コモディティコーヒーって聞いたことはあるけど、どんな特徴があるの?
コモディティコーヒーの味ってどうなの?スペシャルティコーヒーとは違うの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
コモディティコーヒーという言葉は、もしかしたら耳馴染みのない言葉かも知れませんが、実は味には馴染みがあるはずです。
なぜなら一番流通しているコーヒーなんです!今回はそんなコモディティコーヒーについて解説していきます。
- コモディティコーヒーとは、商品先物取引によって売買されているコーヒーのことを指す
- 安価で流通量が多いため、普段消費しているコーヒーもコモディティコーヒーの可能性が高い
- 個性があまり強くなく普遍的な味わいなのが特徴
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
コモディティコーヒーを知る前に「コモディティ」の意味を知ろう
コモディティコーヒーについて解説する前に「コモディティ」という言葉自体について解説していきます。
あまり聞き馴染みがない言葉だよね
コモディティ=一般に流通している日用品
コモディティという言葉には主に以下のような意味があります。
- 商品
- 日用品
- 農業・鉱物などの産物
- 有用な品
- 役に立つもの
コモディティという言葉を使用する際は、特に1番と2番の意味合いで使われることが多いようです。
世の中には数え切れないほど多くの商品・日用品で溢れていますがその中でも「代替可能で差別化が難しく、商品価値がほぼ同程度のもの」を指してコモディティと呼ばれます。
スーパーなどで見かける、日常生活に欠かせないような商品のことだよ!
調味料などを想像してもらえると分かりやすいかもしれません。
投資用語では商品先物取引のことを指す
また、投資用語におけるコモディティとは「商品先物取引」のことを指しています。
商品先物取引は、現時点における価格や数量の約束を取り付け将来の売買を約束する取引のこと。
主に農作物や原油などで行われる取引方法で、前もって金額を決めておくことで価格変動によるリスクを避けることが出来るという大きなメリットがあります。
お米や小麦などで価格変動大きかったら生活が大変だ!
コモディティコーヒーとは?
ではコモディティコーヒーとは一体どのようなコーヒーになるのでしょうか。
その特徴について大きく分けると以下の2つです。
- 安価で安定した供給がある
- 様々な農園の豆がブレンドされている
順番に解説していきます。
コモディティコーヒーの特徴
コモディティコーヒーとは「商品先物取引で売買されているコーヒー」のことです。
取引の価格は需要と供給によって決定されるため、価格などが安定した状態で取引されます。
そのため安価な大量消費型のコーヒーに向いているのです。
これがコモディティコーヒーの1つ目の特徴になります。
だからコモディティコーヒーの流通量が1番多いんだね。
コモデティコーヒーに使われているのは全種類
2つ目の特徴は、その国ごとに定められた規格のものであれば農園や産地を問わず集められ、同じ銘柄・種類として取引されているということです。
このことはコーヒー豆の安定した供給をもたらす一方で、高品質なものでも他の豆と同じ価格で買い取られてしまうという側面を持っています。
一生懸命高品質なものを作っても、他と同じ値段をつけられてしまうのは切ないですよね。
コモディティコーヒーのグレード・等級
コーヒーには大まかに分けて4つのグレードが存在し、コモディティコーヒーは上から3番目にあたります。
コモディティコーヒーを含む全てのコーヒーのグレードは以下のリストのとおりです。
- スペシャルティ
- プレミアム
- コモディティ
- ロー
ご覧のように、グレードとして1番高いものはスペシャルティで1番グレードの低いものがローとなります。
コモディティコーヒー自体は上から3番目ですが、コモディティコーヒーの中にもハイグレードからローグレードまでが存在しています。
ハイグレードのコモディティコーヒーはプレミアムコーヒーと遜色ない味わいです。
スペシャルティコーヒーとの違い
上記のような状況に対し「高品質なものには相応の価値をつけよう」という流れから誕生したのがスペシャルティコーヒーです。
スペシャルティコーヒーは品質を保証するための基準を設け厳しく審査し、それをクリアした豆が該当します。
また、農園からコーヒーカップに届くまでの道筋を追跡可能な状態にすることも、スペシャルティコーヒーの重要な定義の一つです。
このことは、規格に合えば産地や農園は問わないコモディティコーヒーとの大きな違いと言えます。
また、コモディティコーヒーは欠点豆などの混入などによる減点方式で格付けされますが、スペシャルティコーヒーはカッピング評価での加点方式なのも両者の違いです。
スターバックスやタリーズなどのシアトル系コーヒーチェーン店は、スペシャルティコーヒーと言われているよ!
スペシャルティコーヒーについてより詳しく知りたい方は「スペシャルティコーヒーとは?その特徴から通販で買えるおすすめまで」の記事をチェック!
コモディティコーヒーを選ぶメリット
コモディティコーヒーとスペシャルティコーヒーの間に大きな違いがあることが分かりましたが、決してコモディティコーヒーがスペシャルティコーヒーに対して劣っているというわけではありません。
コモディティコーヒーを選ぶ際にも以下のような様々なメリットが存在します。
- コスパが高い
- 飲みやすい傾向がある
- 国全体の特色が分かる
順番に解説していきます。
コスパが高い
コモディティコーヒーの最大のメリットは、やはりそのコスパの高さにあります。
スペシャルティコーヒーはその品質に対して価格をつけるため、どうしてもやや高価になりがちです。
しかしコモディティコーヒーは流通に特化した方法で取引されており、流通量自体が非常に多いため安価な状態で消費者の元に届けることが可能となっています。
飲みやすい傾向がある
プレミアムコーヒーなどは産地が明確にされ豆の個性を重視されますが、コモディティコーヒーは誰もが飲みやすい風味を持つ傾向があります。
このことは、規格に沿っていれば産地や農園などは問わずにまとめて同じ銘柄としてブレンドされていることが一役買っているのではないでしょうか。
様々な個性や味わいを持つ豆がブレンドされることで平均化され、普遍的な味わいになっているのではと考えられます。
良くも悪くもプレーンな味わいだね。
そもそもプレミアムコーヒーって何?という方は「プレミアムコーヒーとは?スペシャルティとの違いからおすすめまで紹介」の記事は必読です!
国全体の特色が分かる
コモディティコーヒー自体は飲みやすく豆の個性があまり強くないものの、その国で育てられ、その国の規格でまとめて出荷されるということから、国ごとの特色は出やすいといえます。
つまり、各国の平均値の味わいがコモディティコーヒーの味わいともいえるのです。
もちろん国内でも高度や条件でコーヒーの味わいは異なりますが、コモディティコーヒーはそれらをまとめてブレンドしたもの。
ざっくりとした国ごとの味わいを楽しめるのもコモディティコーヒーの持つメリットの一つです。
コモディティコーヒーを選ぶデメリット
コモディティコーヒー自体はコーヒーの流通を安定させるうえで非常に重要なシステムではありますが、そのことがコーヒー農家の財政に影響を及ぼしたりモチベーション不足に繋がる側面は否めません。
「コモディティコーヒーの特徴」の項で触れたとおり、コモディティコーヒーは規格さえあっていればある程度品質を問わず、全て同じ価格で取引されます。
大量に栽培出来る大規模農園であればまだ良いのですが、問題は小規模で高品質なものを作っている農園です。
いくら手間暇かけて高品質な豆を育てたとしても安く買われてしまってはその品質を保つモチベーションを保つのは困難です。
コーヒーの品質を保つには手間もお金もかかりますが、大量消費の波に飲まれてしまっては手を抜かざるを得なくなります。
宣伝するのもお金がかかるしね…
安価で購入出来て1番身近なコモディティコーヒーですが、値段のことだけ考えて選択をしているといずれコーヒー全体の質が落ちてしまうといったことも考えられなくはありません。
【産地別】コモディティコーヒーの味わい
「コモディティコーヒーを選ぶメリット」の項目でも触れたとおり、コモディティコーヒーには国ごとの特色が出やすいという特徴があります。
ここではコーヒーの産地として代表的な国のコーヒーが持つ味わいについて説明しています。
スーパーなどでコーヒーを選ぶ際の参考にもなるため、ぜひご活用ください!
コロンビア
コロンビアのコーヒーが持つ味わいの大きな特徴は、マイルドでまろやかな味わいであるということです。
フルーティーさがありながらも酸味が強すぎず、苦味もやわらかで甘みを感じやすい傾向があります。
ブラジルと並んでブレンドのベースにされることが多く、バランスの取れた味でもあります。
ブラジル
ブラジルのコーヒーの特徴は、とにかくその飲みやすさにあります。
それはコーヒーの味わいにおいてスタンダードともされるほど味や香りのバランスが取れているため。
クセがなく、チョコレートやナッツのような甘い香りが世界中の人々に愛されています。
グァテマラ
コモディティコーヒーとしても人気が高いのがこのグァテマラで、その味わいは果物を思わせる酸味が強く感じられ、全体的に上品です。
ボディがしっかりしているため、深煎りにも向いています。
チョコレート系の甘みや花のような香りも持っており、日本での人気は根強いです。
エチオピア
エチオピアのコーヒーの大きな特徴はフルーティーな香りと酸味です。
苦味やコクはその分控えめとなっており、コーヒーのジューシーさやフルーツ感を味わいたい方におすすめ。
エチオピアのコーヒーが持つ華やかな香りは世界最高峰とも称されています。
タンザニア
柑橘系の酸味を持ち、野性味を感じさせる味わいが特徴です。
深煎りにするとコクが際立ち、浅煎りの際の味わいとはまた違った味わいを感じさせます。
ストレートで飲まれることが多いのもまた特徴の一つです。
通販で買えるおすすめのコモディティコーヒー3選
ここまでコモディティコーヒーについて詳しく解説してきましたが、せっかくなら美味しいコモディティコーヒーを飲んでみたいですよね?
通販でも購入可能な、おすすめのコモディティコーヒーを3つほど厳選して紹介していきます。
- 旭珈琲 生豆 お試し焙煎飲み比べセット
- MI CAFETO コーヒー ドリップバッグ ギフト CAFE REVOLUCION 5種セット BOX入り
- ニシナ屋珈琲 ロイヤルブレンド
それでは順番に詳しく説明していきます。
1. ストレートコーヒーでブレンドが作れる「旭珈琲 生豆 お試し焙煎飲み比べセット」
コモディティコーヒーの生豆300g×5銘柄のセットです。
ストレートで各国の飲み比べを行なうもよし、自分好みにブレンドを行なうもよし、焙煎も自身で行なうことが出来る非常に自由度の高いセット内容となっています。
在庫状況によってセット内容が変更する場合があるため、購入の際のチェックはお忘れなく!
ストレートコーヒーについては「【決定版】ストレートコーヒーとは?代表的な種類からおすすめまで紹介」の記事でも詳しく解説しています。
2. コーヒーの美味しさを追求できる「MICAFETO CAFE REVOLUCION 5種セット BOX入り」
コーヒーハンターの川島 良彰氏が代表取締役社長を務めるMI CAFETOは、コーヒー豆のアロマを保つためにボトルに詰めて販売を行なうなどの革新的な方法で、コーヒーへの並々ならぬこだわりを見せるブランドです。
そんなMI CAFETOの扱うコモディティコーヒーは、生豆の保管時の温度からパッキングまでのスピードなど品質を保つ努力を惜しみません。
このセットは手軽に飲めるドリップバッグながら、一般的なドリップバッグよりも多い12gもの豆を使用し味わいを最大限に引き出すなど、コーヒーの美味しさをとことん追求しています。
3. 飽きの来ない味わいが特徴「ニシナ屋珈琲 ロイヤルブレンド」
このロイヤルブレンドの配合は、コロンビアスプレモ、マンデリンG1、ペルーウォッシュ、モカシダモ、サントスNo.2、エルサルバドルHG、ロブAP-1(little)となっています。
コーヒーの持つコクと香りを際立たせるブレンドで、飲みやすさもありながら余韻を楽しめる飽きのこない味わいです。
ゆったりとした時間を過ごしたい時におすすめのブレンドではないでしょうか。
コモディティコーヒーを購入してじっくり味わおう!
いかがでしたでしょうか?
コモディティコーヒーとは何かについて、その特徴から違い・おすすめまで紹介しました!
今回のコモディティコーヒーに関する解説をまとめると以下の通りです。
- コモディティコーヒーとは商品先物取引によって売買されているコーヒー
- 流通に特化しており、安価で流通量が多く安定した供給がある
- 大量消費に向いている
- 個性があまり強くなく普遍的な味わいである傾向
- 国ごとの平均値の味わいが分かる
- 普段消費しているのがコモディティコーヒー
いつもスーパーやコンビニで購入しているのがコモディティコーヒーと呼ばれているのは知りませんでした。
スペシャルティコーヒーは小さくても高品質なコーヒーを栽培する農園を支える役割がありますが、コモディティコーヒーは多くのコーヒー農家やコーヒー産業全体を支える役割があります。
私達が普段何気なく飲んでいるコーヒーの一杯には様々な農家の人の手が加わっていると思うと、なんだか更に味わい深くなった気がします!
あなたも毎日何気なく飲んでいるコーヒーを改めてじっくりと味わってみませんか?