
エスプレッソとドリップでは、カフェインの量はどう違うのでしょうか。



1日に何杯まで飲んでよいか具体的な数字で知りたいです。
欧州食品安全機関(EFSA)や米国食品医薬品局(FDA)の公開情報を参照し、含有量の比べ方と摂取時の注意点を整理します。一般向けの評価値を、個人にとって安全な杯数や飲用の推奨量としては扱いません。
カフェインの摂取量は、飲料の濃度と飲む量の両方で決まります。エスプレッソがドリップより常に少ないとは限りません。商品・抽出条件・ショット数で変わるため、「1杯」が何mlか、どの含有量を用いているかをそろえて比べましょう。
本記事では、エスプレッソとほかのコーヒーのカフェイン量を比べる際の条件や、摂取時の注意点を整理します。体重や杯数だけで安全な摂取量を決めることはできません。
- 飲料のカフェイン量は商品・抽出条件・飲む量によって変わる
- 比較する際は抽出条件・粉の量・提供量を確認する
- 一般向けの評価値を、個人の安全杯数や飲用目標に換算しない
- 体重だけで成人や子どもの安全量を決めない
- 家庭用器具は対応する粉・容量・熱源と使用方法を確認する


日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
続きはこちら
コーヒーを愛し続けて約10年。これまで3,000商品以上のコーヒー・関連商品を調査・比較し、その中から厳選して紹介しています。運営するコーヒー情報サイト「コーヒー豆研究所」は最大月間約60万PVを記録し、テレビ番組『ZIP!』をはじめ各種メディアでも紹介されています。自社ブランド「ラボカフェ」では、厳選したコーヒー豆を累計3,000個以上販売しています。
エスプレッソのカフェイン量と他コーヒーの数値比較


下表はEFSAが掲載する飲料量とカフェイン量の概算例です。同じ名称でも商品や国、提供量によって値は変わります。表の数値は当サイトの測定結果でも、すべての店舗の商品に共通する規格値でもありません。
| 飲料 | EFSA掲載の量 | カフェイン概算 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| エスプレッソ | 60ml | 80mg | 30mlの値と読み替えない |
| フィルターコーヒー | 200ml | 90mg | 商品ごとの値ではない |
| 紅茶 | 220ml | 50mg | サイズをそろえて比較 |
| コーラ | 355ml | 40mg | 銘柄により異なる |
| エナジードリンク | 250ml | 80mg | 商品表示を優先 |
EFSAの例ではエスプレッソ60mlが約80mg、フィルターコーヒー200mlが約90mgです。この比較は飲む量が異なります。同じ体積あたりの濃度と、実際に飲む総量は区別してください。カフェや商品の含有量が分かる場合は、その表示を優先しましょう。
味や香りを評価するカッピングだけでは、カフェイン量をmg単位で測定できません。本記事には独自の成分分析データはありません。原料や抽出条件の違いを述べる場合も、実測された濃度がなければ一杯の正確な摂取量は確定できません。
豆の種類と抽出液の含有量を区別する
原料の種類や配合は、飲料のカフェイン量を考える際の条件の一つです。ただし、生豆や乾燥豆の含有率と、抽出後の一杯に含まれる量は別の指標です。品種名だけで一杯の摂取量を断定せず、分析対象と単位を確認してください。
| 確認する対象 | 必要な情報 | 注意点 |
|---|---|---|
| 豆の種類 | 原料とブレンドの表示 | 店の呼び名だけで比率を決めない |
| 豆の含有率 | 分析対象・単位・水分条件 | 抽出液のmg数と混同しない |
| 飲料の含有量 | 粉量・抽出条件・提供量 | カッピングだけでmgを測定しない |
産地や「イタリア系」といった呼び方だけでブレンド比率は決まりません。豆の種類・配合は商品ごとに確認してください。同じ豆でも使用量や抽出条件が違えば飲料の含有量は変わるため、配合率から単純に増減率を決めることはできません。


カフェイン量を比較する際の3つの条件


カフェイン量を比べるときは、抽出条件、使用する粉の量、実際に飲む量を確認します。これらは互いに関係する条件であり、一つだけを見てエスプレッソのほうが必ず少ないと結論づけることはできません。
抽出時間に加え、粉の挽き方、水温、圧力などの条件によって抽出は変わります。「短時間だから豆の表面のカフェインだけが出る」という説明はしません。時間だけで含有量の大小を断定せず、同じ条件で測定したデータかを確認してください。
使用する粉の量は、マシンやバスケット、レシピによって異なります。シングル・ダブルという名称だけでグラム数を固定せず、実際の使用量を確認してください。自宅で使いやすい量と、健康上の安全量は別に考える必要です。
一杯の提供量やショット数も店と商品によって異なります。小さなカップだからカフェインが少ないと決めず、どの量を一杯と数えるかをそろえましょう。複数ショットの飲料では、ベースに使ったショット数の確認も必要です。
短時間に何杯も飲む場合は、各飲料に含まれる量を合計して考えてください。シングルやダブルの呼び名から一律のmg数を当てはめると、実際の摂取量とずれる可能性があります。一般向けの評価値に収まることだけで、個人への影響は保証できません。
焙煎度だけでカフェイン量を判断しない
焙煎度だけでカフェインが少ない豆を選ぶことはできません。比較する資料では、一粒あたり・重量あたり・抽出液あたりのどの値かを確認してください。使用量や抽出条件をそろえていないデータを、同じ一杯の値として比べないことが重要です。
苦味の強さはカフェイン量の測定値ではありません。豆をグラム単位で量ることはレシピの条件をそろえる助けになりますが、それだけで飲料中の含有量を測定できるわけではありません。カフェインを控える場合は商品表示も確認してください。
カフェインの評価値と個人の摂取量を分けて考える


EFSAは一般の健康成人について、単回200mgまで、妊婦を除く成人が一日を通して摂る400mgまでを安全上の懸念がないと評価しています。これは個人の無害量や摂取すべき量ではありません。FDAの解説も400mgを多くの成人で通常悪影響と結び付かない量としつつ、感受性の大きな違いを説明しています。
| 評価対象 | EFSAの概要 | 本記事での扱い |
|---|---|---|
| 一般の健康成人・単回 | 200mgまでについて安全上の懸念なしと評価 | 個人の無害量や推奨量ではない |
| 妊婦を除く健康成人・一日 | 一日を通した400mgまでについて評価 | すべての摂取源を含む。杯数換算しない |
| 妊娠中・授乳中 | 一日200mgについて評価 | 個別の摂取は医療者と相談 |
| 子ども・青少年 | 体重あたりの評価がある | 成人の杯数を転用しない |
| 持病・服薬など | EFSAの一般評価の対象外となる条件がある | 個別に医師へ確認 |
単回の評価と一日を通した摂取の評価は、同じ条件ではありません。また、評価の対象は一般の健康な人であり、病気がある場合や薬との組み合わせを一律に保証するものではありません。数値を杯数へ換算して飲用を勧めないようにしてください。
体重だけでは安全杯数を決められない
体重1kgあたりの値は、資料でどの集団・どの摂取条件を評価したものかを確認する必要です。本記事では、体重だけから成人や子どもの安全杯数を計算しません。年齢、体調、服薬、妊娠・授乳、感受性などを体重だけで表せないためです。
| 確認事項 | なぜ必要か | 取る行動 |
|---|---|---|
| 一杯の含有量 | 商品とサイズで違う | 販売元の表示を確認 |
| 一日の全摂取源 | コーヒー以外にも含まれる | 飲食物と薬を確認 |
| 年齢・妊娠授乳・持病・服薬 | 一般の健康成人と条件が異なる | 必要に応じて医師へ相談 |
| 睡眠・動悸・胃の不調 | 少量でも影響が出る人がいる | 症状を見過ごさず相談 |
| 体重 | 単独では個人差を表せない | 安全杯数の計算に使わない |
400mgは「ここを超えると副作用が出始める境界」という意味ではありません。それより少ない量でも影響を受ける人がいます。一般的な評価値を目標に飲むのではなく、不眠や動悸など気になる症状がある場合は摂取を見直し、医療者へ相談してください。
妊娠中・授乳中の摂取は個別に確認する
妊娠中・授乳中についてEFSAが示す一日200mgは、すべての飲食物由来のカフェインを含む評価です。「エスプレッソなら何杯まで安心」とは換算しません。妊娠と授乳は同じ経路ではなく、体調や服薬なども異なるため、摂取について不安があれば医師に相談してください。


エスプレッソとドリップ・アメリカーノの違いを抽出原理から解説


エスプレッソとドリップは抽出方法が異なり、アメリカーノはエスプレッソにお湯を加えた飲み物です。アメリカーノを独立した抽出方式と考えるのではなく、ベースに使うエスプレッソの量と、加えるお湯の量を分けて確認しましょう。
| 項目 | エスプレッソ | ドリップ | アメリカーノ |
|---|---|---|---|
| 作り方 | マシンで加圧して抽出 | 粉にお湯を通して抽出 | エスプレッソにお湯を加える |
| 条件 | 機種・粉・レシピで変わる | 器具・粉・レシピで変わる | ベースのショット数と加水量を確認 |
| カフェイン | 商品別の値を確認 | 商品別の値を確認 | 加水だけなら元の総量は同じ |
同じエスプレッソにカフェインを含まないお湯を加えるだけなら、薄まってもカフェインの総量は変わりません。ただし、店ごとに使うショット数やサイズは異なるため、アメリカーノとドリップのどちらが少ないかは商品別に確認する必要です。



お湯を足すと濃度は変わりますが、元のコーヒーに含まれるカフェインの総量は減りません。
地域や店の呼び名だけで含有量を決めない
店のスタイルや地域の呼び名だけでは、使用豆や焙煎度、カフェイン量は決まりません。好みに合う商品を探すときは、実際に使われている豆と味の説明を確認してください。下表は、比較のために確認したい項目です。
| 商品を比べる項目 | 確認先 | 注意点 |
|---|---|---|
| 原料・配合 | 豆の表示や販売店 | 地域名で品種比率を固定しない |
| 焙煎度・味 | 商品ごとの説明 | 苦味からカフェイン量を推定しない |
| ショット数・サイズ | メニューと販売店 | 同じ名称でも提供量が違う |
| カフェイン量 | 商品別の含有量表示 | ブランド全体の一律値にしない |
特定のブランドの一杯の量を知りたい場合は、そのブランドが公開する商品別・サイズ別の表示を確認してください。ブランド全体に単一のカフェイン量を割り当てたり、地域の呼び名だけで多い・少ないを決めたりすることはできません。


家庭でエスプレッソを美味しく淹れる方法と必要な器具


家庭で使う器具を選ぶときは、作れる飲料、対応する粉やカプセル、熱源、お手入れ方法を確認しましょう。価格は機種や販売時期で変わるため、下表には未確認の価格帯を載せず、購入前に比べる項目を整理します。
| 器具 | 購入前に比べる項目 | 使用時の注意 |
|---|---|---|
| 直火式マキネッタ | 対応熱源・容量・部品 | 水量と粉の入れ方を守る |
| 電気式マキネッタ | 容量・電源・洗浄方法 | 電気部分の扱いは説明書を確認 |
| 家庭用エスプレッソマシン | 方式・対応粉・設置場所 | 機種別の操作と手入れを確認 |
| 業務用マシン | 電源・給排水・保守 | 設置条件を販売元に確認 |
| カプセル式 | 対応カプセル・消耗品価格 | 非対応カプセルを使用しない |
マキネッタとエスプレッソマシンは異なる器具です。マキネッタを選ぶ場合は、対応する熱源、容量、使用する粉、消耗部品の入手性を確認してください。濃いコーヒーを作れることと、エスプレッソと同じカフェイン量になることは別です。
直火式マキネッタの基本手順
以下は直火式マキネッタの使用時に確認する基本事項です。BialettiのMoka Express案内も参照していますが、機種によって条件は異なります。手元の取扱説明書を優先してください。
水量は使用する機種の表示と説明書に従ってください。Moka Expressの案内では安全バルブのすぐ下までと案内されています。安全バルブを水や粉でふさがず、パッキン・フィルター・バルブの状態も使用前に確認しましょう。
機種に適した挽き方の粉をバスケットに入れ、押し固めずに表面をならします。必要量はバスケットの容量によって違うため、一律7〜10gとはしません。組み立て方や粉の入れ方は説明書に従い、抽出経路を詰まらせないようにしてください。
機種の指示に合った火力を使い、ガスの場合は炎が側面へはみ出さないようにします。所要時間を5分と固定せず、抽出の状態を確認し、抽出が終わったら加熱を止めてください。空焚きを避け、熱い状態で分解しないでください。
抽出後は熱い器具や液体に注意してカップへ注ぎ、好みでお湯やミルクを加えます。薄めてもカフェインの総量は減りません。器具を洗う際は十分に冷めてから、材質と部品に合う手入れ方法を確認してください。


おすすめの家庭用エスプレッソ器具とコーヒー豆
家庭用の器具や豆の候補を紹介します。購入先では現行価格、容量、対応熱源、消耗品、必要な付属品を確認してください。リンク先の商品仕様を確認したうえで、用途と予算に合わせて検討しましょう。


エスプレッソを飲む際の注意点と上手な付き合い方


飲料名だけでカフェインが少ないと判断せず、摂取量と体調の両方を確認しましょう。以下では睡眠、飲用後の不調、ほかのカフェイン源、症状がある場合の対応を整理します。
睡眠への影響を確認する
カフェインの影響が続く時間には個人差があります。就寝の何時間前なら必ず影響がなくなる、とは言えません。眠りに影響を感じる場合は、飲む時間と量を見直してください。EFSAも、少量で睡眠に影響を受ける成人がいることを説明しています。
飲用後の胃の不調を見過ごさない
胃の不快感や胸やけなどが出る場合は、食後に替えたりミルクを加えたりすれば必ず解決するとは考えないでください。飲用を控えて様子を確認し、症状が続く場合や心配な場合は医師に相談してください。
他カフェイン源との合算を意識する
コーヒーだけでなく、お茶、チョコレート、エナジードリンク、サプリメントや医薬品にもカフェインが含まれることがあります。商品名・一回量・飲食した回数を確認し、分かる含有量は合計しましょう。表示が不明な商品は販売元へ確認してください。
動悸・不安感などの症状があるときは相談する
カフェインの摂り過ぎでは、動悸、不安感、不眠、胃の不調などが起こることがあります。特定の杯数や数値を超えた場合だけの問題ではありません。症状がある場合は医療者へ相談し、「週に何日休めば安全」といった一律の調整で済ませないでください。


エスプレッソとカフェインに関するよくある質問
- エスプレッソとドリップコーヒーのカフェイン量はどちらが多いですか?
-
商品と一杯の量によって異なります。EFSAの概算例ではエスプレッソ60mlが約80mg、フィルターコーヒー200mlが約90mgですが、これはすべての商品に共通する値ではありません。実際に飲むサイズと商品表示で比べてください。
- エスプレッソは1日何杯まで飲んで大丈夫ですか?
-
一律の安全杯数は示せません。一杯の含有量、ほかの食品からの摂取、体調や感受性によって異なります。一般向けの評価値を飲用の目標にせず、妊娠・授乳中、服薬中、持病がある場合などは必要に応じて医師へ相談してください。
- エスプレッソは胃に優しいですか?
-
エスプレッソが胃に優しいと一律には言えません。抽出時間やミルクの有無だけで負担を判断せず、飲んだ後の症状を確認してください。胃の不快感などが続く場合は飲用を控え、医師に相談しましょう。
- アメリカーノはエスプレッソよりカフェインが多いですか?
-
同じエスプレッソにカフェインを含まないお湯だけを加えるなら、カフェインの総量は同じです。ただし、商品によってベースのショット数は異なります。薄い味だから摂取量も少ないとは判断しないでください。
- マキネッタで淹れた場合のカフェイン量はどれくらいですか?
-
使用した粉の種類と量、器具、抽出条件、飲む量によって変わります。マキネッタという器具名だけで一杯80〜100mgなどの値は確定できません。正確な値が必要な場合は、条件が対応する成分分析データが必要です。
- デカフェのエスプレッソはどれくらいカフェインが入っていますか?
-
デカフェの含有量は商品と提供量で異なり、ゼロとは限りません。一律に1杯1〜3mgとはせず、商品表示や販売元の案内を確認してください。妊娠中や就寝前でも無条件に安心という意味ではありません。
エスプレッソのカフェイン量を理解して賢く楽しもう


カフェイン量を比べるには、濃度と飲む量を分けて確認することが大切です。エスプレッソ、ドリップ、アメリカーノという名称だけで大小は決まりません。原料・抽出条件・提供量が対応した情報を使いましょう。
一般向けのカフェイン評価値は、個人の安全量や推奨杯数ではありません。ほかの飲食物や薬からの摂取、睡眠、体調も考慮し、心配があれば医療者へ相談してください。既存画像の安全杯数や数値も、個別の商品や読者の安全を保証するものではありません。


- 一杯の量と含有量を商品ごとに確認する
- 味の濃さとカフェインの摂取総量を区別する
- ほかの飲食物や薬に含まれるカフェインも確認する
- 気になる症状や妊娠・授乳・服薬等の事情がある場合は医師へ相談する
- マキネッタとエスプレッソマシンは別の器具として使用方法を確認する
\ 約1分でぴったりの1杯を見つけよう /
コーヒー豆研究所の記事を根拠に、関連情報と一緒に回答します。
この機能の利用にはJavaScriptが必要です。
















