ダイレクトトレードって何なの?
普通のコーヒーとは何が違うの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
あなたはダイレクトトレードという言葉を聞いたことはありますか?
ダイレクトトレードされたコーヒーや食べ物は知られていないメリット・デメリットも存在します。
そこで今回はダイレクトトレードのメリットや、ダイレクトトレードのコーヒー豆が買えるサイトについて紹介。
- ダイレクトトレードは、焙煎業者が直接生産者から豆を買い付けること
- ダイレクトトレードは生産者が潤うが、収穫量に大きく左右される
- ダイレクトトレードはこれから増えてくると予想される
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
ダイレクトトレードとは?
結論、ダイレクトトレードとは生産者と買い手を直接結ぶ取引のことです。
特定のコーヒー焙煎業者や加工業者、売り手などと直接関係を築くために行われる調達のことをまとめてダイレクトトレードと言います。
直接取引と聞くとなんとなく意味は分かると思いますが、普通のコーヒーとは何が違うのでしょうか?
ここでは、通常のコーヒーの物流と比べてダイレクトトレードの特徴を詳しく解説します。
コーヒーの物流
コーヒーは通常、生産地→中間業者→焙煎業者の順番で流通します。
ここで言う中間業者とは、農園からコーヒーチェリーを買い取る仲介人や、焙煎業者へコーヒー豆を販売する輸出業者などがあります。
通常のコーヒーは、この中間業者を介していくうちに様々な農園のコーヒー豆が混ざってしまいます。
しかし、ダイレクトトレードのコーヒー豆は、焙煎業者が直接生産者から買い付けます。
そのため、よく聞くモカやブルーマウンテンといった名前ではなく、〇〇農園のコーヒーとして販売される場合が多いです。
この生産者の顔が見れるコーヒーのことを、シングルオリジンコーヒーと言います。
シングルオリジンコーヒーについては「【最新】シングルオリジンコーヒーとは?その特徴からおすすめまで紹介」の記事をチェック!
ダイレクトトレードのメリット
ダイレクトトレードにはいくつかのメリットがあります。
ここでは、メリットを3つ紹介します。
- ロースターが直接生産者と取引できる
- 生産者に直接お金が入る
- 無名の農園が有名になる可能性がある
ロースターが直接生産者と取引できる
ダイレクトトレードは、ロースター(焙煎業者)が生産者と直接取引ができます。
コーヒーは同じ地域でとれたものでも、生産者によって味が変わってきます。
ダイレクトトレードされたコーヒー豆は、1つの農園からとれたコーヒーが他の豆と混ざる前に取引されるので、通常の銘柄とは違うユニークな味わいが楽しめます。
生産者に直接お金が入る
通常のコーヒーは、中間業者を介すうちにいくらかの料金が発生します。
生産者から豆を買い取る仲介業者は、それを見越して安くコーヒー豆を買うので、生産者に入ってくるお金は販売金額の何十分の一になってしまいます。
ダイレクトトレードはその中間業者がないので、生産者に直接お金が入ってきます。
無名の農園が有名になる可能性がある
小中規模の農園では、通常の取引で大きな利益を得ることができません。
しかし、ダイレクトトレードでその農園の価値が認められると、世界中のコーヒーファンから注目されることになります。
こうして農園をブランディングしていくことで、その農園と直接取引をしたいという人が増え、生産量の少ない農園でも大きな利益を生むことができるのです。
逆に、ロースター(焙煎者)側も隠れた優良農園を見つけるきっかけになります。
ダイレクトトレードのデメリット
ダイレクトトレードにもデメリットがあります。
一番大きな点は、収穫量に安定性がないことです。
通常のコーヒー豆は、複数の農園のコーヒー豆を混ぜて1つの銘柄とします。
そのため、収穫量が少なかった農園があっても、ある程度生産量は保証できます。
しかし、ダイレクトトレードの場合、その農園のコーヒー豆はその農園からしか収穫できません。
収穫量の少ない年によっては、コーヒー豆が全く輸入できない可能性もあります。
その点、ブレンドコーヒーにすることである程度豆の収穫量が減ってしまっても保険が効くというわけです。
ブレンドコーヒーについては「ブレンドコーヒーとは?おすすめの組み合わせから豆まで徹底解説」の記事をチェック!
ダイレクトトレードとフェアトレードとの違い
ダイレクトトレードと混同されがちなのがフェアトレードです。
フェアトレードは皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
フェアトレードとは、発展途上国の原料や製品を適正価格かつ継続的に購入する貿易システムのことです。
製品を適正価格で取引するという点ではダイレクトトレードと同じですが、継続的に取引をしないといけないという点がダイレクトトレードとの違いです。
ダイレクトトレードにおける生産者とロースターは、あくまでビジネスパートナーという関係です。
フェアトレードについては「【決定版】フェアトレードコーヒーとは?気になる実態から値段まで紹介」の記事を参考にしてください。
ダイレクトトレードのおすすめ人気コーヒー豆&サイト6選!
ダイレクトトレードで取引されたコーヒー豆は高級な物が多いので、コーヒー専門店でも取り扱っているお店が限られてきます。
ここではそんな貴重なダイレクトトレードのコーヒー豆・サイトについて紹介します。
まとめると以下の通りです。
- 田代珈琲
- 常盤珈琲焙煎所
- 猿田彦珈琲
- ボンタインコーヒー
- 糸島くらし×ここのき
- 鳥取コーヒーロースター
1. シングルオリジンもブレンドもおいしい「田代珈琲」
田代珈琲は、大阪府に本店を構えるスペシャルティコーヒー専門店です。
生産者の顔が見れるシングルオリジンコーヒーだけでなく、スペシャルティコーヒーを100%使用したブレンドコーヒーも取り揃えています。
その中でも一番人気は、「スペシャルティコーヒーブレンド・エクセレンス」です。
苦みと酸味のバランスが良く、優しい甘みが特徴のコーヒーです。
2. 焙煎仕立てのコーヒーが味わえる「常盤珈琲焙煎所」
常盤珈琲焙煎所は、東京都を中心に店舗を広げるコーヒー専門店です。
焙煎仕立てにこだわっており、鮮度にこだわったスペシャルティーコーヒーを取り揃えています。
「コロンバ・アナエロビックナチュラル」は、濃厚で深いコクが特徴のイチオシ商品です。
焙煎度を変えてもまた違った味わいが楽しめます。
3. スペシャルティコーヒーの有名店「猿田彦珈琲」
猿田彦珈琲は、東京の恵比寿に本店を構えるスペシャルティコーヒー専門店です。
普通のスペシャルティコーヒーだけでなく、ウイスキー樽で香りづけをしたバレルエイジドコーヒーや評議会で入賞したコーヒーなど、他とは違った特殊なコーヒーも扱っています。
中でもおすすめなのは、エチオピアの「ニグセ・ゲメダ・ムデ農園」のバレルエイジドコーヒーで、ウイスキーの香りとコーヒーの香りがマッチした非常にユニークなシングルオリジンコーヒーです。
最高品質のコーヒーに与えられるカップ・オブ・エクセレンス優勝賞品!
猿田彦珈琲については、以下の記事を参考にしてください。
4. 各国の農園から直輸入「ボンタインコーヒー」
ボンタインコーヒーは、愛知県名古屋市に本店を構えるコーヒー専門店です。
シングルコーヒーだけでなく、ブレンドコーヒーにもこだわっており、どちらもおすすめです。
一番人気は、ホンジュラスの「ミラーバーイェ農園」のコーヒー。
トロピカルフルーツのような甘い香りが特徴です。
5. 福岡県出身の雑貨店「糸島くらし×ここのき」
糸島くらし×ここのきは、福岡県糸島市に店を構える雑貨店です。
食べ物や飲み物、食卓の道具など、幅広い商品を取り扱っています。
「糸島ブレンド」は、糸島市をイメージして作られたスペシャルティコーヒーで、ロースターが実際に現地に行って仕入れたコーヒー豆を使用しています。
フルーティーな味わいと柔らかい甘みが特徴です。
6. 有機栽培にこだわる「トットリコーヒーロースター」
トットリコーヒーロースターは、鳥取県に店を構える焙煎工場兼カフェです。
コーヒーインストラクターの資格を持ったオーナーが直接農園に行って豆を吟味しています。
ミャンマーのコーヒー農家からダイレクトトレードで仕入れた「秘境ミャンマーレギュラーコーヒー」は、瑞々しい梨のようなフルーティーさがあります。
無農薬だからさらに安心!
もっと他におすすめのコーヒー通販サイトが知りたい方は、以下の記事をご覧ください!
コーヒーだけじゃない!チョコのダイレクトトレード
ダイレクトトレードされるのはコーヒーだけではありません。
コーヒーと同じく有名なのがチョコです。
フェアトレードマークのついたチョコをよく見かけるかと思いますが、ダイレクトトレードでも取引されています。
チョコもコーヒー同様、生産者に直接お金が入る点と、加工者が現地に行ってカカオの品質を見ることができるメリットがあります。
知っている方も多いかもしれませんが、コーヒーとチョコの相性は抜群です。
おすすめが知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
これからのダイレクトトレードとは?
現在コーヒー業界では、一杯のコーヒーの品質にこだわるサードウェーブという波が来ています。
以前のシアトル系コーヒーのブームから変わって、日本の昔ながらの喫茶店のような一杯を大切にする文化が流行っています。
そこで注目されるのがダイレクトトレードのコーヒーです。
スペシャルティコーヒーと呼ばれる高品質なコーヒーが今後流行の最先端を行くと考えられているので、今後ますますダイレクトトレードは増えていくでしょう。
また、生産者と簡単にコンタクトがとれるプラットフォームも開発されており、ダイレクトコーヒーブームに拍車がかかっています。
スペシャルティコーヒーは少し高級ですが、味は別格です。
サードウェーブコーヒーについては「サードウェーブコーヒーとは?特徴からおすすめコーヒーまで紹介」の記事をチェック!
高品質で生産者にもやさしいダイレクトトレードのコーヒーを飲んでみよう!
いかがでしたでしょうか?
今回はダイレクトトレードのコーヒーについて徹底解説しました。
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- ダイレクトトレードは、その名の通り、直接焙煎業者が直接生産者から買い付けること
- 生産者が潤うというメリットもあるが、収穫量に大きく左右されるためデメリットもある
- ダイレクトトレードはこれからますます増えてくると予想されている
ダイレクトトレードのコーヒーは高級で高品質なものが多いので、なかなか手が出しずらいという方も多いと思います。
しかし、どれも普通のコーヒーとは一線を画したものばかりなので、興味がある方はぜひ試してみてください!