コーヒーの名前ってどれくらいあるの?
コーヒーのいろいろな名前が付いた由来なんかも聞いてみたい!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
- コーヒーの名前は「エスプレッソ」や「エスプレッソ・マキアート」など様々ある
- コーヒー豆の名前の付け方としては、原産国の名前を入れたり、生産している農園・地域の名前を入れたりする
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
コーヒーの名前・種類は多岐に渡る
一口にコーヒーと言っても、いろいろな種類があります。
ブラックコーヒーや、ミルクやシロップで甘く飲みやすくしたものなど、人々のニーズに合わせたドリンクが数多く存在します。
ブラックコーヒーも何種類かに分けられるため、なかなか複雑な印象です。
コーヒーの名前と味・特徴が一致すれば、初めて利用するコーヒーショップでも自分好みのコーヒーを飲むことができますよね。
入ったことのないお店を利用するだけでも緊張するし、せっかくならおいしいコーヒーが飲みたいなって思うよ。
知っておきたい代表的なコーヒーの名前9選!
コーヒー・カフェメニューは非常に種類が多く、日々新しいドリンクも開発されています。
全てを網羅するのは大変だと思うので、代表的なものを9つ紹介します。
まとめると以下の通りです。
- エスプレッソ
- エスプレッソ・マキアート
- エスプレッソ・コンパナ
- フラットホワイト
- アメリカーノ
- カフェモカ
- カプチーノ
- カフェラテ
- カフェ・ブラべ
名前の由来も併せてご覧ください。
1. エスプレッソ
エスプレッソとは、深煎りかつ細挽きにしたコーヒー豆をフィルターに満たし、圧をかけた状態でお湯を通して淹れるコーヒーです。
イタリアやフランスでは最もポピュラーなコーヒーで、特にイタリアではカフェと言うとエスプレッソのことを指すパターンが多いです。
高い圧力をかけて抽出するため、コクが深く濃厚な味わいになりますよ。
通常のコーヒーが1杯100~150mlであるのに対し、エスプレッソはシングルショットで30ml、ダブルショットで60mlと量が少なくなっています。
小さいカップに淹れるため、このカップの名前を取ってデミタスと呼ばれることも。
そのまま飲んでも良いですが、砂糖を入れて飲むと底に砂糖がたまって最後はスイーツのように楽しむことができます。
エスプレッソの由来
エスプレッソの語源は、以下の3つあります。
- 「急速」という説
- 「あなただけに、特別に」という説
- 「抽出する」という動詞「Estratto」の過去分詞形から派生したとする説
由来はこのどれかとされています。
当時のエスプレッソマシンには蒸気機関車の絵が描かれたものがあったので、「急速」というイメージが強いのではないかと考えられますね。
2. エスプレッソ・マキアート
エスプレッソにフォームミルクを混ぜたものがエスプレッソ・マキアートです。
※フォームミルクとは、泡立てたミルクのことで、ふわっとした喉越しを楽しむことができます。
エスプレッソ単体だと、どうしても味が濃厚なため苦味を強く感じてしまう場合もありますよね。
フォームミルクを加えたエスプレッソ・マキアートは、ミルクが本来持つ甘さが際立って感じられるので、砂糖を加えなくてもマイルドになって飲みやすくなります。
とはいえメインはあくまでエスプレッソなので、加えるミルクの量はあまり多くありません。
量の割合は、エスプレッソ:ミルク=3:1ほど。もっと甘さが欲しい場合は砂糖を加えてもOKです。
エスプレッソ・マキアートの由来
マキアートとは、イタリア語で「染み」という意味があります。
味だけでなく色も濃いエスプレッソに、ミルクの白い染みが広がっていくように混ざることから、この名前がつけられました。
3. エスプレッソ・コンパナ
エスプレッソの上にホイップクリームをのせた飲み物のことを、エスプレッソ・コンパナと言います。
濃厚なエスプレッソと甘いクリームが混ざり合って、絶妙なハーモニーが生まれますよ。
小さなカップに淹れたエスプレッソの上に、そのままホイップクリームをのせたビジュアルもインパクトがありますよね。
ほろ苦いスイーツを食べているような感覚になります。
もっと甘さを足したい人は、砂糖を追加するのもおすすめです。
エスプレッソ・コンパナの由来
コンパナとは、ホイップクリームをのせるという意味です。
コンは英語でいうwithに当たり、「共に、一緒に」という時に使われます。
パナ(パンナ)は「クリーム」という単語で、直訳すると「クリームと一緒に」になるので、エスプレッソ・コンパナはクリームののったエスプレッソということですね。
4. フラットホワイト
フラットホワイトは、エスプレッソにミルクをたくさん加えたものです。
カップの中が、下からエスプレッソ、スチームミルク、フォームミルクとなるようにつくられています。
きめ細やかに泡立てたスチームミルクが、滑らかな口当たりで飲みやすいのが特徴的ですよ。
オーストラリアやニュージーランドといった地域で人気の飲み物です。
フラットホワイトの由来
オーストラリアでは、エスプレッソにミルクを加えたものをホワイトコーヒーと呼んでいました。
そのホワイトコーヒーの上に薄く平らにフォームミルクをのせたことから、フラットホワイト(平らなホワイトコーヒー)という名称が広まったとされています。
5. アメリカーノ
エスプレッソに、更にお湯を追加して薄めの味に作ったものをアメリカーノと言います。
ドリップコーヒーとはまた違った味わいを楽しむために、ブラックで飲む人が多い飲み物です。
アメリカーノと名称ですが、アメリカではそこまで一般的な飲み物ではありません。
気軽に立ち寄れるコーヒーショップができてから、アメリカーノは徐々に普及していきました。
アメリカーノの由来
もともとはエスプレッソを薄めて飲むアメリカ人を揶揄してつけたと言われています。
また、戦争でイタリアに出兵したアメリカ人が、母国に比べて味の濃いコーヒーを薄めて飲んでいたことが由来でもあります。
アメリカーノではなく、アメリカンコーヒーについては「【保存版】アメリカンコーヒーとは?違いから美味しい淹れ方まで徹底解説」の記事を参考にしてください。
6. カフェモカ
エスプレッソにミルクとチョコレートシロップを加えたものがカフェモカです。
ミルクとチョコレートの甘さが感じられ、ココアのような感覚で楽しめますよ。
ホイップクリームをトッピングしてもおいしく飲めるのでおすすめです。
エスプレッソが使われていますが、発祥はアメリカです。
カフェモカの由来
モカという種類のコーヒー豆を使ったコーヒーは、カカオ(チョコレート)のような風味が感じられます。
そのモカコーヒーに似せた飲み物として、ココアパウダーやチョコレートシロップを使ったカフェモカが誕生しました。
7. カプチーノ
エスプレッソにスチームミルクとフォームミルクを加えたものをカプチーノと言います。
それぞれの割合は一般的に1:1:1であり、まろやかな味わいが特徴的ですよ。
最後にクリーム状に泡立てたフォームミルクをのせるため、味だけでなくふんわりした見た目も楽しめる飲み物です。
カプチーノの由来
カプチーノという言葉は、カトリック教会の一派であるカプチン会が由来になっています。
カプチン会の修道士は茶色の服を着ており、その色味や被っている帽子と見た目が似ていることから名づけられました。
8. カフェラテ
エスプレッソとミルクを混ぜたものがカフェラテです。
上記で温めたスチームミルクを加えることで、エスプレッソが飲みやすくなりますよ。
この上にフォームミルクをのせるとカプチーノになります。
カフェラテの由来
イタリア語で、カフェは「コーヒー」、ラテ(ラッテ)は「牛乳」という意味です。
イタリアではカッフェ・ラッテやカッフェ・エ・ラッテなどといった名称で呼ばれることもあります。
9. カフェ・ブラべ
カフェ・ブラべのブラべとは、牛乳と生クリームを混ぜてつくったものです。
牛乳と生クリームの割合は1:1なので、かなり濃厚で甘い味になります。
もはやコーヒーではなくスイーツを味わう感覚で注文しましょう。
カフェ・ブラべの由来
ブラべ(ブレべ)とはイタリア語で「凝縮」という意味の言葉です。
ブラべミルクには、牛乳と生クリームの味わいがぎゅっと凝縮されていますよ。
普段何気なく注文している言葉だけど、意味を知るのってなんだか面白いしためになるなあ!
知っておきたいコーヒーの名前一覧
コーヒーの名前一覧を表でまとめました。
材料や名前の由来などを見比べてみてください。
名称 | 材料 | 名前の由来 |
---|---|---|
エスプレッソ | エスプレッソ | 「急速」「特別に、あなただけに」「抽出する」 |
エスプレッソ・マキアート | エスプレッソ+フォームミルク | 「染み」というイタリア語 |
エスプレッソ・コンパナ | エスプレッソ+ホイップクリーム | コン=「共に、一緒に」、パナ=「クリーム」 |
フラットホワイト | エスプレッソ+スチームミルク+薄いフォームミルク | ホワイトコーヒーに平ら(フラット)にミルクをのせた |
アメリカーノ | エスプレッソ+お湯 | アメリカ人がエスプレッソを薄めて飲んだ |
カフェモカ | エスプレッソ+ミルク+チョコレートシロップ | モカコーヒーに味が似ている |
カプチーノ | エスプレッソ:スチームミルク:フォームミルク=1:1:1 | カプチン会の修道士 |
カフェラテ | エスプレッソ+ミルク | カフェ=「コーヒー」、ラテ=「牛乳」 |
カフェ・ブラべ | エスプレッソ+ミルク+生クリーム | ブラべ=「凝縮」 |
コーヒー豆の名前の付け方
コーヒー豆の名前を決めるのには、一定のルールがあります。
- 原産国の名前を入れる
- 生産している農園・地域の名前を入れる
- 出荷する場所(港)の名前を入れる
主にこのようなパターンに分けられますよ。
例えば、スペシャルティコーヒーである「パナマ・エスメラルダ・ゲイシャ」は、「パナマのエスメラルダ農園で作られたゲイシャ種」であるためにこう名付けられました。
このゲイシャというのも、もともとはエチオピアのゲシャ地域で生産されたことでゲイシャと呼ばれるようになりました。
国や地域で特性が違うから、どんなコーヒー豆なのか選ぶ基準にもなるね。
コーヒーの名前・種類を理解して美味しいコーヒーを飲もう!
いかがでしたでしょうか?
知っておきたい代表的なコーヒーの名前を9選紹介しました!
本記事の内容で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- コーヒーの名前は「エスプレッソ」や「マキアート」「カフェラテ」など様々存在する
- コーヒー豆の名前の付け方は、原産国の名前を入れたり、生産している農園・地域の名前を入れたりする
ぜひコーヒーの名前・種類を理解して美味しいコーヒーを飲みましょう!
またコーヒー豆の種類・名前について知りたい方は以下の記事をチェック!