーヒーを楽しむための抽出方法に合わせた挽き方です。
細挽き
細挽きの粒のサイズは白砂糖とグラニュー糖の間ほどになります。
市販で売られているコーヒーの粉より、やや細かいのが特徴です。
苦みやコクをしっかりと抽出することができ、ペーパードリップで入れれば、しっかりとした味わいを存分に楽しめます。
中細挽き
中細挽きの粒のサイズはグラニュー糖ほどで、一般的によく使用される挽き方です。
味わいのバランスに優れた抽出がしやすく、クセがなく飲みやすい風味に仕上がるのが特徴。
ペーパードリップやコーヒーメーカーでの淹れ方に適した挽き方で、万人受けする味わいのコーヒーが抽出できます。
中挽き
中挽きは、粒のサイズはグラニュー糖とザラメの中間ほどで、雑味が出にくくクリアな味わいが特徴。
こちらも一般的に使用されることが多い挽き方で、サイフォンやネルドリップにぴったりの挽き方です。
少々粒が粗い分、コーヒーの雑味を抑えられるため、すっきりした口当たりが好みの方におすすめです。
粗挽き
粗挽きは、粒のサイズはザラメほどで、苦みが少なくやや強めの酸味が特徴。
パーコレーターやフレンチプレスなど、直接お湯で煮出す淹れ方にぴったりの挽き方です。
さっぱりとした味わいを楽しみたいならこちらの挽き方がおすすめ。
粗挽きについてより詳しい知りたい方は「コーヒー豆の粗挽きとは?おすすめの抽出法も紹介【現役バリスタが解説】」の記事をチェック!
コーヒー豆の挽き方による粗さの違いで味・風味がかなり変わる
さきほどの項目では、コーヒー豆の挽き目は抽出方法との相性があることにふれました。
さらに、挽き目の違いはコーヒーを淹れた際の風味にも影響します。
粒の大きさ(粗さ)を変えると、コーヒー豆にお湯が触れる面積が変わり、ドリップの抽出スピードにも違いが生まれます。
そのため、抽出されたコーヒーの味わいや風味が異なってくるのです。
挽き目の粗さによる違いをまとめてみましょう。
- 粗さ(粒度)が荒い
- すっきりとした味わいになりやすい
- 粗さ(粒度)が細い
- 豆の成分が出やすくしっかりとした味わいになりやすい
被き目を粗くするとあっさりとした味わいになる
挽き目を粗くすれば粒の表面積が大きくなるため、湯の通りが早いうえお湯に触れる部分が少なくなります。
そのため、味が濃く抽出されずあっさりとした味わいのコーヒーが楽しめます。
一方で、挽き目を細かくすればコーヒー豆の表面積が小さくなるため、抽出の際の湯通りが悪くなり、コーヒーらしい苦みが強い味わいになります。
また粗さを細かくしていくことによって酸味はどんどん少なくっていき、苦味が強くなります。
つまりコーヒー豆は成分をじっくり抽出するとコクや苦味が出やすくなるということです。
反対に、短時間で抽出すると酸味が出やすくなる傾向にあります。
コーヒー豆を挽く時のポイント
コーヒー豆を挽く際には、いくつかのコツがあります。
ポイントを押さえて豆を挽くことは、コーヒーの美味しさにも繋がるため上手な挽き方を覚えておきましょう。
まとめると次の3つです。
- 挽くタイミングは淹れる直前
- ゆっくり挽く
- 使用後は微粉を取り除く
挽くタイミングは淹れる直前
コーヒー豆を挽くタイミングはやはり淹れる直前がベスト。
なぜならコーヒー豆は粉にした時点から、空気に触れる面積が広くなるため劣化のスピードが早まるためです。
より美味しいコーヒーを飲みたいのであれば、挽きたてのコーヒー粉で淹れることで、より新鮮でクリアな味わいを楽しめます。
ゆっくり挽く
手動ミルを使ってコーヒー豆を挽く際には、ゆっくりと挽くことも大切なポイントです。
そうすることで豆の粗さが均一に仕上がり、雑味やえぐみ、または余分な苦味などの成分が出にくくなります。
使用後は微粉を取り除く
ミルを使用した後は、必ず微粉を取り除いておきましょう。
微粉が残っていると、次に豆を挽くときに一緒に混入してしまい雑味の原因となってしまいます。
上手に抽出していても、微粉によってせっかくのコーヒーの風味を損なってしまうため注意しましょう。
手動ミルでも電動ミルでも細かいブラシを使って微粉を取り除き、きちんとお手入れしておくことが大切です。
初心者におすすめのコーヒー豆の挽き方と粗さ
初心者の人にはペーパードリップで淹れる「中細挽き」がやはりおすすめです!
手軽で初心者の方も始めやすく、抽出に必要な器具についても揃えやすいため。
中細挽きは、家庭用のコーヒーメーカーやペーパードリップで飲むのにもぴったり。
バランスが良いためクセなく飲むことが出来ます。中細挽きがないお店の場合は中挽きを選ぶと良いでしょう。
ちなみに、ペーパードリップでの抽出に必要な主な器具は次のとおりです。
- コーヒーミル(豆から淹れる場合)
- コーヒーメジャースプーン
- ペーパーフィルター
- ドリッパー
- サーバー
- ドリップポット
- スケール…etc.
カルディコーヒー豆のおすすめの粗さと番号
続いてコーヒー豆と挽き目の関係をより具体的に把握するために、人気ショップ「カルディ」のコーヒー豆の「おすすめの粗さ」を紹介します。
カルディでは、お店独自の挽き目番号を設けて目安を出しているため、参考にしながらコーヒー豆を購入することが可能です。
カルディコーヒーの挽き目番号は以下のとおり。
- フィルター用:中挽き8番(バランスの良い味)
- エスプレッソ用:極細挽き4番(苦味がとても強い)
- 水出し用:細挽き6番(苦味が強い&酸味が少ない)
- プレス用:粗挽き9番(酸味がある&スッキリとした味)
挽き目 | 番号 | おすすめ抽出器具 |
---|---|---|
極細挽き | 4番 | エスプレッソ |
細挽き | 6番 | 水出しコーヒー |
中挽き | 8番 | ペーパードリップ、サイフォン |
粗挽き | 9番 | コーヒープレス |
また上記を見てもよくわからない場合は、カルディのスタッフに直接聞いてみるのも良いでしょう。
カルディのスタッフは、豆の挽き方と飲み方の相性をよく知っているため、自分の抽出方法や飲み方を伝えれば、それに合った挽き目を提案してくれるはずです。
挽いたコーヒー豆の保存期間・保存方法
コーヒー豆は、ミルで挽いて粉にした時点から一気に劣化スピードが加速します。
そのため、美味しいコーヒーを飲みたいのであれば、保存方法に気を配って早めに飲み切ることが大切です。
高温多湿を避け密閉容器に入れて直射日光が当たらない場所で保存するようにしましょう。
また、賞味期限の目安は次のとおりです。
- 常温なら7〜10日以内
- 冷蔵保存なら2〜3週間程度
- 冷凍保存なら約1ヶ月程度
上記を目安に、できるだけ早く飲み切るようにしましょう。
挽いたコーヒー豆の保存方法をより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください!
コーヒー豆の挽き方と粗さの関係を知って上手にコーヒーを飲もう!
いかがでしたか?
コーヒー豆の挽き方と粗さの関係を紹介するとともに、味・風味の違いを解説しました。
本記事のポイントをまとめると次のとおりです。
- コーヒー豆の粗さとは、挽いた際の粒度の大きさによって決まる
- 挽き目の粗さの違いは、抽出したコーヒーの味わいや風味にも影響する
- 粗くすれば粒の表面積が大きくなるので、すっきりとした味わいに抽出されやすい
- 細かくすれば粒の表面積が小さくなるため、苦味の強いしっかりとした味わいに抽出されやすい
- コーヒー豆を挽く際には淹れる直前にゆっくりと挽くのがポイント
- 初心者にはペーパードリップで淹れる「中細挽き」がおすすめ
- 粉にしたら密閉容器に入れて高温多湿を避け、直射日光が当たらない場所で保存する
コーヒー豆の挽き方は難しく、人それぞれ好みがあります。
それによって粗さも変わってくるので、ぜひ自分の好きな粗さ・挽き方を知って、好みやシーンに合わせて選べるように知識を持っておくと良いでしょう。
コーヒー豆の挽き方と粗さの関係を知って、上手に美味しいコーヒーを楽しみましょう!