冷めたコーヒーを温めなおすとなぜ味が落ちる?
コーヒーをおいしく温める方法が知りたい!
こういった疑問や要望にお応えします。
コーヒーは香りも楽しむ飲み物なので、温かいうちに飲んだほうがおいしいです。
とはいえ、仕事などですぐに飲みきれず冷めてしまう場合もありますよね。
冷めたコーヒーを温めようとすると、急激な温度上昇によって、本来のおいしさが損なわれてしまいます。
今回の記事では、冷めたコーヒーを温める方法を徹底解説し、温かさを保つ便利グッズも紹介します!
- コーヒーを温めなおすなら低温でゆっくりが鉄則
- コーヒーの温めなおしで味が落ちるのは、急激な温度上昇と温めすぎが原因
- コーヒーを冷まさない便利グッズを活用する
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
コーヒーを温めるなら低温でゆっくりが鉄則
冷めてしまったコーヒーを温めなおすなら、低温でゆっくりと温めるのが鉄則です。
コーヒーに含まれるアロマ成分は、温度が急激に上昇すると飛んでしまいます。
せっかく温めなおしても、できあがるのは香りがなく酸味や苦みの強いコーヒーです。
また、急激に温度が上がると、コーヒーを焦がしたり、温度にムラができたりします。
コーヒーを温めなおすなら、低温でゆっくりと温めることを条件として考えましょう。
冷めたコーヒーを温める最適な方法
冷めてしまったコーヒーを温める最適な方法は、以下の2つです。
- 湯煎する
- コーヒーウォーマーを活用する
低温でゆっくりと温められる2つの方法を解説します。
1. 湯煎する
低温でゆっくりと温められる方法としては、湯煎するのが最適です。
湯煎とは、お湯を使って間接的に加熱する方法で、焦げや温度ムラを起こさずに温められるのが特徴です。
熱すぎないお湯を使うので、低温でゆっくりと温める条件にピッタリの方法です。
温め手順
- お湯を沸かし、沸騰する前に火をとめましょう。
沸騰してしまったら2〜3分程待ちます。目安は約80℃です。 - サーバーなどの耐熱容器にコーヒーを入れ、容器ごとお湯の中で温めます。
- 1分程度で一旦取り出し、温度を確認します。
- まだ温度が不十分であれば、1〜4の工程をくりかえします。
1〜2杯分のコーヒーであれば、上記の方法で適温になるでしょう。
また、この方法は缶コーヒーにも応用できます。
ペットボトルコーヒーを湯煎で温めたい場合は、かならず耐熱容器に入れ替えておこないましょう。
2. コーヒーウォーマーを活用する
コーヒーウォーマーとは、コーヒーを保温しておく器具です。
コーヒーが冷めないために、保温用として使用するのが一般的ですが、熱くなりすぎないように温め方が工夫されている器具なので、温めなおしにも活用できるでしょう。
性能に応じて1,000〜9,000円と金額はさまざまですが、比較的手に入れやすい価格なので、コーヒーを冷ましがちな人にはおすすめです。
保温は30分までがベスト
優秀な器具であるコーヒーウォーマーですが、保温は30分までを目安に使用するのがベストです。
長く使用すると、香りと水分が蒸発して煮詰まり、味を損ねてしまいます。
上手に活用して、おいしいコーヒーを楽しみたいですね。
コーヒーウォーマーのおすすめをまとめた記事も、あわせてご覧ください!
コーヒーの温めなおしで味が落ちやすい理由
冷めたコーヒーを温めなおすと、なぜ味が落ちるのか、おすすめできない温め方法に沿って紹介します。
- 電子レンジ
- 直火
- IHヒーター
1. 電子レンジ
電子レンジは、短時間で食品を温める便利な機械ですが、コーヒーの温める方法としては適していません。
マイクロ波を使って温める電子レンジでは、温度ムラができやすいでしょう。
表面など、温度が高くなりすぎた箇所は、コーヒーの水分も蒸発して煮詰まった苦いコーヒーになります。
また、電子レンジを使った温めなおしで、よくある方法は以下の2つです。
- 自動温め機能を使う
- 牛乳用のボタンを使う
自動温め機能は、急激な温度上昇が起きるだけでなく、液体は温めすぎて吹きこぼれる可能性があります。
レンジで温めすぎたコーヒーは、突沸(爆発)する事例が報告されていて、大変危険です。
そのため、電子レンジには牛乳用のボタンがついている場合が多くみられます。
牛乳ボタンでのあたためは、60℃を想定しているそうですが、温度ムラは避けられません。
カップの大きさやコーヒーの量によって、温めた結果も左右するため、おいしさを保ったまま温めるのは難しいでしょう。
どうしても電子レンジで温めるなら、1番弱いワット数で、30秒を目安にこまめな温度の確認をしましょう。
2. 直火
直火での温めなおしも、味が落ちる方法なので、おすすめできません。
火で温める方法なため、急激に温度が上昇しやすく、コーヒーの香りだけでなく水分も蒸発して、煮詰まってしまいます。
仮に弱火にしても、火の直接当たる部分は高温になり、焦げる可能性が高いのです。
直火でのあたためは、コーヒーのおいしさを失ってしまうので、避けたほうがよいでしょう。
3. IHヒーター
IHヒーターで温めた場合でも、電子レンジと同様に突沸が起きる可能性があり、大変危険です。
飲み物の底側は沸点に到達しているのに、温まっていない上側の影響で沸騰が起きず、何かの刺激で突沸します。
たとえば、牛乳をIHヒーターで温める場合でも、必ずかき混ぜながら温める必要があります。
それならば、コーヒーもかき混ぜながらIHヒーターで温めればいいと考える人はいるでしょう。
しかし、温度調整が難しいため、温まりすぎて煮詰まり、香りは蒸発し味は悪くなります。
かき混ぜる手間をかけるなら、湯煎の手間をかけるほうが安全でおいしく仕上がります。
コーヒーを温める際の注意点
前述した内容から、注意点を抜粋して、以下にまとめました。
湯煎での注意点 | 必ず火からおろして湯煎しましょう。 耐熱容器は深めのものを使用したり、取り出す際はトングを使用したりなど、やけどしない工夫があると安心です。 ペットボトルコーヒーを湯煎したい場合は、耐熱容器に移して温めてください。 |
電子レンジでの注意点 | 電子レンジやIHヒーターでの温めは、突沸が起きる可能性が高いため大変危険です。 電子レンジで温める場合は、1番弱いワット数で、30秒を目安にこまめな温度の確認をしましょう。 万が一、温めすぎてしまった場合は、突沸を避けるため、レンジの扉を開けずにそのまま1〜2分くらい置いてから取り出しましょう。 また、缶コーヒーやペットボトルを電子レンジでそのまま温めるのは危険なためやめましょう。 |
缶コーヒーの温め方は、以下の記事で紹介しています。
温める手間を省く!コーヒーを冷まさない便利グッズ
本来、コーヒーは淹れたてがおいしいため、冷める前に飲むのがベストです。
温めなおしは、味が落ちる可能性もあるため、冷さない対策ができたらよいですよね。
そこで、コーヒーを冷ましてしまう経験が多い方には、冷まさない便利グッズをおすすめします。
最近は、コーヒーを楽しむ人が増えているためか、温かいままを保ってくれる便利グッズが多数販売されているのです。
今回は、3種類の保温グッズを紹介します。
- コーヒーウォーマー
- 保温性能つきタンブラー
- 保温機能つきドリップ式コーヒーメーカー
1. コーヒーウォーマー
コーヒーウォーマーは、すでに温める方法としても紹介しました。
コーヒーカップを乗せておくだけで適温を保ってくれるものから、コーヒーポットを保温できるものなど、さまざまな特徴の種類があります。
手軽なものから業務用まで、1,000〜9,000円台の金額帯で販売されています。
ただし、長時間の使用は水分が蒸発して煮詰まる原因になるため、使用は30分以内がベストでしょう。
2. 保温性能つきタンブラー
タンブラーで保温性を重視するなら、蓋つきのステンレス製がおすすめです。
温度の変化をゆっくりにでき、一定時間は適温を保持できます。
持ち運びにも便利なので、外出頻度が多い方におすすめです。
ただし、コーヒーの場合は時間が経つほど風味が落ちてしまうので、おいしさを楽しむためには早めに飲み切るのがよいでしょう。
コーヒータンブラーについては、以下の記事もチェックしてください!
3. 保温機能つきドリップ式コーヒーメーカー
ドリップ式コーヒーメーカーには、保温機能つきのタイプがあります。
多めに淹れて好きなときに飲みたい方は、ステンレス製の容器や、ヒーター機能がついている保温機能付きのものがおすすめです。
また、手挽きコーヒーを保温して溜めておきたい方は、ステンレス製のコーヒーサーバーを活用するのもよいでしょう。
コーヒーメーカーのおすすめは、以下の記事をチェックしてください!
温かくて美味しいコーヒーを楽しもう!
冷めたコーヒーを温める方法の解説と、温かさを保つ便利グッズの紹介をしました。
本記事のポイントは、以下のとおりです。
- コーヒーを温めなおすなら低温でゆっくりが鉄則
- コーヒーの温めなおしで味が落ちるのは、急激な温度上昇と温めすぎが原因
- コーヒーを冷まさない便利グッズを活用する
冷めてしまったコーヒーは、本来の味をできるだけ損なわないよう、最適な方法で温めましょう。
また、温かいままを保ってくれる便利グッズも多数販売されているので、上手に活用してみてください!