コーノ式ドリッパーってどんな特徴があるの?
美味しいコーヒーを淹れてみたい…。
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
実はコーノ式のドリッパーは、コーヒー通から熱い支持を受けているのを知っていましたか?
本記事ではそんなコーノ式ドリッパーの特徴を解説し、その人気の理由に迫ります!後半ではおすすめ商品も紹介!
- コーノ式ドリッパーは元々プロに愛されていたドリッパーで円錐形で下部にリブが集中しているのが特徴
- コクが深くボディがしっかりあるが、クリアな味わいになる
- 雑味まで抽出されないように、コーヒーを最後まで落としきらないのがポイント
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
コーノ式ドリッパーとは?
コーノ式ドリッパーとは、珈琲サイフオン株式会社が販売している「名門フィルター」のことを指しています。
コーノ式ドリッパーは、もともと主に喫茶店などでプロが愛用していたドリッパーです。
それがコーヒー好きの間でも話題となり、一般家庭用としても販売されるようになりました。
ネルドリップの味わいをペーパーフィルターの手軽さで抽出できるように開発されたこのドリッパーは、現在でもコーヒー好きの間で広く愛されています。
名門ドリッパーを開発した珈琲サイフオン株式会社は、国内で先駆けてコーヒーサイフォンの開発・販売を始めた会社だよ!
種類
コーノ式ドリッパーには、現在3種類の型番が存在しています。
その型番は以下のとおり。
- MD
- MDN
- MDK
この3種類の大きな違いはリブの高さにあり、このことによって抽出スピードにも違いが出るのです。
※ここでのリブとは溝のこと。
また、容量や素材も型番によって違います。
そこでそれぞれの型番ごと違いや詳細を簡単な以下の表にまとめました。
型番 | MD-21(1-2杯) MD-41(2-4杯) | MDN-21(1-2杯) | MDK-21(1-2杯) MDK-41(2-4杯) |
---|---|---|---|
ロゴ | KONO CLASSIC | KONO MEIMON | KONOS since1925 |
素材 | MD-21 アクリル樹脂 MD-41 PCT 樹脂 | アクリル樹脂 | PCT 樹脂 |
リブの長さ | 長め | 中間 | 短め |
抽出口のサイズ | 大きめ | 中間 | 小さめ |
抽出スピード | 速め | 中間 | 遅め |
向いている人 | プロ・こだわりたい人 | プロ・こだわりたい人 | 一般・入門者向け |
MDは味わいのコントロールがしやすく、MDNは雑味がないクリアな味わいとなる傾向にあり、MDKはネルドリップのような濃厚なコーヒーに仕上がります。
これらに加えて、ドリップ名人TFというドリッパーもあったのだけど、残念なことに2020年に販売終了してしまったんだ。
慣れ具合や味わいの好みによって選択しましょう!
コーノ式ドリッパーの特徴
型番ごとに多少の違いはあるものの、コーノ式ドリッパーには共通した特徴がいくつか存在します。
それらを1つずつ解説していくので、順番にみていきましょう。
円錐形
円錐形のドリッパーといえばハリオのV60が思い浮かぶ方も多いかもしれませんが、実は円錐形ドリッパーの元祖はコーノ式なのです。
ドリッパーが円錐形であることのメリットは、コーヒーの層が厚くなりお湯が中心に集まることで、お湯とコーヒーがしっかりと触れることにあります。
そのことによりコーヒーの成分がしっかりと抽出されるのです。
1つ穴
コーノ式ドリッパーの底面には台形フィルターよりも大きめの1つ穴があります。
後半でお湯抜けが良くなることで、雑味などの嫌な成分を極力抽出せずに済むのです 。
このことがクリアな味わいを実現してくれます。
下部のリブ
コーノ式ドリッパーの最大の特徴は、何度も試行錯誤を重ねた上で作られた下部のリブにあります。
ハリオのV60は上部にまでリブが達していますが、コーノ式ドリッパーのリブの長さは下半分までしかありません。
この構造により、一度しっかりとドリッパー内にお湯を溜めて抽出をしてくれ、ネルドリップのような味わいを再現してくれるのです。
また、上部がドリッパーにはりつくことで、コーヒーから出るアクを上部で吸着してくれ雑味を抑えてくれます。
コーノ式ドリッパーの味わい
そんな様々な工夫がされているコーノ式ドリッパーの味わいとは一体どのようなものなのでしょうか。
ネルドリップの味わいを目指して作られたコーノ式ドリッパーで抽出されたコーヒーは、ボディ感はしっかりあるのに後味がクリアであることが特徴です。
円錐状でコーヒーの成分がしっかりと抽出され、ドリッパー上部にリブが無いことでアクや雑味を吸着してくれるため、コクの深さとクリアな味わいが両立しています。
ただし、毎回同じ味わいを再現するのには練習が必要です!
コーノ式ドリッパーの抽出方法・淹れ方
では気になるコーノ式ドリッパーでの抽出方法について解説していきます。
今回紹介する方法は、およそ2人分(240cc)での抽出方法です。
コーヒー豆:24g(2人分以上を抽出する際は、粉の量を増やすだけでなく挽目を荒くするのがコツ)
- フィルターにコーヒー粉をセット
- 粉を平らにならす
- 粉の中心に点滴のようにポタポタとお湯を垂らす
- ドリッパーの底一面にコーヒー液が溜まるくらいになったら抽出開始
- 最初の3分の1は、500円玉大の範囲でドームを崩さないように注ぐ
- 泡が白くなってきたら範囲を少し広げ、注湯スピードも上げる
- 目標量の残り3分の1まで抽出出来たら、フィルターの縁1・2cmのところまでお湯を注ぐ
- 目標量まで達したらサーバーを外す
細かいコツがいくつかあるみたいだね!
コーノ式ドリッパーを使う際の注意点
上記で解説してきた抽出方法には、いくつかのコツと注意点があります。
まず、コーノ式ドリッパーは通常のドリッパーと違い「蒸らし」が必要ありません。
その代わり、最初に粉の中心にポタポタとお湯を垂らす「点滴ドリップ」と呼ばれる方法を行います。
下部に集中したリブがお湯を1度溜めて出すという構造となっており、点滴ドリップを行うことで蒸らしのような効果が得られるのです。
もし蒸らしをしてしまうと、雑味が出る原因となってしまう可能性もあるよ!
コーヒーを最後まで落としきらない
もう一つ重要なポイントに、目標量まで抽出を終えたらコーヒーが落ちている途中でもドリッパーを外すというものがあります。
コーノ式ドリッパーでコーヒーを抽出する際は、目標量の3分の2の段階で美味しさの元となる成分は抽出されているのです。
最後は濃さの調節のための注湯であり、最後まで落とし切ると雑味まで抽出してしまいます。
そのため、雑味がコーヒーに混じらないように最後まで落とし切る前にドリッパーを外すのは非常に重要です。
フィルターの周囲にアクやえぐ味の泡がくっついていれば成功です!
コーノ式ドリッパー以外にも器具はたくさんある
コーノ式ドリッパーを販売している珈琲サイフオン株式会社は、コーノ式ドリッパーだけでなく様々なコーヒー機器の取り扱いがあります。
それらのアイテムについて少し紹介していきます!
コーヒーサイフォン
社名の由来にもなっているコーヒーサイフォンです。
1925年に創業者である河野彬が開発し実用化したこのコーヒーサイフォンは、豆の個性が際立つように作られています。
「コーヒーの持ち味を素直に抽出する」をモットーに幾度も改良を重ねられたコーヒーサイフォンは、現在では日本を代表するコーヒー器具の1つです。
おすすめのサイフォンが知りたい方は、以下の記事をチェック!
コーヒーミル
業務用にも使用出来る高性能なコーヒーミルとして、一般のコーヒー好きにも愛されているフジローヤル製の「みるっこDX」にはコーノ特別仕様品が存在します。
このコーヒーミルは豆をカットしながら挽くことの出来るカット臼刃を採用し、グラインドスピードが速く粒度のバラつきは非常に少なくなっています。
また、対応している抽出の幅が広、なんとくエスプレッソまで対応しているのも嬉しいところ。
家庭用としては中々勇気の必要な値段かもしれませんが、この価格で業務用にも使用できるコーヒーミルが手に入ると思うとかなりお買い得なのではないでしょうか。
おすすめのコーヒーミルが知りたい方は、以下の記事をチェック!
コーノ式ドリッパーは通販でも買える!おすすめのフィルターやセットも紹介
ではここからは実際に通販でも購入可能なコーノ式ドリッパーや、合わせて使用するとおすすめなアイテムについて紹介していきます。
今回紹介するのは以下のとおり。
- 名門KONO式ドリッパー
- KONOコットンペーパー
- コーノ式 名門 4人用 ドリッパーセット
それでは順番にみていきましょう!
1. 膨大なデータの元に作られたまさに名門「名門KONO式ドリッパー」
ここまで詳しく紹介してきたコーノ式ドリッパーです。
1番の特徴である下部のリブは、非常に膨大なデータを重ねて作られ、これまでに幾度も改良がなされました。
美味しいコーヒーを抽出できる代わりに手入れが面倒なネルドリップを、自宅で手軽に再現できるように作られたコーノ式ドリッパー。
喫茶店の味を自宅で楽しみたいあなたにぴったりです!
商品詳細
価格 | 1045円 |
サイズ | 直径9.5×高さ6.5cm |
素材 | PCT樹脂(耐熱温度差90度) |
2. どうせ淹れるならオリジナルフィルターで「KONOコットンペーパー」
コーノ式のオリジナルフィルターです。
繊維密度の高いコットンパルプのフィルターは、油分をしっかりと吸着します。
また、バージンパルプを配合してあるためホールド力が高くなっており、コーヒー成分がゆっくりと抽出されます。
ネルドリップの味わいとペーパーフィルターの手軽さを持ち合わせているコーノ式のドリッパーのよさを生かすフィルターです。
商品詳細
価格 | 264円 |
サイズ | 1〜2杯用 |
素材 | コットンパルプ・木材パルプ |
3. 必要な物がすべて揃った便利なセット「コーノ式 名門 4人用 ドリッパーセット」
コーノ式ドリッパーで抽出する際に必要なものが揃ったセットです。
セット内容は名門ドリッパー・オリジナルペーパーフィルター・コーヒーサーバー・メジャースプーンとなっています。
あとはお好みのコーヒー豆や粉を購入すればすぐに抽出することが可能です。
コーノ式ドリッパーでハンドドリップを始めようと考えている人におすすめのセットですよ!
商品詳細
価格 | 4840円 |
サイズ | ドリッパーサイズ:直径11.5×高さ8.5cm ポットサイズ:横幅16×奥行9×高さ13.5cm |
素材 | ドリッパー材質:アクリル樹脂(耐熱温度差90度) ポット材質:耐熱ガラス(耐熱温度差120度) |
コーノ式以外のコーヒードリッパーも知りたい方は「コーヒードリッパーのおすすめ15選!おしゃれに最高の1杯を淹れよう」の記事をチェック!
コーノ式とハリオ式ドリッパーの違い
コーノ式ドリッパーとハリオ式ドリッパーは同じ円錐形ドリッパーのため、ぱっと見は非常によく似ています。
しかし、両者の間には大きな違いも存在するのです。
それがリブの形状。
コーノ式は下部にリブが集中しているのに対し、ハリオ式は上部にまでリブが達しています。
また、コーノ式のリブはストレートになっているのに対し、ハリオ式はスパイラル状になっているのです。
このことは抽出スピードに大きく影響します!
コーノ式よりハリオ式の方が抽出スピードが速くなります。
詳しくは「【V60】世界が認めたハリオのドリッパーとは?特徴・抽出方法まで解説」の記事を参考にしてください。
コーノ式ドリッパーで一段上のコーヒーライフを楽しもう
いかがでしたでしょうか?
コーノ式ドリッパーについて詳しく解説してきました。
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- コーノ式ドリッパーは元々プロに愛されていたドリッパー
- 円錐形で下部にリブが集中しているのが特徴
- ネルドリップの味をペーパードリップの手軽さで再現できるように作られたアイテム
- コクが深くボディがしっかりあるが、クリアな味わい
- 同じ味を再現するのには練習が必要
- 点滴ドリップと呼ばれる独特の工程が蒸らしの代わりになる
- 雑味まで抽出されないように、コーヒーを最後まで落としきらないのがコツ
- コーノ式ドリッパーの販売元である珈琲サイフオン株式会社には、ドリッパー以外にもコーヒーサイフォンやコーヒーミルの取り扱いがある
シアトル系やサードウェーブカフェいった様々なコーヒーブームの中でも、未だ根強いファンがいる喫茶店。
それは、喫茶店独特のコクが深いコーヒーの味わいを愛してやまない人が多くいるということでもあります。
そんな喫茶店で飲めるようなネルドリップの味わいを再現するために、膨大なデータを元に作られたコーノ式ドリッパー。
そんなコーノ式ドリッパーで、ちょっとトクベツなコーヒーを味わってみませんか?