コーヒー豆の焙煎をフライパンで行う方法ってあるの?
自宅で簡単に焙煎がしたいな!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
生豆を買っていざ焙煎しようとすると、自宅で手軽に行いたいたくなりますよね…。
そこで本記事では、コーヒー豆の焙煎をフライパンで行う方法について徹底解説します。
- フライパンでの焙煎において「コーヒー豆の選別」と「生豆の水洗い」はとても重要
- IHでのコーヒー豆焙煎は基本おすすめしない
- 市販のコーヒー豆を再焙煎するのはおすすめできないため、そのまま淹れましょう
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
そもそもコーヒー豆の焙煎とは?フライパンで焙煎する前に知っておこう
コーヒー豆の焙煎とは、熱を加えることで味や香りを整えていく作業のことです。
食品は熱が加わることで、成分が無くなったり、増えたり、変化したりします。
焙煎はコーヒー豆だけではなく、様々な食品に施されているのです。
例えば、ナッツ、香辛料、お茶、穀物などなど、いろいろな食品が焙煎されています。
焙煎することによって、食品の成分が変化し、味や香りが変化してくのです。
保存期間が長くなる
また、水分がなくなることによって、カビや腐敗などのリスクが減り、保存期間が長くなります。
焙煎は、水や油を使わない「から煎り」と言われるものです。
熱を加えながら乾燥させて仕上げていきます。
仕上げる時はムラがないようにしっかり熱を加えることがポイントです。
いろんな食品が焙煎されてるんだね!
焙煎の目的
コーヒー豆の焙煎に関しては、下記の項目のバランスを整えて美味しいコーヒーを作ることが目的とされます。
- 香り
- 酸味
- 苦味
- 甘み
これらのバランスをコーヒー豆の特性を活かして整えていきます。
温度と時間が重要
焙煎で大事なポイントは以下の2つです。
- 温度
- 時間
どのくらいの温度をどのくらいの時間加えるのかで、焙煎の度合いが変わります。
この「温度と時間」は、焙煎するコーヒーの生豆の特性をよく見極めることが必要です。
- 産地
- 精製法
- 特性
これらを見極めて、熱を加えることによって変化する味や香りを想像し、温度や熱をクリエイトします。
言ってみれば、焙煎作業とは、芸術作品を作る作業と同じです。
焙煎する人の感性が反映されます。
知識や技術、経験値も必要になるので、自分がイメージするコーヒーの味に焙煎するのは、簡単ではないです。
焙煎度合いには様々な種類がある
焙煎のプロセスを見極めるには、焙煎過程中のコーヒー豆の色を確認します。
- 青白い
- 白い
- 黄色い
- 茶色
- こげ茶
このような色で、そのコーヒー豆が今どんな状態なのかがわかるのです。
焙煎中で大事なことは、色をしっかり確認して、調整していくことになります。
これも匠の技のなせるところです。
焙煎には度合いがあります。
- 浅煎り ライト
- 浅煎り シナモン
- 中煎り ミディアム
- 中煎り ハイ
- 深煎り シティ
- 深煎り フルシティ
- 深煎り フレンチ
- 深煎り イタリアン
全部で8段階の焙煎度合いがあるのです。
難易度は浅煎りが一番難しく、深煎りが一番簡単になります。
コーヒーの生豆の特性や水分量を見極めて、どの度合いが一番そのコーヒー豆の魅力を最大限に引き出すのかをイメージして、仕上がりの味を決め、焙煎作業をしていくということです。
プロの方が焙煎をする時は、焙煎機を使います。
より焙煎度合いについて詳しい知りたい方は「コーヒー豆のローストとは?焙煎の違いは全部で8段階」の記事をチェック!
焙煎機には「手動」と「自動」があり、それぞれに特徴が違うのです。
熱源も色々あります。
どの機械をどうやって使うのかもプロの力量といったところです。
コーヒー豆への熱の伝え方も機会によって違うので、機械を使いこなす必要があります。
このように、焙煎はコーヒーの味を決める重要な作業であるということです。
焙煎全般についてもっと知りたい方は「コーヒー豆の焙煎とは?自宅での焙煎方法からおすすめの焙煎機まで」の記事を参考にしてください。
【ガスコンロ編】コーヒー豆の焙煎をフライパンで行う方法!基本をおさえよう
コーヒー豆をフライパンで行う方法は以下の通りです。
- 生豆の量を決める
- 蒸らす
- 焙煎開始
- 豆がぱちぱちしたら火力を調節
- 冷却する
フライパンは家庭用のもので問題ありません。
コーヒーの生豆は少なすぎても多すぎても焙煎しにくいので、適量を決めましょう。
最初に蒸らしを行います。これは水抜きと言われる作業です。
弱火でじっくり時間をかけて行います。
このとき、フライパンを振り続けるか、ヘラで混ぜ続けるかして下さい。
豆の色が黄色になったら焙煎開始です。
火を強めてしっかり熱を入れます。
ぱちぱちと音がしたら火を調整します。
音がするまで時間がかかったら強めて、短時間だったら弱めます。
好みの煎り具合になったら火を止めます。その後、すぐに冷却して下さい。
フライパンからステンレス製のザルなどに移し替えます。
そして、ドライヤーで冷風を当てて下さい。
すぐに冷却しないでそのままほおっておくと、コーヒー豆が熱い状態なので、その熱で焙煎が進んでしまい、理想の焙煎度合いではなくなってしまいます。
焙煎後はすぐに冷やしましょう。
完成したら、いつもの通りミルで挽いて、お好みの方法でコーヒーを淹れて下さい。
保存期間は短い方が理想です。
期間が長くなる場合は密閉容器に入れて冷凍保存しましょう。
押さえておくべきポイント
押さえておくべきポイントは以下の2つです。
- コーヒー豆の選別
- コーヒー生豆の水洗い
コーヒー豆の選別は簡単に行うと良いでしょう。
目視して明らかにおかしいなと思う豆を取り除くだけで良いです。
コーヒー生豆の水洗いはやらなくても大丈夫です。
洗っても洗わなくてもさほど影響はないので、初心者はやらないほうがいいでしょう。
最初はよくわからないので、一度チャレンジしてみて、感覚を掴んだら、また再チャレンジしてみると、少しずつ上手になっていきます。
焙煎はプロでも難しいので、失敗するのが当たり前という軽い気持ちで楽しんでみてはいかがでしょう。
【IH編】コーヒー豆の焙煎をフライパンで行う方法
基本的にIHで焙煎は向きません。
理由としては、焙煎のムラができるためです。
IHとはInduction Heatingの略で日本語にすると電磁誘導熱となります。
IHクッキングヒーターは電流を流して磁力線を作り、それがうず電流となり、うず電流から熱を生み出して、加熱調理する器具です。
器具本体に内蔵されたコイルに電流を流すことにより磁力が生まれ、それがある一定方向に向かいます。これが磁力線になります。
この磁力線がヒーターに乗せた鍋を通る時に電流になって、鍋そのものから熱を発生させる仕組みです。
つまり、鍋そのものが燃えている状態と言えます。
鍋そのものが燃えているので、温度の調節が難しく、豆に熱を加える調整がやりにくいのです。
そうすると、豆の熱の入り方にムラができてしまったり、望み通りに熱を入れることができないということになります。
コントロールができないということです。コントロールができないということは、自分の望む焙煎に仕上がらないということにつながります。
そのため、IHでの焙煎はおすすめできません。
自宅のコンロがIHの人は、カセットコンロで焙煎しよう。
コーヒー豆の焙煎をフライパンで行う際の注意点
コーヒー豆の焙煎をフライパンで行う際の注意点としては、以下の通りです。
- ムラなくしっかり加熱すること
- 換気を十分に行うこと
- 中火で焙煎すること
- 焙煎時間は、だいたい10分程度を目安に
- 焙煎後すぐに冷却する
- コーヒー豆の量はほどよく
市販のコーヒー豆を再焙煎するのはあまりおすすめしない
市販のコーヒー豆を再焙煎するのはおすすめしません。
理由は単純で、美味しくなくなってしまうためです。
既に焙煎されているコーヒー豆は、そのコーヒー豆のベストな状態で焙煎されています。
もうすでにその状態で美味しいコーヒーなので、更に焙煎するということは、一番美味しい状態を崩してしまうということになり、美味しくなくなります。
また、焙煎済のコーヒー豆は、日ごとに酸化していき、味や香りが落ちていくのです。
酸化にも繋がる
味や香りが落ちていく上に、更に熱を加えて酸化させてしまうと、より風味が悪くなります。
深煎りコーヒーは、深煎りすると美味しいコーヒーになる豆を選び、一番美味しくなるように焙煎しているので、ただ焙煎を重ねて深煎りにするのとは全く別物です。
市販のコーヒー豆は、そのままの状態でコーヒーを淹れて飲むことをおすすめします。
焙煎はあくまでも生豆から行おう。
市販・スーパーのおすすめコーヒー豆が知りたい方は「スーパーの美味しいコーヒー豆&粉おすすめ10選!市販でも侮れない」の記事をチェック!
フライパンを使って自宅で手軽にコーヒー豆を焙煎しよう!
いかがでしたでしょうか?
コーヒー豆の焙煎をフライパンで行う方法について、ガスコンロからIHまで紹介しました!
本記事で重要なポイントをまとめると以下のとおりです。
- コーヒー豆の選別と生豆の水洗いは非常に重要
- IHでのコーヒー豆焙煎はおすすめしない
- 市販のコーヒー豆を再焙煎するのはおすすめできない
フライパンで手軽に焙煎するのも良いですが、やはり美味しさを追求するなら「焙煎機」を利用することをおすすめします。
おすすめの焙煎機は「【完全版】コーヒー焙煎機のおすすめ11選!自宅で本格的に楽しめる」の記事をチェック!