コーヒー豆でよくブルボンという品種を耳にするけど、どんな特徴があるの?
おすすめが知りたい!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
あなたはコーヒー豆の3大原種を知っていますか?実は普段飲んでいるコーヒーもこの3つのどれかが多いです。
しかしその違いをおさえていないと、より美味しいコーヒーを飲むときに勘違いしてしまう危険性があります。
そこで本記事ではコーヒーの人気品種「ブルボン」について、特徴からおすすめコーヒーまで徹底解説!
- ブルボン種はレユニオン島で突然変異してできた品種
- 隔年での収穫ですが、ティピカ種よりも20%ほど収穫量が多い
- 上質な味わいが特徴
- おすすめは「贅沢コク旨コーヒー」「ゴールドキャッスルコーヒー」などがある
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
コーヒーの人気品種「ブルボン」とは?
コーヒー豆にはたくさんの種類があり、アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種をあわせてコーヒーの3大原種といいます。
例えばアラビカ種、ロブスタ種は聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
普段飲むコーヒーのほとんどはアラビカ種のものです。
それぞれの品種の中にもさらに細かく品種が存在します。
ブルボン種とは、アラビカ種の中にある品種でティピカ種と並んで2大優良品種と位置付けられています。
そもそものアラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種の違いについては「アラビカ種とロブスタ種の違いとは?コーヒー豆の品種の特徴を解説」の記事をチェック!
ブルボンの歴史
17世紀以降、ヨーロッパから各国へコーヒーが持ち出されました。
ブルボン種の歴史は1715年、フランスがイエメンから現在のレユニオン島にコーヒーの苗木を運んだところからはじまります。
当時、この持ち込まれたコーヒーの苗木はティピカ種のコーヒー豆でしたが、火山島であるが故の環境や気候の影響で突然変異(突然新しい品種ができること)が起こりました。
この突然変異でできた品種を、かつてレユニオン島がブルボン島と呼ばれていたことから、ブルボン種と名付けられました。
1800年頃にはこのブルボン種は宣教師たちによってケニアをはじめとしたアフリカ各地に持ち込まれます。
また1860年代には南米にも運ばれ、ブラジルを中心にブルボン種の栽培がはじまり現在へと続いています。
ブルボンの特徴
ブルボンの特徴を大きく4つにまとめると以下のとおりになります。
- ティピカ種に比べると丈夫で20%ほど収穫量が多い
- 病虫害への耐性は低く、手入れに手間がかかる
- 豆は丸みがあり小さめ
- 2年に1度の隔年でしか収穫できない
特にブルボン種はティピカ種に比べると丈夫で、20%ほど収穫量が多いのが特徴です。
つまり供給量が増えるため、比較的安価で取引されることが多いです。
味わい
濃厚なコク、しっかりとした風味、マイルドな酸味の中に甘味がある上質な味わいが特徴です。
基本的にどの品種でもコーヒーチェリーは赤色をしているのですが、ブルボン種の中には稀に黄色くコーヒーチェリーが色付くことがあります。
これはイエローブルボンと呼ばれています。
イエローブルボンはとても希少で通常のブルボンよりも甘味が強く果実のような風味の余韻を味わえる印象的なコーヒーです。
ブルボンから派生したコーヒー豆
ブルボン種は隔年でしか収穫できないため生産性が低いことから、品種改良されたものが市場を飛び交うようになりました。
ここではそのブルボンから派生したコーヒー豆の品種を紹介します。
- パカマラ
- ムンドノーボ
- カトゥアイ
パカマラ
パーカス種とマラゴジッペ種を人工的に交配してできた品種。
パカマラ種の元となるパーカス種はブルボン種がエルサルバドルで突然変異してできた品種です。
パーカス種についてはあとで詳しく解説します。
主にエルサルバドルなどのラテンアメリカで栽培されています。
特徴や味わい
マラゴジッペ種のようにとても大きいサイズのコーヒー豆が特徴的です。
軽やかな酸味と甘さがあるバランスのとれたコーヒーで、比較的あっさりめの味わいです。
ムンドノーボ
スマトラ種とブルボン種の自然交配でできた品種。
1943年にブラジルのサンパウロ州・ムンドノーボ地区で発見されました。
発見された地名にちなんでムンドノーボ種と命名されました。
また、ムンドノーボとはポルトガル語で新世界という意味です。
特徴や味わい
環境の変化に強く比較的標高が低いところでも育つ、病害虫に強い、生産量が多いのが特徴として挙げられます。
現在ではブラジルを代表するコーヒー豆として世に知れ渡っています。
酸味、甘み、苦みの絶妙なバランスを持ち、しっかりとしたコクがあり甘味の余韻が広がる味わいです。
ムンドノーボが入ったおすすめコーヒーはチャンバーコーヒー」。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
カトゥアイ
カトゥーラ種とムンドノーボ種を人工的に交配してできた品種。
カトゥーラ種については後で詳しく解説します。
1940年代に、より高品質で収穫量が多く、かつ栽培しやすい品種を求めて作られはじめました。
開発には約20年もの時を費やし、1972年に栽培用として出回るようになりました。
特徴や味わい
平均的なサイズのコーヒー豆で、病害虫に強く環境適応能力に優れているため生産性が高いのが特徴的です。
マイルドな口当たり、酸味やコクのバランスのとれた味わいです。
ブルボン種から突然変異してできたコーヒー豆
ブルボン種から派生したわけではないですが、突然変異したコーヒー豆もあります。
まとめると以下のとおりです。
- パーカス
- カトゥーラ
パーカス
エルサルバドルでブルボン種の突然変異によって生まれた品種がパーカス種です。
樹高が低く大きく大きな種子をもつのが特徴として挙げられます。
軽やかな酸味、ローストナッツのような甘くて香ばしい風味が広がる味わいをしています。
エルサルバドルのコーヒーについては「【保存版】エルサルバドル産コーヒー豆の特徴とは?味や香りを徹底解説」の記事をチェック!
カトゥーラ
1915年頃、ブラジルのミナスジェライス州にて発見されました。
しかしブラジルでの栽培環境と相性が良くなく、近年ではコスタリカなどの中南米で栽培されています。
小ぶりな樹木、小ぶりなコーヒー豆、直射日光やさび病への耐性が強く、隔年の収穫が特徴です。
高品質でしっかりとした酸味に、しっかりとした苦みのある味わいをしています。
コスタリカコーヒーについては「【決定版】コスタリカコーヒーはうまい?その特徴からおすすめまで紹介」の記事をチェック!
ブルボンのおすすめコーヒー銘柄
ブルボンのおすすめコーヒー銘柄は以下の2つです。
- ブルボン サントス
- ポワントゥ
順番に解説していきます。
ブルボンといえばこれ!「ブルボン サントス」
コーヒー生産大国ブラジルにあるサントス港は南米最大の港として知られています。
そのサントス港は世界最大のコーヒー輸出港として有名で、この港から輸出されるコーヒー豆は「ブラジル サントス」として輸出されます。
その中でもブルボン種につけられた「ブルボン サントス」は、マイルドな口当たりが特徴でコーヒーが苦手な方にも飲みやすくなっています。
ブラジルのコーヒーについては「ブラジルコーヒーの特徴とは?豆の種類から美味しい飲み方まで解説」の記事をチェック!
フランス・ルイ王朝が愛したといわれる幻のコーヒー「ポワントゥ」
19世紀初頭、ブルボン島でのコーヒー栽培は衰退。
その際に姿を消してしまった銘柄にブルボン ポワントゥがあります。
ポワントゥはレユニオン島でできた味わい深いコーヒー、変わった形をした樹木をしており、稀にみる逸材のコーヒーということでコーヒー研究家や専門家の中で伝説として語り継がれていました。
1999年に日本企業であるUCCがその伝説の復活を強く望み、フランス政府の協力のもとマザーツリーの発見・入手し、そこから約7年かけて再び世に出ることになりました。
ポワントゥは当時と同じくフランス・レユニオン島にて生産されています。
フルーティーな甘い香りが特徴
ポワントゥとは尖っているという意味で、コーヒー豆や葉・木の形状がすべて尖った形をしていることが由来とされています。
とてもみずみずしく繊細でフルーティーな甘い香りが特徴のコーヒーです。
カフェイン含有量は通常のアラビカ種の約半分といわれています。
ブルボン種のおすすめコーヒー豆・粉4選
これまで紹介してきたブルボン種のコーヒーはオンラインでも購入が可能です。
以下におすすめの商品4選を紹介いたします。
まとめると以下のとおりです。
- 贅沢コク旨コーヒーお試しグァテマラ・ダーク
- ゴールドキャッスルコーヒー スペシャルティコーヒー ブルボン
- カフェ工房 ドリップコーヒー ブラジル・ブルボン」
- グァテマラ・ダーク600g ラ・クプラ農園ブルボン種フリーウオッシュ
順番に解説していきます。
1. 楽天ランキング受賞「贅沢コク旨コーヒー お試しグァテマラ・ダーク」
コーヒー専門店での本格的なコーヒーに挑戦するのはハードルが高いと思っていませんか?
しげとし珈琲の直火で焙煎された中深煎りの豆は、ほどよい苦み・チョコレートもような甘さの余韻が残る味わいが特徴です。
コーヒーメーカーでもハンドドリップでもコーヒー本来の旨味を引き出し、おいしくお飲みいただけます。
グアテマラの特徴も引き出してくれています。
グアテマラコーヒーについては「グアテマラコーヒーの特徴とは?味・等級からおすすめの豆まで紹介」の記事をチェック!
商品詳細
価格 | 1,779円(税込) |
内容量 | 200g |
原産地 | グァテマラ |
2. ナッツのようなフレーバー「ゴールドキャッスルコーヒー スペシャルティコーヒー ブルボン」
スペシャリティコーヒーとは最高峰の希少豆のことを指します。
その流通量はコーヒー豆全体のわずが5%ほどといわれています。
ブルボンアマレロとは黄色いコーヒーチェリーからできたブルボン種の中で最高峰の品種で、ナッツやミルクチョコレートのような味わいにフルーツ系の軽やかな酸味が感じられます。
ゴールドキャッスルコーヒーでは海外でも経験豊富な焙煎士が豆に応じた独自の焙煎を行っています。
商品詳細
価格 | 1,880円(税込) |
内容量 | 12枚(ドリップバッグ) |
原産地 | ブラジル |
3. 手軽に飲める「カフェ工房 ドリップコーヒー ブラジル・ブルボン」
話題のスペシャリティコーヒー「陰干しブルボン」のドリップバッグ。
カフェ工房のコーヒー豆はブラジルコーヒー鑑定士が選定したものを使用しています。
特別オーダーしたコーヒー豆を陰干しすることで甘味とコクが引き出しています。
ブルボン種のみを使用しているため本来の酸味を楽しめ、甘味とコクがしっかりと感じられます。
商品詳細
価格 | 4,680円(税込) |
内容量 | 10g×100袋 |
原産地 | ブラジル |
4. 口コミも良好「グァテマラ・ダーク600g ラ・クプラ農園ブルボン種フリーウオッシュ」
コーヒー豆精製の方法のひとつであるウォッシュド。
ミューシレージ(粘液質)を除去する際に発酵槽を使用し除去する方法で精製されたものがフリーウォッシュです。
この方法で精製されたコーヒー豆で、コクのある深い味わいが特徴的です。
ウォッシュド製法については「【専門家が解説】コーヒー豆のウォッシュドとは?特徴やおすすめも紹介」の記事をチェック!
商品詳細
価格 | 3,726円(税込) |
内容量 | 600g(200g×3袋) |
原産国 | グァテマラ |
ブルボン種の美味しいコーヒーの淹れ方
ミディアムローストやシティローストはもちろん、イタリアンローストでもおいしく飲めるためブルボン種は優れていると言えます。
苦みを抑えて酸味を楽しみたいならミディアムローストを、酸味と苦みのバランスを楽しむならハイロースト~シティロート、苦みを存分に楽しむならフルシティロースト以上の焙煎がおすすめです。
ブルボン種で有名なブラジルでは、ブルボン種をエスプレッソで淹れてたっぷりの砂糖を加えて飲まれています。
しかしながらブルボン種はほんのりと甘味があるため、コーヒー初心者でもブラックに挑戦しやすくなっています。
ペーパードリップがおすすめ
私のおすすめはご自宅でも手軽にできるペーパードリップを使用し、中挽きの豆を87℃くらいの温度に下げたお湯で淹れたコーヒーです。
少し低めの温度のお湯で淹れることによってブルボン種の特徴である濃厚なコク、しっかりとした風味を楽しむことができます。
ひと口目はブラックでコーヒー本来の味を楽しみ、それから砂糖を加え甘くし飲みやすくすることで、おかわりしたくなってしまうでしょう。
ブルボン種のコーヒーを一度試してみよう!
いかがでしたでしょうか?
有名なブルボン種の特徴や背景・派生した品種、おすすめの銘柄や飲み方まで幅広く紹介しました。
本記事のまとめは以下の通りです。
ブルボン種についておさらい
- ブルボン種はレユニオン島で突然変異してできた品種。現在はブラジルでの栽培がほとんど
- 隔年での収穫だが、ティピカ種よりも20%ほど収穫量が多い
- 上質な味わいが特徴的。イエローブルボンと呼ばれる希少な種類もある
- ブルボン種を品種改良してできたものが何種類もある
コーヒー初心者もブラックで楽しめるほど飲みやすいブルボン種のコーヒー。その上質なコーヒーをぜひ味わってみてはいかがでしょうか?
今回はブルボン種について紹介しましたが、全品種まとめて知りたい方は、以下の記事をチェック!