小さなカフェを開く前に気をつけるべきところは何かな?
小さなカフェを開業する手順が知りたい
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
独自のメニューやアットホームな雰囲気で人気のある小さな個人店カフェ。
将来的には開業したいと考える人もいますよね。
そこで今回は小さなカフェの開業の前に押さえたいポイントを3つ紹介します!
今はまだ開業の予定がないという人もぜひ将来の参考にしてください。
- 小さなカフェとは一般的に10坪程度のお店のことを言う
- 小さなカフェを開業する際には資格、準備、費用について重要なポイントがある
- 開業後にもメニューの見直しや資格の取得に費用がかかる
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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それでは早速見ていきましょう!
小さなカフェを開業するメリット・デメリット
小さなカフェと言われるのは一般的に10坪程度のお店です。
10坪ほどのお店では、席数は全体で10席程度、厨房設備も最小限になります。
そんな小さなカフェを開業するメリット、デメリットをまとめると以下の通り。
メリット | デメリット |
---|---|
初期費用が抑えられる 常連客がつきやすい 毎月かかる費用を抑えられる オペレーションなどの変更点がすぐに反映される 1人で営業できる | スペースが限られる 場所によってはライバル店が多くなる 自身の体調が営業の可否に関わる 安定した顧客がつきにくい 業務量が多い |
小さなカフェは、店長自らお客さんの反応を見て営業していくことができるため大手では提供しづらい細やかな接客が可能になります。
その反面、自身の体調や接客態度がお店の営業に大きく影響する点が大きなデメリットでしょう。
小さなカフェを開業する際にはこうしたメリット、デメリットを踏まえた戦略を考える必要があります。
小さなカフェの開業前に知っておきたい3つのポイント
ここでは小さなカフェの開業について、必ず押さえておきたいポイントを以下の3点紹介します。
- 開業に必要な資格について
- 開業準備ではじめにすること
- 費用についてのポイント
1つずつ見ていきます。
1. 開業に必要な資格は主に2つ
小さなカフェを開業するために必要になる資格は主に以下の2つです。
- 食品衛生責任者:飲食店で食品の安全性と衛生管理を担当する重要な知識を持つことを証明する資格。店舗に取得者が1人以上在籍する必要がある。基本的には地域ごとに開かれている講座受講とテストで取得可能。費用は1万円ほど(地域によって差あり)で、どの地域で取得しても日本全国で使える。
- 飲食店営業許可申請:飲食店を開業するために必要な手続きの一つ。地域の自治体や衛生管理機関に申請し、取得することで飲食店を法的に営業できるようになる。申請書や必要書類を提出し、店舗の衛生状態や設備、経営者の資格などが審査される。
その他、新築またはテナントで内装工事がある場合には建築基準法に基づく火災予防のための「防火対象物使用開始届け」という届出を自治体の消防署に提出する必要があります。
また、カフェの店舗内でお菓子の製造を行い、それらを販売する場合には保健所からの「製菓製造の許可」が必要です。
「食品衛生責任者」や「飲食店営業許可申請」以外の資格や許可については自治体によって求められるものが違うため、開業する場所の自治体に問い合わせると良いです。
2. はじめにすることはコンセプト作り
ここでのコンセプトとは、カフェを作る上での考え方のベースや方向性を指します。
カフェを開業する際には自身の理想や夢が膨らむでしょう。
ですが、例え小さなカフェでも開業にはしっかりとした道筋やベースが必要です。
自身がどんな思いでお店を開いているのか、お客様にどんなことを提供したいのかが伝わるお店であるためにもコンセプトはしっかりと固めておきましょう。
その上でターゲット設定やメニュー構成、価格設定などができれば一貫性も高まり、お客さんから信頼してもらえるお店作りにつながります。
3. 費用は物件によって大きく変わる
一般的に開業資金のおよそ20〜30%は物件に関わる費用です。
物件を取得して営業できる場合はほとんどなく、大半が内装や設備の工事が必要になります。
内装や設備の工事がなされていない物件のことをスケルトン物件と呼び、以前営業していたキッチン設備などがそのまま使用できる物件を居抜き物件と呼びます。
スケルトン物件よりも高額な費用がかかる場合もある
また、以前のお店で使用していたものが残置されている物件(この場合、居抜き物件でかかる造作譲渡費がかからない)もお店の内装がある程度残った状態になっている物件です。
居抜き物件や残置物件をそのまま使用できれば内装費用を抑えられますが、そうした物件はなかなかありません。
自身の好みに作り変えるとスケルトン物件よりも高額な費用がかかる場合もあるので、物件の価格だけでなく内装や設備の工賃も含めて検討するようにしましょう。
また、以前も同じ業態の店舗であった場合にはうまくいかなかった理由も併せて検討する必要があります。
小さなカフェの開業に必要な費用一覧
ここではカフェの開業に必要な費用について解説します。
必要な費用の内訳をまとめると以下の通り。
なお、場合によっての差が大きいものに関しては記載していません。
- 物件関連費:およそ家賃の10倍、10坪程度で平均100〜200万
- 施工費:スケルトンの場合300万〜
- 備品購入費
- 人件費
- 広告費
- 運転資金:半年分の自身の生活費
特に忘れがちなのが運転資金について。
カフェの開業後、すぐに利益が出ることはほとんどありません。
そのため、カフェ開業後半年分の生活資金も含めた運転資金を忘れずに用意しておくようにしましょう。
開業時の費用で困った時に頼れる機関や方法
上記の資金を全て合わせると最低でも500万円以上の資金が必要です。
全て自己資金で支払うのが難しい時には、以下の方法で資金を調達することができます。
- 銀行や金融機関からのローン
- 都道府県などの自治体による助成金や政府からの補助金
- 日本政策金融公庫からの借入
- 投資家やビジネスパートナーからの調達
- クラウドファンディング
特に日本政策金融公庫からの融資は、実際の開業者の中でも利用者が多いため安心して利用できます。
また、プラットフォームを通して一般の方々から支援して貰えるクラウドファンディングをうまく活用できれば、資金調達からファンの獲得にも繋げることもできます。
開業時の費用を抑える工夫
では、少しでも開業資金を抑えるために必要なことは何でしょうか。
結論、「削れる部分は極力削ること」が小さなカフェの開業費用を抑えるポイントになります。
一例ですが、費用を抑えるポイントは以下の通り。
- 物件について
- 敷金・礼金がかからない
- フリーレントの期間(家賃が発生しない期間)がある
- 居抜きや残置物件を探す
- 内装や備品について
- できる限りDIYする
- 業者の人と一緒に作業する
- 中古で探す
- 人件費について
- 営業開始までは雇わない
- 知り合いに手伝ってもらう
まとまった費用がかかることではないとしても、1円でも費用を抑える意識を待っておくと後々大きく影響します。
ただし、冷蔵庫やガスコンロなどは安さ重視ではなく、新品かアフターフォローのあるメーカーの中古のものを選ぶのがおすすめです。
使用開始からすぐに買い替えることになると反対に費用が膨らんでしまう恐れがあるためです。
小さなカフェの開業ステップ
ここでは小さなカフェを開業する際のステップを解説します。
開業準備から開業までの流れをまとめると以下の通り。
事業計画書はお金を借り入れる際や協力者を募る際に軸となるものです。
何を目的としたお店なのか、どんなコンセプトで営業するのかを明確にしておきましょう。
事業計画書の方向性を考えながら、メニュー開発を同時に開始します。
お店の看板となる商品だけでなく、ドリンクやお菓子のメニューも具体化しておくとオープンまで適宜ブラッシュアップすることができますよ。
また広告費を抑えるためにも、この段階からSNSなどを活用してお店についての発信を始めるのもおすすめです。
自身が考えたコンセプトやターゲットにあった出店場所を探します。
近くの不動産屋さんに相談したり、その街に住む知り合いなどに聞いたりして探す方法があります。
また、ターゲット設定が合っているかを知るためにも、できるだけその希望地の朝から夜までの人の流れを把握できると良いです。
例えば、時間を変えて訪問したり、近くの飲食店で聞いてみたりする方法があります。
事業計画書に沿って必要な資金調達を行います。
自己資金に加えて、不足分は前項で示した以下の資金調達の方法を組み合わせるのが一般的です。
- 銀行や金融機関からのローン
- 都道府県などの自治体による助成金や政府からの補助金
- 日本政策金融公庫からの借入
- 投資家やビジネスパートナーからの調達
- クラウドファンディング
一般的に必要な資金のうち3割は自己資金として用意できると良いでしょう。
内装に工事が必要な場合は内装業者に工事を依頼します。
店舗デザインも一緒に行ってくれると進めやすいですね。
前もって自身の理想に近い物件やデザインが視覚的に示せるように、コラージュを作成しておくのもおすすめです。
また、使用する家具や食器なども少しずつ集めておきましょう。
お店の形ができあがれば、あとはオープンを迎えるのみです。
バイトを雇って営業するなどの場合には、オープンの1週間前くらいから入ってもらい、オペレーションの確認や店内備品の最終調整などを行いましょう。
小さなカフェの開業後に必要なこと
開業することはゴールではなくスタートです。
ここでは、小さなカフェを開業した後に必要となることを以下の4点解説します。
- 毎月のお金の管理
- メニューの改善
- リピートしてきてもらう工夫
- 資格
1つずつみていきます。
毎月のお金の管理
開業後には設定した売上目標が達成できるのか、また見直す必要があるかを確認するためにもお金の出入りを把握する必要があります。
具体的には日々記録するものと月毎に記録するものがあり、それぞれお店の売上高や客数、客単価などを記録します。
現在はレジの端末で数値を出してくれたり、商品ごとの売れ行きも把握できたりするので上手に活用していくと良いです。
また、同時に備品の購入費などの支出もきちんと管理しておきましょう。
Excelやスプレッドシートなどを活用して入力しやすいフォーマットを作っておくのも1つです。
忙しくなると月末にまとめて行うこともあるかもしれませんが、できる限り適宜入力しておくと修正もしやすくなります。
メニューの改善
オープンしてからしばらくすると提供しているメニューの原価率やオペレーションなどについて、さまざまな意見が出てくるでしょう。
そうした意見を生かしたメニューの改善も、オープンから定期的に行う業務の1つとして考えましょう。
もちろん提供するお客さんの意見を取り入れる必要もありますが、お店として変えられる部分とそうでない部分を明確にしておくのも必要です。
また、少しずつ変化を加えることは生きたお店づくりにも繋がるので、効果的に取り入れられると良いですね!
リピートしてきてもらう工夫
開業当初は新しさや珍しさで足を運んでくれるお客さんもいますが、開業後3ヶ月もするとそうしたお客さんは一気に少なくなります。
そのためにも繰り返し足を運んでくださるリピーターの獲得はお店を続けていくためにも必要です。
リピーターを獲得する方法としては、ポイントカードの作成や次回来店時に使える割引券の配布などがあります。
開店時にセールをするお店も見受けられますが、その後のリピーターに繋がりづらくなる可能性もあります。
店舗のコンセプトなども踏まえて、自身のお店ならではのサービスが考えられると良いです。
資格
コーヒーの専門店としてお店を開く場合、コーヒー関連の資格取得もおすすめです。
資格取得にかかる費用はピンキリですが、およそ1万〜3万円で取得できます。
自身の知識力が上がるだけでなく、お客さんにとっても信頼感を持てる要素になるでしょう。
コーヒー関連のおすすめの資格は以下の5つで、それぞれかかる最低費用も記載しています。
コーヒー初心者から開業する場合には、比較的取得しやすいコーヒーソムリエやコーヒーインストラクターの資格を開店前に取得しておくのもおすすめです。
その他紅茶や製菓の資格などもあるので、自身のお店にあった資格取得もぜひ視野に入れてみてください!
コーヒーのおすすめ資格・講座は、以下の記事で詳しく解説しています。
小さなカフェは開業前よりも開業後を考える必要がある!
いかがでしたか?
今回は10坪程度の小さなカフェを開業する際のメリット・デメリットから3つのポイント、開業までのステップなどを解説しました。
本記事の重要ポイントをまとめると以下の通り。
- 初期費用などの費用面におけるメリットがあるが、スペースが限られたり、自身の体調が営業に影響したりといったデメリットもある
- 小さなカフェでも「食品衛生責任者」「飲食店営業許可申請」は必ず必要になる
- 小さなカフェの開業にかかる費用は物件に関するものや人件費などがあり、特に半年分の運転資金は忘れやすいため内訳に入れてくと良い
- 開業時の費用が足りない場合には借り入れたり、クラウドファンディングで集める方法がある
- 削れる部分は極力削ることが小さなカフェの開業費用を抑えるコツ
- 開業後にもメニュー開発や資格取得など、固定費以外にかかる費用がある
本記事を参考にして小さなカフェの開業を実現させましょう!
カフェ開業全般に共通して覚えておくべきことを以下の記事で詳しく解説しています。