コーヒーが薄くなる理由が知りたい
コーヒーが薄くならない方法が知りたい
こういった要望にお応えします。
ドリップコーヒーを淹れたら、味の薄いコーヒーにできあがった経験はありませんか?
コーヒーが薄くなるのには理由があり、その理由によって対策も異なります。
本記事では、コーヒーが薄くなる理由と濃くする方法、おすすめ器具を紹介します。
- コーヒーが薄い理由は9つあり、理由別に濃くする方法がある
- 薄いコーヒーを今すぐに濃くする方法は3つある
- コーヒーを薄くしたくない人にはエスプレッソを淹れる器具がおすすめ
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
ドリップコーヒーが薄い9つの理由と濃くする方法・対策
ドリップコーヒーを淹れて、味が薄くなってしまう理由は、以下9つの状況が考えられます。
- 豆の量が少ない
- 豆が粗挽きすぎる
- 浅煎りの豆を使っている
- お湯の温度が低い
- お湯の量が多い
- フィルターいっぱいに注いでいる
- 蒸らしが不十分
- お湯を早く注ぎすぎて抽出時間が短い
- ドリッパーと豆の相性が悪い
それぞれの理由について解説し、味を濃くする方法や対策を紹介します。
1. 豆の量が少ない
コーヒー豆の量が少ないと、抽出が十分にできないため、コーヒーは薄くなります。
たとえば、同じ量のお湯で抽出する際、豆の量が10gか20gかによって、濃度が異なるのはイメージできますよね。
対策
ドリップコーヒー1杯(180cc)に必要な豆の量は、15〜20gです。
味の好みはもちろん、挽き目やドリップフィルターによっても、多少異なります。
豆の計量方法は、一般的なスケールを使用するほか、コーヒースプーンも便利でおすすめです。
コーヒースプーンのおすすめは、以下の記事をご確認ください。
2. 豆が粗挽きすぎる
豆の挽き具合が粗すぎると、味の薄いコーヒーになります。
粗挽きの豆は、コーヒーにお湯があたる表面積が少ないため、コーヒーの成分が上手く抽出されないのです。
対策
濃いめに抽出しやすい深煎り豆であれば、中細引き~中挽きがよいでしょう。
コーヒー専門店で豆を挽かないまま購入するなら、使用する器具に適した粗さを店員さんに相談してみましょう。
コーヒー豆の挽き目について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
3. 浅煎りの豆を使っている
浅煎り豆はコクが弱く、酸味が強く出やすいため、浅煎りコーヒーを飲み慣れない方にとっては、味が薄く感じる場合があります。
浅煎り豆であれば、量を増やしたとしても味のバランスは変わらないため、濃さの変化は得にくいでしょう。
対策
ライトローストとシナモンローストは、浅煎りの焙煎度合いになります。
黄色から茶色へと変化する程度の焙煎度合いです。
コーヒーの風味はかなり弱い状態。
中煎りはミディアムローストとハイローストです。
この状態では茶褐色とまだ色は薄いものの、軽やかな風味を楽しめます。
特にハイローストは深煎りに近いため、コクと若干の苦味がありながら飲みやすいのが特徴です。
- シティロースト
- フルシティロースト
- フレンチロースト
- イタリアンロースト
以上の順番で焙煎度合いは増していきます。
シティローストは最も人気な焙煎度合い。
苦みやコク、甘みのバランスが丁度よいのが特徴で、カフェで提供されるコーヒーもシティローストが多いです。
イタリアンローストになると、コーヒー豆の見た目はほぼ真っ黒です。
味もかなり濃く、味わいも濃厚になります。
濃いめのコーヒーが好みであれば、深煎り豆を選択してみましょう。
深煎り豆は、コクと苦味のあって濃い味のコーヒーが抽出できます。
コーヒー豆の焙煎について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
4. お湯の温度が低い
お湯の温度が低い場合、抽出が十分にできないため、味の薄いコーヒーになります。
焙煎度合いによって適温が異なり、浅煎り豆は90℃、深煎り豆は83℃が一般的です。
浅煎りはお湯が沸騰した直後、深煎りはいったんサーバーに移してちょっとだけ水を加えるとだいたい80℃前後になります。
お湯の温度が低いとコーヒーの成分はうまく抽出されません。またこれについて、焙煎度別でお湯の温度を検討してみると良いでしょう。
対策
ドリップで使用するお湯は、しっかりと沸騰させた後、ドリップポットに移します。
ポットに移してから1〜2分ほど待つと、だいたい90℃くらいになるといわれていますが、正確に計りたい方はコーヒー用の温度計を使うとよいでしょう。
コーヒー用温度計のおすすめは、以下の記事をご確認ください。
5. お湯の量が多い
1杯あたりに使用するお湯の量が多いと、抽出量が多くなり、薄まったコーヒーになってしまうでしょう。
ドリップコーヒーは、淹れ始めの抽出濃度が濃く、次第に薄くなります。
豆の量に対して、適量のお湯を使用しましょう。
対策
ドリップコーヒー1杯分に使用するお湯は、コーヒーカップで150〜180cc程度です。
慣れないうちは、1杯分に必要な豆とお湯の量がわかりやすいように、1杯ずつドリップするとよいでしょう。
6. フィルターいっぱいに注いでいる
フィルターの高さいっぱいにお湯を注いでしまうと、コーヒーは薄くなってしまいます。
例えば、フィルターの1/3の高さで抽出する場合と、フィルターいっぱいにお湯を注いで抽出する場合をイメージしてみてください。
豆の量を同じ15gとすると、注ぐお湯の量が多い方が、濃度が薄くなってしまいます。
最終的な量は同じでも、フィルターいっぱいに注ぐ方が、濃度が薄くなるのです。
対策
フィルターに入れたコーヒー豆の高さ(蒸らすときにできる濾過層)を目安にします。
注ぐお湯が層よりも多くならないよう、お湯をコントロールして、ゆっくりていねいにお湯を注ぎましょう。
細口のコーヒーポットであれば、お湯のコントロールもしやすいです。
おすすめのコーヒーポットは、以下の記事をご覧ください。
7. 蒸らしが不十分
ドリップでコーヒーを淹れる際には、コーヒーとお湯をなじませるために、抽出の前に蒸らしが必要になります。
コーヒー豆は焙煎によって炭酸ガスを含むため、お湯で蒸らす工程を加えて、炭酸ガスを放出するためです。
炭酸ガスが放出されると、コーヒー豆の表面積が大きくなって、成分が抽出しやすくなります。
対策
蒸らしの方法は、コーヒー豆全体がお湯で湿るよう、ドリップポットを使って少しずつ丁寧に注ぎます。
一般的に蒸らす時間は、20〜30秒が最適とされています。
蒸らしの段階も、お湯を入れ過ぎないように注意が必要です。
おいしさの秘訣である蒸らしについて、以下の記事で詳しくまとめています。
8. お湯を早く注ぎすぎて抽出時間が短い
お湯を注ぐ速度が早いと、抽出が短くなり、薄いコーヒーになります。
ゆっくりとお湯を注ぐと、コーヒーの成分が抽出されやすく、味がしっかりと出たコクのあるコーヒーになるのです。
最適な抽出時間は、3分程度が目安となります。
対策
お湯を注ぐときは、細口のドリップポットを用意しましょう。
細口であれば、お湯を注ぐ速度や位置を調整しやすくなります。
3分程度かけて、ゆっくりとていねいにお湯を注ぎましょう。
時間をかけすぎると、後味が悪くなるため、ドリップタイマーを使用すると分かりやすいです。
9. ドリッパーと豆の相性が悪い
コーヒー豆と「抽出器具」には、 相性があるのはご存じですか?
相性の悪い組み合わせで淹れると、コーヒーの味わい・風味・コク・酸味などの特徴が活かされず、バランスの悪い味になります。
コーヒーのおいしさを引き出せないため、味が薄く感じる場合もあるでしょう。
対策
使用するフィルターに合う挽き目に調整しましょう。
専門店でコーヒー豆を購入するなら、店員さんへの相談もおすすめです。
フィルターの種類 | おすすめの挽き目 |
---|---|
台形型ペーパードリップ | 細挽き~中粗挽きまで幅広く対応できる |
円錐型ペーパードリップ | 中細挽き |
ネルドリップ | 中細挽き~中挽き |
濃いめのアイスコーヒーにしたい場合
ドリップで淹れたコーヒーに、氷を入れてアイスで楽しもうとして、薄くなった経験はありませんか?
濃いめのアイスコーヒーにしたいなら、お湯の量を半分にして濃いめに抽出しましょう。
濃いめに淹れたコーヒーを氷に注げば、濃いめのアイスコーヒーが楽しめます。
また、自宅で楽しむアイスコーヒーなら、水出しコーヒーもおすすめですよ。
薄いコーヒーを今すぐ濃くする方法
薄いコーヒーに仕上がってしまった場合でも、捨てるのはもったいないと考える人はいるでしょう。
ちょっとした工夫で味を調整し、濃くできる方法を紹介します。
- ドリップコーヒーを濃いめに淹れて混ぜる
- エスプレッソで調整する
- インスタントコーヒーを混ぜる
ドリップコーヒーを濃いめに淹れて混ぜる
まずは、ドリップコーヒーを濃いめに淹れて、混ぜる方法です。
お湯の量を半分程度に減らし、抽出に時間をかければ、濃いめのコーヒーが抽出できます。
好みの濃さになるよう調整しながら、濃いめのコーヒーと薄いコーヒーを混ぜましょう。
エスプレッソで調整する
自宅にエスプレッソを楽しむコーヒー器具があれば、エスプレッソを混ぜて調整するのも良いでしょう。
エスプレッソは濃いめに抽出されたコーヒーなので、調整もしやすいといえます。
インスタントコーヒーを混ぜる
インスタントコーヒーを活用するのも、薄いコーヒーを濃くする方法の1つです。
せっかく手挽きした豆を使って淹れたコーヒーなので、使う場合は少量がよいでしょう。
少量であれば、ドリップコーヒーの味や香りを邪魔をしにくく、コクや深みをカバーしてくれます。
コーヒーを薄くしたくない人におすすめの器具
ドリップコーヒーも魅力的ですが、薄いコーヒーが好みでない人には、濃いめに抽出できる以下のコーヒー器具がおすすめです。
- 家庭用エスプレッソマシン
- マキネッタ
家庭用エスプレッソマシン
お店で楽しむイメージがあるエスプレッソですが、家庭用のマシンも販売されています。
高性能マシンなので、他のコーヒー器具よりも価格は高めですが、濃いめのコーヒーが好きな方にはおすすめです。
以下の記事で、おすすめのマシンを紹介しています!
マキネッタ
マキネッタとは、直火式のエスプレッソマシンの総称です。
エスプレッソマシンよりもコンパクトで、手に入れやすい価格が魅力です。
コーヒーの旨みを短時間で抽出し、濃厚で苦みが強く、ほんのりとコーヒーの甘い香りがたのしめます。
以下の記事では、マキネッタについて、使い方やおすすめを紹介しています!
コーヒーが薄い理由を知って自分好みのドリップコーヒーを楽しもう
コーヒーが薄くなる理由9選と、理由別の濃くする方法、おすすめ器具を紹介しました。
本記事のポイントは、以下のとおりです。
- コーヒーが薄い理由は9つあり、理由別に濃くする方法がある
- 薄いコーヒーを今すぐに濃くする方法は3つある
- コーヒーを薄くしたくない人にはエスプレッソを淹れる器具がおすすめ
ドリップコーヒーが薄くなる理由を知り、適切な方法で抽出しましょう。
自分好みの味を探しながら、ドリップコーヒーをたのしんでください!