コーヒーとみかんは相性が悪いの?
コーヒーとみかんは一緒に食べても大丈夫?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
あなたはコーヒーとみかんを食べた後に気持ちが悪くなった経験はありますか?
それは食べ合わせの相性によるものかもしれません。
本記事ではコーヒーとみかんの食べ合わせの相性やその原因、その他の相性の良い食べ物、悪い食べ物などを徹底解説します。
- コーヒーとみかんの相性はあまりよくないが、過剰に摂取しなければ問題はない
- コーヒーとみかんの相性が悪い原因は「カフェイン」と「シネフリン」
- コーヒーとみかんの食べ合わせは過剰な摂取を避け、間隔を空ければ全く問題はない
- コーヒーと相性の良い食べ物は以下
- バナナ
- ヨーグルト
- はちみつ
- コーヒーと相性の悪い食べ物は以下
- チョコレート
- プルーン
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
コーヒーとみかんは相性が良い?悪い?
おうち時間が長くなる冬は、コーヒーやみかんが恋しくなりますよね。
そんなコーヒーとみかんですが、昔から食べ合わせの相性が悪いと言われていますが本当なのでしょうか?
結論から言うと、過剰に摂取しなければ問題ありません。
食べ合わせが悪いといわれる原因などについて、詳しく見てきましょう。
コーヒーとみかんの相性が悪いといわれる原因
コーヒーには「カフェイン」が、みかんには「シネフリン」が含まれており、これらの成分の相乗効果によるものが原因とされています。
それぞれの成分にはどのような効果があるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
シネフリンの効果
交感神経を活性化する働きや脂肪の代謝をアップさせる効果があります。
またダイエットにも有用な効果がある成分といわれ、のどの痛みの緩和など、多くの効能が期待できます。
一方で心拍数や血圧を上げたり血流を促進させる効果もあり、これがカフェインとの相性が悪いといわれる原因です。
内閣府の食品安全委員会の報告書にも、以下のようにシネフリンのリスクを評価しています。
シネフリンは血圧を上昇させる。更にシネフリンを含む製剤を摂取したヒトの心血管系について、有害作用が報告されている。体重減少のための製品が対象とする肥満のグループは心血管疾患によるリスクがあることから、シネフリンのこのような作用は特に検討する重要性がある。シネフリンは、他の様々な薬剤と相互作用し、それらの薬剤の作用に影響を与える可能性もある。更に、カフェイン及び/又は身体活動と組み合わせた場合、シネフリンの作用は増強する可能性がある。
内閣府 食品安全委員会:シネフリンのリスク評価に関する報告書
またシネフリンはみかんだけではなく、みかんジュースにも含まれているため注意が必要です。
カリフォルニアの10か所から収穫した温州ミカンを用いて,果汁中のシネフリン濃度を測定した。シネフリン含量は73.3~158.1mg/Lの範囲にあった。温州ミカンのジュースはシネフリンの供給源になる。
J-GLOBAL:温州ミカン(Citrus unshiu Marcovitch)ジュースのシネフリン含量
カフェインの効果
カフェインには覚醒作用があり、それらは全身の神経を司る脳や脊髄などの中枢神経系や消化器系、循環器系などに作用します。
集中力アップ、覚醒効果、記憶力の向上といった効果がある一方、心筋の働きを高めるといった効果もあります。
これがシネフリンの効能と重複し、相乗効果によって必要以上に作用が増強された結果、心臓などにあまりよくない影響をもたらす可能性があるといわれています。
またカフェインについては以下のような喚起もあり、注意が必要です。
カフェインについては、エナジードリンクの多用により中毒死した例もあり、過剰摂取による健康への悪影響が知られています。
農林水産省:カフェインの過剰摂取について
コーヒーとみかんは一緒に摂取して良い?
コーヒーに含まれるカフェインと、みかんに含まれるシネフリンの相乗効果があまりよくないことがわかりました。
ではコーヒーとみかんを一緒に摂取することは良くないのでしょうか?
結論から言うと、過剰に摂取しなければ全く問題ありません。
詳しく見ていきましょう。
過剰摂取しなければ問題はない
前述のとおり、コーヒーに含まれるカフェインとみかんに含まれるシネフリンは、相乗効果により心臓に悪影響を引き起こす可能性があります。
一方でこれらは過剰に摂取した場合に起こりうるものであり、適量であれば全く問題ありません。
ただし心臓に既往症がある方や高血圧の方は、健康な成人に比べリスクがあるため注意が必要です。
またみかんに含まれるシネフリンの量は微量であり、シネフリンの1日あたり上限摂取量21mgには程遠いという研究結果もあります。
一つ以上の供給源に由来するシネフリンを成分として含有する食品(食品サプリメントを含む)を介したシネフリンの総摂取量は21 mg/日を超えるべきではないと結論付けた。
J-GLOBAL:ドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)、シネフリンを含有する製品の分類に関する意見書を公表
間隔をあけると確実
食べ合わせが良くないといわれるコーヒーとみかんですが、間隔を空けることで相乗効果を抑えることが可能です。
カフェインは3~5時間で体内から半量が排泄されます。
そのため心配な場合は、ある程度時間を置いてからコーヒーやみかんを摂取すると良いでしょう。
コーヒーと相性の良い食べ物・悪い食べ物
ここからはコーヒーと相性の良い食べ物、悪い食べ物についてみていきます。
相性の良い食べ物、悪い食べ物はそれぞれ以下の通りです。
- 相性の良い食べ物
・バナナ
・ヨーグルト
・はちみつ - 相性の悪い食べ物
・チョコレート
・プルーン
詳しく見ていきましょう。
相性の良い食べ物
バナナ
バナナに多く含まれるカリウムは、体内の不要な塩分を体外に排出する働きがあります。
一方コーヒーに含まれるカフェインは利尿作用があり、これらの相乗効果により血圧が安定するといわれています。
またカフェインによる利尿作用の促進は電解質のバランスを乱しますが、バナナを食べることで血糖値が整い、乱れた電解質のバランスが整うといった効果もあります。
ヨーグルト
ヨーグルトにはストレスの緩和や、腸内環境の改善、便秘解消や老廃物排出といった効果があります。
一方のコーヒーにも気分の改善や脂肪燃焼効果があることから、これらの食べ合わせによりダイエット効果や腸内環境の改善、ストレスの緩和が期待できます。
またヨーグルトコーヒーというベトナム発祥の飲み物もあり、その味わいもお墨付きです。
はちみつ
はちみつにはポリフェノールやアミノ酸が豊富に含まれており、同じくポリフェノールが豊富なコーヒーと合わせることで、美容効果が期待出来ます。
またはちみつは砂糖に比べカロリーが低く栄養素も豊富に含まれています。
普段コーヒーに砂糖を入れる方は、はちみつに変えるだけでさまざまな良い効果が期待できますよ。
相性が悪い食べ物
チョコレート
味わいとしてはコーヒーと相性抜群のチョコレートですが、意外にも相性の悪い食べ物として知られています。
その理由としてはチョコレートの主原料であるカカオに含まれるカフェイン。
適量であれば問題ありませんが、多量に摂取するとカフェインの取りすぎに繋がります。
特に高カカオチョコレートを食べる際には注意が必要です。
プルーン
プルーンには多くの鉄分が含まれており、貧血予防などで食べている方も多いと思います。
しかしながら、コーヒーに含まれるタンニンという成分が鉄分の吸収を妨げることから、相性が悪いといわれています。
鉄分補給目的でプルーンを食べている方は、それぞれの摂取する時間を空けるなど注意が必要です。
コーヒーとみかんのおすすめの楽しみ方
相性が悪いとされているコーヒーとみかんですが、適量であれば食べ合わせを楽しむこともできます。
特にオレンジ系のフレッシュな酸味のあるコーヒーと、みかんの相性は抜群。
最近ではコーヒーを淹れる際に、浅煎りのコーヒー粉にみかんやオレンジの皮を削ったものを少量入れ、抽出するレシピもあるほど話題の組み合わせです。
食べ合わせの影響を理解して楽しいコーヒーライフを送ろう!
いかがでしたか?
今回はコーヒーとみかんの相性について紹介しました!
この記事の重要な点をまとめると以下の通りです。
- コーヒーとみかんの相性はあまりよくないが、過剰に摂取しなければ問題はない
- コーヒーとみかんの相性が悪い原因は「カフェイン」と「シネフリン」
- コーヒーとみかんの食べ合わせは過剰な摂取を避け、間隔を空ければ全く問題はない
- コーヒーと相性の良い食べ物は
・バナナ
・ヨーグルト
・はちみつ - コーヒーと相性の悪い食べ物は
・チョコレート
・プルーン
コーヒーとみかんの食べ合わせの影響を理解し、楽しいコーヒーライフを送りましょう。