ザンビアのコーヒーってどんな特徴があるのかな?
ザンビア産コーヒー豆のおすすめが知りたい!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
アフリカの南にあるザンビアは、生産量は少ないながら高品質なコーヒーを生み出しているのを知っていましたか?
本記事ではそんなザンビアのコーヒーの特徴や味わいについて解説していきます!後半にはおすすめの豆や粉も紹介!
- ザンビアのコーヒーは、流通量は少ないが高品質なのが特徴
- 味わいは複雑で風味豊か。明るい酸味と深いコクを持つ
- フルーティーな香りや赤ワインのような深い芳香もある
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
ザンビア共和国とは?コーヒーの特徴の前に知ろう!
ザンビアとは、アフリカの南部に位置する共和制国家で首都はルサカという都市です。
かつてイギリス領だったこともあり、公用語として英語を使用しています。
世界平和度指数ランキングでは、48位でアフリカ内で最も平和な国としても有名です。
産業としては銅が有名であり、コッパーベルト(銅の帯)と呼ばれる地名も存在します。
コーヒーの本格的な生産は1970年頃からだから割と最近だよ!
ザンビア産コーヒーの特徴
そんな穏やかな国であるザンビアは、他のアフリカ諸国と同じくコーヒーを生産をしています。
しかし、エチオピアやタンザニアといった有名産地と比べるとザンビアのコーヒー生産はかなり小規模。
「生産量は少ないけれど高品質」なのがザンビアのコーヒーの特徴です。
そんなザンビア産コーヒーの味わいを始めとした特徴について解説していきます!
味わい
ザンビアのコーヒーの味わいについて、JETRO(日本貿易振興機構)のパンフレットには「マイルドな酸味を有したフルボディ」と記載されています。
ベリーや柑橘のようなフルーティーで明るくジューシーな酸味や甘みに加え、キャラメルのようなコクと少しのスパイシーさを持ち、複雑で奥行きと力強さのある味わいなのがザンビアのコーヒーです。
その複雑で厚みのある味わいに対して、赤ワインのようでもあると語る人もいるほど。
ぜひ一度飲んでみたい!
精製方法
現在確認できているザンビアのコーヒーの精製方法は以下の3つです。
アフリカのコーヒーはウォッシュド製法が主流である中、ザンビアのコーヒーはナチュラル製法も行っています。
このことが今後、ザンビアのコーヒーの品質や流通などにどう影響を及ぼしていくかが気になります!
ザンビアのコーヒーの歴史
冒頭で少し触れたとおり、ザンビアでコーヒーの栽培が開始されたのはごく最近でおよそ1970年頃と言われています。
栽培を開始してすぐは政府からの奨励されたこともあり、ザンビア国内のコーヒーの生産量は一気に拡大していきました。
その生産量は2005年にピークを迎えましたが、それ以降は急激に衰退の一途を辿ります。
いくつかの原因がある中で、やはり1番大きな要因と考えられるのは2004〜5年の間に起こった大干ばつです。
これによりコーヒー農家は深刻な被害を受けてしまったのです。
資金援助が2004年に打ち切りになる
コーヒーは植え付けから収穫まで3年ほどかかってしまうため、コーヒー農家は十分な資金支援がない限り存続が非常に厳しい状態まで追い込まれてしまいました。
そうした中で、コーヒー生産者向けにEUが行っていた資金援助が2004年に打ち切りとなってしまったのです。
これらの理由が重なって、多くのコーヒー農家が違う作物を育てることを余儀なくされてしまったんだよ。
高品質なコーヒーを栽培しながらも、中々厳しい状況に置かれているザンビアのコーヒー産業ですが、現在大規模なコーヒー農園をシンガポール企業が買収し再建中であるとのこと。
このことによって、今後ザンビアのコーヒーの生産量が上がることが期待されています。
ザンビアのコーヒーの栽培環境
続いては、そんなザンビアのコーヒーの栽培環境についてみていきましょう。
主な産地
ザンビアのコーヒーの主な産地は以下の4つです。
- イソカ地区
- ナコンデ地区
- カサマ地区
- 首都ルサカ周辺
上記4つの地域の中で、ルサカ以外は北部に集中しているのが特徴的です。
カサマ地区には大規模な農園が4つあり、ザンビアの中で最もコーヒー栽培が盛んな地域となっています。
また、上記以外にもムチンガ山脈周辺の小規模農家は高品質のスペシャルティコーヒーを生産しているそうです。
格付け・等級
ザンビアのコーヒーは基本的に豆の大きさ(スクリーンサイズ)で格付けされています。
主な等級は以下のとおり。
AA | スクリーンサイズS18〜 |
A | スクリーンサイズS15〜17 |
また、上記以外にもカッピングテストを行って品質が優れていたコーヒーに対しては「TOP」や「+(プラス)」などがつくこともあります。
主な栽培品種
ザンビアで主に栽培されているコーヒーの品種とその特徴は、以下のとおり。
SL28 | スコット研究所がタンザニアから持ち込んだ「タンガニーカ」の子孫にあたる。干ばつに強く、高地生産に適している。味が非常によいため高値で取引される傾向にある。 |
ブルボン | ティピカの突然変異種。古くから存在する品種で、収量が高く丈夫。コクや甘みが強い。 |
カティモール | ハイブリットティモールとカトゥーラの交配種。さび病に耐性があり、収量が多く成長が早い。高地などで丁寧に栽培されたものはちゃんと風味が出る。 |
知っているものはあったかな?
ザンビアのコーヒーがおすすめな人・そうでない人
ザンビアのコーヒーは以下のような人におすすめです。
- フルーティーな酸味や香りのコーヒーが好きな方
- 複雑な味わいが好きな方
- 珍しいコーヒーが好きな方
ザンビアのコーヒーは、アフリカの豆らしい柑橘を思わせるような酸味や香りを持っています。
そのため、酸味が強いコーヒーが好きな方はきっと気にいるはず。
また、ザンビアのコーヒーはフルーティーさだけでなくキャラメルやスパイスといった複雑な味わいや風味を併せ持っています。
奥深い味わいをじっくり堪能したい方にとってもおすすめです。
ザンビアのコーヒーは今のところ流通量があまり多くないため、珍しいコーヒーを飲んでみたい方にもいいでしょう。
ワインの香りが得意でない方にはおすすめできない
反対に、ザンビアのコーヒーがおすすめできないのは以下のような方になります。
- 酸味が強いコーヒーが苦手
- 味や香りに統一感が欲しい
- ワインのような香りが苦手
アフリカの豆は、総じて酸味が強い傾向にあります。
また、様々なフレーバーを持つザンビアのコーヒーは、まとまった味を好む方からすると少し風味が強すぎる可能性もあるためあまりおすすめできません。
ザンビアのコーヒーはその奥深い香りがワインを思わせるという評価も多いため、ワインの香りが得意でない方も好みに合わない可能性があるでしょう。
ザンビア産コーヒーおすすめ4選!通販もできる
ここでは通販でも購入できる、ザンビア産のおすすめコーヒーを4つ紹介していきます!
まとめると以下の通りです。
- UCC ROAST MASTER 豆 ザンビア・マフィンガヒルズ農園
- ハチコーヒーロースト 三角 テトラパック コーヒー ザンビア テラノバ農園
- ドリップバッグ・ザンビア NCCL農園 ナチュラル~Northern Coffee Company Limited~
- スターバックス リザーブ サンドライド ザンビア ンゴリ エステート
順番に解説します。
1. 厳選された農園指定豆を100%使用「UCC ROAST MASTER 豆 ザンビア・マフィンガヒルズ農園」
UCCの焙煎士の中からチャンピオンとして選ばれた齋藤浩介氏が監修するシリーズ「UCC ROAST MASTER」。
そのシリーズの1つがこの商品です。
厳選されたマフィンガヒルズ農園の豆を100%使用し、焙煎技術を駆使してザンビアのコーヒーの特性を活かしたローストが施されています。
まるで赤ワインを飲んでいるかのような深い香りと味わいが楽しめる逸品です!
味わい5段階評価
苦味 | ★★☆☆☆2つ |
酸味 | ★★★★☆4つ |
甘み | ★★★★★5つ |
コク | ★★★☆☆3つ |
香り | ★★★★☆4つ |
商品詳細
価格 | 970円 |
内容量 | 100g |
賞味期限 | 製造日より12ヶ月 |
2. とっても手軽なテトラパック「ハチコーヒーロースト 三角 テトラパック コーヒー ザンビア テラノバ農園」
新天地を意味するテラノバ農園は、ザンビアの中南部に位置しています。
この農園で育てられたコーヒーは非常にコクが深く力強い味わいです。
余韻にキャラメルが香り、酸味だけでなく甘みもしっかりとあります。
そんな味わい深いザンビアのコーヒーを、ティーバッグ感覚で楽しめるテトラパックにしたのがこちら。
非常に手軽に美味しいコーヒーが味わえますよ!
味わい5段階評価
苦味 | ★★★☆☆3つ |
酸味 | ★★★★☆4つ |
甘み | ★★★☆☆3つ |
コク | ★★★★★5つ |
香り | ★★★★☆4つ |
商品詳細
価格 | 4581円 |
内容量 | 10g×30パック |
賞味期限 | 記載なし |
3. ザンビアコーヒー発祥の地の農園で栽培「ドリップバッグ・ザンビア NCCL農園 ナチュラル~Northern Coffee Company Limited~」
NCCL農園があるカサマ地区は、ザンビアコーヒー発祥の地といわれています。
この農園はかつて炭疽病にて大打撃を受けてしまいました。
しかし2012年から支援を受けて植樹を再開、現在はOlam社によって事業を再開するに至りました。
そんな復活を遂げたNCCL農園のコーヒーは、まるでベリーのようなジューシーさとチョコレートのような力強いコクを感じさせます。
奥行きのあるコーヒーを、お手軽なドリップバッグで味わってみませんか?
味わい5段階評価
苦味 | ★★★☆☆3つ |
酸味 | ★★☆☆☆2つ |
甘み | ★★★☆☆3つ |
コク | ★★★★☆4つ |
香り | ★★★★☆4つ |
商品詳細
価格 | 1728円 |
内容量 | 90g(9g×10パック) |
賞味期限 | 別途商品ラベルに記載 |
4. 一部限定店舗でのみ買える限定コーヒー「スターバックス リザーブ サンドライド ザンビア ンゴリ エステート」
STARBUCKS RESERVE® ROASTERY TOKYOでのみ取り扱われているコーヒーです。
現地で「ゴールドコーヒー」とも呼ばれる乾燥式で仕上げられたこのコーヒーは、非常に豊かな味わいを持っています。
ピーチコンポートの甘さとジンジャーのスパイシーさに加え、レモンのような酸味にハニーブッシュのような華やかな風味。
そんな贅沢なコーヒーをぜひ1度味わってみませんか?
味わい5段階評価
苦味 | ★★★☆☆3つ |
酸味 | ★★★★★5つ |
甘み | ★★★☆☆3つ |
コク | ★★★☆☆3つ |
香り | ★★★★☆4つ |
商品詳細
価格 | 2808円 |
内容量 | 250g |
賞味期限 | 記載なし |
ザンビア産コーヒーのおすすめの飲み方
非常に味わいが豊かなザンビアのコーヒーを100%楽しむために、おすすめの飲み方を紹介していきます!
焙煎度合い
ザンビアのコーヒーにおすすめの焙煎度合いは、ハイロースト〜ミディアムローストです。
豆自体の持つ酸味が強いため、あまり浅煎りにすると酸味が強くなりすぎる可能性があります。
また、逆に焙煎が深すぎてもザンビアのコーヒーが持つ明るい酸味を消してしまいかねません。
そのため、少し深めの焙煎度合いにすると酸味が生きて深いコクが楽しめるコーヒーに仕上がるでしょう。
詳しくは「コーヒー豆のローストとは?焙煎の違いは全部で8段階【初心者必見】」の記事で解説しています。
抽出方法
ザンビアのコーヒーが持つコクを生かすには、ネルドリップによる抽出がおすすめです。
ネルドリップで抽出することによって、とろりとした口当たりを楽しむことができます。
しかし、豆自体の味わいが強いためペーパードリップによる抽出にも向いています。
ペーパードリップで抽出をした際は、しっかりとした味わいにも関わらず非常に飲みやすいコーヒーとなります。
ネルドリップについては以下の記事で詳しく解説しています。
ザンビア産コーヒーの特徴を理解してその文化に触れよう!
いかがでしたでしょうか?
ザンビアのコーヒーの特徴や歴史、味わいなどを詳しく解説しました。
今回の記事の要点は以下のとおりです。
- ザンビアのコーヒーは流通量は少ないものの高品質
- 大干ばつにより1度コーヒー産業が衰退した
- 味わいが非常に複雑で風味豊か
- 明るい酸味と深いコクを持つ
- フルーティーな香りや赤ワインのような深い芳香を持つ
今はまだ復活の途中ともいえるザンビアのコーヒーは、まるでその歴史のように力強い味わいを持ちます。
深いダメージを負いながら、それでも高品質なコーヒーを生産し続けるザンビアのコーヒー業界に明るい未来がくることを願ってやみません。
あなたもザンビアのコーヒーを飲んでアフリカの大地を感じてみませんか?
また同じアフリカ産のコーヒーとして以下の記事も参考にしてみてください。