アメリカンプレスってどんなもの?
アメリカンプレスの使い方を知りたい!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
アメリカンプレスを使うことでどのようなコーヒーが完成するのか、他の淹れ方との違いはどこにあるのか気になりますよね。
また、味の違いや注意点なども知りたいかと思います。
今回はその疑問を解決するため、アメリカンプレスの特徴や使い方を詳しく解説してきます!
- アメリカンプレスはコーヒー豆に圧をかけて抽出する
- アメリカンプレスのおすすめコーヒーメーカーは「American Press」が販売している「アメリカンプレス コーヒーメーカー」
- 5種類の淹れ方を比較した時にアメリカンプレスに感じる味わいの特徴は「オイル分が抽出され滑らかな口当たり」
- 使い方・手入れの仕方が簡単で初心者にも扱いやすい
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
アメリカンプレスとは?
アメリカンプレスとはコーヒーを淹れる器具の一種です。
コーヒー豆をアメリカンプレスに入れ、圧をかけて抽出します。
コーヒーだけでなく紅茶も淹れられるため、幅広いシーンで活躍してくれます。
コーヒー豆を淹れてから抽出するまでの動作を1つの器具で済ませることが可能であり、短時間で抽出が終わる点が特徴です。
フレンチプレスとの違い
同じくコーヒーの抽出器具であるフレンチプレス。
両者とも使うコーヒー豆の量や基本的な動作は同じです。
それぞれの違いを表でまとめました。
抽出方法 | アメリカンプレス | フレンチプレス |
---|---|---|
抽出にかかる時間 | 2~3分 | 4~5分 |
抽出中の香り | 密閉されているため香りはほぼない | 香りが漂う |
完成後 | コーヒー豆の細かい粉が入らない | コーヒー豆の細かい粉が入る |
抽出にかかる時間はアメリカンプレスの方がやや短めです。
容器がしっかり密閉されていてコーヒー豆の細かい粉(微粉)が入らないアメリカンプレスですが、そのため抽出中に香りを楽しむことはできません。
芳醇な香りは淹れた後に満喫しましょう。
より詳しくフレンチプレスについて知りたい方は、以下の記事をチェック!
エアロプレスとの違い
筒状の器具にコーヒー豆を淹れて抽出するエアロプレス。
抽出にかかる時間や使用するコーヒー豆の量はアメリカンプレスと変わりません。
違いは以下の通りです。
抽出方法 | アメリカンプレス | エアロプレス |
---|---|---|
力 | 弱い力でOK | かなり力が必要 |
杯数 | 約2杯淹れられる | 1杯分が多い |
エアロプレスを使ってコーヒーを抽出するには、かなりの力が必要です。
力の弱い人は使う時に注意してね!
より詳しくエアロプレスについて知りたい方は、以下の記事をチェック!
淹れ方によってコーヒーの味はどう変わる?
アメリカンプレス、フレンチプレス、エアロプレスの淹れ方による味の違いをみていきましょう。
コーヒーは淹れ方によって味が変わるとても奥が深い飲み物です。
それぞれの特徴を比較してみてください。
この章の最後には、プレス3種以外「ネルドリップ」や「サイフォン」とも比較した味を表にまとめています。
アメリカンプレスの味
アメリカンプレスは豆のオイル分がしっかりと感じられる仕上がりです。
そのため口当たりが滑らか。
そしてすっきりとした味わいです。
圧力をかける基本的な動作や豆の量はフレンチプレスと同じですが、フレンチプレスにありがちなざらっとした舌触りを感じにくいです。
ちなみに2杯目は1杯目に比べると味わいが変化します。
これは沈澱した粉が2杯目には含まれるという理由もあり、やや雑味を感じやすいです。
そのため2~3人で飲む場合は均等に分けるように少しずつカップに注いでください。
フレンチプレスの味
フレンチプレスはコーヒー豆そのものの味わいを逃さず抽出できるとされています。
粉をお湯に浸して抽出するので、コーヒーの成分をしっかりと抜き取ることができるんです。
豆のオイルも抽出されやすいのでコクがあります。
しかし細かい粉だとエグみもでやすいため、中細挽き〜粗挽きがおすすめです。
豆の個性や香りを存分に味わうことができるでしょう。
エアロプレスの味
圧をかけるという点ではアメリカンプレスと一緒ですが、エアロプレスはアメリカンプレスよりも圧力が強いです。
そのためかエスプレッソのように濃いめでコクのあるコーヒーが仕上がります。
豆は一般的に細挽きにしたものを使用。
抽出に時間はかかりませんが圧力が強いためそのような味わいになります。
淹れ方 | 味の違い |
---|---|
アメリカンプレス | オイル分が抽出され口当たりが滑らか |
フレンチプレス | コーヒーのボディ感が強く出る |
ハンドドリップ | 酸味・苦味が強く抽出される傾向がある |
ネルドリップ | 柔らかい口当たりでマイルドな味わい |
エアロプレス | すっきりした味わいで香りが豊か |
サイフォン | 苦味が強く味は濃くなる |
それぞれのコーヒーの淹れ方による特性の違いを理解し、好みの味わいに近いものを採用してください。
ハンドドリップやネルドリップは淹れる技術によって仕上がりが左右されるため、慣れないうちは味が安定しないかもしれません。
しかしアメリカンプレスは使い方が簡単で、誰が淹れても美味しいコーヒーが完成します。
ぜひ手間をかけて一味違うコーヒーを楽しんでください。
ネルドリップ、サイフォンについて関しては、以下の記事を参考にして下さい。
アメリカンプレスでコーヒーを淹れる方法
アメリカンプレスを使ってコーヒーを淹れる時の手順について解説します。
使い方
アメリカンプレスの使い方は以下の通りです。
- ミルで挽いたコーヒー豆をケースに入れる
- 容器にお湯を入れる
- ケースがお湯に浸るように両者をセットし蒸らす
- 1分ほど経過したら1分かけてゆっくりと下までプレスする
- カップに注ぐ
アメリカンプレスはコーヒー粉を「プランジャー」と呼ばれる部分にセットして、圧をかけてコーヒーを抽出します。
使い捨てのペーパーフィルターをその都度使う必要がないため、エコだといえるでしょう。
コーヒー粉は密閉された容器に入るため、お手入れも比較的簡単です。
ちなみにボトルの底の方のコーヒーは、やや粉感のある味わいです。
レシピ紹介
アメリカンプレスを使った美味しいコーヒーレシピを紹介します。
基本の使い方をもとに、お湯の量や温度などを解説。
- 使う器具にお湯を入れて温めておく
- 中細挽き~中挽きにしたコーヒー粉を20gポッドに入れる
- 容器部分に約90度のお湯を300ml注ぐ
- ポッド部分がお湯に浸かるまでプレスし、30~60秒待つ(蒸らし)
- 1分から1分半かけてプレスする
まずはせっかく淹れたコーヒーが冷めないように、あらかじめ器具を温めておきましょう。
コーヒー粉はドリップコーヒーを淹れる時と同様に、中細挽き~中挽きがおすすめです。
100度のお湯を使うと苦味や雑味が強くなってしまうため、沸騰してから5分ほど経過した約90度のお湯を使ってください。
あとは時間をかけてゆっくり抽出することが大切です。
手軽だけれどプレスする時間や温度を変えることでカスタマイズできるので、このおすすめレシピをもとに自分の好きな味をみつけてみてください。
透明の容器ですので、抽出中どのように仕上がるのかも観察するとほか抽出方法との違いをより感じ、アメリカンプレスに愛着が湧くでしょう。
ドリップコーヒーについては以下の記事をチェック!
アメリカンプレスのメリット・デメリット
アメリカンプレスを使うことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
デメリットもお伝えしていくので、参考にしてください。
メリット
アメリカンプレスの主なメリットを解説します。
- 使い方が簡単
- 手入れしやすい
- 滑らかな口当たりのコーヒーが完成する
それぞれ説明していきます。
使い方が簡単
アメリカンプレスの使い方は、コーヒー粉とお湯をセットしてプレスするだけでとても簡単です。
電源も必要ありませんし、弱い力でも抽出できます。
そして、使い捨てのフィルターが必要ないためゴミが出ずコスパも良いと言えます。
維持費がかからない点も魅力的。
手入れしやすい
分解してきれいに洗えることから手入れもしやすくなっています。
パーツもコーヒーメーカーなどに比べたら少ないため、手間もかかりません。
コーヒー粉はポッドにいれて抽出するため、淹れ終わったあとの粉のかすはポットごとゴミ箱へ持っていきさっと捨てるだけで良いです。
水または洗剤で洗って清潔さを保ちましょう。
毎日入れても片付けやお手入れが楽々で、壊れない限りは半永久的に使えるのでフィルターなども使う必要がありません。
滑らかな口当たりのコーヒーが完成する
アメリカンプレスで抽出したコーヒーは、コーヒー豆に含まれているオイル分がしっかり感じられる仕上がりになります。
手押しで直接圧をかけるため、コーヒーの成分が濃く抽出されることから味わいも濃くなります。
密閉した容器に入れて使用することから、コーヒーの細かい粉がほとんど入りません。
舌触りがとても滑らかで雑味の無いコーヒーを楽しんでください。
個人的にアメリカンプレスの手軽さが好き
デメリット
アメリカンプレスを使う際は、以下の点に注意してください。
- コーヒー粉がこぼれやすい
- 淹れられる杯数は多くない
- 粉が細かすぎるとフィルターに詰まりやすくなる
詳しく掘り下げていきます。
コーヒー粉がこぼれやすい
コーヒー粉を入れるポッド部分はあまり大きくありません。
少しずつ慎重に入れないと、こぼれてしまい片付けが必要になります。
小さめのスプーンを使ったり、コーヒーファンネルを使用するなどしてうまく入れるようにしましょう。
淹れられる杯数は多くない
一般的に浸透しているフレンチプレスの場合、容量のバリエーションも豊富です。
それに対してアメリカンプレスは流通しているものが少なく、杯数は1~2杯程度。
コーヒーを1度に大人数淹分れたいという場合には向いていません。
もちろん2,3回繰り返し使うことで対策できますが、その分手間がかかることを覚えておきましょう。
粉が細かすぎるとフィルターに詰まりやすくなる
アメリカンプレスに使用するコーヒー粉は、中〜粗挽きが推奨されています。
そのため、粉が細かすぎると中のフィルターに詰まってしまうことも。
また、豆を挽く時に使用するミルの刃がカッター式の場合、微粉末が出ることが多いです。
この微粉末がフィルターに詰まってしまうと、圧力をかけて抽出する際に抵抗する要因となり、うまくプレスできない場合もあります。
細挽きじゃないのに詰まるようなことがあれば、微粉末が入らないように注意しながら入れましょう。
アメリカンプレスの洗い方・お手入れ方法
アメリカンプレスはシンプルな構造をしていますが、分解して洗うとより清潔に次回も変わらない美味しさを保てるでしょう。
- プレスする際の取っ手を引きプランジャーを抜く
- 上部の粉を淹れるパーツを取り出し、ひっくり返してゴミ箱へコーヒー粉かすを捨てる
- 分解して水・洗剤洗いをして完全に乾かす
アメリカンプレスを使った後は、洗剤で洗って清潔に保ちます。
コーヒーを淹れ終わったらケース内のコーヒー粉を捨てて、水をしっかり注いでください。
分解できるパーツは全て分解し、日常で使用する食器用洗剤で洗います。
汚れを落としてしっかり乾かしましょう。
コーヒーを淹れた直後だとアメリカンプレス本体が熱くなっているので、少し時間を置いてから洗うことをおすすめします。
アメリカンプレスのおすすめコーヒーメーカーと備品
「American Press」というブランドから発売されているアメリカンプレスのコーヒーメーカー。
手軽に使える機能性の高さと優れたデザインが魅力的です。
物理学を専攻後にデザインを学んだ「アレキサンダー・アルバニーズ」がつくりあげた、水圧やデザインまで計算された商品です。
微細なフィルターがセットされたポッド部分にコーヒー粉を入れ、あとはゆっくり時間をかけて抽出するだけで本格的なコーヒーが完成します。
お湯の温度やプレスする時間によってコーヒーの味の調整も自由自在。
様々な味わいのコーヒーを楽しみたいけれど、淹れ方が難しかったり手入れが面倒だったりする器具は使いたくないという人に最適のコーヒーメーカーです。
コーヒー豆が持つ風味を最大限引き出せるよ。
アメリカンプレス コーヒーメーカーの商品詳細
商品名 | アメリカンプレス コーヒーメーカー |
---|---|
サイズ | 幅9.2×奥行9.2×高さ22cm |
重さ | 635g |
容量 | 414ml |
コーヒーの分量 | 18~22g |
耐熱温度 | 95度 |
価格 | 13,200円 |
アメリカンプレス専用パーツ ポッド用 ファネル
アメリカンプレスを使用する際にあると便利な備品「ポッド用ファネル」についても紹介します。
「ファネル」は、コーヒー粉を容器に入れる際こぼれにくくするための商品です。
ファネルという商品名ですが「ろうと」と同じ役目を果たします。
アメリカンプレスのポッドはやや小さめなので、コーヒー粉を入れにくいとの声が多いですが、このファネルを使えば解決します。
ポットにぴったりとはまりますし間口が広めなので、楽にコーヒー粉を入れることが可能です。
しかもステンレス製なので衛生面も安心できます。
アメリカンプレス専用ではありますが、もちろん通常の「ろうと」としてお茶や紅茶を淹れる際にも役に立ちます。
商品名 | アメリカンプレス専用パーツ ポッド用 ファネル |
---|---|
サイズ | 直径8.3×下部直径4.2×高さ2.2cm |
重さ | 22g |
素材 | ステンレススチール |
備考 | 食器洗浄乾燥機の使用可 |
価格 | 1,980円 |
フレンチプレスとエアロプレスのおすすめ商品
フレンチプレスとエアロプレスのおすすめ商品について紹介します。
フレンチプレスのおすすめ商品「BODUM カフェティエラ」
フレンチプレスのおすすめ商品「BODUM カフェティエラ」は、「シンプルで美しいデザインと高い機能性」というデザインポリシーに基づいています。
リーズナブルで優れたデザインに定評があり、ガラス製の見た目がおしゃれです。
初めてフレンチプレスを入手する方にもお買い求めやすい値段です。
エアロプレスのおすすめ商品「エアロプレス」
エアロプレスのおすすめ商品「エアロプレス」は、アウトドア感の強い見た目で割れる素材でないため持ち運びしやすいです。
すぐに美味しいコーヒーが仕上がるので、エアロプレス初心者にもおすすめ。
量や時間やお湯の量など、自分に最適な味のコーヒーをいろいろと試してみてください。
アメリカンプレスに関するよくある質問
ここではアメリカンプレスによくある質問として紹介していきます。
- アメリカンプレスでコーヒーを淹れてカップに注ぐ際、ボトル部分を直接触っても熱くないですか?
-
二重構造になっているため熱湯を入れても熱くならず保温性に優れます。
そのため熱くはなく温かさを感じます。
- アメリカンプレスでコーヒー以外の飲み物を淹れる際の注意点はありますか?
-
お茶を淹れるときの温度は80度がおすすめです。
ほか、茶葉ごとにおすすめする蒸らし時間などは以下の通りです。
スクロールできます茶葉の種類 茶葉の量 蒸らし時間 ハイビスカスなどのドライフルーツが入っているハーブティー 10g 5分 ハーブティー 5g 5分 紅茶やルイボスティー 4g 3分 日本茶 2g 3分 また、アメリカンプレスで紅茶を抽出するおすすめポイントは「手軽さ」「お手入れが簡単」「温度の減少が少ない」「味が濃くなりにくい」の4点です。
- アメリカンプレスでコーヒーを使用したアレンジレシピが知りたいです。
-
アイリッシュコーヒーがおすすめです。レシピを紹介します。
1.コーヒー豆をセットしたらカラフェにウイスキー30mlと85℃のお湯180mlを淹れてプレスし30秒蒸らします。
2.その後2分かけてゆっくりとプレス。グラスにお好みの量のきび砂糖をいれ、抽出したコーヒーを注ぎ混ぜます。
3.最後に滑らかに泡立てた生クリームをフロートさせて完成です。
アメリカンプレスでひと味違ったコーヒーを淹れよう!
いかがでしたでしょうか?
アメリカンプレスについて特徴から美味しい淹れ方、味の違いまで細かく紹介しました!
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- アメリカンプレスはコーヒー豆に圧をかけて抽出する淹れ方
- アメリカンプレスのおすすめコーヒーメーカーは「American Press」が販売している「アメリカンプレス コーヒーメーカー」で初心者でも扱いやすく手入れが簡単
- アメリカンプレスはコーヒーのオイル分が抽出され滑らかな口当たりになる
- アメリカンプレスは細挽きを使用すると詰まりやすいので中〜粗挽きが推奨されている
ぜひ今回紹介した内容をもとに、アメリカンプレスでひと味違ったコーヒーを淹れましょう!