イエメンのコーヒーってどんな特徴があるんだろう。
コーヒーが生まれたのはイエメンって本当?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
- イエメンコーヒーはフルーティーな酸味と花のような香りが特徴
- イエメンはコーヒー発祥の地と言われている
- おすすめのコーヒー豆は「土居珈琲 イエメン モカマタリNo.9」
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
そもそもイエメンとは?コーヒーの前に知っておこう
イエメンはアラビア半島南端部に属する中東の共和制国家です。
2015年にも内戦が勃発するなど、国内はまだ安定した状態とは言えず、国内総生産も周囲の国と比べて低い傾向があります。
昔からコーヒーの生産地として有名ですが、砂漠地帯に属するので他の農業生産はあまり盛んではありません。
コーヒー以外に漁業が行われたり、近年は石油や天然ガスなど燃料系の輸出も始まりました。
イエメンコーヒーの特徴
イエメンでは年間のコーヒー生産量が10,000トンと量自体が多い訳ではありませんが、品質の良いコーヒーが数多く栽培されています。
長い歴史を持つイエメンのコーヒーには、いったいどのような特徴があるのでしょうか。
味・風味
イエメンのコーヒーはフルーツのような独特の酸味が特徴的です。
また、フルーティーかつ花のような香りがして、ワインに似た匂いだと感じる人も多いようです。
焙煎度合いによってその風味は大きく異なるため、焙煎が難しいと言われています。
品種・銘柄
主に以下の4つに分類されます。
名称 | 特徴 |
---|---|
モカマタリ | 最高級品種、フルーティーな酸味と甘味 |
アールマッカ | 品質の良いモカマタリ、爽やかな酸味とコク深さが特徴であり、優しい甘味が感じられる |
サナニ | 2番目に高品質な等級、フルーティーでスパイシー |
イスマイリ | 現生種に近いコーヒー、甘酸っぱい風味とスパイス系の香り |
イエメンのモカマタリはワインのような香りと上品な酸味を持ち、通常のモカとは異なる味わいが楽しめるコーヒーです。
そのモカマタリの中で高品質なものだけを選別したアールマッカ。
コーヒー豆はやや大きいものが主流です。
サナニはイエメンで2番目に高品質な等級に分類されますが、コーヒー豆は不揃いで欠点豆も少なくありません。
イスマイリは品種改良を行っておらず、コーヒー豆の大きさもとても小さいです。
モカマタリについては「【決定版】モカマタリとは?特徴からおすすめまで完全解説」の記事で詳しく解説しています。
等級(ランク)・格付け
イエメンのコーヒーのランクは産地別になっており、その中で細かく分かれています。
産地 | 等級 |
---|---|
バニーマタル | No.9 |
No.8 | |
No.7 | |
No.6 | |
No.5 | |
サナア | 上 |
下 | |
ホデイダ | なし |
シャーキ | なし |
バニーマタルだとNo.9が最高品質に該当します。
格付けはそれぞれの地域で行われており、共通の基準などはないようです。
No.9はどんな味がするんだろう…。ぜひ飲んでみたいな。
イエメンコーヒーの歴史
イエメンでコーヒー栽培が始まったのは、1400年ごろだと言われています。
その後コーヒー産業が広まっていき、1517年に当時のイエメンの知事がトルコのオスマン帝国にコーヒーを献上してコーヒー貿易が始まりました。
コーヒーの種類にモカという品種がありますが、それはイエメンの港からつけられた名称であり、モカ港からヨーロッパなど世界中に知られるようになりました。
歴史が古いイエメンのコーヒーですが、急斜面にコーヒー農園があるケースが多く機械化がしにくいため昔から栽培方法は変わっていません。
有機農法で栽培から流通までほぼ手作業で行われています。
モカマタリではなく「モカ」について知りたい方は「【決定版】モカとは?種類の違いからおすすめのモカコーヒーも紹介」の記事をチェック!
イエメンはコーヒー発祥の地
コーヒーの起源は諸説ありますが、実はイエメン発祥という説もあります。
13世紀のモカで、オマールという修道者が街を追放された際に、山中でよりが赤い実をついばんでいるのを発見しました。
その実を自分でも食べてみると、みるみる疲労が回復し元気になったため、街の人々を救うために再び下山してその効能を広めました。
これがコーヒーの実であり、この町がイエメンのモカだったと言われています。
イエメンコーヒーの栽培場所
イエメンコーヒーの主な栽培場所としてバニーマタルがあげられます。
イエメンの気候はあまりコーヒー栽培に適していないのですが、バニーマタルは雨季と乾季がはっきり分かれていて、雨量が多いのでコーヒーの生産が盛んです。
その他にもシャーキやサナア、ホデイダ、ハラズィなどがあります。
バニーマタルという地名は聞き慣れないね。おそらく生産量も少なく、日本には馴染みがないからだね。
イエメンコーヒーがおすすめな人・そうでない人
イエメンコーヒーは、以下のようなコーヒーが飲みたい方におすすめです。
- フルーティーな酸味のあるコーヒー
- 芳醇な香りを楽しめるコーヒー
- 苦くないコーヒー
イエメンのコーヒーは、その独特かつフルーティーな酸味が特徴的です。
優しい甘さがあり飲みやすいコーヒーなので、そのようなコーヒーを求めているからはぜひ飲んでみてください。
また、フルーティーで花のような芳醇な香りが楽しめます。
その酸味と香りが絶妙にマッチして、ワインに例えられることもあります。
苦味は主張してこないので、苦くないコーヒーが飲みたいという人にぴったりだと言えます。
苦いコーヒーが好きな方には合わない可能性がある
また、以下のようなコーヒーが飲みたい方にはおすすめできません。
- 苦味の強いコーヒー
- 香りが主張してこないコーヒー
イエメンのコーヒーを飲むとフルーティな酸味と香り、優しい甘味が感じられます。
そのため、苦いコーヒーが好きな方にはあまり適していません。
また、イエメンコーヒーが持つ独特の香りが苦手だという人もいるでしょう。
イエメンコーヒーと似ているコーヒー
イエメンのモカも有名ですが、エチオピアのコーヒーにもモカが存在します。
イエメンコーヒー同様フルーティーな香りがしますが、より甘味が強いのがエチオピアコーヒーの特徴です。
他にも赤ワインをブレンドしたコーヒーはその酸味や甘味からイエメンのコーヒーに似た風味を感じられます。
エチオピアコーヒーについては「エチオピアコーヒーの特徴とは?豆の種類から産地まで専門家が解説」の記事で詳しく解説しています。
イエメンのコーヒー豆おすすめ3選!通販でも買える
イエメンのコーヒー豆でおすすめの商品は3つあります。
まとめると以下の通りです。
- 土居珈琲 イエメン モカマタリNo.9
- 松井珈琲 イエメン マタリNo.9
- チモトコーヒー イエメン クラシックモカ
順番に解説していきます。
1. 絶妙のモカらしさ「土居珈琲 イエメン モカマタリNo.9」
柑橘系のフルーツを感じさせる酸味と、ワインのような芳醇な香りが楽しめるモカマタリの中でも、最高品質のNo.9を用意しました。
少し独特な風味だからこそ、この味を求めているという人にはぴったりはまるかと思います。
小規模な農家が手作業で生み出したコーヒーの味を堪能してください。
またそんな最高品質なコーヒーがお得に楽しめるセット商品が土居珈琲には存在します。
2つの銘柄が入っている「土居珈琲 初めてのセット」は200gで¥2,472と高級ですが、試す価値アリです。
迷ったらぜひお買い求めください。
商品詳細
名称 | イエメン モカマタリNo.9 |
販売元 | 土居珈琲 |
容量 | 200g |
価格 | 2,700円 |
焙煎度合い | お任せ/ハイ/シティ |
豆の状態 | 生豆/細挽き/中挽き/粗挽き |
2. 入手困難の幻のコーヒー「松屋珈琲 イエメン マタリNo.9」
イエメンのコーヒーは標高1,000~3,000mの急斜面に存在する農園で作られています。
収穫されたコーヒーは10~15日天日乾燥された後、皮の部分を取り除いて袋詰めされます。
独特な香味と気品ある味わいは、日本を始め世界中のコーヒー愛好家が魅了されており、その爽やかな後味はいつ飲んでも美味しいですが特に朝のコーヒーにおすすめです。
商品詳細
名称 | イエメン マタリNo.9 |
販売元 | 松屋珈琲 |
容量 | 1kg/5kg/10kg/20kg |
価格 | 1,501円/6,696円/13,392円/25,984円 |
焙煎度合い | なし |
豆の状態 | 生豆 |
3. 果実味の強いコーヒー「チモトコーヒー イエメン クラシックモカ」
土地がやせているのにも関わらず、品質の高いコーヒー豆を生み出せるイエメン・サンガ地帯のワディで作られたコーヒー豆です。
果実やスパイス、赤ワインなどの複雑な香味が感じられるのはイエメンのコーヒーならではです。
コク深く、素朴ながらも品のある味わいを楽しみたいという方におすすめします。
商品詳細
名称 | イエメン クラシックモカ |
販売元 | チモトコーヒー |
容量 | 180g |
価格 | 1,680円 |
焙煎度合い | フルシティ |
豆の状態 | 生豆 |
イエメンコーヒーの美味しい淹れ方・飲み方
コーヒー豆を中煎りにすると、フルーティーな酸味がより際立つのでイエメンコーヒーの特徴をより活かすことができます。
また、中深煎りにすると少し酸味が抑えられ苦味が増すので、好みに合わせて選んでください。
コーヒー豆を挽く場合は、イエメンコーヒーの特徴である酸味と優しい甘味を楽しめる中挽き~中細挽きが良いでしょう。
すっきりした酸味をよりクリアに味わうために、ハンドドリップで丁寧に淹れることをおすすめします。
イエメンのコーヒーについて詳しくなって美味しくコーヒーを味わおう!
いかがでしたでしょうか?
イエメンコーヒーの特徴について、味わい・銘柄からおすすめまで紹介しました。
本記事の内容で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- イエメンのコーヒーはフルーツのような独特の酸味が特徴的
- イエメンのコーヒーは大きく4つの銘柄に分類され、モカマタリが有名
- イエメンでは品質の良いコーヒーが数多く栽培されている
ぜひイエメンのコーヒーについて詳しくなって、美味しくコーヒーを味わいましょう!