ネルドリップの特徴って何?美味しいのかな?
ネルドリップのいれ方が知りたい!おすすめのネルドリップも気になる。
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
- ネルドリップの特徴
- ネルドリップの美味しいいれ方
- おすすめのネルドリップ・ネルドリップスタンド
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう。
ネルドリップとは?
紙フィルターではなく、布フィルターで抽出するネルドリップ。
なめらかな口当たりが特徴で、「最高の抽出方法」という人もいて人気の抽出方法です。
ペーパードリップと具体的に何が違うのか、紹介していきます。
そもそもネルドリップの「ネル」とは一体どういう意味なのでしょうか?
「ネル」とは肌触りのよい柔らかい織物「フランネル」から由来していると言われています。
「ネルシャツ」という言葉がありますがその「ネル」と同じネルです。
このネルで作られた布製のフィルターを使った抽出方法をネルドリップといいます。
またネルドリップはコーヒーの抽出方法の中でも歴史が長いこととしても知られています。
繰り返し使えるネルドリップ
コーヒーファンから最も人気がある抽出方法「ネルドリップ」。
ペーパーフィルターよりもやや深めの袋状のため、コーヒーがフィルター内で広がらずに、中央によります。
そのため、厚みのある層ができお湯をゆっくり通過してゆくので、より濃度が高い抽出液が得られるのです。
使い捨てのペーパーフィルタートは違い、ネルフィルターは使用後に洗えば50〜60回繰り返し使えます。
ネルドリップとペーパードリップの違い
ペーパーフィルターでコーヒーをいれると、「コーヒーオイル」のほとんどが濾過されてしまいます。
コーヒーの生豆には10%〜16%ほど脂質が含まれている層です。
コーヒー豆は思いのほかオイリーなのです。
しかし、ペーパーフィルターでは油っぽさが抜けてしまうのは、フィルターが油っぽさを吸っているからなのです。
ペーパーフィルターの材料となる紙パルプは脂分を絡め取りやすい構造をしているそうです。
コーヒー豆から脂分が抜けてしまうと、とろとろした舌触りや油脂に溶けやすい性質を持つ香り成分は除去されてしまいます。
一方ネルフィルターは、ペーパーフィルターほど脂分を濾しとることはなく、適度に油分を通すため、とろとろとした舌触りがちゃんと残ります。
厚手で太い繊維で濾されたコーヒーは雑味がしっかり抑えられています。
そして、液体中の微粒子が非常に細かくなるため、舌触りがなめらかになるのです。
コクのある味わい深いコーヒーができあがります。
ネオドリップは手間がかかる
ペーパードリップ、ネルドリップの他においしいコーヒーをつくることができる抽出方法として挙げられるのが、ネオドリップ。
そんなネオドリップにも欠点があります。
それは一言で言うと「めんどくさい」ことです。
使う度に手洗いが必要になりしかも煮沸洗浄しなければいけません。
これでは使い捨てのペーパードリップに比べだいぶ手間がかかりますよね。
そしてネルはとにかく周りの匂いを吸収しやすいため、キッチンの引き出しの匂いや柔軟剤の匂いが移ってしまいやすいです。
ペーパードリップを遙かに超えるおいしさを持つネオドリップですが、「お手入れの大変さ」というデメリットもあります。
この記事ではそのお手入れ方法も紹介していきます。
ネルドリップを使った美味しいコーヒーを淹れる方法
今回はネルドリップを使った美味しいコーヒーを準備編と抽出編に分けて紹介します。
まずは準備編から解説。
準備編
最初にまとめると以下の通りです。
- ネルフィルターを準備する
- ネルをハンドルにセットする
- お湯を準備する
- ドリップサーバーを温める
- カップも温める
- ネルをセット
ネルフィルターを準備する
まずネルフィルターを準備します。
ネルフィルターが新品である場合は、まずぬるま湯でしっかりと糊気を取ります。
布をつかるくらいの水を入れた鍋に、コーヒー豆を5グラムぐらい入れます。
沸騰したら徐々に弱火にして、15〜20分煮ます。
このようにして、新品のネルフィルターをコーヒーの匂いに馴染ませることが重要です。
煮込み終わった後、鍋から取り出したネルフィルターは、コーヒー粉がとれるまで流水で洗います。
新品でない場合も、水洗いをしてしっかりと水気がなくなるまで絞ります。
このとき高い温度で洗わないように気をつけてください。
高い温度で洗うと、コーヒーの油分が不快な匂いに変わってしまうことがあります。
ネルフィルターは布繊維なので、刺激に敏感。あまり高い温度で煮すぎると、味に影響を及ぼしてしまうのです。
ネルをハンドルにセットする
水気がなくなるまできちんと絞れたら、ハンドル用の縫い目に通していきます。
このとき縫い目が外側になるように注意してください。
ハンドルに通せたら、コーヒー豆を入れられるように形を整えます。
お湯を準備する
ケルトにお湯を8分目までいれてわかします。
このとき、少なすぎても多すぎても駄目。
お湯が少ないと、傾ける角度が多くなり、お湯の量を調整できなくなります。
反対に多いと沸騰したときにあふれてしまうので、注意してくださいね。
ドリップサーバーを温める
ネオドリップ用のサーバーにもお湯を入れて温めます。
暖める効果は一体何でしょう?
それはコーヒーを抽出するとき、保温効果を発揮します。
濾されたコーヒーの温度低下を防ぐのです。
カップも温める
カップもお湯を入れて暖めておきます。
できあがったコーヒーの温度低下を防ぐのと同時に、コーヒーの香り高い匂いを長時間楽しむことができます。
この一手間が、コーヒーをおいしくする秘訣なのです。
ネルをセット
コーヒーサーバーが十分に暖まってきたら、お湯を捨てます。
そしてネルをセットします。これで下準備が完了です。
抽出編
続いては抽出編です。
まとめると以下の通り。
- コーヒー豆を量る
- 粉をならす
- お湯を注ぐ
コーヒー豆を量る
コーヒー一杯あたり、コーヒー粉を10グラム使用します。
詳しい情報はこちらの記事を参考にしてください。
粉をならす
ネルを少し揺すります。そうすることで、コーヒー粉の表面を平らにします。
お湯を注ぐ
ただお湯を注ぐのではなく、コーヒーをいえる際は手順があります。
しっかり守っておいしいコーヒーを作りましょう。
お湯を注ぐ1回目はコーヒーの味を決める大事な作業です。
粉全体にお湯がしみこむ程度に、中央からゆっくりと「の」の字を描くように回しいれます。
そして20秒待ちます。
なぜ少し時間をおくのかというと、この時間の間にコーヒーを蒸らしておいしくさせるためです。
20秒経ったら、またお湯を回し入れます。
2回目の作業がコーヒーの風味や味の要となってきますのでたっぷりと入れましょう。
さっきと同じように「の」の字を書くように、ゆっくり回し入れます。
泡が十分に立ってきたら一度ストップです。
お湯を入れる3回目。
中央がくぼみ出してきたら入れるタイミングです。
表面の泡が壊れないよう1回目、2回目と同様、ゆっくり注ぎます。
ネルドリップのお手入れ方法
ネルドリップのお手入れ方法は以下の通りです。
- 抽出した後、まずコーヒー粉を捨てる
- 水洗いをする
- 保管する
基本的にはこの流れです。1つ1つ解説します。
抽出した後、まずコーヒー粉を捨てる
抽出が完了したら、ネルにコーヒーのかすが残っているのでそれを捨てます。
捨てる際はなるべく粉がついていないようにしっかりと捨てましょう。
水洗いをする
それでも残っているコーヒー粉がなくなるまで、流水でしっかりと水洗いをします。
このときの水の温度は特に決められていません。
ネルの匂いが変色しないよう、お湯ではなく、水のほうがよいです。
保管する
ネルが浸かるくらいまで冷水と氷を入れた容器を準備します。
それにネルを浸して、保管。朝、昼、晩に一回ずつ水を交換することでネルフィルターの寿命は長持ちします。
洗剤は使用しないように気をつけてください。
たまにしかネルフィルターを使わない場合は、水気を切ってジップロックなどに入れて冷凍保存することをおすすめします。
また使うときは、お湯をかけて解凍します。
ネルドリップのスタンドを使うのもおすすめ
ネルドリップスタンドなどを使うと、ネルフィルターがぐっと安定します。
多くのコーヒーポットがネルドリップとは一体型ではないので、買っておくと便利でしょう。
ネルドリップの手付きフィルターに丁度良い「EBM 18-8 コーヒースタンド」
おすすめは「EBM 18-8 コーヒースタンド」。
ネルドリップの手付きフィルターを付けるのにちょうど良いので、うまく淹れられます。
このタイプのやぐらは中々ないため、かなりレアでしょう。
多少大きいため、収納場所を取りますが、その分の安定的にコーヒーを淹れることができるので非常に便利なアイテムです。
是非お買い求めください。あって損はありません。
価格は¥2,009。
おすすめのネルドリップ3選
ここではおすすめのネルドリップ3選紹介していきます。
まとめると以下の通りです。
- 三ノ輪二丁目ネルドリッパー
- スピール 陶器製の1人用ネルドリッパーセット
- ハリオドリップポット ウッドネック オリーブウッド
1つ1つ解説します。
1. 職人によって1つ1つ作られた「三ノ輪二丁目ネルドリッパー」
職人さんの手によってひとつひとつ作られた「三ノ輪二丁目ネルドリッパー」。
三角フラスコを2個合わせたフォルム。
熟練したガラス職人によって一つ一つ手吹き作業で作られているのでガラスの厚みが異なりますが、手吹きならではのあたたかみが感じられるのが特徴です。
ネルフィルターも2つ付いており、プレゼントにぴったりです。
価格は2人用で¥8,800。
2. おしゃれに楽しめる「スピール 陶器製の1人用ネルドリッパーセット」
こちらは陶器で作られた「スピール」。
ドリッパー・受け皿・カップの3ピースがまとまったコンパクトサイズ。
より簡単にネルドリップを楽しめるようにと作られた洗練されたデザインのネルドリッパーです。
カップ1つ分のスペースしかとらないため食器棚にすっきり収まり、出し入れも気軽なデザインに仕上がっています。
コーヒー・スピール・フィルター・ポットを用意すれば、キッチンや給湯室との往復は最小限になって、デスクの上でドリップから味わう時まで堪能できます。
初めてネルドリッパーを買う方におすすめです。
価格は¥7,480。
3. 定番中の定番「ハリオドリップポット ウッドネック オリーブウッド」
定番のハリオのドリップポットに「オリーブウッド」のネルドリッパーが出ました。
ネルドリッパーを入れる部分とポットの連結部分が木でできておりかわいらしいデザインです。
キメの細かなネルを通してゆっくりと濾過されたコーヒーは、豆本来の持つ酸味・渋味・苦味・コクの4つが失われません。
興味がある方は是非購入してみてください。
価格は¥2,827。
ネルドリップのコーヒーは一度飲んで見る価値アリ!
いかがでしたでしょうか?
ネルドリップについて解説しつつ、美味しいコーヒーを淹れる方法も紹介しました。
ネルドリップは紙フィルターではなく、布フィルターで抽出するネルドリップ。
なめらかな口当たりが特徴で、マイルドな印象があります。
いつもとは違ったコーヒーを飲みたい方、普段ドリップコーヒーを飲んでいる方は是非トライしてみてください。
そして今回紹介したおすすめのネルドリップ、ネルドリップスタンドを参考にしながら、新たな味わいを開拓しましょう!