コーヒーは酸性なの?アルカリ性なの?
コーヒーが歯に悪いって本当?
こういった疑問にお答えしていきます。
突然ですが、コーヒーは酸性でしょうか?それともアルカリ性でしょうか?
普段コーヒーをよく飲まれる方でも、どちらかわからないという方も多いと思います。
なんとなく、酸性だと体に悪いイメージがありますよね?そこで、今回はコーヒーのphについて解説します。
- コーヒーは弱酸性!歯に与えるダメージはそれほど大きくない
- コーヒーに硬水を使うとよりまろやかな味わいに、軟水を使うとより酸味が際立った味わいになる
- 酸性の強いコーヒーやジュースの飲みすぎには注意しよう!
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
酸性・アルカリ性とは?コーヒーに触れる前におさらいしよう!
酸性・アルカリ性とは何かおさらいしましょう。
中学校で習ったことなので、いまいちよく覚えていないという方も多いと思います。
ここでは、酸性とアルカリ性についてと、その値を表すphについて解説します。
酸性
酸性とは、酸としての性質を持つことです。
レモンやお酢など、酸っぱいと感じるものがこれに当たります。
アルカリ性のものと組合すことで、中和することができます。
アルカリ性
アルカリ性とは、アルカリとしての性質を持つことです。
いまいちピンとこない方も多いと思いますが、重曹として使われる炭酸水素ナトリウムはこのアルカリ性です。
酸性のものと組み合わせることで中和できます。
水溶液の性質を表すphとは?
phとは、水溶液の性質を表す数値で、全部で0~14まであります。
水素イオン濃度を測る指標であり、低ければ低いほど酸が強く、高ければ高いほどアルカリが強いです。
例を挙げると、レモンはだいたいph2、炭酸水素ナトリウムはだいたいph8です。
中学校のころ、リトマス紙で実験しましたね
コーヒーは酸性?それともアルカリ性?
コーヒーは酸性なのでしょうか?それともアルカリ性なのでしょうか?
ここでは、コーヒーの性質とコーヒーを淹れるのに最適な水のphを紹介します。
コーヒーのph
コーヒーのphは5程度の弱酸性ですが、コーヒーの種類や焙煎度によって、より酸性に近くなる場合があります。
例えば、ケニアやマンデリンなどの酸味の強いコーヒーはph4程度まで下がります。
また、焙煎度によってもphは変動し、焙煎を深くすればするほどphの値は増えます。
コーヒーに使用する水の最適なph
コーヒーに使用する水の最適なphは、それぞれ好みによって変わってきます。
たとえば、phの高い硬水を使えば、コーヒー特有の酸性と中和され、よりまろやかな味わいになります。
また、より酸性に近い軟水を使えば、より酸味の効いたコーヒーに。
水道水よりミネラルウォーターのほうがコーヒーに適していると思われがちですが、好みや豆との相性によって適している水は変わってくるので、一概にどちらがいいとは言い切れません。
プロのバリスタは、コーヒーを淹れる水にもこだわります
コーヒーの酸性と歯の関係
歯のエナメル質は三によって溶かされるので、弱酸性であるコーヒーも歯に悪いといえます。
しかし、弱酸性なので歯に与えるダメージはそれほど高いものではありません。
コーヒーは歯に悪いという噂や迷信をよく耳にすると思いますが、半分以上はコーヒーが持つ苦くて黒いイメージから来た偏見と言えるでしょう。
しかし、コーヒーに含まれる褐色色素は、歯に定着して黄ばんでしまうという恐れがあります。
コーヒーを飲んだ後は口の中をゆすぐか歯磨きをするなどの対策が必要です。
コーヒーは皆さんが思っているほど体に悪い飲み物ではありません
コーヒーを結構な頻度で飲んでいて、歯の黄ばみが気になる方は、以下の記事をチェック!
コーヒーと同じ酸性の飲み物4選
コーヒーは弱酸性ですが、他酸性の飲料はどうでしょうか。
ここでは、コーヒーと同じく酸性の性質を持つ飲み物を4つ紹介します。
まとめると以下の通りです。
- ビール
- オレンジジュース
- スポーツドリンク
- コーラ
順番に解説します。
1. ビール
居酒屋などでついぐびぐびと飲んでしまうビールも酸性の飲料です。
ビールのphは3~5で、コーヒーと同じくらいの酸性です。
主にビールに含まれる炭酸が関係しており、ビールに限らず炭酸飲料はすべて酸性が強い飲み物です。
2. オレンジジュース
酸っぱくて美味しいオレンジジュースも酸性の飲料です。
phは4前後で、コーヒーよりもやや酸性が強い飲み物。
オレンジに限らず、柑橘系の飲料はすべて酸性が強く、飲みすぎると胃に大きなダメージを与えてしまったり、歯に悪影響を与えてしまったりします。
オレンジはまだ酸性が弱い方ですが、レモンジュースはph2ほどなので、摂りすぎには注意が必用。
3. スポーツドリンク
夏場に欲しくなるスポーツドリンクも酸性の飲み物です。
phは3.6~4.5の酸性で、だいたいオレンジジュースと同じくらいの酸性です。
スポーツドリンクに含まれているアミノ酸や果汁等がphを上げる要因になっています。
酸性が強いので歯が溶けやすい他、大量の砂糖も含まれているので、非常に虫歯になりやすい飲み物です。
夏はついつい飲みすぎてしまうこともあるので注意が必用。
4. コーラ
美味しいけど歯に悪いというイメージがあるコーラも酸性の飲料です。
phは2.2で、コーヒーと比べると非常に酸性が強い飲み物だといえます。
コーラに含まれている炭酸と果汁がこの低phの原因。
酸性なので歯が溶けやすいのと、大量に砂糖が入っていることもあり、イメージ通りかなり歯に悪い飲料です。
また、酸性と炭酸の効果で胃を過剰に刺激してしまい、胃酸過多になってしまう恐れもあります。
1日に飲む量をしっかり決めて飲みましょう。
コーラがレモン汁と同じくらいの酸性だということに驚きました!
酸性のコーヒーやジュースなどを飲む際に気をつけること
酸性のコーヒーやジュースを飲むときに気を付けなければならないポイントは2点あります。
- 飲む量を決めること
- 胃の調子が悪いときは飲まないこと
1つ目ですが、酸性の強い浅煎りコーヒーやジュースを飲む場合、大量に飲んでしまうと胃の調子を悪くしてしまう恐れがあります。
特にコーヒーは、カフェインを多く含んでいるので、飲みすぎには注意が必用です。
2つ目ですが、胃の調子が悪いときに酸性の強いものを飲んでしまうと、胃酸過多になってしまう恐れがあります。
コーラやスポーツドリンクは、思った以上に酸性が強いので注意が必用。
ジュースを飲むとき、夏場は特に注意が必用ですね
胃の調子が気になる方は、以下の記事をチェック!
コーヒーは弱酸性でそこまで気にする必要はない
いかがでしたでしょうか?
今回の記事からコーヒーは弱酸性だということが分かりましたね。
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- コーヒーは弱酸性で、大量に飲まなければ歯に悪影響は無い
- コーヒーは酸性なので、アルカリ性の硬水で淹れると中和し、よりマイルドな味わいになる
- コーヒーや酸性の強いジュースはほどほどに
コーヒーは噂ほど歯に悪いわけではありませんが、飲んだまま放置しておくと歯のエナメル質が溶けてしまう恐れがあります。
コーヒーやジュースを飲んだ後は、必ず歯のメンテナンスをするようにしましょう!