コーヒー染めの具体的なやり方が知りたい!簡単な方法から上級者向けまで教えてほしい!
そもそもコーヒー染めって何?本当にコーヒーを使って布などが染まるの?
コーヒーにムラが出てしまう方も必見です。
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
- そもそもコーヒー染めとは何か
- コーヒー染めをするために必要なもの
- 初級者〜上級者向けのコーヒー染めの方法
- コーヒー染めでより濃くしたい場合
- ムラが出る場合の対処方法
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう。
コーヒー染めとは?
コーヒー染めとは、コーヒーの色を何かの素材に付けることを言います。
コーヒーの色で何かを染める。
つまり、コーヒー染めです。
コーヒーは独特の色をしているのは、皆さんご存じですよね。
この独特の、茶色のような、赤っぽいような、なんとも言えない深みがあって透き通った色を布や紙などに付けて、何とも言えない風合いを醸し出すものに変身させます。
コーヒーをこぼしてしまって、染みになるあの原理を利用して染めるのです。
シミは嫌ですが、コーヒー染めになると、コーヒー色のものになって、おしゃれ感がより上がります。
コーヒーがお好きな方はチャレンジしてみましょう。
やってみようかな。
メリット
コーヒー染めをすることによるメリットは以下の通りです。
- 手軽な材料でできる
- 簡単に染められる
- コーヒー豆の再利用ができる
- 染めたものがアンティーク風になる
- 取れないシミを目立たなくする
たくさんのメリットがあるね!
デメリット
デメリットは以下の通りです。
- 作業が一度にできない。(1日で終わらせられない。)
- 他の色には染められない。(コーヒー色だけ。)
- 初心者は理想の色にすることが難しい。
コーヒー染めは多少の時間を要することには注意が必要ですね。
コーヒー染めをするために準備するもの
コーヒー染めをするために準備するものは以下の通りです。
- 染めるもの
- インスタントコーヒーもしくは出がらしのコーヒー豆
- 豆乳または牛乳
- 塩
たったの4つです。
どこのご家庭にもある4つのものを用意するだけでコーヒー染めができるので、是非試してみましょう。
初級者向けのコーヒー染めの方法
最初は初級者向けのコーヒー染めの方法を紹介します。
実際に行った行程です。
- 染める布を決める
- 糊がついている新品の布は事前に洗って糊を落としておく
- 豆乳もしくは牛乳に1時間くらい漬け込む
- しっかり絞って陰干しする(完全に乾くまで干すこと)
- 染める液を作る(コーヒー液)
- コーヒー液に染める布を入れる
- 10分ぐらい漬けたら塩を入れる
- 1時間以上浸しておく
- よく絞って乾かして完成
全部で9つの工程ですね。詳しく解説します。
生地の素材は綿がおすすめ
初心者は染める布は簡単で失敗の少ないものを選びましょう。
生地の素材は綿がおすすめです。
最初はハンカチやタオル、布そのもの、ガーゼなど、縫製があまりされていないようなアイテムを選ぶことをおすすめします。
今回は、綿素材の白いタオルを選びました。
新品のタオルは糊が表面に付いていて、水をはじく感じなので、事前に選択して糊を落としておきます。
何度か使用している白いタオルだと染まりやすくてベストです。
たんぱく質を繊維に浸み込ませる
豆乳か牛乳に漬けこむのは、たんぱく質を繊維に浸み込ませるためになります。
染物のメカニズムは、ものそのものの分子同士の引き合う力と、物が帯びている電子と電子が引き合う力で染めるものと染まるものが結合して、物が染まるのです。
ものには電子を帯びているものといないものがあり、帯びているものにも、電子の強弱があります。
もちろん、しっかり電子を帯びているものの方が、染色の電子を引き寄せるので、染まりやすいのです。
しっかり電子を帯びている布は絹になります。
絹はタンパク質なので、たんぱく質が電子をしっかり帯びているということです。
つまり、牛乳や豆乳を布に浸み込ませるのは、たんぱく質をしっかり繊維内に入れて、染色の電子を引き付けるようにするという意味があります。
豆乳もしくは牛乳に1時間くらい漬け込む
今回は1:1の割合で豆乳と水を使いました。
ボウルに500㎖の豆乳と、同量の水を入れ、そこにタオルを漬け込みます。
1時間以上経過した後、タオルを取り出して、洗い流さずにそのまま絞ります。
陰干しして完全に乾かす
それから陰干しして完全に乾かします。(丸一日以上かかります。)
タオルが完全に乾いたことを確認できたら、染める液をつくります。
ここの時点でしっかりと乾かしておくことがポイントだね。
10分程度煮立てる
今回は出がらしのコーヒー豆40gを使用しました。
鍋に水を1.5ℓくらい入れます。
沸騰したら、出がらしのコーヒー豆を投入して、かき混ぜながら10分程度煮立てます。
この時、鍋が焦げ付かないように注意しましょう。
インスタントコーヒーでもコーヒー液を作れます。
量は染める色の濃さによって変わります。
しっかり濃く染めたい場合は、多めのコーヒー豆を用意しましょう。
コーヒー液が完成したら、一度漉します。(インスタントコーヒーはこの工程は不要です。)
陰干しして乾かしたタオルを入れる
コーヒー豆を取り除いたコーヒー液を再び鍋に戻して火をつけて煮立たせます。
そこに陰干しして乾かしたタオルを入れます。
菜箸などを使って、タオルをしっかり全体にコーヒー液を馴染ませます。
5分~10分くらい経って、これ以上色が変わらないという感じになったら火を止めます。
更にそこから10分くらい、鍋の蓋をしめて保温しながら放置します。
塩を入れる
10分後に液がまだ温かいまま塩を入れて全体に溶け込むようにかき混ぜます。
塩の量は決まってません。
だいたいスプーン1杯くらいを入れました。
この塩は媒染といって、染料を水に溶けないように変化させることです。
コーヒー液は草木染と同じで、天然の染料になります。
天然の染料は水溶性なので、洗うと水に溶けてしまうのです。
つまり、せっかく染めたのにも関わらず、染料が布から離れてしまって、元のいろに戻ってしまうということになります。
なので、媒染という作業はとても重要な工程です。
洗濯しても色落ちしなくなる
媒染の材料は金属イオンになります。
塩は塩化ナトリウムで、水に溶けるとナトリウムイオンという金属イオンが分解されるのです。
これが、媒染の材料である金属イオンとなり、コーヒー液が染みたタオルが不溶性のものになります。
こうすると、洗濯しても色落ちしないのです。
洗い流さずにそのまま絞って乾かす
塩入のコーヒー液にそのまま1時間以上漬け込んでおきます。
1時間以上経過したら、洗い流さずにそのまま絞って乾かします。
乾いたら完成です。
カフェオレ色になる
出がらしのコーヒー豆40g使用でカフェオレ色になりました。
色見はコーヒー豆の量で調整して下さい。
まとめると以下の通りになります。
- 染める素材の繊維にたんぱく質を浸み込ませる。
- 染める液(コーヒー液)を作る。
- 染める。
- 色を不溶性にして定着させる。
このように4工程を経て染め上げます。
簡単にできそうだね!
中級者向けのコーヒー染めの方法
中級者向けとしては、色々な素材を染めてみましょう。
布の素材、形になっているもの、紙類など、染められるものは沢山あります。
- 染まりにくい布の素材
- Tシャツやバックなどの身の回りのもの
- 画用紙
- レースペーパー
- 紙のコースター
これらのような素材ににチャレンジしてみるのも面白いですよね。
様々な素材をコーヒー色に染めてみてはいかがでしょうか。
上級者向けのコーヒー染めの方法
上級者向けとしては、色の調整や模様をつけてみましょう。
自分の思い描く色や、思い通りの濃さに染めるには技術がいります。
それには知識や経験が必要です。
模様をつけたり、自分の想像通りの濃さや色合いを形にできるのは、上級レベルの腕がないとできません。
何度かコーヒー染めを経験されている上級レベルの方は、ぜひ、ご自分の理想通りの色を出すように何度も染めてみましょう。
輪ゴム止めや布を結ぶと綺麗な模様ができる
模様は布を結んだり、輪ゴムなどで止めたり、絞ったりすると色ムラができて、それが綺麗な模様になります。
一度全体を染めて、二度目は布を結んだりして模様をつけてみてはいかがでしょうか。
自分でコーヒー染めしたオリジナルTシャツや、ワンピースなどを作ってもいいですよね。
コーヒー染めでより濃くしたい場合
コーヒーの液を濃く作るか、何度も染める作業を行いましょう。
濃い色を出したい場合は、染める液そのものを濃い色に作る方法と、何度も何度も染める方法があります。
染める液そのものを濃い目に作って、1回で満足いく濃さに染まらなかった場合、染色と媒染作業を何度も繰り返すことによって色がだんだん濃く変化していくのです。
色を重ねていくイメージですね。
手間はかかりますが、思い通りの濃さに仕上げたい方は、コツコツと作業を繰り返して下さい。
上級者目指してみよう!
コーヒー染めでムラが出る場合の対処方法
結論、大きいサイズの容器を使いましょう。
染めるもの全体がしっかりコーヒー液に浸かって、さらにゆとりがある容量サイズの鍋やボウルを使う事により、全体にコーヒー液がムラなく染みわたるからです。
染めるものが折りたたまっていたり、コーヒー液から出てしまっていては、十分に液が繊維にくっつかない場所と、しっかりくっつく場所ができてしまいます。
そうすることにより、色ムラができてしまうのです。
それを防ぐためには、十分な大きさの容器が必要です。
染める物の大きさに見合う、ゆとりのある大きめサイズの容器を用意しましょう。
コーヒー染めで充実した彩りある生活を送ろう!
いかがでしたでしょうか?
コーヒー染めの方法について、簡単な染め方から上級者向けまで紹介しました!
今回の記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- コーヒー染めはコーヒー色のものになって、おしゃれ感がより上がる
- コーヒー染めにはあまり準備するものがない
- コーヒー染めは時間が多少かかる
また一番おすすめしたい、初心者向けのコーヒー染めのやり方をもう一度まとめておきます。
- 染める布を決める
- 糊がついている新品の布は事前に洗って糊を落としておく
- 豆乳もしくは牛乳に1時間くらい漬け込む
- しっかり絞って陰干しする(完全に乾くまで干すこと)
- 染める液を作る(コーヒー液)
- コーヒー液に染める布を入れる
- 10分ぐらい漬けたら塩を入れる
- 1時間以上浸しておく
- よく絞って乾かして完成
是非今回紹介したコーヒー染めの方法で、充実した彩りある生活を送ってもらえれば幸いです!