中国でコーヒーが作られているそうだけど、どんな特徴があるのかな?
中国でのコーヒーの文化、立ち位置が知りたい!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
中国のコーヒーは生産・市場共に近年目覚ましい成長を遂げています。
そこで今回はその背景や中国のコーヒーの特徴を紹介していきます!
- 中国の発展によってコーヒー生産量・消費量は増加している
- 中国のコーヒーは味のバランスが取れていて飲みやすい
- おすすめのコーヒー豆は「珈琲物語 シモン コーヒー豆」
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
中国のコーヒー事情
中国とコーヒーという2つの単語が結びつかないという人も多いのではないでしょうか。
確かに最近までは、コーヒーは中国において一般的な飲み物ではありませんでした。
ですが、2013年から2019年にかけて中国でコーヒーを飲む文化が急速に広まっていることが分かりました。
特に都市部の若者を中心にコーヒーの消費量が増えてきています。
消費量
2019年には、中国のコーヒー消費量は1人当たり7.2杯にまで増えました。
2013年には3.2杯だったので、6年間で倍以上にまでなったということです。(参考:2020年までの中国のコーヒー産業の発展状況と市場見通しの分析)
世界におけるコーヒーの消費成長率が2%であるのに対し、中国では15%という伸びしろを誇っています。
中国は2020年に人口が14億人を突破しており、このままコーヒーが浸透していくと世界的なコーヒー大国になる可能性が高いと考えられます。
中国のコーヒー市場
国が発展して中国の生活の質が上がるにつれて、コーヒーが中国の人にとって一般的な飲み物になってきました。
そうやってコーヒーの需要が高まるにつれて、中国のコーヒー市場も活発になりその質を上げています。
嗜好品としてのコーヒーの地位が向上しているという訳です。
新興国は成長するにつれてコーヒー文化が広まっていく傾向がありますが、中国は人口が多い分その広まり方も爆発的だと考えられます。
中国ではレギュラーコーヒーよりも、インスタントコーヒーに砂糖とミルクを混ぜたものが好まれていて、レギュラーコーヒーのシェア率は約2割ほどです。
それでも近年はコーヒー豆の生産も盛んになってきて、市場価格も上昇傾向にあります。
中国のコーヒーチェーン店
世界的に有名なコーヒーチェーン店「スターバックス」が中国に進出したのは1999年のことでした。
ここから徐々に中国にコーヒーが浸透していきます。
2017年には中国独自のコーヒーチェーン店である「Luckin Coffee」が誕生し、2020年には6,000店舗以上展開するなど、急速に成長しています。
ここまで発展した背景には、Luckin Coffeeの注文システムが理由としてあげられます。
スマートフォンのアプリで自分好みのカスタマイズコーヒーを注文できるうえに、コーヒーを渡す時間も分かるので時間のロスが少ないという特徴があります。
利用客にリピートしてもらうためのサービスも充実しているので、着実に店舗数を増やしていきました。
Luckin coffeeが急成長を遂げたという事実も、中国のコーヒー市場拡大を表す指標の1つです。
都市の中心部には喫茶店が増加していて、人々の生活になじみ深い存在になってきています。
中国で生産されるコーヒーの特徴
中国で生産されているコーヒーにはどのような特徴があるのかまとめました。
- 味・風味
- 品種・銘柄
以上の2つに分けて紹介します。
味・風味
中国のコーヒーは癖が無くて飲みやすいと言われています。
苦味や酸味も控えめで、味のバランスが取れているという特徴があります。
後味もすっきりしていて上品な風味が感じられるので、目覚めのコーヒーにおすすめです。
香りはナッツ系で万人受けするタイプのコーヒーだと言えます。
日本人にも比較的好まれる味わいです。
品種・銘柄
中国のコーヒーは大半がアラビカ種です。
主な銘柄は以下の通りです。
銘柄 | 特徴 |
---|---|
雲南省思芽(シモン) | 香り高く甘味が強い、中国の高級品種 |
翡翠 | 酸味・苦味・甘味のバランスが取れている |
ヌージャンリューAA | 癖がなくて飲みやすい |
シモンは中国のコーヒーの代表ともいえる銘柄で、甘味が強い高級品です。
試行錯誤を重ね、スペシャリティコーヒーとして世界に流通するほどの地位を獲得しています。
翡翠はミャンマー近くの瑞麗で生産されていて、酸味も苦味も甘みも楽しめる銘柄です。
ヌージャンリューAAは生産量こそ少ないものの、癖のないすっきりとした味わいで国内でのシェア率を徐々に高めています。
全部気になるから飲んでみたいな。
アラビカ種については「コーヒー豆のアラビカ種とは?特徴や種類の違いについて徹底比較!」の記事で詳しく解説しています。
中国のコーヒーの歴史
中国でコーヒー栽培が始まったのは20世紀からで、アジアの国々の中でも比較的最近だと言えます。
政府が新しい事業に着手しようと考え、雲南省思芽(シモン)にコーヒーノキを植えましたが、当初はなかなかうまくいきませんでした。
その後、民間企業が介入して試験栽培が始まり、人材の育成やコーヒー栽培の技術発展に力を入れました。
コーヒー栽培は徐々に軌道に乗って、現地のたばこ農家がコーヒー農家へと転身して2010年ごろにはコーヒー栽培が産業として成り立つほどにまで成長しました。
中国人はコーヒーを飲まない?
中国は古来からお茶が親しまれてきて、緑茶やウーロン茶、プーアル茶、ジャスミン茶など、今でも数多くの品種が栽培されています。
お茶文化が浸透しているため、コーヒーになじみがないという人も多いようです。
特に都市部ではない地域に住んでいる人は、コーヒーを飲む習慣がありません。
ですが、近年は中心街の若者を中心にコーヒーが親しまれるようになってきました。
中国が国として発展を遂げていけば、よりコーヒーを飲む人は増えていくでしょう。
中国のコーヒーの主な産地
中国のコーヒーの主な産地は最初にコーヒーが植えられた雲南省思芽で、生産量は全体の90%以上です。
ここで生産されるコーヒーは徐々に品質を向上させており、スペシャルティコーヒーも生産されています。
他には雲南省の瑞麗や雲海省などがあげられ、雲海省ではロブスタ種の栽培も行われています。
※スペシャルティコーヒーとは、生産されている土地や収穫後の生産処理方法、買い付けから流通ルートなど、一連の流れで品質管理がされていて、高品質なコーヒーのことを指す。
中国のコーヒーがおすすめな人・そうでない人
中国のコーヒーは、以下のような人におすすめです。
- 飲みやすいコーヒーを求めている人
- 味のバランスが取れているコーヒーが好きな人
- 上品な後味のコーヒーを飲みたい人
中国のコーヒーは酸味・苦味・甘味のバランスが取れていてとても飲みやすい味わいになっています。
コーヒー独特の酸味や深い苦味が苦手だという人にぜひ飲んでほしいコーヒーです。
また、すっきりした後味は上品なので、喉ごしも爽やかでさらに飲みやすい仕上がりになっています。
癖のないコーヒーを求めている人は、中国のコーヒーを飲んでみてください。
特徴が強いコーヒーが好きな方は向かない
反対に、以下のような人にはおすすめできません。
- インパクトのあるコーヒーが好きな人
- 酸味や苦味の強いコーヒーが好きな人
中国のコーヒーは味のバランスが取れているので、万人受けするコーヒーだと言えます。
そのため、癖やインパクトのあるコーヒーを求めている人だと少し物足りなく感じる可能性があります。
確かな酸味やしっかりした苦味のあるコーヒーが好きな人にとっても、あまりピンとくるコーヒーではないかもしれません。
中国のコーヒーと似ているコーヒー
コロンビアのコーヒーは苦味や酸味が控えめなので、比較的中国のコーヒーに似ていると言えるでしょう。
ベネズエラのコーヒーも癖がない味わいが特徴的です。
すっきりした後味を楽しみつつ、もう少しコーヒーに甘味を求めている人にはハワイのコナコーヒーもおすすめです。
コロンビア、ハワイコナ、ベネズエラコーヒーに興味がある方は、以下記事をチェック!
中国のおすすめコーヒー豆3選!通販でも買える
中国のおすすめコーヒー豆は3つあります。
まとめると以下の通りです。
- 珈琲物語 シモン コーヒー豆
- 京都西陣珈琲 雲南省シーサンパンナ
- 下山珈琲 雲南珈琲
順番に紹介していきます。
1. 無農薬栽培で作られた逸品「珈琲物語 シモン コーヒー豆」
珈琲物語のシモン コーヒー豆は樹高が高く実と種子は大型で、病害に強く栽培量も多いという特徴があります。
無農薬で作られたコーヒーチェリーを1つ1つ手作業で摘み取り、澄んだ水で洗った後天日乾燥して作られました。
口当たりが柔らかく、まるでお茶のような感覚で楽しめるコーヒーです。
商品詳細
名称 | シモン コーヒー豆 |
販売元 | 珈琲物語 |
容量 | 100g/200g/300g |
価格 | 660円/1,320円/1,980円 |
焙煎 | ハイロースト |
豆の状態 | 豆/細挽き/中挽き/粗挽き |
特徴 | マイルドな香りと酸味、甘味 |
2. アジアトップクラスの品質「京都西陣珈琲 雲南省シーサンパンナ」
京都西陣珈琲の雲南省シーサンパンナは、中国とミャンマーの国境近辺で作られたコーヒー豆を使用しています。
少数民族が栽培したコーヒー豆は品質も味もトップクラスです。
高級感溢れる良好な口当たりで、次々に飲みたくなってしまう仕上がりになっています。
商品詳細
名称 | 雲南省シーサンパンナ |
販売元 | 京都西陣珈琲 |
容量 | 300g |
価格 | 2,040円 |
焙煎 | ハイロースト |
豆の状態 | 豆/プレス/エスプレッソ/極細挽き/細挽き/中挽き |
特徴 | ほとんど酸味のない甘味とコクが深い |
3. W焙煎の味わいを堪能「下山珈琲 雲南珈琲」
下山珈琲は全てのコーヒー豆を2回焙煎するW焙煎を行って水分量や味わいを調節し、よりコーヒー豆本来の美味しさを引き出すことに成功しています。
品質や状態にこだわったコーヒー豆をお値打ち価格で購入可能です。
焙煎度合いや豆の挽き具合を細かく選べるので、お好みの味を見つけてください。
商品詳細
名称 | 雲南珈琲 |
販売元 | 下山珈琲 |
容量 | 250g |
価格 | 1,323円 |
焙煎 | おすすめ/ライト/ミディアム/ハイ/シティ/フルシティ/フレンチ/イタリアン |
豆の状態 | 豆/1.0~9.0まで0.5刻み |
特徴 | さっぱりしていて飲みやすく癖のない味わい |
実際に味わってみてね。
中国コーヒーの美味しい飲み方
中国のコーヒーは、そのバランスの取れた癖のない味わいが最大の特徴です。
その良さをより活かすためにも、中煎り(ミディアムロースト)で飲むことをおすすめします。
これより浅煎りだと酸味が、深煎りだと苦味が強くなってしまいます。
淹れ方はハンドドリップでゆっくり時間をかけて抽出しましょう。
蒸らしをじっくり行うことで、コーヒーの風味がより際立つのでぜひ挑戦してみてください。
中国のコーヒー文化を知ってより美味しくコーヒーを味わおう!
いかがでしたでしょうか?
中国のコーヒーの特徴について、消費量からおすすめまで紹介しました!
本記事の内容で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- 中国のコーヒーは味のバランスが取れているのが特徴
- 中国のコーヒーと似ているのはコロンビアやハワイコナコーヒーがある
- 中国のコーヒー消費量は増加しており、ラッキンコーヒーが台頭してきている
中国のコーヒーはあまり馴染みがありませんが、ぜひ今回の記事を参考にして、中国コーヒーの文化を知ってみてください!