利きコーヒーってどうすればできる?
個人でも利きコーヒーはできるのかな?
こういった疑問や要望に回答していきます。
利きワインや利き日本酒などは有名ですが、利きコーヒーも人気を集めていることを知っていますか?
この記事では、利きコーヒーがどんなものなのかや利きコーヒーの種類、楽しみ方、手順などを紹介します。
- 利きコーヒーは、香りや味のだけでどのコーヒーかを当てるゲーム
- 豆や種類の違い以外にも抽出方法や焙煎度でも利きコーヒーは可能
- 喫茶店などで利きコーヒーイベントを開催している場合がある
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
早速見ていきましょう。
利きコーヒーとは?
利きコーヒーとは、利き酒や利きワイン、利きお菓子などと同じで、どのコーヒーかを当てるゲームです。
YouTubeやテレビ番組では視覚や嗅覚を制限して、高い食材とスーパーなどで買えるお得な食材などを食べ比べて高い方を当てるゲームを見かけますが、利きコーヒーもその一種です。
コーヒーに詳しくなってくると、豆の違いや焙煎度の違い、産地の違いなどによって味の違いがわかってきてその特徴を言い当てられる人がいます。
淹れ方によっても味の違いを楽しめるのがコーヒーの楽しみの1つなので、利きコーヒーとしても楽しむことができます。
利きコーヒーはゲーム性が高いものですが、自分が好みのコーヒーを見つけるにも最適な手段です。
利きコーヒーの種類
利きコーヒーの種類を紹介します。
- コーヒー豆の種類
- 産地
- 焙煎度
- 抽出方法
豆の種類や産地によってコーヒーの味の特色が違うのはもちろんですが、抽出方法を変えることで味の違いを楽しめます。
コーヒーのプロやYouTubeで動画を配信している方なら、多くの器具を持っているので、その器具を変えるだけでも利きコーヒーの実施は可能。
友達や家族と利きコーヒーをして楽しみたいと思っているなら、さまざまなコーヒー器具を探してみてもいいかもしれません。
利きコーヒーに必要なもの
利きコーヒーに必要なものを見ていきましょう。まとめると以下の通りです。
- コーヒー豆・粉
- コーヒーを淹れるための器具
- カップ
- 水(味覚をリセットするため)
コーヒー豆・粉
利きコーヒーに最も必要なものは、利きコーヒーで使いたいコーヒー豆や粉です。
初めて利きコーヒーをする場合は、焙煎度やコーヒーの特徴を分けてわかりやすくするのがおすすめです。
- 苦味
- 酸味
- 甘味
- コク
- 香り
コーヒーの特徴でよく表現されるのが、上記の5つです。
焙煎度が変わると苦味や酸味が変わるので、利きコーヒーを試すには最適です。
また、コーヒーを淹れるための器具を持っていない場合は、ドリップパックを使って利きコーヒーをするのもおすすめ。
コーヒーを淹れるための器具
利きコーヒーをするには、コーヒーを淹れるための器具も必要です。
- コーヒーミル
- ドリッパー
- フィルター
- サーバー
- デジタルスケール
- ケトル(ドリップポット)
コーヒーミルはコーヒーショップで豆を挽いて貰えば必要はありません。
また、コーヒーサーバーも大きめのカップなどで代用できるので、必ずしも必要はありせん。
ただ、ハンドドリップで利きコーヒーをするなら、ドリッパーやデジタルスケール、ドリップポットなどは用意しておくと良い状態のコーヒーを淹れられます。
コーヒーの淹れ方は、YouTubeでさまざまなレシピが公開されているのでいろいろと試してみてのがおすすめです。
カップ
利きコーヒーをするには、コーヒーを淹れるためのカップも必要です。
紙コップなどのコップで代用できます。
1つのコップでで行う場合は、飲み比べができないので、できれば同じ形状のカップを複数用意できると香りの違いも楽しめるのでGOOD。
水(味覚をリセットするため)
利きコーヒーをするには、水も必要です。
コーヒーだけを飲み続けてしまうと、前のコーヒーの味でぼやけてしまう可能性があります。
コーヒーを淹れるための水だけでなく味覚をリセットするために、水の用意も忘れないようにしましょう。
利きコーヒーの手順
利きコーヒーの手順をステップごとに見ていきましょう。
Step1 香りを楽しむ
利きコーヒーのステップ1は【香りを楽しむ】です。
- 花
- ナッツ
- フルーツ
- チョコレート
- スパイス
コーヒーは種類や産地によって上記に紹介したような香りがあります。
味を楽しむのもコーヒーの楽しみの1つですが、いろいろなコーヒー豆の香りをアロマのようにするのも楽しみ方の1つです。
味だけでなく、コーヒーを淹れたら香りも楽しんでみてください。
Step2. 味の楽しむ
利きコーヒーの手順ステップ2は【味を楽しむ】です。
コーヒーの味の要素は、苦味・酸味・甘味・コクの4要素です。
どのコーヒーなのか判断するのも重要な要素なので、1つ1つ味わいながら違いを楽しんでみてください。
Step3. 余韻を楽しむ
利きコーヒーの手順ステップ3は【余韻を楽しむ】です。
コーヒーは飲んだ後に感じられる後味も豆の種類によって違いがあります。
同じ豆であっても暖かいうちのコーヒーの余韻と冷めた後のコーヒーの余韻にも違いがあるので利きコーヒーの違いを確認しつつそのコーヒーの余韻も楽しんでみてください。
Step4. チェックシートに所感記入
利きコーヒーの手順ステップ4は【チェックシートに記入(メモ)】です。
利きコーヒーは、1杯づつ淹れるのが一般的です。
コーヒーを淹れる過程から自分で行う場合は、都度コーヒーを淹れる必要があります。
忘れないようにチェックシートやスマホのメモなどにどんなコーヒーなのかを記録を残しておきましょう。
サンプル
項目 | 詳細 |
---|---|
基本情報 | 日付, 試飲場所, 試飲者名 |
コーヒーの概要 | コーヒー名, 生産国/地域, 農園名, 品種, 焙煎度, 精製方法, 提供方法 |
見た目 | カップの色合い, 表面のテクスチャ |
香り | 香りの強さ, 香りの特徴, その他メモ |
味わい | 酸味, 甘み, 苦味, コク/ボディ感, バランス |
余韻 | 余韻の長さ, 余韻の特徴 |
総合評価 | 好み度, また飲みたいか, コメント |
その他自由記載 | 特記事項や試飲状況 |
Step5. 1から4を繰り返す
利きコーヒーの手順ステップ5は【1から4を繰り返す】です。
用意したコーヒー豆の分だけ香り・味・余韻・チェックを繰り返しましょう。
間に水などで味覚をリセットすることを忘れずに行ってから次のコーヒーへ移ることをおすすめします。
利きコーヒーの楽しみ方
利きコーヒーの楽しみ方を見ていきましょう。
産地別のシングルコーヒー豆の飲み比べ
利きコーヒーの楽しみ方で最もシンプルなのが、産地別のシングルコーヒーを用意して飲み比べる方法です。
- エチオピア:フルーティな香りと酸味
- タンザニア:しっかりとした酸味とコク
- ケニア:ベリー系の華やかな酸味
- コロンビア:苦味・酸味・コクのバランスが良い
- グアテマラ:柑橘系のフルーティな酸味
- ブラジル:バランスの良い酸味と苦味
- ジャマイカ:苦味と酸味のバランスが良く上品で繊細な味わい
- ベトナム:苦味と渋味が強い
- インドネシア:コクが強く重量感がある
産地別の特徴を紹介したので、利きコーヒーをする際の参考にしてみてください。
より大きな地域ごとの特徴をタブでまとめています。クリックすると詳細が見れます
苦みと深いコクが特徴。いつもと違うコーヒーを飲みたい方におすすめです。
代表的な銘柄はインドネシアの「マンデリン」。
苦みが強く、深いコクが感じられます。また香辛料のような独特な香りも魅力でしょう。
そのため、少しクセのあるコーヒーを試したい際や、普段からミルクや砂糖と一緒に飲んでいる方などの甘党の方にもおすすめです。
シングルコーヒーは豆の特徴がそのまま感じられます。
好みのコーヒーを見つけるならブレンドもおすすめですが、利きコーヒーを楽しむらなシングルコーヒーで試してみてください。
抽出方法を変える(同じ豆で違う条件にする)
抽出方法を変える方法(コーヒーを淹れる条件を変える)のも利きコーヒーの楽しみ方でおすすめです。
利きコーヒーにチャレンジしたい思っても、複数の種類のコーヒー豆の準備をするとコストがかかったり、器具の準備などで大変です。
抽出方法を変えるだけなら、1つの豆があればチャレンジできるので、初心者の方が試してみたい場合におすすめ。
挽きの荒さを変える
1つの豆で利きコーヒーを楽しむには、コーヒー豆の挽きの荒さを変えることで味や風味を変えられます。
挽き目 | 味の特徴 | 粒度の目安 | おすすめの淹れ方 |
---|---|---|---|
極細挽き | 非常に苦味が強い | 上白糖 | エスプレッソ |
細挽き | 苦味とコクが強い | 上白糖とグラニュー糖の間 | ウォータードリップ |
中細挽き | 苦味と酸味のバランスが良い | グラニュー糖 | ハンドドリップ コーヒーメーカー |
細挽き | 雑味が少ない | グラニュー糖と ザラメの間 | サイフォン ネルドリップ |
粗挽き | 苦味よりも酸味が強い | ザラメ | 金属フィルター |
いろいろなコーヒー器具を持っているなら、同じ豆を使って飲み比べしてみるとより味の違いを楽しめます。
メモリは使っているコーヒーミルによって変わってくるので一概には言えませんが、粉にしたさいの粒度を目視して確認してみてください。
お湯の温度を変える
ハンドドリップする際に使用するお湯の温度を変えることでも利きコーヒーを楽しむことができます。
一般的なハンドドリップに使うお湯の温度は、90℃から95℃くらいですが、お店によっては80℃強のお湯を使っていることもあります。
温度 | メリット | デメリット |
---|---|---|
高温(95℃以上) | 味が出やすい | 雑味が出てしまう |
低温(80℃未満) | まろやかな味わいになる | 味が薄くなりがち |
温度設定が可能な電気ケトルを使えば、温度設定は簡単です。
その日の温度によっても変わりますが、沸騰してから1分ほど置いておくとハンドドリップの適温になると言われています。
温度設定をできる器具がない場合は、沸騰してからの時間経過を参考に利きコーヒーを楽しんでみてください。
焙煎度を変える
コーヒー豆の焙煎度を変えることも利きコーヒーの楽しみ方の1つです。
- 浅煎り:酸味が強い
- 中入り:バランスが良い
- 深煎り:苦味が強い
ライトローストとシナモンローストは、浅煎りの焙煎度合いになります。
黄色から茶色へと変化する程度の焙煎度合いです。
コーヒーの風味はかなり弱い状態。
中煎りはミディアムローストとハイローストです。
この状態では茶褐色とまだ色は薄いものの、軽やかな風味を楽しめます。
特にハイローストは深煎りに近いため、コクと若干の苦味がありながら飲みやすいのが特徴です。
- シティロースト
- フルシティロースト
- フレンチロースト
- イタリアンロースト
以上の順番で焙煎度合いは増していきます。
シティローストは最も人気な焙煎度合い。
苦みやコク、甘みのバランスが丁度よいのが特徴で、カフェで提供されるコーヒーもシティローストが多いです。
イタリアンローストになると、コーヒー豆の見た目はほぼ真っ黒です。
味もかなり濃く、味わいも濃厚になります。
その豆や種類に適した焙煎されて販売されていることが多いので、味の違いを楽しむためにはわかりやすいのが特徴です。
自宅で使える焙煎機も販売されているので、気軽に利きコーヒーを楽しみたい方や、買ってきたコーヒー豆以外の焙煎度でコーヒーを楽しみたい方は、購入を検討してみてください。
カフェなどの利きコーヒーのイベントに参加する
カフェや喫茶店、コーヒー関連のイベントが開催する利きコーヒーに参加するのもおすすめです。
イベントに参加すれば、お金を払えば準備も器具も必要ありません。
また、プロがコーヒーを淹れてくれるので、最適な状態のコーヒーを楽しむことができます。
行きつけのカフェや喫茶店などでも利きコーヒーイベントを開催しているかもしれないのでチェックしてみてください。
コーヒーのプロが参加する利きコーヒー選手権も開催
喫茶店やカフェの経営や、コーヒーに関する資格を持っているプロのみが参加をする利きコーヒー選手権も開催されています。
自分自身が利きコーヒーを楽しめるわけではありませんが、プロの所感を聞けるので、自分が好みのコーヒーがわかっているなら、次に購入する豆の参考にできます。
参考サイトは以下がおすすめです。
利きコーヒーをして好みのコーヒーを見つけてみよう
いかがでしょうか?
利きコーヒーについて紹介をしてきました。
本記事で重要なことをまとめると以下の通りです。
- 利きコーヒーは香りや味のだけでどのコーヒーかを当てること
- コーヒー豆や種類の違い以外にも、抽出方法や焙煎度でも利きコーヒーは可能
- 喫茶店などで利きコーヒーイベントを開催している場合があるので随時チェック
利きコーヒーは、自宅でハンドドリップの器具が揃っていれば簡単に行えます。
器具がない場合でも、ドリップパックで簡易的に行うことも可能です。
利きコーヒーというと少し難しそうに感じるかもしれませんが、自分が好みのコーヒーを見つけるための1つの手段として考えてみてください。