
コーヒー豆を販売する際は許可が必要なの?



コーヒー豆のネット販売で売り上げは伸ばせるの?利益は出るのかな?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
よくコーヒー豆の焙煎や販売は儲かるというイメージがありますが、実際はどうなのか、販売者が完全解説していきます。
コーヒー豆の販売に許可は必要なのか、ネット販売との違いについても最新情報をまとめて紹介します。開業をお考えの方は必見です!
- 焙煎・加工と包装済み商品の販売では、必要な手続きが異なる
- 届出対象の営業では、食品衛生責任者の選任と営業届出を準備する
- コーヒーを販売する場合、それで得た所得によっては確定申告も必要
- ネット販売でも、製造工程や商品の包装状態で手続きが変わる
- ネット・店頭の別だけで判断せず、食品表示法に基づく表示事項を確認する
- 食品表示は6項目だけで完成すると考えず、原産地・事業者住所・製造所等の情報も確認する


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コーヒー豆の販売に必要な手続きは営業内容で変わる


コーヒー豆を焙煎・加工して販売する場合と、包装済みの商品を仕入れて販売する場合では、手続きが異なります。横浜市の届出案内は、コーヒー製造・加工業(飲料製造を除く)を届出対象とし、常温で長期間保存できる包装食品の販売を届出不要の区分に挙げています。
営業内容・製造工程・包装状態を整理して、管轄の保健所に必要な手続きを確認してください。
今回はコーヒー豆を販売するには、実際にはどのような設備や届出が必要なのか、保健所の職員の方に直接伺ってきました。
※2026年10月時点
営業許可と営業届出は別




営業許可と営業届出は、別のものです。
営業許可の対象となる営業では、施設基準に適合した施設・設備を整え、保健所の検査を受けます。世田谷区の案内でも、工事着工前に設計図を持参して相談するよう求めています。
淹れたコーヒーの提供と、豆の焙煎・加工や包装済み商品の販売では、必要な手続きが異なります。
設備費の見積もりは、予定する営業内容に必要な許可・届出と施設条件を把握してからにしましょう。
営業届出とは?
営業届出とは、管轄の保健所に対して「このようなものを販売するために、お店を営業します。」ということをお知らせするものです。
営業届出には営業許可の施設基準は適用されませんが、HACCPに沿った衛生管理や食品衛生責任者の選任は必要です。
届出対象だからといって、どこでも営業できるとは限りません。自宅を使う場合も、作業内容や使用する場所を保健所に説明して相談しましょう。
食品衛生法第28条は、必要に応じた営業場所などの検査を定めています。営業届出は、施設の確認や監視指導を免除する制度ではありません。
食品衛生責任者の資格が必要


コーヒー豆の焙煎・加工など、営業届出の対象となる営業では、食品衛生責任者を選任します。
食品衛生責任者は、特定の食品・添加物の製造・加工施設に置く「食品衛生管理者」とは別の制度です。
食品衛生責任者になるには、養成講習を修了する方法と、調理師などの資格要件を満たす方法があります。
受講が免除される場合もある
知識や経験だけで講習が免除されるわけではありません。講習が免除されるのは、保有する資格が免除要件に該当する場合です。
例えば、栄養士、調理師、医師、薬剤師など、以下のような受講免除対象の資格をお持ちの方は、受講が免除されます。
- 栄養士
- 調理師
- 製菓衛生師
- と畜場法に規定する衛生管理責任者
- と畜場法に規定する作業衛生責任者
- 食鳥処理衛生管理者
- 船舶料理士
講習会の免除対象に該当するかどうか分からない場合は、各地の食品衛生協会に問い合わせましょう。
免除要件に該当せず、食品衛生責任者に就く方は、養成講習を受講します。
受講の注意点
食品衛生責任者養成講習の開催日と空き状況を確認し、開業準備に間に合うよう申し込みましょう。
開業までに講習を修了できない場合は、事前に管轄の保健所へ相談してください。たとえば横浜市港北区の案内では、有資格者がいない場合、営業の許可または届出後3か月以内に選任の届出が必要です。全国一律に「1年以内でよい」とは判断できません。
受講料は講習実施団体の案内に掲載されています。
オンライン受講も可能
東京都食品衛生協会のeラーニング講習は、受講期間内なら24時間利用できます。受講料は税込12,000円です(2026/9確認)。
同講習には、勤務地・居住地などの受講要件があります。
標準学習時間は約6時間で、動画の視聴に加えて確認試験への合格が必要です。修了証は、修了日から10営業日以内に交付・発送されます。
注意点
東京都食品衛生協会のeラーニング講習には、次の条件があります。
- 受講の有効期限は新規ログインID・パスワードの登録日から30日間
- 申し込み時の本人確認には、スマートフォンまたはタブレットが必要
- 受講には、カメラ機能等を備えたパソコン、スマートフォン、タブレットなどが必要
受講条件は実施団体によって異なります。上記は全国共通の条件ではなく、詳細は申し込み先の要項で定められています。
コーヒー豆の販売を本格的に始めると決めたら取得しておきたい資格


いずれにしても、食品衛生責任者の資格は必要なので、コーヒー豆の販売を本格的に始めると決めたらできるだけ早く取得しておきましょう。
また、コーヒー豆の販売のほかに、淹れたコーヒーも販売したい場合は、営業許可が必要です。
旧制度の「喫茶店営業」は、2021年6月の営業許可制度の見直しで「飲食店営業」に統合されました。テイクアウトのコーヒーを店で抽出・提供する場合も、許可の対象です。
飲用のコーヒーも提供するなら、飲食店営業に必要な施設・設備を確認して資金計画を立てましょう。
コーヒー豆を副業で販売するのに必要なもの(自家焙煎も含む)


副業でも、焙煎・加工など営業届出の対象となる営業では、次の準備を進めます。
- 食品衛生責任者資格
- 管轄の保健所へ提出する営業届出
なお、基準は営業する場所の自治体によって異なります。



副業ならまずは自家焙煎でコーヒー豆を製造販売するのが良さそうだね。
所得によっては確定申告も必要
個人で事業を始める場合は、食品衛生上の届出とは別に、個人事業の開業届出を確認します。国税庁は、事業所得・不動産所得・山林所得を生ずべき事業の開始等をした方を対象に挙げています。
届出の要否を決めるのは、副業という呼び方ではなく事業の内容です。
提出先は、納税地を所轄する税務署です。e-Taxのほか、書面の持参・郵送でも提出できます。
書面でマイナンバーを記載して提出する場合は、本人確認書類の提示または写しの添付が必要です。
開業届と所得税の確定申告は別の手続きです。確定申告の要否は、所得の種類や金額など、自分の状況によって変わります。
青色申告を希望する場合は、青色申告承認申請書の提出も必要です。開業届を出すだけで青色申告になるわけではなく、提出期限も異なります。
東京都世田谷区の場合




世田谷区の営業届出案内では、許可対象でない場合も一部業種を除いて届出が必要と説明しています。「コーヒー豆を売る」という情報だけで判断せず、製造・加工の内容や販売形態を保健所に伝えてください。
※2026年10月時点
世田谷区での開業を検討する場合は、販売品目と営業形態を整理したうえで事前相談を利用しましょう。
コーヒー豆の販売に届出・申請が必要なケース


コーヒー豆を販売するには、さまざまな営業形態が考えられます。
豆の販売のみ、テイクアウトのコーヒースタンド、店内で飲食できるカフェなど、営業形態を具体的に決めましょう。
また、場所についても、自宅などで焙煎から販売まで行ったり、店舗を構えて営業したりとさまざまな形態が考えられます。
店舗を構えず、ネット販売を中心に営業する方法もあります。
そうした「コーヒー豆のネット販売」の形態で営業する場合は、どんな申請・手続きが必要なのでしょうか?
ネット販売でも営業内容に応じた確認が必要


ネット販売でも、販売方法だけで届出の要否は決まりません。自分で焙煎・加工するのか、包装済みの商品を仕入れるのかを区別して確認します。
営業届出が必要だということは、食品衛生責任者の資格も必要ということです。
営業届出の対象なら、食品衛生責任者の選任と届出の準備を進めます。税務上の手続きは、食品衛生上の許可・届出とは別に必要です。



ネットも実店舗も同じ扱いなんだね!
「営業届出」はオンラインでの提出が可能


コーヒー豆の販売のための営業届出を申請するには、直接保健所に出向くほか、オンラインでの手続きも可能です。
厚生労働省の食品衛生申請等システム(事業者向け)から申請を行います。
ログイン方法や操作に迷ったら、厚生労働省の利用案内・マニュアルに掲載されています。
事前に準備しておくこと
まず次のものを準備しておきましょう。
- 事業者の名称・屋号(個人で屋号がない場合は代表者氏名)
- 自宅・営業所の住所
- メールアドレス
- 食品衛生責任者の資格を証明する書類(未取得の場合の手続き・期限は、事前に保健所へ確認)
オンライン申請の方法
以下は営業届出の操作の流れです。掲載画像は旧URL時点の参考画面のため、現在の表示やボタン位置と異なる場合があります。
画像内・画像出典の旧URLではなく、本文の現行リンクからアクセスしてください。
厚生労働省は、GビジネスIDを使う場合と使わない場合の案内を用意しています。以下はGビジネスIDを使わずにアカウントを作成する流れです。
「アカウントの作成はこちら」から登録を始めます。下の旧画面は参考例です。


担当者基本情報の記入
ガイドに従って「担当者基本情報」を記入していきます。


担当者情報を入力したら「次へ」進みます。
食品等事業者基本情報登録の記入
続いて「食品等事業者基本情報登録」を記入していきます。
一番上の項目の「事業形態」の「個人」と「法人」は、後から変更することができないため、正確に選択しておきましょう。


事業者情報を入力したら「確認」を選びます。


入力内容を確認し、誤りがなければ登録します。


これで仮登録が完了しました。
本登録の手続き
次に、登録したメールアドレスに本登録の案内メールが届くので、メールに記載のURLをクリックして本登録手続きを完了させましょう。
届いたメールの案内に従い、アカウントを有効化します。


これでアカウントの作成は完了です。
ここからは、「営業の届出」を行っていきます。
ログイン中のアカウントを確認し、「営業の届出」を選びます。


新しく届け出る場合は「新規届出」を選びます。


届出営業施設一覧の記入
「届出営業施設一覧」に必要事項を記入していきます。


スクロールしつつ必要な情報を全て記入したら、次に「商品分類」を登録していきます。
日本標準商品分類の選択
「主として取り扱う食品又は添加物」は、実際に扱う商品に合う分類を選びます。下の画像は焙煎したコーヒーの選択例で、すべての販売形態に共通する指定ではありません。判断に迷う場合は保健所に相談できます。




「営業の種類」は、保健所に確認した営業内容に合う区分を選びます。下の画像は「コーヒー製造・加工業(飲料の製造を除く)」の例です。食品衛生責任者や衛生管理の情報も入力が必要です。


届出内容を確認し、誤りがなければ「登録」を選びます。


確認ダイアログの内容を読み、登録を完了させます。


また、最後に、画面に表示される届出完了の「整理番号」は、念のため必ず控えておきましょう。
あとは、保健所からの確認・連絡を待って指示に従ってください。
オンライン申請時の注意点
前の画面へ戻るときは、ブラウザの戻るボタンではなく、システム画面の「戻る」を使ってください。
届出内容に不備があれば差戻しになる場合があります。登録前に内容を確認しましょう。
システムの操作はヘルプデスクへ、記載内容や営業区分は管轄の保健所へ相談してください。
コーヒー豆を販売する際の注意点


コーヒー豆のパッケージ表示は、食品表示法に基づく食品表示基準を確認します。表示の要否は、ネット販売か対面販売かだけでは決まりません。
包装済みの加工食品を店頭で販売する場合も、原則として食品表示が必要です。
必要な表示と省略できる項目は、製造・販売場所、包装状態、商品の内容によって変わります。
卸売でも表示が不要になるわけではありません。業務用加工食品は、一般消費者向けとは表示事項・表示方法の扱いが異なり、詳細は消費者庁の食品表示ガイドにまとめられています。
コーヒー豆のパッケージ表示を確認しよう
コーヒー豆のパッケージで確認する項目の例です。以下は法令上の必須事項を網羅した一覧ではありません。
※参考:消費者庁
対面で質問に答えられることだけを理由に、必要な表示を省略しないでください。
- 名称(品名)
- 原材料
- 内容量
- 賞味期限
- 保存方法
- 表示責任者の氏名または名称・住所と、製造所等の情報
これだけで表示が完成するとは限りません。原料原産地、製造所の情報、栄養成分表示の要否も確認します。全日本コーヒー公正取引協議会の表示解説では、粉製品の挽き方や輸入製品の原産国名も案内しています。
名称(品名)
食品の内容を表す、標準的な名称を記載します。
ここでいう名称は、屋号やブランド名ではなく食品の種類を示すものです。
レギュラーコーヒーは、豆なら「レギュラーコーヒー(豆)」、粉なら「レギュラーコーヒー(粉)」と区別します。インスタント製品は「インスタントコーヒー」です。
表示欄には「名称」または「品名」を用います。
原材料
コーヒー豆だけを原料にした製品は、原材料名を「コーヒー豆」と記載します。
生豆生産国名も表示項目の一つです。生豆の生産国と、輸入した加工製品の原産国は区別します。
生産国が単一であれば以下のように記載します。
例:コーヒー豆(生産国:エチオピア)、コーヒー豆(エチオピア)
ブレンドの表示例は次のとおりです。
例:コーヒー豆(ブラジル・コロンビア・グアテマラ)、コーヒー豆(ブラジル・コロンビア他)
また、ブレンドコーヒーの場合には、配合の比率が多い国順に表記する必要があります。
全日本コーヒー公正取引協議会の2026年2月の案内では、生豆生産国が3か国以上の場合、上位2か国を記載し、残りを「その他」または「他」と表示する方法を認めています。
内容量
容器・包装を除いたコーヒーの重量を表示します。
100g、200g…というように、gまたはkg単位で記載するのが一般的です。
賞味期限
賞味期限は、密閉していれば自由に設定できるものではありません。消費者庁の期限表示に関する案内に沿って、科学的・合理的な根拠に基づいて設定してください。
表示の仕方は、「2024.08.03」や「2026/9/3」のように記載します。
製造ロットごとに設定した賞味期限を、販売前に漏れなく表示してください。
一括表示の枠外に賞味期限を記載する場合は、枠内にその記載場所を示します。


保存方法
賞味期限の設定で前提とした保存条件に合わせて表示します。次は記載例です。
事業者・製造所の情報
表示責任者の氏名または名称に加え、住所も記載します。表示では、製造者・加工者・輸入者・販売者のどの立場に当たるかの区別も必要です。
販売者と製造者が異なる場合は、製造所の所在地と製造者の氏名または名称も確認します。具体的な表示方法は、上記の消費者庁の食品表示ガイドを参照してください。
パッケージ表示の参考例
例えば、「ラボカフェ」のコーヒー豆のパッケージには、以下のように表示されています。


画像はパッケージ表示の参考例です。自分の商品に必要な表示をすべて網羅したものではありません。
ラベルの作成は、エクセルで表を作ったものを印刷してパッケージに貼り付けてもよいですし、「ラベル屋さん」などのアプリを使って作成するのもよいでしょう。
商品の内容と販売条件に応じて、必要な表示事項を漏れなく記載しましょう。
コーヒー豆の販売は営業内容に合う手続きを確認しよう


本記事で重要なポイントをまとめると以下のとおりです。
- 焙煎・加工と包装済み商品の販売では、必要な手続きが異なる
- 届出対象の営業では、食品衛生責任者の選任と営業届出を準備する
- コーヒーを販売する場合、それで得た所得によっては確定申告も必要
- 営業届出はオンラインでも提出できる
- ネット販売でも、製造工程や商品の包装状態で手続きが変わる
- ネット・店頭の別だけで判断せず、食品表示法に基づく表示事項を確認する
- 食品表示は6項目だけで完成すると考えず、原産地・事業者住所・製造所等の情報も確認する
必要な許可・届出は営業内容によって異なります。設備の購入や改装を決める前に、管轄の保健所へ相談しましょう。


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