コーヒーって何歳から飲んでいいの?
コーヒーを飲ませて子供の健康や成長に影響がないか心配…
こういった疑問にお答えしていきます。
コーヒーは何歳から問題なく飲めるのでしょうか。
子供がいる方は、コーヒーをねだられて困った経験があるかもしれませんね。
本記事では、コーヒーを飲める年齢の目安やカフェインの影響などを紹介。
子供と一緒にカフェタイムを楽しむ際に、参考にしてみてください。
- 目安として、コーヒーは12~15歳以上で体重が50kgを超えていれば、大人と同じように飲むことができる
- コーヒーに含まれるカフェインには、利尿作用・覚醒作用・ミネラル排出作用があるが、適度な摂取はメリットもある
- 子供と一緒にコーヒーを楽しむには、飲む時間やカフェインの摂取量に注意する必要がある
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
子供は何歳からコーヒーを飲める?
コーヒーを飲むことができる年齢に、明確な基準はありません。
1つの目安として、12~15歳以上で体重が50㎏を超えていたら、大人と同じようにコーヒーを飲むことができます。
子供の年齢と飲用に関し、正確に調べられた研究はほとんどありません。1つのお目安としては、12~15歳以上で大人なみに体重が50kgを超えていたら、大人と同じようにコーヒーを飲んでもかまいません。10歳以下の子供には、ミルクや砂糖など入れながら、お子様が好きな味を探しながら(加減しながら)楽しまれてはいかがでしょう。コーヒー牛乳・アイスクリーム・飴など、お子様でもコーヒーの味を楽しめる食べ物はいろいろあります。
コーヒーは、何歳くらいから子供に飲ませていいのでしょうか?
身体が小さく消化機能などが発達していない子供は、大人よりもコーヒーに含まれるカフェインの影響を受けやすくなります。
本記事で紹介するカフェイン摂取量の目安なども参考にして、子供にコーヒーを飲ませてもよいか判断してみてください。
コーヒーに含まれるカフェインの影響
コーヒーに含まれるカフェインは、身体に様々な影響をもたらします。
飲みすぎによる悪い影響はもちろん、適度に摂取することによるよい影響もあります。
- 利尿作用がありトイレが近くなる
- 覚醒作用で夜眠れなくなる
- 成長に必要なカルシウムなどの排出作用がある
両者について、詳しく解説していきます。
利尿作用がありトイレが近くなる
カフェインには、体内の水分や老廃物を尿として体外に排出する利尿作用があります。
水分は腎臓で体内に吸収されますが、カフェインはその働きを抑制します。
吸収されなかった水分は尿として排出されるため、トイレに行く回数が増えてしまうことも。
コーヒーを飲みすぎると、この利尿作用によって困る場面も出てくるかと思います。
覚醒作用で夜眠れなくなる
カフェインには、頭が冴えたり眠気が覚めたりする覚醒作用があります。
眠気は、覚醒作用のあるヒスタミンの放出が抑制されることにより生じます。
このヒスタミンの放出は、疲労に伴い産生されるアデノシンという物質が受容体に結合することによって抑えられます。
カフェインは、このアデノシンの受容体への結合を阻害します。
したがって、ヒスタミンの覚醒作用が抑えられず、眠気を感じずらくなることがあります。
疲労に伴い体内で産生されるアデノシンという物質がアデノシン受容体に結合すると、覚醒作用のあるヒスタミンという神経伝達物質の放出を抑えるため眠くなります。カフェインは、このアデノシン受容体に結合することでアデノシン自体が結合するのを阻害するため、ヒスタミンの放出が抑制されなくなり、眠気を感じにくくなります。
カフェインと睡眠
成長に必要なカルシウムなどの排出作用がある
カフェインには、カルシウムなどミネラルの排出を促す作用があります。
腎臓では、ミネラルの吸収や排出を行い、体内に適切な量を調整しています。
カフェインは、このミネラルの排出を促進します。
大量にコーヒーを摂取すると、骨粗鬆症のリスクが高まるという研究もあります。
少量なら問題ありませんが、成長期の子供はカフェインの影響を受けやすいため注意が必要です。
The effect of high-dose, short-term caffeine intake on the renal clearance of calcium, sodium and creatinine in healthy adults
Wiley Online Library
メリットもある
カフェインは摂りすぎると体に影響をもたらしますが、適度に取り入れればメリットも大きくなります。
利尿作用は、体内の老廃物を排出してくれたり、むくみの解消につながったりします。
覚醒作用によって、頭がすっきりしたり、疲れが軽くなったりする効果も。
悪影響は「摂りすぎ」によるものなので、コーヒーは適度に生活に取り入れてくださいね。
コーヒー摂取量の目安
子供のコーヒーの飲用に関して、明確な基準はありません。
1つの目安として、カナダの保健省が示しているカフェイン摂取量があります。
- 4~6歳:45mg/日
- 7~9歳:62.5mg/日
- 10~12歳:85mg/日
一般的に、コーヒー100mlに含まれるカフェインは60mgと言われています。
12歳以下の子供には、カフェイン摂取量に注意して与える、もしくはコーヒーを控えるようにしましょう。
カフェインが含まれる主な食品
カフェインは、コーヒー以外の飲み物にも含まれています。
それぞれ100mlあたりに含まれるカフェインの量は、以下の通りです。
- コーヒー:60mg
- 紅茶:30mg
- 緑茶(せん茶):20mg
- コーラ:10mg
- エナジードリンク:32~300mg
コーヒーに含まれるカフェインは、紅茶や緑茶の2倍ほど。
エナジードリンクも、商品によっては大量のカフェインが含まれています。
どの飲み物も、適切な量を楽しむことが大切です。
子供と一緒にコーヒーを飲むなら?
子供にコーヒーをねだられたり、自身がコーヒーを楽しんでいるときに何を与えたらよいのか迷ったことがある方もいるかもしれません。
下記では、子供と一緒にコーヒータイムを楽しむための方法を紹介します。
夕方以降は飲まない
夕方以降は、コーヒーの飲用を控えましょう。
遅い時間にコーヒーを飲むと、夜の睡眠に影響が出てしまう可能性があります。
カフェインの効果は、摂取後15~30分後に出はじめ、30~120分で血液中の濃度が最大になります。
また、効き目が薄れてくる「半減期」は、平均して4時間(個人差により2~8時間)であると報告されています*。
就寝時間から逆算して、コーヒーを飲む時間を調整してみてください。
デカフェ・ノンカフェのコーヒーを選ぶ
カフェインを取り除いたデカフェや、カフェインが含まれないノンカフェのコーヒーを選ぶのもおすすめです。
これらの飲み物は、カフェインの含有量を気にせずに、コーヒーの味わいを楽しめます。
特に、風味を損なわず美味しく飲めるデカフェのコーヒーは増えてきています。
夜にコーヒーを飲みたい大人の方にもぴったりなので、ぜひ試してみてください。
また、たんぽぽコーヒーや大麦コーヒーなど、コーヒー豆を使わない代用コーヒーと呼ばれる飲み物もあります。
コーヒーの風味を楽しめて、ノンカフェインなので安心です。
ミルクをたっぷり入れる
コーヒーにミルクをたっぷり入れて、薄めて飲むのもよいでしょう。
これは、一般的に「カフェラテ」と呼ばれる飲み方。
ミルクの甘みが加わり、コーヒーの苦みも緩和されて、子供も美味しく飲めます。
砂糖やはちみつなどを入れると、より飲みやすくなります。
- まろやかさがプラス:ミルクをたっぷり入れることで、コーヒーの香りや風味がやわらぎ、口当たりが滑らかになります。
- ボリュームがでる:ミルクをたっぷり入れると、コーヒーのボリュームも増します。そのため、一杯のコーヒーで満足感を得たいときにおすすめ
- バリエーションが増える:ミルクによるコーヒーの味わいの変化は無限大で、さらにシロップやスパイスを加えることで、自分だけの特別な味つけを楽しむこともできます。 牛乳だけでなく、豆乳やアーモンドミルクなどを使っても良いでしょう
コーヒーと年齢に関するよくある質問
ここではコーヒーと年齢に関するよくある質問とその回答を紹介します。
- カフェインは身長を伸ばさない?
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カフェインが直接的に身長の伸びを阻害する科学的な証拠はないと言われています。
しかし、一部の研究では、カフェインが睡眠の質を下げる可能性があると指摘しています。
成長ホルモンは主に深い眠りのときに分泌されるため、カフェインによる睡眠の質の低下が身長の伸びに影響を及ぼす可能性は否定できません。
特に成長期の子供にとっては良質な睡眠は非常に重要で、もしカフェイン摂取がそれに妨げとなるならば注意が必要です。
また、適度な摂取ならば問題ありませんが、カフェインを過剰摂取するとビタミンやミネラルなどの栄養素の吸収を阻害し、また体内の水分を排出させる働きがあるため、バランスの良い飲食や適度な水分補給が妨げられる可能性があります。
栄養不足や脱水状態も身体の健康成長には良くありません。
つまり、カフェインそのものが身長を伸ばさないわけではなく、カフェイン摂取がその他の健康習慣を妨げることが問題となりうる、ということです。
そのため、カフェインを摂取する際は適度な量にとどめ、良質な睡眠やバランスの良い飲食を心掛けることが重要です。
特に子供や若者の場合、保護者の助言や指導に従うことが望ましいでしょう。
- カフェインの致死量は子供でどのくらいですか?
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カフェインの致死量は体重により異なります。
一般的には、カフェインの致死量は成人で約5–10gとされています。これは約50–100杯(一杯あたりのカフェイン量が100mgの場合)のコーヒー相当量になります。
子供の場合、まず第一に言われるべきことは、カフェインは刺激物であり成長途中の身体が適切に処理できない可能性があるため、子供へのカフェインの提供は控えるべきでしょう。
特に、子供は体重が軽いため成人と比較して少量のカフェインでも相対的に高い濃度となります。
なお、何か疑問がある場合や、カフェインによる急性の症状が現れた場合には速やかに医師に相談すべきです。
何歳からコーヒーを飲めるのか把握しておこう!
今回は、コーヒーを飲める年齢の目安やカフェインの影響、子供と一緒にコーヒーを楽しむ方法を紹介しました。
本記事のポイントは、以下の通りです。
- 目安として、コーヒーは12~15歳以上で体重が50kgを超えていれば、大人と同じように飲むことができる。
- コーヒーに含まれるカフェインには、利尿作用・覚醒作用・ミネラル排出作用があるが、適度な摂取はメリットもある
- 子供と一緒にコーヒーを楽しむには、飲む時間やカフェインの摂取量に注意する必要がある
子供が大きくなるまでは、コーヒーの影響に気を配ることが多くなるかと思います。
そんなときは与え方を工夫して、ぜひ一緒に楽しいコーヒータイムを過ごしてください!