コーヒーをかなり飲むんですが、水分補給にはなってるんですか?
コーヒーは水分補給にならないの?研究ではどうゆう報告がされているの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
コーヒーを毎日のように飲む方は、水分補給になるのかならないのかを知ることで、今後どのように飲んでいくか変わりますよね。
そこで本記事では、コーヒーで水分補給について、対策方法を含めて研究結果を基に解説します!
- コーヒーは水と同等の水分補給効果が期待できると示されていて、適切な量であれば水分補給にもなる
- コーヒーの98%以上は水分からできている
- 高齢者や熱中症対策としてコーヒー飲む際は注意が必要
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは詳しく見ていきましょう!
コーヒーでも水分補給になる!【研究・論文データを基に解説】
「コーヒーを飲むと脱水症状を起こす」という話を、みなさんも一度は耳にしたことがあるかもしれません。
脱水症状を起こす要因としてあげられるのがカフェインによる利尿作用ですが、この作用により体内の水分が排泄される働きが促進されることから、水分補給に向かないとされてきました。
ですが、実はコーヒーは「水」と同等の水分補給効果が期待できると示されており、適切な量であれば水分補給にもなります。
コーヒーの代表的な成分といえばカフェインやポリフェノールが思い浮かぶかもしれませんが、コーヒーの98%以上は水分からできています。
水などをなにも飲まないよりも、むしろコーヒーを飲んだほうが脱水症状を防げるといえます。
もちろん、コーヒーだけによる水分補給はあまりおすすめできませんが、カフェインによる利尿作用があるからといって、コーヒーを避けなければいけないなどということは決してありません。
※「Killer SC et al. PLoS One (2014)」参照
1日の水の摂取量目安
「水」は身体にとって大きな役割を担う成分ですが、実際のところ、1日あたりどのくらいの水を飲むべきなのか知っていますか?
人は生活の中で呼吸、汗、消化器官の働きなどによって1日に約1.5L~2Lの水分を失います。
そのため、成人に必要な目安量は一般的に約1.5Lといわれています。
また正しく水を摂取するポイントは「少量をこまめに飲む」ことです。
一度に大量に飲むと体に負担がかかりやすく吸収しきれないため、コップ一杯を6~8回にこまめに分けて飲むのが良いとされています。
水を飲むことは健康だけでなく美容にも効果的であり、人にとって水の摂取は欠かすことのできないものなのです。
1日のコーヒーの摂取量目安
では、コーヒーはどうでしょう?
ここ数年で日本でもおしゃれなカフェが各地で増えてきていることで、大人だけではなく10代の若年層にもコーヒーを飲むことが習慣化されてきています。
そもそもコーヒーに含まれている「カフェイン」という成分は、主にリラックス効果や脳の覚醒作用として働き、そのため朝に目覚めて眠いときや仕事の休憩などでコーヒーを飲んでいる場面がよく見かけられますね。
集中力や注意力、またパフォーマンスアップにもつながるため、やはり毎日のルーティンとして取り入れている方も多いのではないでしょうか?
そんなコーヒーの1日の摂取量は、カフェイン約400mg未満、これをマグカップで表すと3~5杯程度ということになります。
コーヒーのカフェイン量については「【最新】コーヒーのカフェイン量はどのくらい?その効果と副作用も解説」の記事を参考にしてください。
カフェインの感受性が高い若年層や高齢者は注意が必要
またカフェインの作用の一つとして利尿作用があげられますが、コーヒーの飲みすぎでトイレが近くなるといった現象はこの利尿作用が働くことで起こります。
幅広い層から親しまれているコーヒーですが、コーヒーに含まれるカフェインの影響力は個人によって差はありますが、カフェインの感受性が高い若年層や高齢者には特に注意が必要です。
コーヒーは水分補給にならないと言われる理由
ここではコーヒーは水分補給にならないと言われる理由について解説します。
結論、コーヒーにはカフェインという成分が含まれていて、それが悪さをすることによって水分補給にならないといったようなことが言われていました。
カフェインによる利尿作用
この利尿作用がデメリットに感じられやすいコーヒーですが、次のようにも考えられます。
前述のとおり、利尿作用により排泄が促進されますが、これはカフェインの働きがそうさせているのです。
カフェインは末梢や腎臓の血管を拡張させます。
血流が増え、そして血液ろ過量が増加することで内臓機能が活発になり、尿の量が増え、排泄の量や回数が増えます。
この働きにより新陳代謝が高まり身体の中の老廃物といっしょに余分な水を排出するため、むくみも解消されることで、健康や美容の効果に期待ができます。
また日常的にカフェインを摂取している人は、利尿作用の影響を受けにくく耐性できるため、カフェインを摂取しても弱い利尿作用しか働かず、カフェインを取らない人との水分量などは変わらないといわれています。
高齢者の水分補給でコーヒーを飲むのは避けたい
高齢になると内臓機能が低下し、カフェインを分解する働きが衰えてきます。
機能がうまく働かずにカフェインが体内に留まりやすくなるため、高齢者にとってコーヒーは「不眠」や「頻尿」などの影響を及ぼすものとされています。
利尿作用によってトイレに行く頻度が増えることで頻尿となり、それにより寝付きが悪くなったり睡眠の質が落ちる可能性が高いのです。
また水分補給として積極的にコーヒーを摂取してしまうと、過剰摂取につながり、さまざまな内臓器官に刺激を受けます。
高齢者だけに該当しませんが、特に消化器官は刺激を受けやすい部分であり、下痢や吐き気などを起こすこと考えられます。
「水」とほぼ同等の水分補給の効果が得られるコーヒーですが、高齢者の方には負担がかかりやすいため避けるのがベターです。
ですが、高齢になっても健康でコーヒーを美味しく楽しむために、カフェインの過剰摂取や飲むタイミングにはしっかりと気を配るようにしましょう。
熱中症対策としてコーヒーや緑茶はおすすめしない
夏になると冷たい緑茶やアイスコーヒーが飲みたくなりますよね。
これらも立派な水分ですので、熱中症対策としてカフェインの目安量を図らいながら摂取するには問題はないのですが、やはり忘れてはならないのがカフェインによる利尿作用。
こまめな水分の摂取が重要とされていますが、カフェインを含む飲物は利尿作用が働くため、飲んだ分もしくはそれ以上の水分が排泄により体から出ていくため、体内の水分量が減り、熱中症のリスクを上げてしまいます。
また、体内の水分量が不足していると感じられるときや熱中症に近しい状態のときにコーヒーなどのカフェイン飲料を一度に大量に飲むと、急性カフェイン中毒を引き起こす危険があるともいわれています。
自身の健康管理を踏まえよう
脱水作用はないと示されており水分補給としても有効だといえるコーヒーですが、気温の変化や日々の体調の様子、運動量など、自身の健康管理を踏まえて取り入れるといいでしょう。
ただ、カフェインは脳を活性化したり眠気を覚ましたりする働きもあるので、日頃からコーヒーを飲むときには意識して水も一緒に飲むようにするなどして、上手に活用すればパフォーマンスアップに効果的です。
そうすることで、カフェインの効果も得ながら体の水分を保つことができます。
どうしても気になる場合はノンカフェインコーヒーで水分補給をしよう
ですが、それでもコーヒーが飲みたい!という方は、カフェインが0の「ノンカフェインコーヒー」、もしくは「カフェインレス」「デカフェ」の表記がある選んでみてください。
気になるカフェインの摂取量を抑えながら、コーヒーを楽しむことができます。
「ノンカフェイン」はカフェイン量が0の全く含まれていないもの、「カフェインレス」「デカフェ」はカフェイン量が少ないものを表します。
「カフェインレス」や「デカフェ」はカフェインを完全にカットしているわけではないので、注意してください。
これらはカフェインが少量含まれますが、コーヒーに多く含まれているポリフェノールの一種「クロロゲン酸」は除去されずに残っているため、アンチエイジングやダイエット効果にも期待できます。
またカフェインによる覚醒効果は軽減されるので、寝る前に飲んでも、睡眠に影響は及ぼしにくいとされているため、時間を気にせず、コーヒーを楽しむことができます。
カフェインレスのコーヒーも最近は味・風味のクオリティーも上がってきているため、自分のライフスタイルに合うコーヒーを探してみてくださいね。
おすすめのカフェインレスコーヒーが知りたい方は「【徹底比較】カフェインレスコーヒーのおすすめ人気ランキング13選」の記事を参考にしてください。
コーヒーで水分補給はできることを理解しておこう!
いかがでしたでしょうか?
コーヒーで水分補給はなるのかについて、対策方法を含めて研究結果を基に解説しまいた!
今回の記事の重要な内容をまとめると以下のとおりです。
- コーヒーは水と同等の水分補給効果が期待できると示されていて、適切な量であれば水分補給にもなる
- コーヒーの98%以上は水分からできている
- 高齢者や熱中症対策としてコーヒー飲む際は注意が必要
コーヒーで水分補給はできることを理解しておきながら、カフェインが体質的に受け付けない方や高齢者の方は気をつけながら飲むようにしていきましょう。
そしてその場合は、カフェインレスコーヒーやノンカフェインにしてみてください。