ロングブラックってどんな意味があるの?
ショートブラックという言葉も聞くけど、どんな違いがあるの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
普段エスプレッソを飲んでいる方ならわかるかと思いますが、よくロングブラックとショートブラックという言葉を耳にしますよね。
そこで本記事では、対比されるショートブラックとの違いから詳しい作り方まで徹底解説していきます!
普段のコーヒーが飽きた方は特に必見!
- ロングブラックとは、エスプレッソとお湯のカクテルのこと
- ロングブラックは、オーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア地域で発祥した独自の呼び方
- ロングブラックの作り方は非常にシンプルで簡単
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
ロングブラックとは?
「ロングブラック」とはずばり、エスプレッソとお湯のカクテルです。
「ロングブラック」と聞いても、日本ではあまり馴染みのない飲み方かもしれません。
お店によっては出しているところもありますが、なかなか浸透していないと思います。
そもそもエスプレッソとお湯を混ぜると聞くと、多くの人が「それってアメリカンと何が違うんだ」とか「呼び方が違うだけ?」と思うはず…。
お湯の入ったグラスにエスプレッソを注ぐだけのシンプルなものですが、アメリカンと違いエスプレッソを後入れすることで表面にクレマ(エスプレッソ特有のクリーム状の成分)が立ち、風味や香りを楽しめるものです。
クレマとは、エスプレッソの表面に浮かんでいる泡の部分を指します。クレマがあるエスプレッソは美味しいと評されることが多いです。
しかしその歴史や文化がなかなか興味深く、知っておけば確実にコーヒーについての造詣が深くなるでしょう。
そんな「ロングブラック」についてこれから説明していきたいと思います!
ロングブラックとショートブラックの違い
「ロングブラック」と「ショートブラック」という名前は、オーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア地域で発祥した独自の呼び方です。(後述)
ロングブラックはエスプレッソとお湯のカクテルを指すのに対して、ショートブラックとはいわゆるエスプレッソ単体のことを指します。
つまり、エスプレッソ=ショートブラック
シングルやダブルの量の違いに関わらずエスプレッソのことをショート(少ない、短い)ブラック(コーヒー、黒いから)と言われているようです。
イタリアの影響もあり、ショートブラックは砂糖を入れて飲む人が多いです。
ロングブラックの由来
諸説あるようですが、「ロングブラック」はオーストラリアやニュージーランドが発祥と言われています。
ヨーロッパ諸国の移民が持ち込んだコーヒー文化が発展していき、現地でオリジナルのものが飲まれるようになったそうです。
「ロングブラック」「ショートブラック」は、その最たる一例と言えるでしょう。
「フラットホワイト」なんかもまったく同じように考案されたものでしょう。
色で呼び分けるのはなかなかオシャレだなと思ってしまいます!
エスプレッソ単体だと味が濃厚すぎた
エスプレッソ単体では、やはり味や香りや風味が濃厚になるため飲めない人や苦手な人も少なくないでしょう。
アメリカン同様そうした人々がエスプレッソの風味を味わいやすくするために、オセアニア版アメリカンとして広く親しまれるようになりました。
入れる順番で区別しもはや違う飲み物になってしまうとは、オセアニア地域のコーヒーへの探求心がうかがえますね!
アメリカンコーヒーの特徴は「【保存版】アメリカンコーヒーとは?違いから美味しい淹れ方まで徹底解説」の記事で詳しく解説しています。
オーストラリアやニュージーランドのコーヒー文化
コーヒーと聞いて、オーストラリアやニュージーランドを思い浮かべる人はどのくらいいるでしょうか?
ヨーロッパやアメリカ、あるいは豆自体の産地であるブラジルやケニアなどイメージする人は多いと思います。
実はオーストラリアやニュージーランドは世界でも有数のコーヒー愛飲国であり、コーヒー文化が深く根付いています。
1日平均では3,4杯ほど飲まれており、街のいたるところにカフェやコーヒー店が多く存在しています。
傾向として個人店が多いのも特徴の一つです。メルボルンやシドニーは有名ですよね。
エスプレッソ好きが多い
またハンドドリップよりもエスプレッソを好む人が多く、ロングブラックをはじめラテなどのエスプレッソ系のコーヒーが主流でもあります。
イタリア系の移民が多いことも影響しているといわれています。
実はオーストラリアでは長いことカフェのテラス席が禁止されていたことがあります。
シドニーオリンピックを機にテラス席は解禁され、国内にテラス付きのカフェが急増していきました。
それがオーストラリアの独自のコーヒー文化に拍車をかけたのは言うまでもありませんね。
現地の人たちはオーストラリアのコーヒーが世界一美味しいと誇りを持っているほどです。
チェーン店が拡大していかなかったのは、現地のコーヒー文化を愛する人が多くあのスターバックスが競争に勝てないほどはっきりしています。
それだけ日々の生活とコーヒーが切っても切り離せないものになっているんです!
ニュージーランドはオーストラリアとコーヒー文化が似ている
一方ニュージーランドは小さい島国ということもあり、オーストラリアに似て独自の文化を築いています。
ロングブラックやフラットホワイトはもちろん、子供も飲める「フラフィー」というフォームミルクで作る飲み物もあります。
カフェも徐々に増えつつあり、ニュージーランド独自のコーヒー文化はこれから発展していきそうです!
ショートブラック・ロングブラックはオセアニア系から派生した?
前述の通り「ショートブラック」と「ロングブラック」は、オーストラリア・ニュージーランドが発祥と説明しましたが、この名前はアメリカに輸入されたコーヒー文化と区別を図るためにつけられたものと言われています。
アメリカンはエスプレッソ→お湯で作るのに対して、ロングブラックはお湯→エスプレッソ。
確かに入れる順番が違うだで、中身同じだから変わらないでしょって思うのも不思議ではないですよね。
当時はごっちゃにならないよう「ロングブラック」という名前をつけ、エスプレッソそのものをロングの逆でショートと表現したのでしょう。
最近では日本で見かける
現地だけでなくオセアニア系のカフェでは、ロングとショートの文化を取り入れているところは多く、最近では日本でも見かけるようになったなという印象です。
場所やお店によってはエスプレッソとお湯を別々に提供し、お客様自身で好みの濃さで味わえるところもあります。
ロングブラックの文化が浸透してないところが多いそうですが、飲む側からしてみるとそれはそれで、ありがたいかもしれません。
ただ正直、現地の人はアメリカンとロングブラックの区別に関しては、あまり気にしていないみたいです。
ロングブラックの作り方・飲み方
それでは実際に、ロングブラックの作り方を紹介していきましょう。
こちらで紹介するものはあくまで一般的なものになりますので、お好みに合わせてアレンジしていくのもいいかもしれません。
非常に簡単ですので、普段飲んでいるコーヒーに飽きてしまった人や新しい味わいを探している人はぜひ作ってみてください!
分量以下の通りです。
- エスプレッソ 60ml
- お湯 180ml
お手持ちのエスプレッソマシンやマキネッタなどを使用してエスプレッソを抽出します。
味や風味は使うコーヒー豆で大きく変わりますので、お好みのものでOKです!
「ロングブラック」は上記でも説明した通り、お湯→エスプレッソの順で入れる飲み物です。
そのため、先にグラスに熱いお湯を注いでおきます。
温度によって味わいが変わることもあるので、何度も作ってお気に入りの温度や湯量を見つけてみてください!
エスプレッソを注ぐときは、できるだけゆっくり注ぐのがコツです。
完成した時にエスプレッソのクレマがしっかりと表面に残り、よりまろやかな口当たりになります。
注ぐときは真ん中めがけて注ぐとクレマがまんべんなくひろがり、美味しくなりますよ。
ロングブラックは普通のコーヒーに飽きた人におすすめ!
いかがでしたでしょうか?
ロングブラックについて特徴から淹れ方まで幅広く紹介しました!
本記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- ロングブラックとは、エスプレッソとお湯のカクテル
- ロングブラックはオーストラリアやニュージーランドが発祥とされる
- ロングブラックの作り方は非常にシンプル
入れる順番さえ間違えなければ分量はお好みでいいと思います。
非常に簡単に作れるのに、アメリカンやお湯だしのレギュラーコーヒーとはまた違う味わいになります!
氷の入ったグラスに注げばアイスロングブラックなんていうのも楽しめちゃいます。
いろいろ試してあなただけの「ロングブラック」を探してみてはいかがでしょうか?
またそもそもショートブラック(エスプレッソ)の正しい飲み方が知りたい人は以下の記事を参考にしてください。