イタリアンローストとフレンチローストの違いって何?
イタリアンローストってそもそも何?美味しい飲み方とかあるのかな?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
- ローストとは焙煎度合いのこと
- イタリアンローストは最終の8段階目
- エスプレッソやアイスコーヒーによく使用される
- イタリアンローストは、スモーキーな香りが特徴
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう。
イタリアンローストを知る前に!そもそもローストとは?
イタリアンローストを知る前に、そもそもローストとは何かということを知っておきましょう。
ローストについて知っておかないと今後の話がついてきません。
ローストは英語に直すと「roast」。
この「roast」は焙煎やあぶるという意味が含まれています。
つまりここで言うローストとは、コーヒー豆(生豆)を焙煎するということです。
浅煎りや深煎りといった表現は焙煎度合いによるもので、コーヒー豆の特徴や飲む方の好みによって決まります。
焙煎(ロースト)度合いは8段階
コーヒー豆の焙煎度合いに応じて以下の図のように8段階に分かれています。
またイタリアンローストは最終の、8段階目になります。
これらから1番ロースト時間が長く、味も苦味が強いことがわかります。
中煎り
この状態hでは茶褐色とまだ色は薄いものの、軽やかな風味を楽しめます。
特にハイローストは深煎りに近いため、コクと若干の苦味がありながら飲みやすいのが特徴です。
深煎り
以上の順番で焙煎度合いは増していきます。
シティローストは最も人気な焙煎度合い。
苦みやコク、甘みのバランスが丁度よいのが特徴で、カフェで提供されるコーヒーもシティローストが多いです。
イタリアンローストになると、コーヒー豆の見た目はほぼ真っ黒です。
味もかなり濃く、味わいも濃厚になります。
イタリアンローストとは?
イタリアンローストは、表面に油分が浮き出るほどの焙煎度合いになります。
そのため、コーヒーを入れてからも、表面にちょっとした油が浮くほど濃厚なコーヒーを楽しめます。
コーヒーの油に関しては以下の記事をチェック!
スモーキーな香り
イタリアンローストは1番最後の焙煎度合いなので、他では味わえないようなスモーキーな香りを堪能できます。
焙煎時間が長くなるにつれて、焦げたような風味が加わります。
これが燻製のような、スモーキーさが生まれるというわけだね!
これによって、強い苦味も発生します。
ミルクを足しても十分な苦味が残るため、カフェオレやカプチーノにもおすすめ。
コーヒーの苦味が好きな人は、是非ブラックで挑戦してみてください。
イタリアンローストの由来
焙煎度合いの8段階目であるイタリアンローストと7段階目のフレンチローストがヨーロッパの国名を有しているのは、実はその深煎りのためだとも言われています。
ヨーロッパで愛されているエスプレッソは、深煎りのコーヒー豆でこそ味わい深いものになるからです。
イタリアンローストに合う飲み方
イタリアンローストに合う飲み方は大きく2つです。
- エスプレッソ
- アイスコーヒー
1つ1つ解説します。
エスプレッソ
コーヒー豆が本来のうま味がしっかりと濃縮されているのがエスプレッソです。
本場イタリアにおいては、お砂糖をたくさん入れて楽しむため、苦味が強いイタリアンローストは、エスプレッソにおすすめの焙煎と言えるでしょう。
しかしながら日本においては、イタリアンローストが主流というわけでは全くないです。
ただエスプレッソとイタリアンローストの相性は抜群なので、コーヒー豆を購入する際はエスプレッソの飲み方おお考えください。
アイスコーヒー
イタリアンローストとは、酸味が感じられない分苦みが強く、スモーキーな風味が特徴。
つまり、イタリアンローストはスパイシーな印象がありつつも砂糖を焦がしたような甘味も同時に楽しめます。
ここで出番なのがアイスコーヒーです。
アイスコーヒーは氷を入れるので薄まってしまうのが難点ですが、強いコクのあるイタリアンローストなら問題ありません。
イタリアンローストは体に悪い?
世の中ではあまりにも深煎りのコーヒーを飲むと体に悪いという風潮が流れていますが、結論、体に悪い影響はありません。
ただしこれは適量を守った範囲になります。
コーヒーの一日の適量は、2杯までとされています。
この量をしっかりと守ってさえいれば、イタリアンローストやフレンチローストなどの深煎りコーヒーを飲んだとしても問題はありません。
深煎りコーヒーの特徴的な成分
また浅煎りのコーヒーに含まれている「トリゴネリン」は焙煎すると、「ニコチン酸」などに分解されます。
※ニコチン酸とは、ビタミンB群で、高脂血症の治療薬使われます。
善玉を増やす働きもあります。
そしてコーヒーに含まれているカフェインですが、深煎りになればなるほど減少します。
つまりイタリアンローストなどの深煎りコーヒーにすると生まれる特徴的な成分が以下になります。
- カフェイン
- ニコチン酸
- NMP(抗酸化作用)
- 香りによるリラックス効果
ニコチン酸は必ずしも悪い成分というわけではありません。
イタリアンローストの美味しい淹れ方
ここではイタリアンローストの美味しい淹れ方を紹介していきます。
今回は最もポピュラーな飲み方であるペーパードリップに特化して解説します。
結論、お湯の温度を高めにすることです。
イタリアンローストやフレンチロースト、フルシティローストなど深煎りのコーヒー豆であれば、お湯の温度は高めの約95℃にすると良いでしょう。
これはコーヒーが高温になれば苦味、低温になれば酸味が出るからです。
同じコーヒー豆でも、温度の高さで味わいが変わってきます。
高温で抽出すればするほど、苦味とコクが強まります。
一方で低めのお湯で抽出すると、酸味とキレの強いコーヒーに変わります。
気分に合わせてお湯の温度を変化させても良いね!
適量は92℃前後
コーヒー抽出の適温は、基本的に92℃前後と言われています。
しかしこの温度はあくまでも基本です。
92℃より少し高くしたり、低くしたりした方が美味しいコーヒーが抽出できる場合も多々あります。
イタリアンローストではなく、ライトローストやシナモンローストなどの浅煎りのコーヒー豆であれば低めの90℃にするとより浅煎りを楽しめるはずです。
イタリアンローストに焙煎するコツ
ここではイタリアンローストに焙煎をしたいという方向けにコツをお伝えします。
焙煎をするには「ハゼ」と呼ばれる合図がかなり重要です。
※ハゼとは焙煎をしている間に起こる化学反応で、パチパチなどと音を立てて起こります。
この合図で焙煎度合いを把握しましょう。
イタリアンローストの場合は、2ハゼの終わりから炭の中間あたりです。
2ハゼが終了したころから、コーヒー豆の表面にギラギラと輝く油がでてきます。
あくまでも目安なので、生豆が変われば多少の誤差はあります。
濃厚な甘みと苦味、重厚なコクのもととなる要素ですので、是非ハゼをもとに自家焙煎してみてください。
イタリアンローストに合うおすすめのコーヒー豆&粉3選
ここではイタリアンローストに合うおすすめの豆&粉を3選紹介していきます。
イタリアンローストに合うコーヒーは、基本的にナッツ風味と言われています。
これはイタリアンロースト特有のスモーキーな香りとの相性が良いからです。
逆に相性が悪いのは、さわやかなフルーツ系のフレーバーです。
酸味や香りが持ち味のコーヒー豆は、イタリアンローストとの相性は良くないです。
この点を踏まえておすすめのコーヒー豆をまとめると以下の通り。
- マンデリン
- ブラジル産コーヒー豆
- キリマンジャロ
- ケニア産コーヒー豆
詳しくは「コーヒー豆のおすすめ人気銘柄7選!特徴を一覧で紹介【決定版】」の記事をチェックしてみてください。
1. アイスブレンドでも美味しいカルディのコーヒー豆「カルディ イタリアンロースト」
カルディのイタリアンローストは、爽やかな香りと苦みが特徴のコーヒー豆になります。
冬の時期にはイタリアンロースト、夏の時期にはアイスブレンドの名前で販売しています。
アイスにしても美味しいため、水出しで冷蔵庫に常備しておくのもおすすめでしょう。
ミルクを入れてカフェラテにしてもコーヒーの香りが十分に残りるのも特徴。
香り | |
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酸味 | |
濃さ | |
苦味 | |
おすすめ度 |
「イタリアンロースト」の詳しい商品情報
値段 | ¥1,180 |
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内容量 | 200g |
原産地 | – |
おすすめの飲み方 | ブラック、アイスコーヒー |
2. リッチで深みのあるコーヒー粉「スタバ イタリアンロースト」
とても甘いカラメルを感じさせてくれる、リッチで深みのある力強い風味が特徴のコーヒーです。
甘味&力強さが際立った、スタバを代表するダークローストコーヒーでしょう。
チョコレートやカラメル、スパイスと相性の良いので、甘いお菓子とご一緒に。
風味は強いですが、コクはほど良い感じです。
生産地はラテンアメリカ。340g入りで¥2,920。
3. 深煎りコーヒーの代表格「土居珈琲「小さな焙煎」おためしセット」
深煎りコーヒーの代表格といえば「土居珈琲」です。
その中でもおすすめは「小さな焙煎」おためしセット。
土居珈琲の有名な銘柄の中で、購入した人からの人気が高い2種類をセットにしています。
銘柄は以下の2つになります。
- グァテマラ カペティロ農園:ビターな甘みとほどよい苦み、柔らかい酸味のバランスが丁度良く整っている味わいが特徴
- エルサルバドル ラ・レフォルマ農園:「カップ オブ エクセレンス」で3位入賞。甘さと香りが特徴
こちらは注文をもらってから焙煎するので鮮度も抜群です。
価格は200g(100g×2銘柄)で¥2,376(送料込み)。
まずは「小さな焙煎」おためしセットを1つ購入してみることを強くおすすめします。
\ 多数メディアに掲載 /
より詳しく知りたい方は「土居珈琲の評判は?美味しさの理由からおすすめのコーヒー豆まで解説」の記事をチェック!
イタリアンローストだけじゃない!より美味しくコーヒーを楽しむ方法
より美味しくコーヒーを楽しむ方法はイタリアンローストだけではありません。
イタリアンローストは焙煎度合いの一つの指標です。
焙煎度合いも重要ですが、コーヒー豆の種類によってもかなり美味しさは変化します。
つまり豆の種類を覚えるだけでも、コーヒーの魅力はまた一段と面白くなります。
コーヒー豆の種類は大きく分けて3つあります。
- アラビカ種
- ロブスタ種
- リベリカ種
この3つの違いを理解しつつ、焙煎度合いが分かればよりコーヒーをもっと楽しめるはずです。
より詳しく知りたい方は「アラビカ種とロブスタ種の違いとは?コーヒー豆の品種の特徴を解説」の記事をチェック!
イタリアンローストの苦味やコクを楽しもう!
いかがでしたでしょうか?
イタリアンローストについて、美味しいいれ方からおすすめまで紹介しました!
イタリアンローストは焙煎度合いのなかでも最も深い度合いになります。
そのため、味も苦味が強く、コクもかなり深いです。
THE・コーヒーという名の味わいなので、試してみる価値は大いにあります。
是非今回紹介したおすすめのコーヒー豆&粉を参考にしながら、イタリアンローストの魅力に触れてみて下さい。