カトゥアイの特徴はなに?
カトゥアイ種のコーヒーって美味しいの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
人工的に配合されたコーヒー豆のカトゥアイ。
生産性を高めるために標高が低くても栽培でき、耐害虫性・耐病性があるので、コーヒー農家にも優しいコーヒーです。
今回はそんなカトゥアイについて味わいから歴史、おすすめの豆まで幅広く紹介します!
- カトゥアイは、カトゥーラとムンドヌーボの人工配合種
- カトゥアイはアラビカ種の特徴を引き継いで、豊かな風味や爽やかな明るい酸味を持っている
- 人工配合されたカトゥアイ種は栽培もしやすくなっているので、農家にも優しいコーヒー
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
カトゥアイ種とはどんなコーヒー豆?
カトゥアイ種のコーヒーはなかなか聞く機会がないのではないでしょうか。
アラビカ種やロブスタ種はコーヒー好きであればよく聞く種類かと思います。
人工配合されたカトゥアイ種は栽培もしやすくなっているので、農家にも優しいコーヒーです。
カトゥアイの配合品種
カトゥアイ種はアラビカ種とロブスタ種の2大品種に分けることができますが、分類としてはアラビカ種になります。
カトゥーラとムンドヌーボの人工配合種です。
カトゥアイの歴史は、ブラジルのサンパウロ州のカンピーナス試験場により、人工配合された品種です。
最初に配合されたのは1949年ですが、優良種の選別が何度も繰り返され、20年後の1972年に栽培用となりました。
アラビカ種とロブスタ種の違い
コーヒー生産の大半を占めるのがアラビカ種とロブスタ種です。
それぞれの種類によって育つ環境も大きく異なります。
標高や気温、年間降雨量などの育つ環境、さらには根のはり方木の高さなどコーヒーの木の育ち方も違います。
アラビカ種 | ロブスタ種 | |
---|---|---|
標高 | 海抜900~2,000mの高地栽培 | 海抜0~900mで低地での栽培可能 |
気温 | 15~25度 温暖な気候 | 20~30度 高温でも育つ |
木の高さ | 3~4m 栽培しやすい高さ | 10~12m はしごなどが必要 |
カフェイン含有量 | 0.8~1.4% カフェイン含有量少ない | 1.7~4% カフェイン含有量高い |
アラビカ種
アラビカ種のコーヒーはエチオピアの高原が原産です。
世界のコーヒーの約60%と半数以上を占めています。
突然変異種でもあるブルボン種もアラビカ種の一種です。
豊かな風味や爽やかな明るい酸味を持っていて、デリケートな味わいの特徴があります。
高地栽培が必要であり、栽培条件も厳しいですが、高い品質のコーヒーが生まれています。
ロブスタ種
世界のコーヒーの約30%がロブスタ種といわれています。
低地での栽培が可能なので、農家の負担が少なく、収穫量も多くなります。
さらにはカフェインの含有量も多いことで、害虫や病気にも強いとされているので、栽培のメリットはたくさんあります。
しかし酸味や風味も少なく苦みが強いため、味わいの面で大きな差があります。
栽培量も多く、収穫のしやすい安価なコーヒーなのでインスタントコーヒーや缶コーヒーに多く使用されます。
カトゥアイの特徴
カトゥアイ種は樹高が低いので栽培や管理がしやすくなっています。
配合させたムンドヌーボ種には害虫病に強いという利点があり、それをしっかりと受け継ぎました。
コーヒーの天敵でもあるサビ病にも強いのはカトゥアイ種の魅力です。
カトゥアイ種は味の軽さによってブレンドされることが多くなっていましたが、最近ではカトゥアイ種100%のコーヒーなども販売されるようになりました。
カトゥアイの歴史
1950年代からブラジルで栽培が始まったムンドヌーボは風味がよく、収穫量も多く安定した供給ができていました。
しかし、樹高が高く、栽培する農家としては負担があります。
そのため、栽培の負担やけがのリスクを抑えるためにも、矮性種(小型なまま成熟する性質)のカトゥーラと配合されました。
その結果、栽培のしやすい樹高かつ、香りも収穫量も安定したメリットの多いカトゥアイが出来上がりました。
カトゥアイ種の主な生産国
カトゥアイ種は現在多くの生産国があります。
育つ国の環境で味わいが変化するコーヒーですが、カトゥアイはどのような風味で育っているのでしょうか。
カトゥアイ種の主な生産国をまとめると以下の通りです。
- ブラジル
- グァテマラ
- コスタリカ
- ホンジュラス
詳しく解説します。
ブラジル
カトゥアイの生まれ故郷でもあるブラジル。
産地の標高がほかの国と比較すると低いのが特徴です。
味のバランスが取れており、日本人が好む味が多いので一番身近な産地ですね。
グァテマラ
日本よりも小さい国でありながらコーヒーの生産は世界でも上位です。
上品なフルーツのような酸味と柔らかい印象の香りが特徴です。
コーヒーにとっても育ちやすい環境なので、自然と品質も高くなります。
コスタリカ
コスタリカではアラビカ種のみの栽培が法律で決められています。
国内では低地栽培されるほとんどがカトゥアイ種と、生産量の多い国です。
コスタリカもコーヒーにとって育ちやすい環境があるので、良質なコーヒーが栽培できます。
ホンジュラス
ブラジルが生まれ故郷のカトゥアイ種ですが、現在ではホンジュラスでの栽培が主流となっています。
コーヒー栽培の歴史は浅いものの最近では上質なコーヒーが栽培され、注目が集まっているようです。
優美な香りやフルーティーな酸味が特徴になっています。
おすすめのカトゥアイ種3選!
人工配合と特殊な生産の歴史をたどったカトゥアイですが、通販でも購入できるようになっています。
カトゥアイの魅力を知ることができるコーヒーのおすすめを紹介していきます。
まとめると以下の通り。
- ブラジル マルクス イエローカツアイ
- イエローカトゥアイ シングルオリジン
- コスタリカ ロスアンヘレス
ブラジル マルクス イエローカツアイ
カトゥアイの故郷のブラジルが産地になっているコーヒーです。
爽やかな柑橘系の香りとナッツのような香ばしい甘みを感じることのできます。
イエローカトゥアイ シングルオリジン
挽き方も選択できるようになっているので、気軽に購入することができます。
「癖がなく飲みやすいコーヒー」と口コミもよく、コーヒー初心者でも飲みやすいのでまずは100gから味わってみてはいかがでしょうか。
コスタリカ ロスアンヘレス
ロス・アンヘレスというコスタリカの農場で育てられたカトゥアイ種です。
カリブ海から流れる冷たい強風が山を越えて吹きおろし、南向きでの温かい日差しという寒暖差で、引き締まったコーヒーに仕上がっています。
こちらも挽き具合を選択できるので、ミルがなくても安心して購入できます。
カトゥアイ以外の人工配合されたコーヒー豆
様々な条件下で育つことができるように日々試行錯誤されているコーヒーですが、カトゥアイ以外にもいくつかあります。
害病対策や、農家の人の生活のために配合されたコーヒーにはたくさんの背景があります。
背景を知ってから飲むと、よりコーヒーの味わいも楽しむことができますね。
ルイル11
世界初のコーヒー機関があることでも有名なケニアでの配合種です。
カチモール種とSL種が配合されています。
ケニアの首都のルイルという地域の研究機関で、害病の対策として研究開発されました。
1985年に生まれたので、カトゥアイよりも若い種類です。
植えてから3年という短い期間で育てることができ、収穫量も多いです。
優しい酸味とマイルドな口当たりが特徴なので、苦みが苦手な人にはおすすめの種類です。
アラモサ
ブラジル・ミナスジェライス州にあるダテーラ農園でアラモサ種、カフェイン含有量の低いローリナなどが生産されています。
新しい品種は、数年でできるわけではなく20年ほどの長い時間がかかります。
東京ドーム700個分以上にも相当するダテーラ農園では、新しい品種や新しいフレーバーの特徴的な高付加価値のコーヒーを生産しています。
カトゥアイ種コーヒーの淹れ方・飲み方
生産国によっても味が左右するカトゥアイは焙煎度合いによっても大きく風味が変わるので、購入する豆の焙煎度合いによって、器具を変えて楽しんでみましょう。
ペーパーなどのフィルターがついているコーヒーでは、コーヒーの苦みをエグみに変えることなく楽しむことができます。
カトゥアイは香り豊かな産地も多いので、浅炒りの場合香りとコーヒーの苦みをすっきりと楽しめます。
コーヒーのしっかりとした苦みも一緒に楽しみたい場合は、深煎りのコーヒーをコーヒープレスなどで淹れるのがおすすめです。
コーヒープレスは苦みや風味を含めてダイレクトに楽しむことができるので、よりコーヒーの細かな味わいを楽しむことができます。
カトゥアイを一度試してみよう!
いかがでしょうか?
カトゥアイについて特徴から淹れ方まで幅広く紹介しました!
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- カトゥアイは、カトゥーラとムンドヌーボの人工配合種
- カトゥアイはアラビカ種の特徴を引き継いで、豊かな風味や爽やかな明るい酸味を持っている
- 人工配合されたカトゥアイ種は栽培もしやすくなっているので、農家にも優しいコーヒー
人工配合といってもコーヒーの味わいにどんな変化をもたらすのか気になりますよね。
配合された種はそれぞれの産地の環境で育つことで、より土地の魅力を引き出してくれます。
害病対策などもしっかりとしたうえで、生産者のことも考えられた背景のあるコーヒーなので、一度は飲んでみてはいかがでしょうか。
カトゥアイ種やアラビカ種などの銘柄の知識を蓄えた上で、以下のおすすめ記事も参考にしてみてください!