北欧のコーヒーってどんな特徴があるのかな?
北欧のコーヒー文化は日本と違うってよく聞くよね…。どう違うのかな?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
北欧といえばムーミン、オーロラ、マリメッコなど、素敵で可愛い物に溢れていますよね。
そんな憧れの北欧が、実は世界で一番コーヒーを消費している地域だってご存知でしたか?今回はコーヒーから見える彼らの生活を覗いちゃいましょう!
- そもそも北欧とはフィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの5カ国を指すことがほとんど
- 北欧はコーヒーの消費量がNo.1の地域
- 北欧コーヒーは、浅煎りで酸味が強くフルーティーな傾向がある
- 北欧はコーヒータイムを非常に大切にしている
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
続きはこちら
コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
そもそも北欧とはどんな所?コーヒーの特徴の前に知っておこう
北欧というのは主にヨーロッパ北部地方に位置する5カ国のことを指します。
北欧といえばインテリアのイメージを持つ方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
じつは北欧という地域は世界全体で見ると一番コーヒーの消費量が多い地域なんです。
そんな北欧の国々について解説していきます。
北欧は全部で5カ国
主に北欧と呼ばれている国々は以下の5カ国です。
- フィンランド
- スウェーデン
- ノルウェー
- デンマーク
- アイスランド
以上の5カ国はコペンハーゲンに本部に持つ北欧理事会に加盟しており、政治的に強いつながりがあります。
その中でもスウェーデン、ノルウェー、デンマークの3カ国はスカンジナビアと呼ばれ、文化や言語的にも深くつながっているのだそうです。
ヨーロッパ北部地方全体を指して北欧ということもあるけど、大体はつながりの強いこの5カ国を指すことが多いよ!
日本に比べると圧倒的なコーヒー消費量
コーヒーの消費量は2013年度の調査で、以下のようなデータが出ています。
- フィンランド:12kg
- スウェーデン:7.31kg
- ノルウェー:8.70kg
- デンマーク:8.60kg
アイスランドのデータこそ見つからなからなかったものの、日本の3.36kgという数字と比べると圧倒的です。
北欧コーヒーの特徴
そんな北欧の国々で飲まれているコーヒーには一体どのような特徴があるのでしょうか。
北欧で飲まれるコーヒーの特徴をカンタンに表すと、「浅煎り」で「酸味」が強い味わいとなります。
後述しますが、北欧諸国の人々は一日の中で何度もコーヒータイムを取る習慣があります。
その為苦味やコクが強いコーヒーよりも、お茶感覚でアッサリと飲める浅煎りのコーヒーが主流となっているようです。
コーヒーを深く焙煎したことによる香ばしさや苦味を楽しむというより、コーヒー豆自体が持つ果実味やフルーティーな香りを楽しむ文化が根付いています。
サードウェーブコーヒーのような楽しみ方をするんだよ。
北欧のコーヒー文化
世界の中でも消費量トップの北欧はどのようなコーヒー文化を持っているのかを、大きく3つに分けて解説していきます。
- 焙煎度合い
- 消費量がなぜ多いのか
- 歴史
焙煎度合いは浅煎りが主流!
コーヒーの特徴でも触れた通り、北欧で飲まれるコーヒーは浅煎りが主流です。
その焙煎度合いはローストの段階でいうとライトローストくらいで、ノルディックローストともよばれています。
浅煎りにすることでコーヒーの持つ果実味や酸味、華やかな香りやキレイな後味が感じられます。
また、浅煎りは豆の持つ個性が非常に分かりやすく出るのも特徴の一つ。
浅煎りにすることで、産地や品種などからくるコーヒー豆自体が持つ風味や味わいを楽しむのが北欧流です。
北欧のコーヒー消費量は気候がヒント?
北欧のコーヒー消費量が多いのはその気候にヒントがありそうです。
北欧は他の地域と比べて日照時間が非常に短く、更に北欧諸国の中でも特にコーヒー消費量の多いフィンランドは冬にかけて天気が崩れ太陽光を浴びる機会が少なくなりがちです。
そうなると、太陽光を浴びることで生成されるビタミンDが不足したり、気分が沈みやすくなってしまいます。
そのためカフェインを定期的に摂取することで興奮作用や覚醒作用を促すのです。
また、コーヒーを親しい人と楽しむ習慣を彼らが大事にするのは、そのこと自体がリラックスにつながるからでしょう。
そのようにして北欧の人々は心身の健康を保つためにもコーヒーを利用しています。
他の地域より消費量が多いのもうなずけます。
北欧コーヒーの歴史
北欧のコーヒーとの歴史は古く、1700年代頃にコーヒーが北欧へ伝わったのち、急速な勢いで普及したそうです。
あまりに流行しすぎたせいか、そのことを不安視したスウェーデンの政府は1746年にコーヒーと茶類の過剰摂取を批判する声明を出しています。
それだけでなく、1800年代頃までスウェーデンでは幾度となくコーヒー禁止令が出ていたそうです。
当時のスウェーデン王グスタフ3世は、コーヒーの危険性を確かめるための人体実験まで行っています。
その実験でコーヒーに対する危険性は証明されず、結果としてコーヒーはスウェーデンの国民的な飲み物となりました。
スウェーデンでは幾多の困難を乗り越えて未だにコーヒーが愛されています。
禁酒令によるコーヒー消費量の底上げ
ノルウェーはブラジルと100年もの間貿易を行っており、そのおかげでコーヒーが広く普及したようです。
ノルウェーの人々のコーヒー愛はすさまじく、戦中戦後の貧困のさなか入手困難となったコーヒーの代わりにトウモロコシやジャガイモを焦がして代用品としていたほど!
そうまでしてコーヒーが飲みたかったんだね。
また、1900年代に北欧を含む各地で発令された禁酒令は、結果としてコーヒーの消費量を底上げする要因となりました。
寒さが厳しい北欧地域ではアルコールでカラダを温める習慣がありましたが、禁酒令以降は温かいコーヒーで暖をとっていたのだそう。
寒い地域ならではの面白い歴史です。
北欧のコーヒータイムについて
北欧諸国はコーヒータイムを非常に大事にする習慣がありますが、それぞれの国ごとで呼び名や過ごし方などが微妙に違うようです。
ここではそんな各国の過ごし方やコーヒーとの関わりについて解説していきます。
フィンランド
フィンランドには一日のうちに数回「カハヴィタウコ」と呼ばれる15〜20分程度のコーヒータイムをとります。
何とこのカハヴィタウコは、国によって労働時間に対する回数が定められている労働者の権利なのです。
その他にも「プッラカハヴィタ」と呼ばれるコーヒータイムも存在しますが、こちらはコーヒーがメインというよりはおやつタイムといった方が近いかも知れません。
プッラカハヴィタではコーヒーとともに甘いものを食べるのが一般的です。
フィンランドのコーヒーについてより詳しく知りたい方は「【消費量世界一】フィンランドコーヒーの特徴とは?文化から味わいまで」の記事をチェック!
スウェーデン
スウェーデンには「フィーカ」と呼ばれるコーヒータイムが存在しています。
企業では10時と15時の二回に分けて行われることが多く、一回の時間は15〜30分ほどの長さです。
フィーカではコーヒーだけでなく、甘いものや軽食を一緒に食べる習慣もあります。
そうやって適度な休憩をはさむことで頭をリセットし、糖分やカフェインを摂取して仕事への集中力や効率を高めるそうです。
また、上司や同僚との大事なコミュニケーションや情報交換の場としても大事にされています。
スウェーデンのコーヒーについてより詳しく知りたい方は「【決定版】スウェーデンコーヒーの特徴とは?味わいから文化まで完全解説」の記事をチェック!
ノルウェー
厳密にいうとコーヒータイムをさす言葉ではありませんが、ノルウェーには「コーシェリ」と呼ばれる言葉が存在します。
コーシェリという言葉は非常に幅広く使われているのですが、一言でいうと「居心地がいい」、もっと砕いていうなら「なんかイイ感じ!」といった意味合いになります。
実はバリスタの世界大会発祥の地でありコーヒー大国のノルウェーの人々にとって、コーヒータイムはコーシェリな時間の一つと言えるでしょう。
ノルウェーのコーヒーについては「ノルウェーのコーヒー文化とその特徴とは?淹れ方からおすすめまで解説」の記事を参考にしてください。
デンマーク
デンマークにはコーシェリとほぼ同じ意味合いの「ヒュッゲ」という言葉が存在しています。
ホッとする時間や空間を作り上げたり、それらを行って感じる多幸感のことを指す、いわばデンマーク人の心の持ちようや時間の過ごし方といえます。
そういった意味では親しい人とコーヒーを楽しむ時間は正しくヒュッゲの一つといえるでしょう。
ちなみにデンマークは、実はバリスタチャンピオンを4人輩出している注目国の一つでもあります。
デンマークのコーヒーについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をチェック!
アイスランド
アイスランドのコーヒータイムは「カッフィパウサ」と呼ばれています。
アイスランドの人々もコーヒーが大好きで、首都レイキャビクには至るところにカフェが点在しているそうです。
また、現時点でアイスランドにはスターバックスが存在しません。
人口が30万人とけして多くはないため、かえって独自のカフェ文化が根付いているのかもしれませんね。
北欧コーヒーで通販・買い物するなら「Qdo」がおすすめ
ここで皆様に北欧のオシャレなコーヒーウェアやティーウェア、雑貨などが購入出来る「Qdo」を紹介致します。
北欧といえばおしゃれなデザインが思い浮かびますよね。
シンプルで機能的なデザインに、ポップで明るいカラーリングは使う人を選びません。
「Qdo」ではそんな北欧雑貨の通販を行っており、北欧風のコーヒーを楽しむのにぴったりなコーヒーウェアも取り扱っています。
5500円以上は送料無料で、ギフトラッピングも無料で行ってくれるためプレゼントにおすすめ!
また、新規会員登録ですぐに使える500ポイントがもらえるキャンペーンも行っているため、ギフト選びに悩んでいる方は是非一度のぞいてみてください。
北欧のおすすめコーヒー3選!通販でも買える
ここまで北欧のコーヒーの特徴や味わいについて詳しく解説してきましたが、せっかくなら一度味わってみたいですよね。
ここではそんな方のために、通販でも買える北欧のおすすめコーヒーを3つほど紹介します。
まとめると以下の通り。
- PNB Coffee
- SLURP
- FUGLEN COFFEE
順番に解説します。
1. PNB Coffee
北欧の有名なロースターから最高級のコーヒーを仕入れ販売をしています。
現在はデンマークのロースター『The Coffee Collective』とスウェーデンのロースター『KOPPI』の豆を取り扱っており、通常販売の他にコーヒー豆のサブスクリプションを行っています。
2. SLURP
フィンランド発のコーヒー通販で、フィンランドやスウェーデンを始め、ドイツや日本など60名ほどのパートナー焙煎家の豆を取り扱っています。
クイズ形式で自分好みの豆をチョイスしてくれる上に、毎度違った豆が届くサブスクリプションを行っているため飽きさせません!
お試しサイズのコーヒーも販売していて安心です。
3. FUGLEN COFFEE
ノルウェーに本店があり、現在は海外第一号店として東京に「フグレントウキョウ」を置いている名店中の名店です。
オンラインストアではコーヒー豆や器具の販売、サブスクリプションを行っており、家でも名店の味を楽しむことが出来ます。
浅煎りで素材本来の品質の高さを感じられるコーヒーはもちろん、実店舗ではフードやお酒なども楽しむことができますよ。
抽出方法も様々で、以下のようなものがります。
- V60
- エアロプレス
- エスプレッソ
- バッチブリュー
- ペーパードリップ
コーヒー好きにはたまらないね。
北欧のおすすめコーヒーカップブランドおすすめ3選
北欧は家具だけでなく、雑貨やテーブルウェアもすてきなデザインで溢れています。
北欧のテーブルウェアブランドには世界的に有名なブランドも多数存在しており、世界中の人々のコーヒータイムに華を添えているのです。
今回はコーヒーカップを取り扱っているブランドの中でもおすすめな有名ブランドを3つほど紹介していきます!
まとめると以下の通り。
- イッタラ
- グスタフスベリ
- ロイヤルコペンハーゲン
1. イッタラ
フィンランドの小さなガラス工房から始まったイッタラは、現在ではアラビアを始めとする有名ブランドを子会社として抱えるまでに成長しました。
シンプルで機能的な美しさが特徴で、使うシーンを選びません。
コーヒーカップやマグカップはベーシックな形の中にどこか遊び心が感じられます。
シンプルゆえに飽きがこない、長く付き合いたくなるコーヒーカップたちです。
2. グスタフスベリ
スウェーデンで設立されたグスタフスベリは「猫のマイキー」で有名なリサ・ラーソンを輩出したブランドです。
設備は当時のものを活かし、手作りに近い工程を行なうためひとつひとつ違った表情があるのが特徴です。
コーヒーカップは安定感があり使いやすそうなデザインで、絵柄は大胆ながら素朴な温かみがあります。
このコーヒーカップでフィーカを楽しめば自然と笑顔になれそうです。
3. ロイヤルコペンハーゲン
ロイヤルコペンハーゲンは言わずと知れたデンマークの老舗ブランドです。
その歴史は18世紀後期から始まり、国宝認定までうけたフローラ・ダニカを始めとする数々の名作を生み出しています。
染め付けで描かれるブルー・フルーテッドはロイヤルコペンハーゲンの代名詞ともいえるデザインです。
コーヒーカップも上品なデザインのものが多く、口当たりが良さそうな厚みで北欧のコーヒーの味わいを引き立たせてくれそうです!
北欧コーヒーの美味しい飲み方
北欧では「フィールドコーヒー」と呼ばれる飲み方が存在します。
北欧の山仕事をする人たちに愛される飲み方だそうで、その淹れ方は至ってカンタン。
やかんやコーヒーポットでお湯を沸騰させ、少し粗目に挽いたコーヒーを投入し軽く煮出すというものです。
スプーンでかき混ぜたりしばらく放置したりと人によってこだわりがあるそうですが、最低限の器具と材料だけで淹れることができてアウトドアにぴったりの淹れ方といえます。
必要なものはやかん・コーヒーの粉・水だけ!
その味わいは、フィルターを通さないためオイルなどがしっかりと含まれておりコクが深くなるのだそう。
注ぐ時に粉が入らないよう注意が必要ですが、外でもとにかく手軽にコーヒーが飲めるのは良いですね!
フィンランドの有名なコーヒー「ユフラ・モッカ」はこのフィールドーコーヒー用の粉も販売しており、現在も愛されている飲み方であることが伺えます。
北欧コーヒーの特徴をおさえて様々な文化に触れよう!
いかがでしたか?
北欧のコーヒー事情から味わいに至るまでを詳しく解説していきました。
まとめると以下のとおりです。
- 北欧とはフィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの5カ国を指すことが多い
- コーヒーの消費量がNo.1の地域
- コーヒーの傾向は浅煎りで酸味が強くフルーティー
- 一日の間のコーヒータイムを大事にしている
実はムーミン好きの筆者にとって北欧は一度行ってみたい地域の1つです。
しかしコーヒー文化がここまで根付いているのは知りませんでした。
日々の生活を楽しみ愛す北欧の人の心のあり方が、彼らのコーヒー文化から感じられます。
忙しい毎日を送っているあなたも、北欧のコーヒータイムを取り入れて毎日をちょっと豊かにしてみませんか?