ノルウェーのコーヒーってどんな特徴があるの?
北欧のコーヒーって美味しいイメージがあるよね!どんな味がするのかな?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
オーロラで有名なノルウェーですが、実はコーヒーも有名なことを知っていますか?
そこで本記事では、ノルウェーのコーヒーの特徴や人気の抽出法に至るまでを網羅していきます!
- ノルウェーは、コーヒー消費率が世界でもトップクラスに多い
- 味わいとしては、浅煎りで酸味が強いものが好まれる
- 国民もコーヒーにこだわりがあり、大手コーヒーメーカーがほとんど参入できていない
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
ノルウェーってどんな国?コーヒー文化を知る前におさらいしよう
ノルウェーとは、北欧5カ国のうちの一つです。
スカンジナビア半島の西岸に位置する立憲君主制国家で、首都はオスロにあります。
「入り江」という意味のフィヨルドと呼ばれる複雑で美しい地形を持ち、観光名所としても非常に人気です。
公用語にはノルウェー語とサーミ語が使用されており、長らくノルウェーを支配していたデンマークの言語の影響を強く受けています。
隔離された地域が多いため、方言もあるそうです。
それだけでなく、ノルウェーは非常にコーヒー文化が根強い国でもあるのです。
北欧全体のコーヒー事情については「【消費量世界NO.1】北欧コーヒーの特徴とは?文化とスタイルも解説」の記事で詳しく解説しています。
そんなノルウェーについて、さらに詳しくみていきましょう!
実は石油産出国
スウェーデン、フィンランド、デンマークとEUに加盟する北欧国家が多い中で、ノルウェーはEUに加盟していません。
実はノルウェーは、2016年段階で石油の輸出量が世界第9位となるほど石油産業が盛んで、国全体が豊かなのです。
そのため、EUに加盟する必要がないのだと考えられます。
ノルウェーが開発に携わる北海油田が発見されたのがクリスマスシーズンだったので「クリスマスの贈り物」と呼ばれているそうだよ。
天然ガスの輸出量も多い資源豊かな富裕国家です!
高物価・キャッシュレス社会
豊かな国であるノルウェーは、非常に物価が高いことでも有名です。
驚くことに、スーパーの商品の価格は日本と比べると約2倍ほどします。
コーラ一本でも300円以上するそうだよ!
特に家賃は日本と比べると約40%以上高いという報告もあります。
そんなノルウェーはキャッシュレス化が非常に進んでおり、あまり現金を持ち歩く必要はありません。
トイレを使用する際のチップでさえクレジットカードに対応しているところもあるのだそうです。
高物価は高福祉社会の証?
ではなぜノルウェーはそんなにも物価が高いのでしょうか。
それは、ノルウェーの消費税が25%と非常に高く設定されているということが原因として考えられます。
しかしその税金は福祉としてノルウェー国民の生活に還元されており、ノルウェーは他の北欧諸国と同じく「高福祉国家」とされているのです。
出産費用や学費が無料であったり、医療費の年間負担額の超過分は無料となるそうです。
消費税が高いにも関わらず、ノルウェーが世界幸福度ランキングで上位に入っているのはここに理由があるんだね。
ノルウェーのコーヒーの特徴
そんなノルウェーの人々は、世界から見てもかなりのコーヒー好き!
実は、2000年から開始されているワールドバリスタチャンピオンシップにおいて、2人もの優勝者を輩出しているコーヒー大国なのです。
そのうちの一人は、なんと初回優勝者だよ!
そんなノルウェーではどのような味わいのコーヒーが好まれているのか、また消費量からコーヒーとどう付き合っているのかをみていきましょう!
味わい
ノルウェーでよく飲まれるコーヒーは、浅煎りで酸味が強めの味わいです。
このことは、ノルウェーに限らず北欧全体の傾向としてもいえるでしょう。
また、ノルウェーはコーヒーの品質を大切にした浅煎りの「ノルディックロースト」発祥の地でもあります。
ノルディックローストは、コーヒーというフルーツが持つ果実味や酸味を活かし、そのコーヒーの個性をより味わうために確立された焙煎なのです。
消費量
2013年度の調査ではノルウェーのコーヒーの個人消費量は、8.70kgで世界第3位となっています。
これだけでもいかにノルウェーでコーヒーが飲まれているのか分かるよね。
この調査を行っているICO(国際コーヒー機関)が2014年以降の調査でEUを一括りにしてしまったため、各国の現在の正確なランキングは不明となってしまいました。
しかし、それでもノルウェーは2019年段階までで、常に8kg以上の高水準な個人消費量を保っています。
仮に詳細なランキングが判明したとしても、やはりノルウェーのコーヒー消費量はトップクラスなのではないでしょうか。
ノルウェーのコーヒー文化
そんなコーヒーを愛するノルウェーの人々のコーヒー文化とはどのようなものなのでしょうか。
ノルウェーのコーヒーとの歴史や、ノルウェー国民がコーヒーへ持つこだわりから紐解いてみましょう!
ノルウェーとコーヒーの歴史
ノルウェーのコーヒーとの歴史は18世紀にまで遡ります。
タラの塩漬けをブラジルに輸出した船が、戻る際に品質の良いアラビカ種のコーヒーを積んでいたのだそうです。
このことが、ノルウェーのコーヒーが現在でも高品質であることに繋がっていると考えられているよ!
そこから広がりを見せたノルウェーのコーヒーでしたが、戦時下の貧困により中々市民の手に入らなくなってしまいました。
そこで彼らはトウモロコシやジャガイモを焦がし、代用品として飲んでいたのだそうです。
そこまでしてでも、コーヒーが飲みたかったんですね!
蒸留酒禁止法が施行
また、ノルウェーの人々にますますコーヒーが普及するきっかけとなったとある事件があります。
それが1917年〜27年に施行された「蒸留酒禁止法」です。
元々お酒を飲むのが大好きだったノルウェーの人々は、その代わりとしてコーヒーを楽しむことにしたのだそう。
ノルウェーの人々にとって禁酒法時代は非常に苦しい思いをしたそうです…
そのことがきっかけでコーヒーが広まって現在に至るのは、歴史として見ても面白いですよね!
教会コーヒー
また、禁酒法以外にもノルウェーの人々にコーヒーが広まるきっかけとなった風習があります。
それが「教会コーヒー」と呼ばれるもの。
現在は減りつつある風習なのだそうですが、かつてノルウェーの人々は週末のミサの後にコーヒーとお菓子を楽しみながらコミュニケーションを図るのが一般的でした。
現在でもノルウェーの人々にとってコーヒーは、コミュニケーションツールとしても重要なものであり、形を変えた文化が根付いているといえます。
国民のコーヒーへのこだわり
ノルウェーの人々のコーヒーへのこだわりは、かなり強いと考えられます。
ノルウェー・コーヒー・インフォメーション協会によると、世界基準で見てもノルウェーの人々が日常的に摂取するコーヒーは高品質で、そんな高品質なコーヒーが日常の摂取量の90%を占めるのだそう。
そのこだわりぶりは、ノルウェーにネスレ以外の大手コーヒーメーカーが大規模参入出来ていない現状からも伺えます。
また、一般の人が気軽にバリスタ講座やカッピングに参加をしたり、自身のコーヒーの好みやこだわりを把握している人が多いのだそうです。
実は自身の好みがわからないままコーヒーを買ってる人って意外と多いんじゃないかな?
ノルウェーの人々はコーヒーを日常的に飲む量が多いからこそ、多くの人が自身の好みやこだわりを把握していると考えられますよね。
ノルウェーのコーヒーの淹れ方・飲み方
コーヒーへのこだわりが強いノルウェーの人々は一体どのようにしてコーヒーを飲んでいるのでしょうか。
ノルウェーに伝わる伝統的なレシピや、ノルウェーで人気の抽出方法を紹介いたします!
ノルウェーやスウェーデンに伝わる伝統の「卵コーヒー」
ノルウェーを始め、スウェーデンなどにも伝わる北欧の伝統的なコーヒーレシピに「卵コーヒー」があります。
このレシピの大きな特徴は、抽出後のコーヒーに卵を加えるのではなく抽出前のコーヒー粉と卵を殻ごと混ぜ合わせるというもの。
卵を殻ごとコーヒーと合わせて煮込むことで、卵が不純物を吸着してくれるためクリアな味わいになるのだそうです。
ただし、殻ごと使用する際はサルモネラ菌感染の恐れがあるため低温殺菌された卵を使用するほうが望ましいでしょう。
抽出法はエアロプレスが人気
ノルウェーでは、エアロプレスと呼ばれる器具を使用してコーヒーを提供するカフェが非常に増えています。
エアロプレスとは注射器に似た見た目をしており、空気圧を使用して抽出をするコーヒー器具です。
その味わいはスッキリしているのに濃厚なのが特徴。
圧力をかけるため、コーヒー豆の成分が出やすいことに加え、短時間で抽出出来るためすっきりした仕上がりになるのです。
余分な雑味がなく豆の個性が感じやすいため、高品質な豆を浅煎りで使用するノルウェーで人気な抽出方法となっているのもうなずけます。
エアロプレスについては以下の記事で詳しく解説しています。
ノルウェー発!ノルディックローストのコーヒー豆&粉3選!通販でも買える
上記で紹介したノルウェーで確立された浅煎り焙煎「ノルディックロースト」。
せっかくならぜひ飲んでみたいですよね!
ここではそんなノルディックローストが楽しめるコーヒーを3つ紹介いたします。
そのラインナップは以下のとおり!
- SÖT COFFEE ROASTER SÖT BOX 2021 AW
- 天野屋珈琲 フルーティー&スイート セット
- FUGLEN COFFEE ROASTER AA GUAMA KENYA
それでは順番にみていきましょう!
1. ノルディックローストのスペシャルティコーヒー専門店のギフト「SÖT COFFEE ROASTER SÖT BOX 2021 AW」
大阪に店を構えるSÖT COFFEE ROASTERは、スペシャルティコーヒーを主にノルディックローストで提供しています。
そんなSÖT COFFEE ROASTERから、冬のためのギフトボックスが登場しました!
マンゴーやパパイヤなどを思わせるトロピカルなもの、ローズティーやメロンのように華やかな香りのるするもの、日本ではまだ珍しい台湾産のコーヒーといったバラエティ豊かな内容となっています。
いずれも酸味や香りが素晴らしい、ノルディックローストにぴったりな豆ばかり。
人へのプレゼントはもちろん、自分自身へのプレゼントにも如何でしょうか?
この商品は公式サイトでしか売られていないから公式サイトで買おう!
商品詳細
価格 | 3580円 |
内容量 | 100g×2、台湾舞鶴プリンセスナチュラルのみ50g×1 |
セット内容 | コロンビア カウカ エル パライソ アナエロビック トロピカル コロンビア カウカ エル パライソ アナエロビック ローズティー 台湾舞鶴 プリンセス ナチュラル |
2. ノルディックローストも選べる2種類のセット「天野屋珈琲 フルーティー&スイート セット」
オーダメイド焙煎が可能な天野屋珈琲は、ノルディックローストにも対応しています。
このフルーティー&スイート セットは、ノルディックロースト向きの豆が2種類セットになっています。
華やかで鼻孔を通り抜けるような香りやカモミールを思わせる甘みを持つゲイシャと、名前通り繊細で上品な質感のクリスタルマウンテンは、豆の個性を感じやすいノルディックローストが最適。
ぜひ飲み比べを楽しんでください!
商品詳細
価格 | 3780円 |
内容量 | 150g×2 |
産地 | エチオピア グジ ゲレザ ゲイシャ キューバ クリスタルマウンテン |
3. ノルウェーの名店の味「FUGLEN COFFEE ROASTER AA GUAMA KENYA」
1963年にノルウェーで創業された「フグレン」が2012年に日本へ進出し、その2年後に開かれたのがこのFUGLEN COFFEE ROASTERです。
海外進出第1号店の「フグレントウキョウ」についてはこの後解説するよ!
もちろん取り扱う豆のほとんどはノルディックロースト。
今回紹介している「グアマ ケニア」は、ノルディックローストが活きるベリー系の酸味にはちみつのような甘さ、ジャスミンのように華やかで上品な香りを持っています。
これまでコーヒーの苦味や渋味が苦手だった方にこそおすすめしたい商品です!
商品詳細
価格 | ・1160円 ・2110円 |
内容量 | ・100g ・200g |
セット内容 | グアマ ケニア |
東京でノルウェーのコーヒーを飲むなら「フグレントウキョウ」がおすすめ
フグレンは、1963年にノルウェーの首都オスロに開かれたカフェです。
そんな伝統あるフグレンが海外進出第一号店として、2012年に渋谷にオープンしたのが「フグレントウキョウ」。
オスロで確立された焙煎「ノルディックロースト」にこだわり、ノルウェーの味を日本でも楽しませてくれます。
現在では浅草、世田谷、神奈川にも店舗展開をしていますが、遠方で中々行けないといった方はオンラインストアで豆の購入も可能なので試してみてはいかがでしょうか?
コーヒー大国ノルウェーの味を試してみませんか?
いかがでしたでしょうか?
コーヒー消費量が世界トップクラスでバリスタチャンピオンも輩出しているノルウェーのコーヒー事情について詳しく解説していきました。
以下がこの記事のまとめとなります。
- ノルウェーはコーヒー消費率が世界でもトップクラス
- 浅煎りで酸味が強いものが好まれる
- ノルディックローストと呼ばれる浅煎り焙煎を確立した
- 禁酒法がきっかけでコーヒーが市民に広く普及した
- ノルウェーからバリスタチャンピオンが2人出ている
- 国民もコーヒーにこだわりがあり、大手コーヒーメーカーが殆ど参入していない
- 抽出方法はエアロプレスが人気
焙煎の方法や抽出方法に至るまでこだわりを持ってコーヒーを愛しているノルウェーの人々。
そんな中で確立されたノルディックローストは、大量生産・大量消費であった今までのコーヒー情勢を見直そうと産まれたものでもあるそうです。
そんなコーヒーへの真摯な姿勢を持つノルウェーのコーヒーをあなたも味わってみませんか?
北欧といえば、フィンランド・スウェーデン・デンマークなどもあるかと思います。
国別により詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください!