コーヒーの蒸らしって実際重要?本当に美味しくなるの?
コーヒーの蒸らしのやり方を知りたい!コツを教えて下さい。
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
- そもそもコーヒーの蒸らしとは何か
- コーヒーの蒸らしを行った場合の味の違い
- コーヒーの蒸らしを行う際のコツ・ポイント
- コーヒーの蒸らしで膨らまない原因とその対処法
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう。
コーヒーの蒸らしとは?意味を理解しよう
そもそも蒸らしとは、コーヒー豆をお湯をなじませることを指します。
よくペーパードリップをする際に使われる用語です。
ペーパードリップについては「【コツ公開】ペーパードリップとは?美味しいコーヒーのいれ方を完全解説」の記事をチェック!
コーヒーを淹れる(ドリップ)際に、まず少量のお湯を注いで数十秒~1分程度時間をおきます。
コーヒーの味を左右する要因はいろいろありますよね。
もちろん豆の品質などは大事ですが、せっかく良いコーヒー豆を使ってもそれを活かせないと意味がありません。
抽出の段階で「蒸らし」を行うことによって、味わいが変わってきます。
もう少し詳しく説明するね。
コーヒーの蒸らしを行うメリット
コーヒーの蒸らしを行うメリットとしては以下の3つがあります。
- 豆の抽出量が増える
- コーヒー豆に含まれている炭酸ガスが抜ける
コーヒー豆の表面には、実は小さい穴が開いているんです。
1度にたくさんのお湯を注ぐと、その穴から空気がうまく抜けずに抽出量が減ってしまいます。
少量のお湯でその豆表面の穴に湯を行きわたらせることで、抽出できる量が増えるんです。
また、コーヒー豆は焙煎の段階でどうしても炭酸ガスを含んでしまうので、蒸らしでそのガスを放出してあげましょう。
そうするとコーヒー豆の表面積が広がり、コーヒー豆がもつ成分が出てきやすくなりますよ。
そのコーヒー豆が本来持っている味や香りを最大限楽しめるってことだね!
コーヒーの蒸らしを行った場合の味の違い
蒸らしを行うと、味にどのような違いが出るのでしょうか?
蒸らさなくてもコーヒーは飲めますが、上でも述べた通り豆本来の味を存分に楽しみたいなら蒸らしを行うことをおすすめします。
蒸らさないで抽出したコーヒーは、蒸らしたコーヒーに比べコクや香り、風味が劣ります。
豆の個性も出にくくなってしまうので、「どこにでもあるコーヒー」といった味わいに。
せっかくお気に入りの豆や質の良い豆を使うなら、蒸らしてより美味しいコーヒーを楽しみましょう。
1度蒸らしたコーヒーを飲んだら、その味の違いに驚いちゃった!今は毎回蒸らして飲んでるよ。
コーヒーの蒸らしを行う際のコツ・ポイント
ただ少量のお湯を入れて、少し待ってからまたお湯を注げば良いというわけではありません。
蒸らしを行う時には、どのようにすればうまくいくのかまとめてみました。
- お湯の量・注ぎ方
- 時間
順番に解説します。
お湯の量・注ぎ方
使うお湯の量は10~20mlがベストと言われています。
実際に測ってみると思いのほか少なく、この少量のお湯でコーヒーの味に違いが出るんだなと思いました。
適温は沸騰して少しだけ冷ました95℃前後です。
また、いくらお湯の量が少ないとは言え一気に注ぐのはNG。
ゆっくり円を描くように注ぎ入れて、全体にまんべんなくお湯が行きわたるようにしましょう。
そして、蒸らした後のお湯の注ぎ方にも気を配ってください。
せっかく抽出した味が損なわれないように、蒸らしの時と同様ゆっくりと数回に分けてお湯を入れます。
時間
蒸らす時間は数十秒~1分と言われていますが、30~40秒が一般的なようです。
蒸らす時間が短いと、コーヒー豆の成分が十分に抽出されずその豆の個性を感じることが難しくなります。
また、反対に長すぎると雑味や苦みが出てきてしまい、本来の風味が損なわれるという結果に。
もちろん、豆やコーヒーを飲む人の好みによってこの時間を変えるのも大事です。
少し味が薄めですっきりしたコーヒーが好きな人は、蒸らしの時間が短めでもいいかもしれませんね。
コーヒーの蒸らしで膨らまない原因
蒸らしを行う際に、コーヒー粉が膨らんでくることがあります。
これは含まれていた炭酸ガスが排出されるからで、きちんと膨らむものは新鮮な状態を保っていることが多いです。
炭酸ガスは時間が経つにつれて自然に抜けていってしまうので、膨らまないものは鮮度が落ちているということですね。
蒸らすことでコーヒーが新鮮かどうかも分かるので、ますますコーヒーを淹れる時に欠かせない作業だと感じました。
また、焙煎直後のコーヒー豆を使うと、膨らむを通り越して気泡が発生します。
まるで沸騰したお湯のようにぽこぽこと出てくることがあるんですよ。
逆に新鮮すぎるせいで、少量のお湯を注いだだけでは含んでいる炭酸ガスを抜き切ることができずに、そのような状態になります。
豆を何日か冷凍庫で寝かせてから使用すると、膨らみが分かりやすくなるよ。
温度が低いと上手に膨らまない
お湯の温度は95℃前後が最適だと説明しましたが、この温度が低くなってしまうと蒸らしが十分にできず上手に膨らみません。
逆に沸騰した直後のお湯をすぐに使うと、一気に炭酸ガスが抜けて味や香りまで抜けてしまうことも。
使用するお湯の温度にも気を配りましょう。
鮮度には関係ありませんが、豆の挽き方が極端に浅すぎる、または深すぎる場合もうまく膨らまないことがあります。
より詳しいコーヒーの温度については「コーヒーの温度は何度が美味しい?味の違いからおすすめの温度計まで」の記事をチェック!
具体的な対処方法
蒸らした時に膨らませるには、いくつかの対処法があります。
- コーヒー豆の新鮮さに気を配る
- お湯の温度は適切に
- コーヒー豆は市販ではなく通販店のものがおすすめ
- 常温保存はNG
- コーヒー粉の量は多い方が膨らみやすい
市販のコーヒー豆は、売られている時点ですでに焙煎から時間が経っているものもあります。
その点、コーヒー豆通販店を利用すれば注文を受けてからお好みの挽き具合で焙煎し届けてくれますよ。
新鮮で美味しいだけでなく、蒸らした時に膨らむ様子を見られます。
さまざまな通販店でたくさんの種類のコーヒー豆が販売されているので、ぜひお好みの豆を見つけてくださいね。
おすすめのコーヒー通販サイトは「【決定版】コーヒー豆の通販おすすめ人気ランキング17選!専門家が厳選」の記事を参考にしてください。
保存方法にも気をつける
また、せっかく新鮮な豆を買ったのに、保存方法を間違ってしまうと豆がすぐに劣化してしまいます。
コーヒー豆を保存する際は、湿気を吸わせないように密閉容器に入れることをおすすめします。
開封したコーヒー豆をすぐに使い切る予定なら冷蔵保存でも大丈夫ですが、多めに買った時やすぐに使い切れなさそうな場合は、1回分を小分けして冷凍保存すると長持ちしますよ。
冷凍保存する際も、空気を抜いた真空状態で保存することを心がけてください。
冷凍で鮮度が保たれる期間は3か月程度と言われています。
1度冷凍したコーヒー豆は一旦冷蔵庫に移してから常温に戻そう。大きな温度変化はコーヒー豆を傷めてしまうよ。
詳しいコーヒー豆の保存方法は、以下の記事を参考にしてください。
コーヒー蒸らし以外にもある!美味しい淹れ方とは?
蒸らす以外にも、ハンドドリップのコーヒーを美味しく飲む方法があるので紹介します。
まとめると以下のとおりです。
- ドリップ用のケトルを使う
- コーヒー粉を入れる前にお湯を注ぐ
- 軟水を使う
順番に解説します。
ドリップ用のケトルを使う
お湯の注ぎ方が大事だということが分かったので、一般的なやかんやケトルではなくドリップ用のものを使いましょう。
注ぎ口が細くなっているものであれば、少量のお湯をゆっくり注ぐという繊細な動作もより簡単に行えます。
おすすめのケトルは「コーヒーに最適な電気ケトルおすすめ7選!おしゃれで機能性も抜群」の記事を参考にしてください。
コーヒー粉を入れる前にお湯を注ぐ
ドリッパーにフィルターをセットしたら、コーヒー粉を入れる前にお湯を注ぎます。
そうすることで器具が熱湯消毒され、フィルターが持つ紙の匂いが取れるので、コーヒーの香りをより楽しむことができますよ。
また、コーヒーを淹れる前に器具やカップが温まるので、コーヒーが冷めにくくなり香りや味が長い時間保たれます。
軟水を使う
お湯を沸かすための水にも、硬水や軟水など種類がありますよね。
コーヒーを淹れる時に使う水は軟水がおすすめです。
含まれているミネラル分が少ないため、コーヒーの味や香りを邪魔しません。
硬水を使うとコーヒーが持つ成分と反応し合って、苦みが強くなります。
なので、エスプレッソなど苦みを味わうコーヒーを淹れる場合は、硬水が合っているということになりますね。
日本の水道水は軟水なので、水道水で淹れてもコーヒーの風味を損なわないので安心してください。
ポイントをしっかり押さえて、お家でも美味しいコーヒーを飲もう!
これまでのことを含めて、より詳しく解説している「【決定版】ドリップコーヒーの美味しい淹れ方とは?マイスターが解説」の記事もチェック!
蒸らし時間をしっかりと計って美味しいコーヒーを淹れよう!
いかがでしたでしょうか?
コーヒーの蒸らしについて味の違いからコツまで解説しました!
今回の記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- そもそもコーヒーの蒸らしとは、コーヒー豆をお湯をなじませること
- その豆表面の穴に湯を行きわたらせることによって、抽出できる量が変わる
- 蒸らさないで抽出したコーヒーは、蒸らしたコーヒーに比べコクや香り、風味が劣る
コーヒーの蒸らし時間をしっかりと計っていれば、難易度もそこまで難しくないので美味しいコーヒーが淹れられるはず!
是非今までにないコーヒーを淹れてみてください!
また今回は蒸らしについて紹介しましたが、より大まかなコーヒーの淹れ方について知りたい方は「美味しいコーヒーのいれ方とは?通販のおすすめコーヒー豆&粉も紹介」の記事をチェック!