フィンランドのコーヒーってどんな特徴があるの?
フィンランドはコーヒー文化が発達していて、消費量も多いって聞いたけど本当?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
「ムーミン」の故郷としても知られるフィンランドは、コーヒー消費量の多い北欧5カ国の中でも一番コーヒーを飲む国ですが、どうしてなのか知っていますか?
そこで本記事では、フィンランドコーヒーの特徴について文化から味わいまで徹底解説します。
- フィンランドは幸福度ランキングで、4年連続No.1を誇る
- コーヒーの味わいは、浅煎りで酸味が強くあっさりとしているのが特徴
- 「カハヴィタウコ」と呼ばれるコーヒー休憩が労働者の権利としてある
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
フィンランドってどんな国?コーヒー文化を知る前におさらい
フィンランドはバルト海沿岸部に位置する自然豊かな北欧の国です。
特に水質はすばらしく、過去国連の行った調査では122カ国1位を獲ったほど!
また、フィンランドの北部地方ラップランドでは夏になると一日太陽が沈まない日が続く「白夜」が起こり、逆に冬になると太陽が登らない日が続く「極夜(カーモス)」 と呼ばれる現象が起きます。
また、同じくラップランドにはコルバトゥントリという山にサンタクロースが住むとされているそうです。
ロヴァニエミ市から8km北東へ離れたところにはサンタクロース村があり、観光地としても非常に人気があります。
事前に申し込むとサンタクロースから手紙がもらえるそうだよ!
世界一幸せな国民?
フィンランドを始めとした北欧5カ国は全て幸福度ランキングで10位以内に入っています。
中でもフィンランドは2018〜2021年の4年連続で幸福度ランキングトップに輝きました。
更に驚くことにこの快挙は世界初なのだそうです!
考えられる理由は様々ありますが、しっかりとした睡眠時間や夏季休暇、教育の豊かさなどに加え、一日の間に何度かとるコーヒータイムも日々のゆとりとして、フィンランド国民の幸福度につながっているのかもしれません。
働くことと休むことのメリハリを大事にしている印象です!
フィンランドの人はサウナが大好き!
フィンランドがサウナ発祥の地であるということをご存知でしょうか?
何とフィンランドには1500年も前からサウナが存在したと言われており、ほぼ一家に一つの割合で国民はサウナを保有しているのだそうです。
フィンランド人にとってサウナのない生活は考えられず、サウナが社交場や一家団欒の場としても非常に大切にされています。
サウナでカラダをよく温めたら湖や雪などで思い切りカラダを冷やし、またサウナで温める…といった交互浴がフィンランド流の楽しみ方なのだそうです。
自律神経の切り替えがうまくいくようになるのだそうです!
フィンランドコーヒーの特徴
フィンランドのコーヒーにはどういった特徴があるのでしょうか?
以下でその味わいなどについて解説していきます。
味わい
北欧全体の傾向として言えることですが、フィンランドのコーヒーは「浅煎り」で「酸味」が強いという特徴があります。
もちろん中には深煎りを好む人もいるようですが、消費率の割合でいうと約80%が浅煎りなのだそう!
後述しますが、一日に何杯もコーヒーを飲むフィンランドの人にとって、コーヒーはお茶に近い感覚の飲み物です。
そのため、非常にスッキリとしていてごくごく飲めるような浅煎りのコーヒーが好まれています。
浅煎りコーヒーについては「【最新】浅煎りコーヒーの特徴とは?美味しい淹れ方からおすすめまで紹介」の記事で詳しく解説しています。
フィンランドはコーヒーの個人消費量世界No.1
北欧5カ国のコーヒー消費量は他の地域と比べてもかなり多いのですが、そんな北欧の中でもフィンランドは郡を抜いています。
2013年のデータによると一人あたりのコーヒー消費量は、スウェーデンが7.31kg、ノルウェーが8.70kg、デンマークが8.60kgであるのに比べ、フィンランドは12kgと圧倒的な数字です。
これには非常に日照時間が短く太陽光を浴びる機会が極端に少ないフィンランドの気候も関係しているかもしれません。
気候による影響が大きいと言われている
太陽光を浴びる時間が少ないと気分が塞ぎがちになり、事実フィンランドでは極夜の時期にカーモスマセンヌス(カーモスうつ)という言葉があるほど深刻な問題の一つともいえます。
太陽光不足によるビタミンD不足も問題です。
そのため、カフェインによる効能の一つである興奮作用や覚醒作用を利用しているのではないかと考えられます。
また後述する「カハヴィタウコ」もその消費量を後押しする大きな要因の一つと言えそうです。
フィンランドのコーヒー文化とは?珍しいコーヒータイムがある?
フィンランドには「プッラカハヴィト」「カハヴィタウコ」と呼ばれるコーヒータイムが存在しています。
プッラカハヴィトはコーヒータイムというよりおやつタイムに近く、甘い物やパンなどと一緒にコーヒーを楽しみます。
カハヴィタウコはコーヒー休憩のことですが、面白いことに法律で定められているものなのです!
以下ではそのカハヴィタウコについて解説していきますね。
コーヒー休憩は労働者の権利
フィンランドのコーヒー休憩である「カハヴィタウコ」は一回あたり15〜20分程の長さで行われます。
このカハヴィタウコは労働者の権利として国の法律で定められており、企業は必ず労働時間に対して定められたコーヒー休憩を取る必要があります。
その時間と回数は表のとおりです。
- 労働時間が4時間以下の場合:なし
- 労働時間が4〜6時間の場合:1回
- 労働時間が6時間以上の場合:2回
業種によって多少異なるそうですが、それでもカハヴィタウコは必ず取るように定められています。
業務の関係でカハヴィタウコが取れなかった際は、淹れたコーヒーを持ち帰ったり時間をずらしたりするなど柔軟に対応をしながらカハヴィタウコを行なうようにしているそうです。
カハヴィタウコの更に面白い点に、労働規約には単なる「休憩」ではなく「コーヒー休憩」と記載されているところがあげられます。
フィンランドにコーヒーが深く根付いているのがよくわかるね!
企業からコーヒーの補助があったりオフィスに無料のコーヒーマシンが設置してあることもあるそうです。
フィンランドコーヒーの飲み方・淹れ方
フィンランドのコーヒーの飲み方はドリップコーヒーが一般的。
エスプレッソやラテで飲まれることもありますが、どちらかと言えば少数派のようです。
淹れ方としてはフィルター式コーヒーメーカーが最もポピュラーで、どこの家庭にも置いてあります。
ですが他にもやかんでコーヒーを煮出す昔ながらの方法を愛する人も多くいるのだそう。
「ユフラ・モッカ」というフィンランドでポピュラーなコーヒー豆にはやかんコーヒー専用の粉も販売されています。
美味しいフィンランドコーヒーのアレンジ
フィンランドのコーヒーには変わったアレンジ方法による飲み方もあります。
まず1つ目が「カフェ・オスト」。
そのレシピとは、コーヒーの中にカハヴィユーストと呼ばれるチーズを入れるというもの。
カフェ・オストはフィンランド中部のカイヌ地方で親しまれており、北欧の先住民族であるサーミ人の伝統的な飲み方であるそうです。
どんな味わいがするんだろう?
ヨウルカハヴィ
また、クリスマスシーズンになるとヨウルカハヴィ(クリスマスコーヒー)と呼ばれる、シナモンやカルダモンなどのスパイスを淹れたコーヒーが飲まれるようになります。
ヨウルカハヴィ用にあらかじめスパイスで香り付けをしてあるコーヒーも販売されているそうですよ!
カラダが温まりそうですね!
フィンランド発のコーヒーのおすすめサブスク「SLURP」
そんなフィンランドのコーヒーが飲んでみたいと思いませんか?
そんな人におすすめな、フィンランド発のサブスクがあります。
それが「SLURP」。
以下で公式サイトとそのサービスについて紹介します。
フィンランドを始めとする様々な国のロースタリーのコーヒーをお届け
SLURPはフィンランド発のサービスです。
フィンランドを始めとする約60名のロースターと提携して、毎回違うロースターのコーヒーを定期的に届けるサブスクを行っています。
クイズ形式で自身の好みあったコーヒー診断を行なうことが可能なため豆選びに悩むことがありません。
しかも30gのお試しサイズでの購入も可能なため、通常サイズで購入する際も安心です。
届くコーヒーの焙煎度合いや挽き方、届くサイクルも選べるため(2週間or4週間)かなり自身の好みにあったコーヒーを楽しむことが出来ます。
新たなコーヒーやロースターとの出会いが待っています!
コーヒータイムにピッタリなフィンランドのテーブルウェアブランド3選
インテリアや雑貨に「北欧風」という言葉があるように、北欧は日々の生活にとても素敵なデザインが溢れています。
もちろんフィンランドにもコーヒータイムを彩るポップでおしゃれなデザインの雑貨がたくさん!
ここではそんなフィンランドの有名なテーブルウェアブランドのおすすめを3つ紹介します。
まとめると以下の通り。
- イッタラ
- アラビア
- マリメッコ
順番に解説します。
1.シンプルで機能的「iittala(イッタラ)」
フィンランドのテーブルウェアメーカーで最も有名なのがこのイッタラでしょう。
ブランドの特徴としては、シンプルで機能的ながらどこか個性的な雰囲気を感じさせることです。
大胆なデザインをしていても不思議とその場の雰囲気に馴染むのがイッタラの大きな魅力。
特に人気の高い「TEEMAシリーズ」は、どこまでもシンプルで耐久性においても使いやすさ抜群です。
2.使う場面を選ばない「ARABIA(アラビア)」
アラビアは先に紹介したイッタラの子会社の一つです。
1873年、首都ヘルシンキのアラビア通りにある別荘地に工場が建てられたことからブランドがスタートしました。
ブランドのポリシーである「食器は実用的で丈夫でなければならない」の元、耐火性の強く扱いやすい食器が多いのも特徴の一つ。
作家の個性が反映しやすい環境を整え、またとないデザイン性を発揮することに尽力しているのも魅力です。
アラビアの人気シリーズ「パラティッシ」は、大胆に描かれた植物が和にも洋にもマッチします。
3.ウニッコ柄がトレードマーク「Marimekko(マリメッコ)」
マリメッコを知らずとも、ウニッコ柄は一度目にしたことがあるといった方も多いのではないでしょうか。
マリメッコは元々プリント会社から始まりアパレル企業へと成長、現在はテーブルウェアや雑貨まで取り扱うようになりました。
マリメッコを代表するウニッコ柄が誕生したのは1964年のこと。
以来現在まで変わらず人々に愛されているデザインです。
明るいカラーリングのポピーの花が、コーヒータイムを華やかにしてくれそうです!
幸福度4年連続世界一のフィンランドの秘密はコーヒーにあるのかもしれない
フィンランドのコーヒーの飲み方や味わいにいたるまでを解説していきましたが、いかがでしたでしょうか?
以下がこの記事のまとめです。
- フィンランドはコーヒー消費量の多い北欧の中でも一番コーヒーを飲んでいる国
- フィンランドは幸福度ランキングで4年連続No.1の国
- コーヒーの味わいは浅煎りで酸味が強くあっさりとしている
- カハヴィタウコと呼ばれるコーヒー休憩が労働者の権利として定められている
仕事の合間にコーヒーで息抜きをすることを国が国民に保障しているというのは大変驚きでした!
適度に手と頭を休めるということは作業効率を上げるうえでも非常に重要ですよね。
効率が上がることで仕事を早く終えることが出来るようになり、結果自分の時間をとることが出来るようになります。
それがフィンランドの人々にとって幸福につながっているのではないかと感じさせられました。
一生懸命はたらくのもとっても素敵なことですが、あなたも時には手を休めてコーヒーでも1杯いかがでしょうか?
今回はフィンランドについて紹介しましたが、北欧全体にいて知りたくはありませんか?
そんな方は「【消費量世界NO.1】北欧コーヒーの特徴とは?文化とスタイルも解説」の記事をチェック!