
オフィスで毎日コーヒーを買うと出費がかさむなあ。会社の福利厚生でコーヒーを用意してもらえないのかな?



コーヒーの福利厚生は30人のオフィスでも月1万円台から導入できますよ!経費にする条件も含めて解説しますね。
こういった疑問にお答えします。
全日本コーヒー協会の2024年度調査によると、習慣的にコーヒーを飲む人は74.3%にのぼります。1日2杯飲む従業員が1杯150円のコンビニコーヒーを買い続けると、自己負担は月約6,000円。会社がコーヒーを用意するだけで、従業員の財布と満足度の両方に毎日効く福利厚生になります。
筆者は3,000銘柄以上をカッピングしてきたコーヒーのプロ。同時に、自分の会社でコーヒー代の経費処理を毎月行っている経営の当事者でもあります。この記事では、福利厚生にコーヒーを導入するメリット、導入方法5種類の費用相場、福利厚生費として経費にする条件、導入手順の順に解説します。
- コーヒーの福利厚生は従業員満足度・生産性・採用イメージの3方向に効く施策
- 導入方法は5種類。30人オフィスならインスタント常備で月約1.2万円から始められる
- 全従業員が利用でき、金額が常識的な範囲なら福利厚生費として経費処理できる
- 従業員のいない一人会社・個人事業主は福利厚生費を使えない点に注意
- 10人未満はドリップバッグ常備、20人以上はマシンレンタル(OCS)が有力候補


日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。累計3,000商品以上をカッピングスコア基準で評価した上で、厳選して紹介しています。運営する国内最大級のコーヒー情報サイト「コーヒー豆研究所」(月間60万PV)は多くの読者に支持され、テレビ番組『ZIP!』をはじめ各種メディアにも出演。自社ブランド「ラボカフェ」では、厳選したコーヒー豆を累計3,000個以上販売しています。
それでは早速見ていきましょう。
コーヒーが福利厚生に選ばれる理由


結論から言うと、コーヒーが福利厚生として優秀なのは「利用率の高さ」と「単価の安さ」を両立できるからです。福利厚生は一部の人しか使わない制度ほど不満の種になりますが、コーヒーは毎日・複数回使われるため、かけた費用が無駄になりません。
福利厚生としてのコーヒー提供とは
福利厚生としてのコーヒー提供とは、会社が費用を負担して従業員に無料または割安でコーヒーを提供する取り組みです。専門業者がマシン設置から豆の補充まで請け負うOCS(オフィスコーヒーサービス)という業態が古くから存在し、ダイオーズやユニマットライフなどの大手が全国展開しています。
ただし業者と契約するだけが導入方法ではありません。ドリップバッグを給湯室に置くだけの方法から、コイン式自販機の設置まで選択肢は幅広く、従業員数と予算に合わせて選べます。具体的な方法は後述の5種類比較で整理します。
導入する企業が増えている背景
背景にあるのは、コーヒー人口の厚さです。全日本コーヒー協会「コーヒー需要動向調査(2024年度)」では、習慣的にコーヒーを飲む人は74.3%という結果でした。社内の4人に3人が日常的に使う設備投資は、福利厚生の中でも費用対効果を出しやすい部類です。
さらに出社回帰の流れで「オフィスに来る理由づくり」への投資が再評価されています。求人票の福利厚生欄に「挽きたてコーヒー無料」と書ける効果も含めて、低予算で始められる職場環境改善として導入が広がっています。
福利厚生にコーヒーを導入する5つのメリット


コーヒー導入の効果は「おいしい一杯が飲める」だけにとどまりません。経営視点で見たメリットを5つに整理します。
1. カフェインで集中力と作業効率が上がる
コーヒー1杯(150ml)に含まれるカフェインは約90mg。農林水産省がまとめたカフェインの情報では、健康な成人の摂取目安は欧州食品安全機関の評価で1日400mgまでと紹介されています。午前と午後に1杯ずつなら適量の範囲内で、眠気対策や集中モードへの切り替えに活用できます。
会議前の1杯、昼食後の1杯のように「飲むタイミング」を従業員が自分で選べる環境を作れることが、オフィス常備の実用的な価値です。
2. 雑談が生まれて社内コミュニケーションが活性化する
コーヒーマシンの周りは、部署をまたいだ立ち話が自然に生まれる場所です。給湯室やマシン前での何気ない会話から仕事の相談につながるケースは、リモートワークでは再現しにくいオフィスならではの価値でしょう。
ハイブリッド勤務の会社では「出社した日の楽しみ」としてコーヒーが機能し、出社率の維持にも一役買います。
3. 従業員満足度と採用イメージが向上する
後述の試算では、コーヒー福利厚生の費用は1人あたり月400〜800円程度に収まります。少額でも「会社が日常を気にかけてくれている」というメッセージを毎日発信できるのが飲み物系福利厚生の強みです。
採用面でも、求人票や会社紹介ページの「フリードリンク・挽きたてコーヒー無料」は職場環境の良さを具体的に伝える定番の一文になっています。
4. 来客対応の質が上がる
マシンを導入すれば、商談や打ち合わせで挽きたてのコーヒーを出せるのが利点です。インスタントと淹れたてでは香りの第一印象が大きく違い、応接の印象づくりに直結します。
従業員用と来客用を1台で兼ねられるため、来客の多い会社ほど1杯あたりの投資効率も高めです。
5. 他の福利厚生より1人あたりコストが安い
代表的な福利厚生と1人あたり月額を比べると、コーヒーの安さが際立ちます。
| 福利厚生 | 1人あたり月額の目安 | 利用頻度 |
|---|---|---|
| コーヒー常備 | 約400〜800円 | 毎日1〜3回 |
| 置き型社食・お菓子 | 約500〜1,000円+商品代 | 毎日〜週数回 |
| 食事補助 | 約3,500円(非課税枠の目安) | 毎日1回 |
| スポーツジム法人契約 | 約3,000〜10,000円 | 週1回未満の人も多い |
食事補助には「従業員が半額以上を負担し、会社負担が月3,500円(税抜)以下」という非課税の目安(国税庁タックスアンサーNo.2594)があり、これと比べてもコーヒーは圧倒的に低予算です。月数百円で毎日使われる施策は、福利厚生の費用対効果としては最高クラスです。
コーヒー福利厚生の導入方法5種類と費用相場


導入方法は大きく5種類あります。月間の必要杯数は「従業員数×1日2杯×20営業日」で計算でき、30人のオフィスなら月1,200杯が目安です。この前提で月額を試算しました。
| 導入方法 | 1杯あたり | 30人の月額目安 | 初期費用 | 向く規模 |
|---|---|---|---|---|
| インスタント常備 | 約10〜18円 | 約12,000〜22,000円 | ほぼ0円 | 〜20人 |
| ドリップバッグ常備 | 約33〜100円 | 約40,000〜120,000円 | 0円 | 〜30人 |
| コーヒーメーカー+豆 | 豆代 約15〜30円 | 約18,000〜36,000円 | 機器2〜5万円 | 10〜50人 |
| カプセル式マシン | 約65〜100円 | 約78,000〜120,000円 | 0〜3万円 | 〜20人 |
| マシンレンタル(OCS) | 約30〜70円+固定費 | 約40,000〜90,000円 | 0円 | 20人〜 |
| コイン式・自販機 | 30〜100円(利用者負担も可) | 会社負担0円〜(補助額次第) | 0円 | 50人〜 |
従業員10人なら月400杯、50人なら月2,000杯として比例計算してください。それぞれの特徴を順に見ていきます。
1. インスタント・ドリップバッグの常備(最安・即日スタート)
給湯室にコーヒーを置くだけの最小構成です。インスタントは1杯あたり約2g使うため、詰め替え用100g(約50杯分)が実勢500〜900円とすると1杯約10〜18円。電気ポットさえあれば今日から始められます。
香りを重視するならドリップバッグが一段上の選択肢です。業務用のまとめ買いなら1杯33円前後から手に入り、淹れる手間も湯を注ぐだけ。少人数オフィスの満足度改善なら、まずここから試すのがおすすめです。
職場向けのドリップバッグ選びは以下の記事で詳しく紹介しています。


2. コーヒーメーカー+豆・粉の設置(コスパと香りの両立)
2〜5万円のコーヒーメーカーを購入し、豆や粉を会社で用意する方法です。業務用の豆は1kg(約100杯分)が1,500〜3,000円で、1杯あたり15〜30円と低コストのまま淹れたての香りを提供できます。
弱点は手入れです。サーバーやフィルターの洗浄を誰がやるかを決めないまま始めると、汚れたマシンが放置されがち。後述の運用ルールづくりとセットで導入してください。
オフィス向けマシンの選び方は以下の記事が参考になります。


3. カプセル式マシン(手間最小・味が安定)
ドルチェグストやネスプレッソに代表されるカプセル式は、ボタン1つで毎回同じ味を抽出でき、掃除の手間もほぼかかりません。カプセル単価は1杯約65〜100円で、定期便契約なら本体マシンが無料レンタルになるプランも選べます。
ココアや紅茶のカプセルを混ぜれば、コーヒーを飲まない従業員もカバーできる柔軟さが特長です。1杯単価は高めなので、利用人数が20人を超えるならOCSとの比較見積もりをおすすめします。
4. マシンレンタル+豆の定期配送(OCS・20人超の本命)
ダイオーズやユニマットライフなどの専門業者がマシンを設置し、豆・カップ・フィルターを定期配送する方式です。コーヒー代は1杯約30〜70円、マシンレンタルやメンテナンスの固定費が月1,000〜5,000円程度かかります。
定期訪問時に清掃や補充まで任せられるプランを選べば、社内の管理負担はほぼゼロ。飲む量が多いほど1杯単価が下がる料金体系の業者もあり、20人を超える事業所では総額・手間の両面で有力候補になります。
5. コイン式マシン・カップ式自販機(大人数・負担調整型)
1杯30〜100円をコインで徴収する方式なら、会社の負担を抑えながら市価より割安にコーヒーを提供できます。「全額会社負担は予算的に厳しいが、定価で買わせるのは忍びない」という規模の大きい事業所と相性のよい折衷案です。
設置無料で月額レンタル4,000円程度の機種もあり、徴収額の設定次第で実質負担をコントロールできます。
コイン式の仕組みは以下の記事で詳しくまとめました。


コーヒー代を福利厚生費として経費にする条件


従業員向けのコーヒー代は、条件を満たせば福利厚生費として経費処理できます。押さえる条件は次の2つです。
条件1. 全従業員が利用できること
国税庁タックスアンサーNo.5261では、従業員におおむね一律に社内で供与される通常の飲食費用は交際費等から除かれる(=福利厚生費側で扱える)と示されています。逆に役員だけ、特定の部署だけが飲める運用にすると、給与や交際費と判定されるリスクが生まれます。
「誰でも自由に飲める場所に置く」が、経費処理の面でも従業員満足の面でも鉄則です。
条件2. 金額が社会通念の範囲に収まること
福利厚生費に法令上の明確な上限額はありません。判断基準は「社会通念上妥当かどうか」。1人1日2〜3杯のコーヒーであれば、前述の試算どおり1人あたり月数百円〜2,000円程度に収まり、実務上問題視されにくい水準です。
一方で、高級豆を役員フロア限定で提供するような運用は金額・対象の両面でアウト寄りです。迷ったら「全員が・日常的に・常識的な単価で」を満たしているかを確認してください。
シーン別の勘定科目:会議費・交際費・消耗品費との使い分け
同じコーヒー代でも、提供するシーンによって勘定科目は変わります。
| シーン | 勘定科目 | ポイント |
|---|---|---|
| 従業員が自由に飲める常備コーヒー | 福利厚生費 | 全従業員対象+妥当な金額が条件 |
| 社内会議で出すコーヒー | 会議費 | 会議の実態があること |
| 取引先への接待・手土産 | 交際費 | 社外の相手への供与 |
| 来客用の少額ストック | 会議費または消耗品費 | 用途をメモしておくと処理が楽 |
| 個人事業主が自分用に買う | 原則経費にならない | 打ち合わせ利用などは会議費の余地 |
一人会社・個人事業主は福利厚生費を使えない
注意したいのが、福利厚生費は「従業員の慰安」のための科目だという点です。従業員のいない一人会社の社長自身や、個人事業主本人のコーヒー代は福利厚生費の対象外。ここを誤ると税務調査で否認されるリスクがあります。
筆者自身も従業員を雇わない会社を経営しており、コーヒー代はすべて福利厚生費以外で処理しています。来客や打ち合わせで出す分は会議費、レビュー記事の検証用に購入する豆は事業用の仕入に近い性質で記帳し、判断に迷うものは顧問税理士に確認するのが毎月のルーティンです。同じ立場の方は「自分の一杯は原則経費にならない」を出発点にしてください。
コーヒー福利厚生の導入手順5ステップ


導入で失敗しないコツは、いきなり高額なマシンを契約しないことです。次の5ステップで進めると、無駄な投資を避けられます。
簡単なアンケートで「コーヒーを飲むか」「1日何杯か」「ブラック派か」を聞いてみてください。月間杯数(人数×杯数×20営業日)が見えると、後の見積もり比較が一気に正確になります。
マシン系はコンセントと給水(タンク式か水道直結か)、使用後のカップやかすを捨てるゴミ動線まで確認します。人が集まっても業務の邪魔にならない場所を選ぶのがポイントです。
前章の比較表から自社の規模に合う方法を2〜3案選び、月額総額と1杯単価で比較します。稟議に上げる際は「1人あたり月◯円」の形に直すのがコツです。
OCS各社は無料お試し期間を用意していることが多く、ドリップバッグなら1箱から試せます。1〜2週間の実利用で「本当に飲まれるか」「味の評判」を確かめてから本契約に進みましょう。
補充と清掃の担当者、来客対応での使い方、1日の目安杯数などを決めて全員に知らせます。「気づいた人がやる」方式は高確率で破綻するため、担当は固定してください。
コーヒー福利厚生のデメリットと対処法


導入前に知っておきたい注意点も3つあります。いずれも事前の設計で回避できるものです。
1. 費用が毎月かかり続ける
福利厚生は始めるより止めるほうが難しい施策です。最初から高機能マシンを契約せず、ドリップバッグ常備のような小さい構成で利用率を確かめてから拡張すると、撤退リスクを抑えられます。大人数ならコイン式で一部を利用者負担にする調整も有効です。
2. 補充・清掃などの管理の手間がかかる
マシンの水タンクや抽出部は、放置すると水垢やカビの温床になります。自社管理が不安なら、定期訪問でメンテナンスまで請け負うOCSプランを選ぶのが確実です。自社運用する場合は清掃チェック表を置き、担当を週替わりで固定しましょう。
3. コーヒーを飲まない従業員への配慮が必要になる
飲用率74.3%の裏を返せば、約4人に1人はコーヒーを習慣にしていません。紅茶・緑茶のティーバッグやココアを並行して置く、カフェインを控える方向けにデカフェを用意するなど、選択肢を2〜3個足すだけで「コーヒー好きだけの福利厚生」になるのを防げます。
コーヒーの福利厚生に関するよくある質問
- コーヒー代は1人いくらまで福利厚生費にできますか?
-
法令上の明確な上限はなく、「社会通念上妥当な金額」かどうかで判断されます。1人1日2〜3杯(月1,000〜3,000円程度)の常備コーヒーなら実務上問題になりにくい水準です。高額になる場合や判断に迷う場合は、顧問税理士に確認してから運用を始めてください。
- 在宅勤務の従業員にコーヒーを送るのも福利厚生になりますか?
-
全従業員を対象にした制度として設計すれば、福利厚生費として処理できる余地があります。ポイントは出社組と同等の内容を現物(ドリップバッグの定期送付など)で提供すること。現金や商品券で渡すと給与として課税される可能性が高いため避けましょう。
- 個人事業主は自分のコーヒー代を経費にできますか?
-
本人分を福利厚生費にはできません。取引先との打ち合わせで支払ったコーヒー代を会議費として処理するなど、業務との関連を説明できる支出に限って経費化の余地があります。自宅やカフェでの作業用コーヒーは原則プライベートな支出と扱われます。
- コーヒーが苦手な従業員にはどう対応すればよいですか?
-
紅茶・緑茶・ハーブティーのティーバッグやココアを同じ場所に並べるのが手軽で効果的です。カフェインを控えたい方にはデカフェのドリップバッグが便利。福利厚生費の「全従業員が利用できる」条件を満たすうえでも、飲み物の選択肢を広げる対応はプラスに働きます。
- 5人程度の少人数オフィスにおすすめの導入方法はどれですか?
-
ドリップバッグの常備が最有力です。5人×1日2杯×20営業日=月200杯で、業務用まとめ買いなら月7,000円前後から運用できます。マシンの清掃や契約の手間がなく、豆の品質だけで満足度を上げられるのが少人数向きの理由です。
コーヒーの福利厚生は低コストで満足度の高い施策


コーヒーの福利厚生は、1人あたり月数百円という低予算で、生産性・コミュニケーション・採用イメージまで波及する費用対効果の高い施策です。経費処理の条件も「全従業員対象」「常識的な金額」の2つとシンプルで、中小企業でも導入のハードルは高くありません。
- 習慣的にコーヒーを飲む人は74.3%。毎日使われる福利厚生になりやすい
- 30人オフィスの月額目安はインスタント約1.2万円〜OCS約9万円
- 経費化の条件は「全従業員が利用できる」+「社会通念上妥当な金額」
- 一人会社・個人事業主の自分用コーヒーは福利厚生費にできない
- 小さく始めて利用率を確認しながら拡張するのが失敗しない進め方
まずはドリップバッグ1箱からでも、オフィスのコーヒー環境は今日から変えられます。
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