コーヒーが酸っぱいのはなぜ?気になる
コーヒーを飲んで酸っぱいときはどうしたらいいの?
こういった疑問にお答えしていきます。
- コーヒーが酸っぱい原因は一概に言えない
- 本来のコーヒーの酸味は美味しい
- コーヒーが酸っぱいと感じた場合は3つの対処法がある
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
コーヒーが酸っぱいのはなぜ?
「コーヒーが酸っぱいな」と感じたなら、酸味が特徴のコーヒー豆を選んでいたり、浅煎りのコーヒーだったり、粗めに挽いていたり、酸味を強く感じるような抽出方法だったりと、さまざまな原因が考えられます。
コーヒーを焙煎する前の生豆には、キナ酸、クエン酸、リンゴ酸など、酸っぱい要素となる成分が含まれています。
生豆を焙煎することによって、これらの成分がさまざまな化学反応を起こし、酸味が生まれます。
このコーヒー豆の酸味は、産地や豆の状態、焙煎度合い、挽き方、淹れ方などの違いで、強く感じたり、まろやかに感じたりするので、酸っぱい原因はひとつではないでしょう。
ただ決してコーヒーが腐っているわけではないので、安心してください。
コーヒー本来の味のひとつ、「美味しい酸味」なのです。
しかし、もし「コーヒーの酸っぱさを美味しく感じたことがない!」という方がいたら、それは「美味しくない酸味=コーヒーをダメにしている」のかもしれません。
コーヒーは生鮮食品
コーヒーは「生鮮食品」といわれています。
例えるなら、まぐろのお刺身と同じです。
まぐろのお刺身は、酸化すると黒っぽく変色しますよね。
茶色く色づいたコーヒー豆は見た目にわかりづらいかもしれませんが、焙煎した直後から酸化が始まり、品質の劣化が進んでしまう、大変繊細なものです。
コーヒーが酸化する原因
コーヒーが酸化する原因は、5つあります。
- 空気に触れる
- 湿気にあたる
- 光に当たる
- 熱が加わる
- 時間が経過する
このような状態にコーヒー豆をおくと、不快な酸っぱさを感じます。
焙煎したコーヒー豆は以下3点に注意して、酸化を防ぐといいですよ。
- 光を通さない密封した容器に入れる
- 太陽の光や蛍光灯のあかりが当たらない、冷暗な場所で保管をする
- なるべく早く飲み切る
酸っぱくなったコーヒーは飲めないわけではありませんが、体調を崩す場合もあるので、気をつけてくださいね。
より詳しい保存方法については、以下の記事をチェック!
コーヒーが酸っぱいなと感じたときの対処法
「コーヒーが酸っぱいかも?」と感じたときにどうすればいいのか、3つの対処法を紹介します。
まとめると以下の通りです。
- 抽出方法を変えてみる
- 飲む以外の方法で活用してみる
- 飲む以外の方法で活用してみる
抽出方法を変えてみる
コーヒー豆は挽き方や淹れ方で、味が変化します。
コーヒー豆を細かく挽いて、高温のお湯で、ゆっくり時間をかけてお湯を注いでいくと、酸味が和らぎます。
新鮮なコーヒー豆と混ぜて淹れてみる
酸化したコーヒー豆は、プロのバリスタが淹れても美味しいコーヒーにするのは難しいです。
「だけど飲まないのはもったいないな」という方は、新しく購入したコーヒー豆に混ぜて淹れると、酸っぱさが多少防げます。
飲む以外の方法で活用してみる
酸化したコーヒー豆は嫌な酸っぱさを感じ、「もう飲みたくないけど、そのまま捨てるのはもったいないな」という方は、消臭剤代わりにしてみてはいかがですか?
コーヒーには、臭いを吸収する作用があります。
臭いの気になる場所、靴箱やトイレなどに置いておくと、嫌な臭いを取り除いてくれます。
詳しいコーヒーの活用方法については、以下の記事をチェック!
以上、3つの対処法を参考にしてみてください。
コーヒーの美味しい酸味とは?
コーヒーの酸っぱさが2種類あるとわかっても「美味しい酸味なのか」「酸化した酸っぱさなのか」、違いがわからないこともありますよね?
ここでは美味しい酸味はどのようなものなのか、お伝えします。
コーヒーの美味しい酸味は、よくフルーツに例えられています。
コーヒーは、「コーヒーノキ」という植物になる赤い実の種です。
さくらんぼのような形から「コーヒーチェリー」といわれています。
その名のとおり、果物のような甘酸っぱさがコーヒーの酸味です。
オレンジやグレープフルーツ、マスカット、カシスのような爽やかさがあり、心地よい酸味を感じたら、それがコーヒーの美味しい酸味になります。
コーヒーの酸っぱさの違いは、良質なコーヒーを飲み比べていくうちにわかるようになりますよ。
より詳しいコーヒーの酸味については、以下の記事を参考にして下さい!
コーヒーの良質な酸っぱさを感じる方法
コーヒーの酸っぱさを美味しく味わうために、3つの方法にこだわりましょう。
- 品質にこだわる
- 鮮度にこだわる
- 抽出方法にこだわる
順番に解説します。
品質にこだわる
美味しい酸っぱさを味わうことはもちろん、美味しいコーヒーを飲むためにも、まずは品質へのこだわりが大切です。
そのために、コーヒー豆のランクに注目してみるといいでしょう。
コーヒー豆はクオリティの高い順に、以下のように並びます。
- スペシャルティコーヒー
- プレミアムコーヒー
- コモディティコーヒー
- ローグレードコーヒー
スペシャルティコーヒーは、農園や地域などを特定できる特別なコーヒー豆。
また、プレミアムコーヒーは一定の品質が保証されているコーヒー豆です。
コモディティコーヒーは一般的に売られているコーヒー豆で、ローグレードコーヒーは、主にインスタントコーヒーや缶コーヒーに使われていることが多いです。
コーヒーに求める価値観はそれぞれ、美味しさの感じ方も違いますので、「高品質だから美味しい酸っぱさが味わえる」と決めつけられません。
しかし、コーヒーは口の中に入れるもの。
虫食い、カビなど欠点豆が多いものは避けて、品質の良いものを味わいたいですね。
おすすめのコーヒーについて知りたい方は、以下の記事をチェック!
鮮度にこだわる
最高級のコーヒー豆を購入しても、本来の美味しさが味わえないと意味がありません。
そこで、鮮度にもこだわりたいところです。
先ほどもお伝えしましたが、コーヒー豆は『生鮮食品』。
りんごをカットして空気にふれると、変色してしまうのと同じです。
「煎りたて・挽きたて・淹れたて」が、何よりも美味しく飲めます。
購入したコーヒー豆は空気にふれないように保管をし、焙煎後1〜2週間程度で飲み切るといいですね。
飲むときだけ挽くのがベスト
挽いてある粉の状態より豆のまま購入し、飲む時に必要な量だけを挽くと、酸化を遅らせることができます。
そして、その時飲む分だけを淹れて、冷めないうちに飲むのがいいですよ。
抽出方法にこだわる
さらに、抽出方法によっても味わいが変わってきます。
良質な酸っぱさを楽しむためには、浅煎りのコーヒーを粗めに挽き、低温のお湯で抽出時間を短くすると、酸味が美味しく抽出できます。
良質な酸っぱさを感じるために、品質・鮮度・抽出方法にこだわってみてください。
酸っぱいコーヒーが苦手な人向けの銘柄・種類
フルーツのようなコーヒーの酸味が苦手な方もいますよね。
そんな酸っぱいコーヒーが苦手な方に、おすすめの銘柄と焙煎度合いを、5つ紹介します。
まとめると以下の通り。
- ブラジル サントス No.2(ブラジル) 中煎り(ミディアムロースト)
- マンデリン(インドネシア) 中深煎り(ハイロースト)
- コロンビア スプレモ(コロンビア) 中深煎り(ハイロースト〜シティロースト)
- グアテマラ アンティグラ(グアテマラ) 中深煎り(ハイロースト〜シティロースト)
- コスタリカ(コスタリカ) 中煎り〜中深煎り(ミディアムロースト〜シティロースト)
ブラジル サントス No.2(ブラジル) 中煎り(ミディアムロースト)
世界最大のコーヒー産地であるブラジルは、酸味が少なくマイルドな味わいが特徴です。
マンデリン(インドネシア) 中深煎り(ハイロースト)
豊かな香りと深いコク、キレのある苦味が特徴です。
この2つの銘柄は、酸味が控えめの豆なので、中〜中深煎りでバランスが良い味わいになります。
また、酸味が特徴的な豆でも深煎りにすることによって、酸味がマイルドになりますよ。
コロンビア スプレモ(コロンビア) 中深煎り(ハイロースト〜シティロースト)
コロンビアの豆は、酸味と甘味のバランスが特徴です。
中深煎りにすると酸味もまろやかになり、飲みやすくなります。
グアテマラ アンティグラ(グアテマラ) 中深煎り(ハイロースト〜シティロースト)
上品な香りと酸味が特徴のグアテマラを深く煎ると、酸味もなめらかになります。
コスタリカ(コスタリカ) 中煎り〜中深煎り(ミディアムロースト〜シティロースト)
コクのある甘味と上品な香りが特徴です。
甘味があるので、酸味もやわらかに感じます。
産地別の特徴と焙煎度合いの組み合わせで、コーヒーの酸っぱさが苦手な方でも飲みやすくなります。
ぜひ参考にしてみてください。
コーヒーの好みの酸味・酸っぱさを見つけよう!
いかがでしたか?
コーヒーが酸っぱい原因や対処法、美味しい酸味について、お伝えしてきました。
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- コーヒーが酸っぱい原因は一概に言えない
- 本来のコーヒーの酸味は美味しい
- コーヒーが酸っぱいと感じた場合は3つの対処法がある
コーヒーが酸っぱいと感じるのは、コーヒーの状態だけでなく、人それぞれ舌での感じ方も違い、その時の体調によっても変化があります。
今回お伝えした内容を参考に、産地・品質・鮮度・焙煎・挽き方・淹れ方にこだわり、さまざまな組み合わせを楽しみながら、自分に合った酸味を見つけてみてください。