よくメリタとカリタの商品が並ぶけど、違いは何?
メリタとカリタって名前も似てるよね。
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
コーヒー好きな方なら一度は聞いたことがあるであろう「メリタ」と「カリタ」。
しかし、その両者の違いについて説明することは出来ないとコーヒー好きなら恥ずかしいかも!
本記事ではそんあメリタとカリタの違いについてこの記事で詳しく解説していきます!
- メリタはドイツの会社でカリタは日本の会社
- メリタのドリッパーは1つ穴だが、カリタのドリッパーは3つ穴
- メリタは濃厚な味わいになりやすく、カリタはバランスのある味わいになりやすい
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
違いを知る前にまずはメリタとカリタについて知ろう
コーヒーに興味を持つと必ず聞くであろう「メリタ」と「カリタ」。
名前がよく似たこの2つは、どちらもコーヒー機器の総合メーカーです。
メリタとカリタのアイテムの違いを解説する前に、まずはこの2社について知っておきましょう!
メリタとは
メリタとは、現在でもドイツに本社を置くコーヒー機器の総合メーカーです。
1908年にドイツの主婦メリタ・ベンツによって創設されました。
実は、このメリタ・ベンツという女性こそがペーパードリップの産みの親なのです。
そう考えると、彼女が現代までに残した功績は本当にすごいものだよね!
空き缶の底に穴をあけたのが始まり
かつてのコーヒーは布や茶こしなどで抽出されることが殆どでした。
しかしその抽出方法ではどうしてもコーヒー粉が混じってしまい、美味しいコーヒーを淹れるのが非常に難しかったのです。
そこで彼女は空き缶の底に穴をあけ、紙を折って作ったフィルターでコーヒーを抽出する方法を編み出しました。
彼女はこのシステムを特許庁に申請し会社を設立、その会社こそがメリタなのです。
カリタとは
カリタは神奈川県横浜市神奈川区に本社を置く、日本のコーヒー機器の総合メーカーです。
自社製品の製造販売を行っている他、国内外のコーヒー機器の輸入販売も行っています。
1958年に木村コーヒー店の関連会社である木村商事に努めていた糸満盛京によってカリタは設立されました。
ちなみに木村コーヒー店は、現在のキーコーヒーの前身です。
喫茶店ブームに乗って業績を伸ばした
設立当初は現在の神奈川県ではなく東京日本橋に会社を置いており、喫茶店ブームに乗って業務用コーヒー機器で業績を伸ばしていきました。
そこから日本各所に支社や営業所を置き、家庭用コーヒー機器販売も開始。
1980年代になると、欧米のコーヒー機器の輸入販売もスタートさせました。
環境に配慮した無漂白のペーパーフィルターは、カリタがいちはやく開発したと言われているよ。
メリタとカリタの特徴の違い
そんなメリタとカリタは、それぞれ代表的な商品としてコーヒードリッパーを販売しています。
このコーヒードリッパーの形状が、メリタとカリタでは大きく違うのです。
ここではそんなメリタとカリタのコーヒードリッパーの特徴について解説していきます!
メリタのドリッパーの特徴
メリタのドリッパーの1番大きな特徴とは、抽出口が1つ穴であることです。
この1つ穴に至るまでには幾度も試行錯誤がなされ、4つ穴や3つ穴の時代もありました。
開発当初は無数の穴が空いていたそうだよ。
また、リブの長さがドリッパーの中段ほどまでしかないのもメリタの標準的なドリッパーの特徴です。
※アロマシリーズを除きます。
メリタドリッパーの特徴については「メリタ式コーヒードリッパーの特徴とは?カリタとの違いからおすすめまで」の記事で詳しく解説しています。
カリタのドリッパーの特徴
カリタのドリッパーの大きな特徴は、抽出口がメリタ式よりも多い3つ穴であることです。
抽出口の数で見分けがつきますね!
また、リブの長さもメリタ式の標準ドリッパーとは違います。
メリタ式の標準ドリッパーのリブの長さが中段までであるのに対して、カリタ式は上段までと長めになっているのです。
カリタドリッパーの特徴については「【完全版】カリタのドリッパーの特徴とは?おすすめも6選紹介!」の記事で詳しく解説しています。
これらの違いが味わいにどう影響するのかは後ほど解説していくよ!
メリタとカリタの抽出方法の違い
抽出口やリブの長さといった形状に違いのあるメリタ式とカリタ式のコーヒードリッパーですが、実はその抽出方法にも違いがあるんです。
以下でそれぞれの抽出方法について詳しく解説いたします。
メリタの抽出方法
メリタ式の抽出方法の大きな特徴として、蒸らしを行った後は杯数分のお湯を一度に注ぐだけ、ということです。
正確な時間で抽出されるように計算をされた1つ穴のおかげで、湯量を調節する必要がありません。
ドリッパーには目盛りがついているから、それに合わせてお湯を入れるよ!
手技による細かい調節が必要ない分、基本的に豆の量やお湯の温度で味わいを調節することになります。
カリタの抽出方法
カリタ式の抽出方法は、蒸らしを行ったあとに数度に分けて「の」の字を書くようにお湯を注ぎます。
標準的な淹れ方ともいえますね!
数回とはいっても、基本的に4回以内の注湯で抽出を終えるようにします。
ペーパーフィルターにお湯をかけてしまうとコーヒー成分が抽出されないため注意が必要です。
抽出スピードがメリタ式よりも早く、カリタ式はややテクニックが必要となってきます。
メリタとカリタの味わいの違い
形状から抽出方法に至るまで違いの多いメリタ式とカリタ式には、もちろんその味わいにも違いが存在します。
それでは気になるメリタ式とカリタ式の味わいの違いについてみてみましょう!
メリタの味わい
メリタ式で抽出されたコーヒーは、濃度の高いしっかりとした味わいとなります。
これは1つ穴でゆっくりと抽出されることで、最後までお湯とコーヒー粉がしっかりと触れ合うことによるものです。
そのため、味わいが濃厚なコーヒーが好みの方は、メリタ式を選ぶとよいでしょう。
お湯が長く触れることで良くも悪くも豆の成分が出やすいので、なるべく上質な豆を使用した方がよさそうです。
カリタの味わい
カリタ式で抽出されたコーヒーは、適度なボディ感でバランスのある味わいとなります。
1つ穴と比べると3つ穴のカリタ式は、やや抽出スピードが早くなるため、雑味が出にくいのが特徴です。
また上部に達しているリブのおかげでガスがしっかりと抜け、かつ一度湯溜まりの出来る台形の構造のおかげでコーヒーの成分がしっかりと出ます。
このことにより、コーヒーの味わいは、しっかりとありつつ雑味の少ないバランス感のある味わいとなるのです。
しかし、カリタ式の場合は湯量や注湯スピードによっても味に変化が出るため、このことはあくまで傾向といえるでしょう。
好みに合わせて練習する必要がある分、味わいの幅を楽しめそう!
メリタとカリタのメリット・デメリット
メリタ式とカリタ式にはその特徴に大きな違いがありますが、それぞれが持つメリット・デメリットにもまた大きな違いがあります。
ここではそんな両者のメリット・デメリットについて解説しているので、コーヒードリッパー選びの参考にしてくださいね!
メリタのメリット
メリタ式のコーヒードリッパーの1番大きなメリットは、量を守れば誰でもカンタンに安定した味わいを楽しめるということです。
計算されつくした1つ穴やリブの形状、溝の数によってメリタ式のドリッパーは抽出スピードをコントロールしてくれます。
そのため、目盛りやコーヒー粉の使用量さえ守っておけばいつでも同じ味のコーヒーが楽しめるのです。
テクニックがあまり必要ない分初心者向きともいえるね!
メリタのデメリット
逆にメリタ式のデメリットとしては、味の自由度が少ないということが挙げられます。
メリタ式は、抽出をドリッパーがコントロールしてくれる分、手技による味わいの調節がしにくいのです。
そのため、慣れてくると物足りなさを感じる場合も。
その分いつも同じ味わいを楽しみたい人には向いています。
また、コーヒー成分が出やすいため、豆の質が悪いとその味を非常に反映しやすい点も注意が必要です。
カリタのメリット
カリタ式のメリットは、やはり湯量や注湯スピードで、ある程度味わいの調整が行える点にあるでしょう。
また、近年人気の円錐形と比べて湯溜まりができやすい構造のため、雑味をある程度抑えつつボディ感の感じられるコーヒーに仕上がりやすいのもカリタ式のメリットです。
コツをつかめばバランス感のあるコーヒーに仕上がります!
カリタのデメリット
逆にカリタ式のデメリットは、メリタ式と比べコントロールが出来るようになるまでに、ある程度の慣れや練習が必要ということでしょう。
コツを掴むまで味にブレが出やすいのは、やはりカリタ式のデメリットです。
抽出を適当に行なうと抽出が不十分で薄いコーヒーに仕上がってしまったり、また過抽出で煮詰まったコーヒーになってしまう可能性があります。
慣れるまではコーヒースケールなどを使用して、抽出時間やコーヒー粉の量を確認しつつ練習を行なうといいかもしれません。
おすすめコーヒースケールは「【2022】コーヒースケールのおすすめ9選!これで初心者でも失敗なし」の記事をチェック!
メリタのおすすめアイテム4選!通販でも買える
メリタとカリタの特徴や違いについて理解したところで、それぞれの発売しているコーヒードリッパーを始めとしたおすすめのアイテムをいくつか紹介していきます。
気になるアイテムをぜひチェックしてみてくださいね!
まずはメリタのおすすめアイテムである以下の4点をご案内いたします。
- メリタ コーヒードリッパー アロマフィルター
- メリタ コーヒードリッパー 陶器製
- メリタ メジャースプーン 8g
- メリタ エコブラウン
それでは順番にみてみましょう。
1. メリタの定番ドリッパー「メリタ コーヒードリッパー アロマフィルター」
メリタの標準ドリッパーと形状は違うものの、その人気の高さからもはや定番ドリッパーといえるのがこちらです。
このドリッパーはリブが上部にまで達しており、サイドにも独特な形状のリブが施されています。
それだけでなく、穴が少し高い位置にあることもこのドリッパーの大きな特徴です。
この穴の位置により、一度湯溜まりができてコーヒーの成分がよりしっかりと引き出されます。
また、少しコーヒーが底にたまることで雑味まで抽出されてしまうことを防ぐスグレモノです!
商品詳細
価格 | 447円 |
サイズ | 幅135mm×奥行117mm×高さ94mm |
材質 | AS樹脂(アクリロニトリルスチレン) |
2. 劣化しづらい陶器製「メリタ コーヒードリッパー 陶器フィルター」
メリタの陶器製ドリッパーは、岐阜県多治見の窯で丁寧に焼き上げられています。
プラスチックにありがちな色素沈着や劣化が少なく、割れに注意すれば長い付き合いとなりやすいのが陶器製ドリッパーの大きな魅力。
その魅力は、1919年にこの陶器製ドリッパーが登場して以来、100年以上愛されてきていることからも伺えます。
これから幾度となく過ごしていくであろうコーヒータイムの相棒としていかがでしょうか?
商品詳細
価格 | 829円 |
サイズ | 幅117mm×奥行100mm×高さ60mm |
材質 | 陶器 |
3. メリタの一杯分が計量できる「メリタ メジャースプーン 8g」
メリタは基準となるコーヒー粉と水の分量として「コーヒー粉8gに対して水140ml」を提唱しています。
その分量を計るのに便利なオリジナルのメジャースプーンがこちら。
このスプーンのすり切り1杯で約8gのコーヒーを計ることができます。
ただし、焙煎度合いによって誤差が生じるので極力スケールを併用することをおすすめします!
商品詳細
価格 | 110円 |
サイズ | 幅43×奥行き40×高さ109 |
材質 | ポリプロピレン |
4. メリタのオリジナルフィルター「メリタ エコブラウン」
メリタのエコブラウンは、非常に繊維同士が絡んでおり、キメが細かいのが特徴です。
そのため、良くも悪くもコーヒーの成分が出やすいメリタのドリッパーにとって、最適なフィルターとなっています。
それだけでなく名前のとおり環境に配慮されているのがこのフィルターで、ビニールの内装なども省かれています。
しょっちゅう使うものだからこそ、環境に配慮されているのは嬉しいですね。
商品詳細
価格 | 209円 |
サイズ | 化粧箱 幅82×奥行き48×高さ130 |
材質 | 紙(バージンパルプ) |
カリタのおすすめアイテム4選!
続いて紹介するのはカリタのおすすめアイテムです。
それが以下の4つ。
- カリタ コーヒードリッパー
- カリタ 銅製 コーヒードリッパー
- コーヒーメジャースプーン メジャーカップ ブラストS
- 珈琲屋さんのコーヒーフィルター
こちらも順番に見ていきましょう!
1. カリタのお手軽ドリッパー「カリタ コーヒードリッパー」
価格も安く、非常に入手しやすいドリッパーです。
上部までしっかりと伸びたリブがフィルターとドリッパーの癒着を防ぎ、ガスの排出とコーヒーの濾過を助けてくれます。
コーヒーとお湯をしっかりと触れさせながらも、雑味が出にくい抽出スピードが保てる3つ穴構造でバランス感のあるコーヒーに仕上げやすいのが特徴。
湯量やスピードをコントロールすることで味わいの調節が行えるので、慣れてきた方におすすめです。
商品詳細
価格 | 330円 |
サイズ | 幅11.8cm×高さ7.5cm(外装込み) |
材質 | AS樹脂(アクリロニトリルスチレン) |
2. 熱伝導率がいい「カリタ 銅製コーヒードリッパー」
高級感溢れるカリタの銅製ドリッパーです。
銅製のメリットは、何といっても熱伝導率の高さにあります。
抽出をする際にお湯の温度が素早くドリッパーに伝わることで、抽出時の温度がブレにくくなるのです。
落としても割れにくく、手入れをすれば非常に長い間使用できるのもいいですね。
商品詳細
価格 | 4240円 |
サイズ | 奥行き130×幅104×高さ80 |
材質 | 銅 |
おすすめのドリッパーをお探しの方は「コーヒードリッパーのおすすめ15選!おしゃれに最高の1杯を淹れよう」の記事をチェック!
3. 一杯分が計れるコンパクトなスプーン「コーヒーメジャースプーン メジャーカップ ブラストS」
金属加工で世界的にも有名な、新潟燕市の厳しい基準をクリアしているメジャースプーンです。
持ち手が短いので、キャニスターの底のコーヒーまですくいやすくなっているのが嬉しいポイント。
メリタは1杯あたり約8gのコーヒーを使用しますが、カリタの場合は10gを使用します。
このメジャースプーンすりきり1杯が約10gです。
こちらもメリタのスプーンと同じく、計量出来るのはおおよその量になるためスケールとの併用をおすすめします。
商品詳細
価格 | 1265円 |
サイズ | 45 x 78 x 32 mm |
材質 | ステンレス |
おすすめのメジャー・スプーンをお探しの方は「【決定版】コーヒースプーンのおすすめ9選!おしゃれで機能性も抜群」の記事をチェック!
4. カリタのオリジナルフィルター「珈琲屋さんのコーヒーフィルター」
カリタのフィルターの中でも、この珈琲屋さんのコーヒーフィルターは特にキメが細かめの作りになっています。
そのため、雑味やえぐ味といった味わいを引き出しにくいのが特徴です。
メリタ式より早く、円錐形ドリッパーより遅めの抽出スピードとなっているカリタのドリッパーにはこフィルターが最適といえるでしょう。
商品詳細
価格 | 327円 |
サイズ | 幅8.6×奥5.4×高14.5cm(外装込み) |
材質 | 針葉樹パルプ |
おすすめのコーヒーフィルターをお探しの方は「コーヒーフィルターのおすすめ6選!種類から美味しい淹れ方まで解説」の記事をチェック!
メリタとカリタに対するよくある質問
ここではメリタとカリタに対するよくある質問とその回答をコーヒーソムリエが解説します。
- メリタとカリタどちらが美味しいの?
-
結論、どちらが美味しいということはありません。
特徴が分かれるので、自分に合ったブランドがおすすめです。
- メリタとカリタの特徴の違いを簡単に言うと何?
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メリタのドリッパーの1番大きな特徴とは、抽出口が1つ穴であること。
カリタのドリッパーの大きな特徴は、抽出口がメリタ式よりも多い3つ穴であることです。
メリタ式で抽出されたコーヒーは、濃度の高いしっかりとした味わいとなります。
一方、カリタ式で抽出されたコーヒーは、適度なボディ感でバランスのある味わいとなります。
- メリタとカリタはそれぞれどんな人におすすめ?
-
メリタ式のコーヒードリッパーは、量を守れば誰でもカンタンに安定した味わいを楽しめるため、いつでも同じ味のコーヒーが楽しみたい方におすすめです。
カリタ式は、湯量や注湯スピードで、ある程度味わいの調整が行える点にあります。そのため、よりコーヒーを追求したいという方におすすめ。
メリタとカリタの違いを知って自分に合ったものを選ぼう!
いかがでしたでしょうか?
メリタとカリタの会社やドリッパーの特徴・メリットなどの違いを詳しく解説していきました。
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- メリタはドイツの会社でカリタは日本の会社
- メリタがペーパーフィルターによる抽出を開発した
- それぞれ代表的なコーヒードリッパーがある
- メリタのドリッパーは1つ穴
- カリタのドリッパーは3つ穴
- メリタの注湯は1度
- カリタの注湯は数回に分ける
- メリタは初心者向きでカリタは少し練習が必要
- メリタは濃厚な味わいになりやすく、カリタはバランスのある味わいになりやすい
ロゴや社名がよく似ているため、非常に間違えられやすいメリタとカリタ。
しかし、両者の間には様々な違いが存在しています。
自身のコーヒーの好みに合わせて選ぶもよし、どちらも揃えて飲み比べを楽しむもよし!
メリタやカリタのコーヒードリッパーで、あなたのコーヒーライフをさらに充実させてみてはいかがでしょうか?
またドリッパーだけではな美味しいコーヒーは淹れられません。
コスパ高く一式揃えたい方は「初心者におすすめのコーヒーグッズ16選!おしゃれに飾れる収納も紹介」の記事をチェック!