ジャコウネコからできた香水があるって本当?
高級な香水を使ってみたい!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
糞から採取した最高級のコーヒーで有名なジャコウネコ。
日本には生息していない野生動物です。そのジャコウネコの香水があるのをご存知でしょうか?
今回は、ジャコウネコから作られる香水の効果やジャコウネコ(麝香)から作られる香水がおすすめな人・そうでない人などについて解説します!
- ジャコウネコは、夜行性の動物でネズミや虫、樹木の果実、コーヒーの果実などを食べる
- ジャコウネコからできる香水はアルコールで溶かすと、麝香(じゃこう)の甘い独特の香りが漂う
- この甘い独特の香りがムスクに近い匂い
- ジャコウネコの分泌物(シベット)は、世界中から支持される香水「シャネルの5番」に使用されている
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
そもそもジャコウネコとは?
ジャコウネコは、ネコ科ではなくジャコウネコ科に属しています。
頭胴長約60cm、全長は1メートル、体重10キログラムの哺乳類です。
アフリカ大陸やユーラシア大陸、東南アジアなどに生息しており、たくさんの種類が存在します。
ジャコウネコは、夜行性の動物でネズミや虫、樹木の果実、コーヒーの果実などを食べます。
そのコーヒーの果実は、美味しいコーヒー豆を見極めて食べるという不思議な一面もあるのです。
ジャコウネコから作られる香水がある
ジャコウネコは、生殖器付近に香囊(会陰腺)があり、黄白色のペースト状の分泌液(シベット)が出るのが特徴です。
この液体は時間とともに褐色の軟膏状に変化します。
この分泌液は、香水の原料として知られています。
アルコールなどで溶かすと、麝香(じゃこう)の甘い独特の香りが漂います。
これがいわゆるムスクの香りです。
ただし、濃度が高いと悪臭に変わるため、薄めたものが良い香りになるということです。
ジャコウネコ以外に香料を採れる動物
ジャコウネコ以外に香料を採れる動物は、マッコウクジラやジャコウジカ、ビーバーなどです。
麝香(じゃこう)は、動物性香料の代表で、英語ではmuskと表記します。
中国では、唐時代から活用されていたと言われています。
あのクレオパトラも身体に塗りつけて香水のように使用していたようです。
しかし現在は、麝香の商業取引は国際条約で禁じられているので、注意が必要です。
コピ・ルアク
一方、コーヒーノキの果実を食べるジャコウネコの糞からは、未消化の生豆を採取し、洗浄し、乾燥させて、通常の豆と同様に焙煎します。
ジャコウネコの糞は、腸内にいる細菌や酵素により発酵し、独特の香りを増し、完熟したコーヒーとなります。
排泄物は、2時間以内に回収しなければなりません。なぜなら、コーヒーの豆が劣化してしまうためです。
このコーヒーは「コピ・ルアク」と呼ばれています。
「コピ」とはインドネシア語でコーヒーのことを指します。「ルアク」は、ジャコウネコを指します。
1匹のジャコウネコからは、1日に3g程度しか採取することができません。
一方、普通のネコにコーヒーノキの果実を食べさせても美味しいコーヒーになるわけではありません。
より詳しいことは以下の記事を参考にしてください。
値段が非常に高い
コピ・ルアクは、世界一値段が高いことで知られています。
インドネシアのイタチコーヒーやアフリカのモンキーコーヒーと合わせ「世界三大高級コーヒー」と言われています。
バニラのような甘い香りで、飲みやすくスッキリとした味わいです。
カフェイン含有量は、通常のコーヒー豆と比べ半分程度とされています。
「コピ・ルアク」を販売しているお店の中には、ジャコウネコを飼育している場合もあります。
高値で取引されており、100gあたり1万円程度の高級豆となっています。
しかし、偽物や混ぜ物などが多く出回っていることもあり、被害が多発しているのが現状です。
ムスク
前述の通り、麝香の商業取引は国際条約で禁じられているため、代わりに登場しているのが合成ムスクです。
ムスクは、エキゾチックで異性を惹き付ける香りとも言われています。
種類は以下のようなものがあります。
- ホワイトムスク
- カシミアムスク
- パウダリームスク
- レッドムスク
- クリスタルムスク
- ウッディムスク
- ブラックベリームスク
- マンダリンムスク
ブランドや商品によって、配合されているる香りは異なり、さまざまな香りを楽しみことができます。
また香水だけでなく、洗剤や石鹸、入浴剤等にも使用されています。
ジャコウネコは有名香水ブランド「シャネル5番」のもと
ジャコウネコの分泌物(シベット)は、世界中から支持される香水「シャネルの5番」に使用されています。
シャネルの5番は、1921年から100年以上経つ歴史のある商品です。
初代シャネル専属調香師 エルネスト ボー氏が試作の中から選んだ5つ目のボトルを「N°5」と名付けました。
80種類のフラワーエッセンスから抽出した女性らしい香りが特徴です。
マリリン・モンロー氏など、著名人も愛用しています。(参考:CHANEL「シャネル N°5」)
ジャコウネコから作られる香水の効果
高級香料としても知られるシベットは、生薬としては雄のものが用いられ、興奮作用や強心作用などの薬理作用があるとされています。
薬効としては、強心、中枢興奮、血流増加、消炎、鎮痛、糖・脂質代謝促進、自律神経調整作用、呼吸促進作用、体力回復などの効果が期待できると言われています。(参考:原色和漢薬図鑑)
個人的な差があるから、一概に全部ってわけではないから注意しよう。
ジャコウネコ(麝香)から作られる香水がおすすめな人
ジャコウネコ(麝香)から作られる香水がおすすめな人は、以下のような方でしょう。
- 自律神経が乱れている方
- 過度なストレスがある人
自律神経が乱れている方
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
交感神経は脳や身体が活発にはたらいている状態です。副交感神経はリラックスしている状態です。
このバランスが崩れると、不眠や頭痛、下痢、動悸、めまいなど、さまざまな症状が起こる場合もあります。
また、不安や緊張、過度なストレスなどで自律神経の乱れが生じる可能性もあります。
このような自律神経の乱れがある方などは、香りを嗅ぐことで、脳に刺激を与えます。
その香りでリラックス効果が期待され、自律神経を整えられる場合もあるのです。
麝香の成分を含む漢方薬もある
また、麝香の成分を含む漢方薬もあります。
感應丸(かんのうがん)というもので、胃腸症状や不安・緊張、動悸・息切れ、消化不良などのストレスなど、自律神経の調整に効果が期待できます。
過度なストレスがある人
日々の仕事や職場の人間関係、コロナ禍の生活など、過度なストレスがかかっていることがあります。
ムスクの香りは、このようなストレスを解消する効果が期待できます。
おすすめできない人
反対におすすめできない人は以下のような方です。
- 香りに酔ってしまう方
- 体質が合わない方
香りに酔ってしまう人
ジャコウネコから作られる香水は独特の甘い香りが特徴ですが、香水の香りが苦手で、すぐに酔ってしまう人には不向きと考えられます。
電車で香水をつけた人が隣に座るだけで気分が悪くなる人もいます。
また、会食の際に香水をつけている人がいると、食事中も香りが気になり美味しく感じないといったケースもあります。
体質が合わない
香水が苦手で刺激が強いと頭が痛くなり、体質に合わない人もいます。
また、動悸、倦怠感等の症状を訴える人も増加傾向にあり、香水を不快に感じている人もいるでしょう。
香り付きの柔軟剤や香水、整髪料に含まれている香料等の化学物質が原因で、咳や頭痛、動悸、倦怠感等の症状を訴える方が増えています。においの感じ方には個人差があり、自分にとっては快適なにおいでも、周りの方は不快に感じていることがあります。アレルギー体質の方や化学物質過敏症の方にとっては、症状を悪化させる一因となることもありますので、香り付きの柔軟剤や香水、整髪料を使用する際は、過量を超えた使用を控えるなど周りの方への御配慮をお願いします。
埼玉県新座市「香料入りの柔軟剤や香水等を使う時は、周りの方に配慮しましょう」
興味がある人はジャコウネコの香水を使ってみる価値アリ
いかがでしたでしょうか?
本記事では、ジャコウネコから作られる香水の効果やジャコウネコから作られる香水がおすすめな人・そうでない人などについて解説しました。
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- そもそもジャコウネコは、夜行性の動物でネズミや虫、樹木の果実、コーヒーの果実などを食べる
- ジャコウネコからできる香水はアルコールなどで溶かすと、麝香(じゃこう)の甘い独特の香りが漂う
- ジャコウネコの分泌物(シベット)は、世界中から支持される香水「シャネルの5番」に使用され、女性らしい香りが特徴
ジャコウネコは、糞から未消化の生豆を採取し、洗浄・乾燥させて、コーヒー豆が作られることが有名ですが、ジャコウネコの分泌液(シベット)は、香水の原料としてシャネルの5番にも使用されています。
またジャコウネコの分泌液は、ストレスの軽減、自律神経を整える効果が期待できます。
気になる方は、ジャコウネコから作られた香水を使用してみてはいかがでしょうか?