国産コーヒーの有名なところはどこ?
国産コーヒーのおすすめが知りたい!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
コーヒーは海外で栽培され、輸入されることがほとんどですが、実は日本でもコーヒー豆は栽培されています。
そこで本記事では国産コーヒーの魅力と生産量、栽培事情について徹底解説!
- 国産コーヒーは新鮮な豆を新鮮な状態で淹れることができるのがメリット
- コーヒー栽培は日本で行われているが数は少ない
- 日本はコーヒー栽培にあまり適していない
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
国産コーヒーの魅力
日本では、ほとんどのコーヒーは輸入に頼っているのが現状です。
日本国内での栽培環境が好ましくなく、生産が困難なため国産コーヒーは希少価値の高いものとなっています。
しかしながら、国産ならではの魅力があります。
それは生豆の鮮度です。
輸出で仕入れたコーヒー豆は、生豆の状態で輸送にかかる数か月もの期間を、不安定な環境のなかで過ごします。
それに比べ国産コーヒーは、新鮮な豆を新鮮な状態で淹れることができるので、とても魅力的といえます。
また、大半を輸入に頼っているため、コーヒー豆がどのように作られているのか見学できる機会はほとんどありません。
国産コーヒーの場合、実際に栽培している生産者や農園を気軽に訪れ、体験することができるのも魅力的といえます。
国産(日本)のコーヒー栽培
ここでは国産コーヒーの歴史、国産コーヒーが希少な理由、日本のコーヒー消費事情を見ていきましょう。
国産コーヒーの歴史
1876年(明治9年)、郵便マーク(〒)を決定したり、北海道開拓者として知られている榎本武揚がインドネシアにあるジャワ島からコーヒーの苗を手に入れ、東京都小笠原村(現在の父島)で栽培を行いました。
のちに大正天皇や昭和天皇にコーヒーを献上するなど、コーヒーの生産は成功したように思えたのですが、次第に半分以上が枯れてしまい思うように栽培がうまくいかなくなっていきました。
また経済的にもサトウキビには敵わずコーヒー栽培は減少していきました。
そのあともコーヒー栽培の研究は行われていたのですが、第二次世界大戦がはじまり全島民が強制疎開を強いられ、日本でのコーヒーの栽培は一度幕を閉じました。
戦争が終結し、島が日本に返還されましたが、土地はジャングル化としていまっていました。
しかし、このような荒れ果てた土地でもコーヒーの木は残っており、そこから小笠原コーヒーが復活しました。
なぜ希少なのか
結論、国内ではコーヒーの生産があまり行われていないからです。
みなさんはコーヒーの生産国としてどこを思い浮かべますか?
ブラジル・ベトナム・コロンビアの3か国が世界のコーヒー生産量トップ3で、日本はこれらの国からの輸入が7割を占めています。
現在、日本では47か国のからコーヒー豆を輸入していますが、実は日本でも生産されているんです。
生産量のランキングについては「コーヒー豆の生産量が多い国トップ10選!種類や味の違いを徹底解説」の記事を参考にしてください。
日本は単純にコーヒーの生産に適していない
コーヒー生産量が多い国は、栽培環境が適しているコーヒーベルトと呼ばれる地域にあります。
コーヒーベルトとは赤道を中心とした緯度南北25度の地域で、雨量が多い・平均気温が高い・排水の良い土壌などの特徴があります。
日本では石垣島(沖縄県)・宮古島(沖縄県)・小笠原諸島(東京都)がコーヒーベルトに含まれています。
これらの地域でのコーヒー生産は可能なのですが、標高が低く、昼夜の寒暖差がほとんどなく、台風の通り道に位置しているという点からも生産環境が優れているとは言えません。
そのため小笠原、沖縄あわせてコーヒー生産量は年間約1トンと大変少ないです。
世界一のコーヒー生産量のあるブラジルは年間約300万トン、2位のベトナムは約170万トン、アメリカ(ハワイ)は51位ですが約2400トン、隣の国台湾でさえ約1000トンの生産量があります。
この通り、日本で生産されたコーヒー豆はとても希少と言っても過言ではありません。
日本のコーヒー消費事情
世界で一番コーヒーを飲んでる国はどこだと思いますか?
世界の1人あたりの年間コーヒー消費量は1位ルクセンブルク、2位はフィンランド、3位はデンマーク。
これを1人あたりの1日に飲む杯数に換算すると、ルクセンブルクではなんと1人当たり1日約8杯も飲まれていることになります。
では、日本での消費量はどれくらいなのでしょうか?
農林水産省によると、日本の年間コーヒー消費量は約45万トンだそうです。
世界の1人当たりのコーヒー消費量は日本3.64kg/1人/年、アメリカ4.84kg、EU4.96kg、ブラジル6.25kg、スイス6.33kg、ノルウェー8.83kgとなっています
コーヒーの消費量をおしえてください。:農林水産省
1人当たり1日約1杯弱飲まれているという計算になります。
ここからは、農林水産省、全日本コーヒー協会と総務省統計局の資料を参考にもっと掘り下げて見ていきましょう。
タイプ別の1週間当たりの杯数
年次 | インスタント | レギュラー | リキッド | 缶 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
2016 | 3.95 | 3.89 | 1.51 | 1.75 | 11.09 |
2018 | 3.92 | 3.69 | 1.54 | 1.47 | 10.62 |
2020 | 4 | 4.41 | 1.97 | 1.15 | 11.53 |
年齢別による1人1週間当たりの杯数(2020年)
年齢層 | 平均 |
---|---|
18歳以下 | 1.5 |
18~24歳 | 5.9 |
25~39歳 | 9.7 |
40~59歳 | 13.8 |
60歳以上 | 10.9 |
日本といばお茶という印象があると思いますが、2000年を過ぎたころから実は、コーヒー飲料の消費がお茶の消費量を上回ってきました。
都市別のコーヒー消費量
つぎに、都市別のコーヒー消費量を見てみましょう。
ランキング | 都市 | 量 |
---|---|---|
1 | 京都市 | 3,562g |
2 | 札幌市 | 3,299g |
3 | 鳥取市 | 3,236g |
16 | 東京区部 | 2,816g |
52 | 静岡市 | 1,808g |
筆者はまず、東京が1位でないこと、そしてお茶で有名な京都府京都市と静岡県静岡市がそれぞれ最上位と再下位という結果に驚きました。
国内(日本)で栽培されているコーヒー
日本国内では数少ないですが、コーヒー栽培が行われています。
ここでは沖縄、小笠原、その他の地域について解説していきます。
沖縄コーヒー
沖縄コーヒーのはじまりは約45年前、和宇慶(わうけ)さんがブラジルにある日本人移民が経営する下坂農場からムンドノーボ種を入手し栽培をはじめたことがきっかけです。
2014年、沖縄での高品質なコーヒー豆の安定生産とコーヒー文化の発展を目指して沖縄珈琲生産組合が立ち上げられました。
沖縄は世界のコーヒー生産地に比べると標高が低く、昼夜の寒暖の差があまりなく、栽培環境に向いていないことから品質の維持や安定した生産が課題となっていました。
その課題を克服するべく、台風・強光・寒波の3点において対策を強化し取り組んでいます。
ほのかな甘みと穏やかな味わい
沖縄コーヒーは、ほのかな甘みと穏やかな味わいをもっており、ココナッツに似たような香りが特徴のコーヒーです。
沖縄県内では主に名護市・東村で栽培されています。
小笠原コーヒー
国産コーヒーの歴史で紹介した通り、小笠原は日本でのコーヒー発祥の地です。
小笠原諸島は東京から約1000㎞、船で約24時間の距離に位置します。
コーヒーの栽培には種子から植えて最初の収穫まで約5年の歳月を要し、それから毎年秋になると収穫期を迎えるのですが、小笠原諸島は台風の通り道にあるため、収穫が極めて難しくなっています。
そのため生産量はたった200㎏しかなく、小笠原コーヒーはとても希少です。
深いコクと控えめの苦み
小笠原コーヒーは、深いコク・控えめの苦み・スパイシーさがあり、酸味はほとんどなく、ほんのり甘くナッツの風味が特徴的。
インドネシアのスマトラ島で栽培されているコーヒー、マンデリンによく似た風味をもっています。
これは小笠原諸島で栽培されているコーヒーが、インドネシアのジャワ島から入手したコーヒーの苗木から作られたことに由来しています。
インドネシアのスマトラ島で採れたコーヒーはマンデリンとも呼ばれています。
詳しくは「【保存版】マンデリンとは?その豆の特徴・種類・おすすめまで完全解説」の記事をチェック!
その他の地域
日本では主に沖縄、小笠原諸島(東京)でコーヒー栽培が行われていますが、ほかの地域でも栽培しているところがあります。
まとめると以下のような地域があります。
- 沖永良部島(鹿児島県)
- 奄美大島(鹿児島県)
- 鹿児島県 徳之島
- 岡山県岡山市…etc.
凍結解凍覚醒法
岡山県はコーヒーベルトから離れた場所にありますが、ある方法を利用し栽培を行っています。
それは凍結解凍覚醒法という方法です。
詳しくは以下のような方法になります。
- 種子を時間をかけて凍結させる。マイナス60℃の氷河期を疑似体験させる。
- 凍結した種子を解凍する。
- どの地域でも栽培可能に。さらに育成速度が約3倍向上する。
この技術を活用し世界各国から仕入れたコーヒーの種子をビニールハウス内で栽培することに挑戦し成功しました。
これにより、今まで不可能といわれていた日本各地でのコーヒー栽培も可能になり、国産コーヒーをもっと身近で手軽に楽しめるようになるのは遠い未来ではないのかもしれません。
国産のおすすめコーヒー豆・粉3選!通販でも販売されている
ここでは国産のおすすめコーヒー豆・粉を3選紹介していきます!
通販でも販売されているので、ぜひ購入してみてください。
まとめると以下のとおりです。
- 国産ブレンド珈琲 豆 80g
- コクテール堂 グァテマラ 中煎り グァテマラ共和国産
- てるまに珈琲 奄美群島コーヒードリップパック
- 【番外編】鷹山堂蔵造り焙煎コーヒー ドリップバック 巾着セット
- 【番外編】自家焙煎 ひかるコーヒのなごむコーヒー コロンビア ブラジル グアテマラ
順番に解説していきます。
1. 特別な日には格別なコーヒーが楽しめる「国産ブレンド珈琲 豆 80g」
鹿児島県沖永良部島で栽培されたコーヒー豆と海外産のコーヒー豆を使用したオリジナルブレンドです。
奄美大島にある、てるまえ珈琲で自家焙煎しています。
中深煎りで焙煎されたコーヒー豆は、とても豊かな香りがします。
ふるさと納税でぜひご利用ください。
商品スペック
価格 | 12,000円 |
量 | 80g 2セット |
原産地 | 鹿児島県沖永良部島、ブラジル、コロンビアなど |
2. キレの良い苦みと深いコク「コクテール堂 グァテマラ 中煎り グァテマラ共和国産」
グァテマラ産のコーヒー豆を使用し山科県にある焙煎工場にて、中煎りに焙煎されたコーヒー豆。
まろやかさの中にコクと透明感があり甘く芳醇な味わいが特徴
日本全国2000店以上のカフェ・レストラン・ホテル・小売店で愛用されています。
商品スペック
価格 | 1,296円(税込) |
量 | 200g |
原産国 | グァテマラ※日本で焙煎しています。 |
3. 自家焙煎のコーヒー「てるまに珈琲 奄美群島珈琲ドリップパック」
鹿児島県沖永良部島で栽培されたコーヒー豆を使用しています。
これと海外産のコーヒー豆を使用したオリジナルブレンドです。
奄美大島にある、てるまえ珈琲で自家焙煎しています。
中深煎りで焙煎したこちらのコーヒー豆は豊かな香りをお楽しみいただけます。
またドリップバッグなので簡単にコーヒーを淹れてお楽しみいただけます。
ふるさと納税でぜひご利用ください。
商品スペック
価格 | 17,000円 |
量 | 12g×10袋 |
原産地 | 鹿児島県沖永良部島、ブラジル、コロンビアなど |
【番外編】築100年の蔵でコーヒー豆を貯蔵・焙煎「鷹山堂蔵造り 焙煎コーヒー ドリップコーヒー 巾着セット」
やわらかな苦みとほのかな甘みが特徴の深煎りのブレンドコーヒー。
後味がさわやかでスッキリした味わいなので、コーヒーが苦手な方にもお勧めできます。
商品スペック
価格 | 2,200円 |
量 | 11g×4袋 |
原産地 | エチオピア、ブラジル、タンザニア |
【番外編】ふるさと納税で利用したい「自家焙煎 ひかるコーヒーのなごむコーヒー コロンビア ブラジル グアテマラ」
こちらのコーヒーは、それぞれ違った味わいをもつ4種類のコーヒーをお楽しみいただけます。
スモーキーな香りに甘味とビターチョコレートのような苦みを感じられる深煎りのコーヒー、フルーティーですっきりと飲みやすい中煎りのコーヒー・月毎のおすすめ2種、合計4種類のコーヒーが含まれています。
熊本県和水町で焙煎されています。
商品スペック
価格 | 10,000円 |
量 | 100g×4種 |
原産国 | コロンビア、ブラジル、グアテマラ他 |
他のおすすめコーヒーが知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
国産コーヒーのおすすめの飲み方
ここで飲み方のおすすめを紹介します。
国産コーヒー豆の特徴である苦みやコクを活かすため中煎り程度で焙煎、さっぱりとした後味を楽しむため中挽きで挽いた豆を、ハンドドリップで約90℃のお湯で30秒ほど蒸らしてからゆっくりと抽出しましょう。
時間をかけすぎると苦みが強くなるので注意が必要です。
ミルクとの相性がばっちりなのでお試しください。
カフェオレにしても良いかもね!
国産のコーヒーは手軽に飲めるようになってきている
いかがでしたでしょうか?
国産コーヒーについて特徴からおすすめの商品まで紹介しました。
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- 国産コーヒーは、新鮮な豆を新鮮な状態で淹れることができる
- 日本国内では数少ないが、コーヒー栽培が行われている
- 日本は単純にコーヒーの生産に適していない
まだまだ生産量が少なく希少価値の高い国産コーヒーですが、近年ではレストランやカフェでの取り扱いが増えてきていたり、オンラインでも購入可能なことから、国産コーヒーは身近なものになってきています。
国産コーヒーは生産量が少なく希少価値が高いためお値段も少し張ってしまいますが、一度は体験するに値するコーヒーです。
最適とはいえない環境の中で育つ国産コーヒー、それゆえの海外産とは大変異なる風味や香味があります。
ぜひみなさんも特別な1杯を味わってみてはいかがでしょうか?
国内でコーヒー栽培したい方は「JAPAN COFFEE PROJECT」がおすすめ
いざ国産コーヒーを栽培したいと思ってもなかかな踏み出せないのが現実ですよね。
そのような時は、やまこうファームの「JAPAN COFFEE PROJECT」がおすすめ。
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国産のコーヒー栽培はまさにはじまったばかりです。
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多くの人がコーヒー農園経営に参入して収量が増えてきたら、一般の方々にも国産のコーヒーを届けるような仕組みも整っているそうです。