コーヒーを飲んだら酔った時のような吐き気とめまいを感じた…。どうしたら良いの?
少しでも早く治したい!対処法はあるの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
コーヒーを飲んでフラフラしたり酔った感じになった…そんな経験はありますか?
実はコーヒーで酔うという感覚はカフェイン酔いとも近いため、多くの方が疑問を持っていることです。
そこで本記事では、対処方法を含めて論文などを用いて徹底解説していきます!
- コーヒーで酔ったと感じるのはカフェインが原因
- 日本人はカフェインに耐性がある
- カフェインに酔ったときは血中のカフェイン濃度を下げる必要がある
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
続きはこちら
コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは詳しく見ていきましょう!
コーヒーで酔う?
酔うと言われると、「お酒に酔う」というのが一般的です。
ですが、「コーヒーに酔った」という表現は、意外と使われています。
コーヒーを飲んだ後に、吐き気やめまいといった症状が出ることがありますよね。
動悸が早くなって、胸が苦しいような感覚に襲われることも。
それが酔った時や二日酔いの時の状態に似ていることが、「コーヒーに酔う」と言うようになったと考えられます。
クモにコーヒーを飲ませたところ、酔ってしまってクモの巣を上手に張れなかったという実験結果もあります。
お酒に弱い人がいるように、コーヒーに弱い人もいるのかな?
コーヒーで酔うと言われている原因
なぜコーヒーを飲むと、酔った時と似たような症状が出るのでしょうか。
その原因は、コーヒーに含まれているカフェインという物質にあります。
カフェインには興奮作用や覚醒作用があります。
適量のカフェインなら、集中力アップや眠気覚ましに効果的です。
ですが、カフェインが効き過ぎてしまうと交感神経が刺激されて、自律神経のバランスが崩れてしまう原因になります。
その結果めまいが起こるなど、具合が悪い時と似た症状が出るという訳ですね。
カフェインは胃酸の分泌を促す
また、カフェインには胃酸の分泌を促します。
食後の消化には効果的なのですが、空腹時に飲むことで胃の粘膜が傷ついてしまい、胃痛を引き起こします。
それが吐き気に繋がります。
また、カフェインには血管収縮作用があります。
コーヒーを飲んだことで収縮した血管は、カフェインが抜ける際に拡張するため、その時に頭痛を感じることも。
コーヒーでもお酒でも、飲み過ぎは良くないってことだね。
コーヒーと胃の関係性については「コーヒーで胃が荒れる?胃もたれ・ムカムカの原因と対処法を完全解説」の記事をチェック!
カフェイン酔い
このように、コーヒーで酔うのではなく、カフェインが持つ効果によって酔った時と似た症状が出るという方が正しいですね。
気をつけなければならないのが、カフェイン中毒です。
カフェインはコーヒー以外にも緑茶やウーロン茶、コーラ、チョコレートなどにも含まれている身近な物質です。
そんなカフェインですが、実は中毒症状を引き起こす可能性があります。
短時間に大量のカフェインを摂取した場合や、鮮度の落ちたコーヒーを飲んだ際に起きると言われています。
吐き気や頭痛といったものから、動悸、息切れ、不眠の原因、アレルギー症状が出るなど、日常生活に支障をきたすものまで、人によって出る症状も違います。
最悪の場合、急性中毒に陥ることも。
カフェインは嗜好品の他,感冒薬や眠気予防薬として普及しているため,過剰摂取が容易である。大量服用から致死的中毒を来した2症例を救命した。
〈症例1〉34歳の女性。市販感冒薬を大量服用後,心室細動から心静止状態となり救急搬送された。感冒薬成分中の致死量のカフェインが心肺停止の原因と考えられた。
症例2〉33歳の男性。自殺企図にて市販無水カフェイン(カフェイン量24g)を内服,嘔吐と気分不快のため自らの要請で救急搬送となった。いずれも大量のカフェイン急性中毒例で,薬剤抵抗性の難治性不整脈が特徴であった。早期の胃洗浄,活性炭と下剤の使用,呼吸循環管理により救命することができた。
とくに症例2では,早期の血液吸着により血中濃度の減少と症状の劇的な改善を認めた。これは血液吸着の有用性を示す所見と考えられる。
致死的大量服薬から救命し得た急性カフェイン中毒の2例
適量を守るのが大切
たかがコーヒーかと思うかもしれませんが、このように命に係わる大惨事に繋がる可能性もあります。
短時間に大量にカフェインを摂取しない、1日中コーヒーを飲み続けないなど、注意してコーヒーを飲んでください。
また、比較的軽い症状はカフェインが体内から抜ける時に出ることが多く、改善したいという思いからまたコーヒーに手を伸ばしてしまうなど、カフェインは中毒性の高い物質です。
嗜好品として楽しんでいるうちは大丈夫ですが、カフェインを摂り過ぎないように注意しましょう。
カフェインの1日摂取量の上限は、コーヒー3杯程度と言われているよ。
コーヒーの詳しいカフェイン量については「【最新】コーヒーのカフェイン量はどのくらい?その効果と副作用も解説」の記事をチェック!
日本人はカフェイン酔いに強いとされている
日本人は、カフェイン酔いに強いと言われています。
そもそも、カフェイン酔いはなぜ起こってしまうのでしょうか。
それは体内に取り込まれたカフェインを、うまく分解できないことが原因です。
日本人は昔から緑茶やほうじ茶など、お茶類をよく飲む習慣があります。
また、紅茶やコーラなどのペットボトル飲料も身近な存在ですよね。
睡眠不足の時や眠らずに勉強・仕事をしたい時などに、栄養ドリンクを飲む人は多いかと思います。
上記の飲み物にはカフェインが含まれています。
コーヒーを飲まない人でも、普段からカフェインを摂取する機会は意外と多いということですね。
日本人はカフェインに耐性を持っている人が多いため、あまりカフェイン酔いする人はいません。
一方で、アルコールに強い人が多い白人は、実はカフェインには弱い人が多いです。
欧米でノンカフェインやデカフェのコーヒー・ドリンクが普及しているのには、このような背景があるからだと考えられます。
コーヒーを飲むと酔うという感覚は吐き気とめまいのせい?対処方法は?
コーヒーを飲んで酔ったと感じるのは、吐き気やめまいといった症状が出ることが原因だと考えられます。
飲み過ぎたことがある人や二日酔いを経験したことがある人は分かるかと思いますが、その時と同じような症状が出ます。
いち早くこの辛い症状から抜け出したいですよね。
主な対処方法は以下の4つです。
- 水分を摂る
- 深呼吸する
- ストレッチをする
- 市販薬を飲む
順番に解説します。
1. 水分を摂る
カフェイン酔いが起きたと感じた場合、まずは水分を摂って血中のカフェイン濃度を下げましょう。
この時、冷たい水ではなく常温の水か白湯の方が効果的です。
すりおろした生姜を入れると、体が温まってリラックスした気分になるのでよりおすすめですよ。
2. 深呼吸する
また、深呼吸することで自律神経が整うので、カフェインによる不快感が和らぐことが期待できますよ。
気持ちも落ち着くので、次何らかの行動をとる前にも一度深呼吸をしておくと良いでしょう。
3. ストレッチをする
自律神経を整えるという意味では、ストレッチを行うのもおすすめです。
吐き気やめまいを感じている際には、その状態が悪化しないように注意が必要ですよ。
痛いと感じる手前で止めるなど、いつもより気をつけてストレッチを行ってください。
4. 市販薬を飲む
どうしても症状が改善されない場合、吐き気止めなどの市販薬に頼るのも1つの手です。
薬を飲む時間や間隔、条件に注意しながら飲んでくださいね。
それでも改善されない場合は、無理せず病院に行きましょう。
吐き気やめまいを感じているので、内科や胃腸科がベターです。
気のせいだとか、すぐ治ると思って無理するのは禁物だよ。
コーヒーを飲むとアルコールのように酔うのはないが、カフェイン酔いはあり得る
いかがでしたでしょうか?
コーヒーで酔うという現象について、そう言われる原因と吐き気とめまいの対処方法を解説しました!
本記事で重要な内容をまとめると以下のとおりです。
- コーヒーを飲んで酔うという感覚は、カフェインが効き過ぎてしまうと交感神経が刺激されて、自律神経のバランスが崩れてしまうことに原因がある
- コーヒーで体調が悪くなった場合は水分を摂ったり深呼吸しましょう
- アルコールのようにコーヒーで酔うということはない
やはりこれまでのことから、コーヒーを飲むとアルコールのように酔うのはありませんが、カフェイン酔いはあり得るので注意が必要です。
ただ正しく摂取すれば起こり得ることは少ないはずなので、十分注意しながらコーヒーを楽しみましょう!