ブルンジ産のコーヒーの特徴ってどんなものがあるの?
ブルンジ産のコーヒー豆は他の豆と比較して美味しいのかな?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
何と輸出品のうち8割をコーヒーが占めているブルンジ共和国!そんなブルンジコーヒーの特徴について徹底的に解説していきます!
- ブルンジコーヒーの味わいは、サラリとしていて甘みが特徴的
- 小規模農園による栽培が大半nで、設備が少ない分手作業で行なうことが多い
- 殺虫剤や農薬を使用しない有機栽培コーヒーとして人気がある
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
続きはこちら
コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
コーヒーに支えられる国「ブルンジ共和国」とは?
ブルンジは、東アフリカ内陸に位置する小さな国家です。
国土面積は四国の約1.5倍程度であるのに対し、人口密度が1000万人を超えています。
公用語は主にルンディ語とフランス語で、スワヒリ語や英語が話されることもあるようです。
国の主な産業は農業であり、国民の9割が農業で生計を立てています。
その内コーヒー栽培を行っているのが約半数と、非常にコーヒーの生産に特化しているのがブルンジという国の大きな特徴です。
コーヒー栽培がブルンジの国や人々を大きく支える産業となっているよ!
ブルンジ産コーヒーの特徴
そんなブルンジで栽培されるコーヒーの特徴とは一体どのようなものなのでしょうか?
ここではブルンジ産コーヒーの味わいや、精製方法について詳しく解説していきます。
味わい
ブルンジで栽培されるコーヒーの味わいは、強すぎないさっぱりとした爽やかな酸味と、ほんのりと心地いい甘みが特徴です。
隣国がキリマンジャロで有名なタンザニアであるためか、味わいの傾向が少し似ています。
ブルンジのコーヒーは主に標高1250m以上の高地で栽培されており、昼夜の寒暖差が大きくコーヒーの実がよく引き締まります。
そのことがコーヒーの味わいに影響を及ぼし、ブルンジ産コーヒーの特徴である甘みが感じられるのです。
高地栽培は難易度が高く成長に時間がかかるぶん甘くて美味しいコーヒーになるよ!
キリマンジャロについては「キリマンジャロコーヒーとは?特徴・淹れ方からおすすめ3選まで紹介」の記事を参考にしてください。
精製方法
ブルンジのコーヒーは多くの農家で主にウォッシュド製法が採用されています。
ウォッシュド製法とはカンタンにいうと、豆を水で洗浄する精製方法です。
その他の精製方法よりも粒が揃いやすく精製度が高いため、雑味や苦味の少ないクリーンな味わいのコーヒーとなります。
しかしウォッシュド製法は水資源が豊富な土地でなければ採用することが難しいという側面も…
近年ではあえて果肉を残して豆に甘さを移すハニープロセスを採用する農家もいるようです。
ウォッシュドについてより詳しく知りたい方は「【専門家が解説】コーヒー豆のウォッシュドとは?特徴やおすすめも紹介」の記事をチェック!
ブルンジコーヒーの歴史
ブルンジのコーヒーの歴史は、まだブルンジがベルギーの植民地であった1930年代に遡ります。
その時代にベルギー人によってアラビカ種の苗が持ち込まれ、コーヒー栽培が始まったのです。
それ以降ヨーロッパ向けの換金作物としてコーヒー栽培が盛んに行われていたブルンジですが、1962年にベルギーから独立して以降の約20年間は国内の情勢が安定しませんでした。
国内で民族間の対立が深刻となり、紛争が絶えなかったのだそうです。
それによりブルンジのコーヒー栽培は衰退の兆しを見せていましたが、とある転機が訪れます。
もともと数人体制の小規模農家が多く、余り設備や教育が行き届かなかったためブルンジのコーヒーは品質向上の必要性がありました。
殆どを手作業で行なうので、必然的に有機栽培となっていました。
だけど設備投資や教育以外に、その流通体制にも改善が必要で課題もたくさんあったみたい。
COE(センターオブエクセレンス)が行われるまでに成長
そこで政府はコーヒー産業で国内の経済を回復させる方針を決定し、それ以降ブルンジのコーヒーの品質が向上していったのです。
そして1990年代には国連によるグルメコーヒープロジェクトの対象国に選ばれることとなりました。
民間や国営のコーヒー企業による尽力のもと安定したコーヒーの生産と品質の改善が行われたブルンジは、2012年にはCOEが行われるまでに至っています。
そして現在ではアフリカの最貧国であるにも関わらず、高品質なスペシャルティコーヒーの産出国へとなったのです。
ブルンジコーヒーの栽培方法
高品質なコーヒーを産むブルンジのコーヒーの主な生産地や栽培品種、栽培環境についても詳しくみていきましょう!
生産地
ブルンジの主なコーヒーの生産地は以下の3つです。
- カルシ県(中西部)
- カヤンザ県(北部)
- ンゴジ県(北部)
栽培地域は北部に集中しており、国内コーヒー農家の内87%が北部で栽培を行っています。
また、中でもンゴジ県はもっとも生産が盛んな地域といえるでしょう。
ブルンジはそれぞれの村にウォッシングステーションといわれるコーヒー豆の加工場を持っており、そこに各生産農家がコーヒーを持ち込んで精製処理を行っています。
そんな国内のウォッシングステーションの4分の1がンゴジ県にあるのです。
他にもカヤンザ県は高品質なスペシャルティコーヒーを生産することで有名です!
栽培されている品種
ブルンジで主に栽培されているコーヒーの品種とその特徴を表にまとめました。
ブルボン | ティピカ(原種の一つ)の突然変異種。古くからある品種で比較的病気に強く収穫量が多い。濃厚なコクや芳醇な風味、甘みが特徴。実の色は赤、黄色、オレンジ、ピンクと様々。 |
ミビリジ | 1904年にドイツ宣教師使節団が持ち込んだグアテマラのブルボン種。ブルンジの西部にあるミビリジという村に持ち込まれたもの。 |
ジャクソン | ブルボン種とリベリカ種が自然交配したものを、再びブルボンと交配させた品種。主な栽培地域はブルンジとルワンダ。 |
これらの中でも栽培の大半を占めているのは、病気に強く栽培量の多いブルボン種です。
日本ではブルボン種の人気が高いため、輸入量も増加しています。
栽培環境
熱帯性気候のブルンジですが、タンガニーカ湖の影響や山が多く高地のため涼しい気候であることが特徴です。
他にも、水はけのよい火山性の肥沃な土壌や十分な降水量と日照量、朝夕の寒暖差などブルンジは美味しいコーヒーを栽培するのに十分な条件が揃っています。
小規模農園の多いブルンジは農家の設備が充実しておらず、殺虫剤や農薬もほとんど使用されません。
あらゆる工程をほぼ手作業で行なうため生産量が少ないのですが、その分品質の高い有機栽培のコーヒーとして人気があります。
ブルンジ産コーヒー豆の等級・格付け
ブルンジ産のコーヒーの格付けは「生産地」「サイズ」「精製方法」によって行われます。
それぞれの表記や具体的な内容は以下のとおりです。
生産地 | Ngoma(ンゴマ)、Kayanza(カヤンザ)、Muyinga(ムインガ)etc※評価の高いスペシャルティコーヒーの産地名 |
サイズ | スクリーンサイズ17〜15:AA→A→B※豆のサイズが大きいほど等級は高くなる |
精製方法 | フリーウォッシュド(完全に水洗式):FW セミウォッシュド(半水洗式):SW |
例えばンゴマ産のAAランクの豆で半水洗式であれば「ブルンジ・ンゴマ AA SW」といった表記になります。
ブルンジ産コーヒーのおすすめ3選!通販でも買える
品質の高いブルンジのコーヒーは、コーヒー好きならぜひ試してみたいですよね。
ここでは以下のおすすめのブルンジ産コーヒーを3点ほど紹介していきます。
- TAKAMURA COFFEE ROASTERS ブルンジ ギットウェンジ COE2019
- 吉良屋珈琲 ブルンジ ブジラ ウォッシングステーション
- THE BEANS ブルンジ 大地の鼓動 300g
通販でも購入できるので、気になったらぜひ試してみてくださいね!
1. COE入賞豆「TAKAMURA COFFEE ROASTERS ブルンジ ギットウェンジ COE2019」
柑橘系の香りや苦さのある非常に高品質なブルンジのコーヒーです。
その品質の高さから、2019年のCOEにて2位を受賞しています。
その後の世界同時オークションにてタカムラコーヒーロースターズが単独落札に成功しており、世界中でもこのコーヒーが飲めるのはタカムラロースターズだけ!
気になったら買うのが吉です。
商品詳細
価格 | 3672円 |
内容量 | 200g |
挽き方 | 豆のまま、中挽き |
2. バリスタ日本チャンピオンが厳選「吉良屋珈琲 ブルンジ ブジラ ウォッシングステーション」
バリスタ日本チャンピオンになったことのある吉良氏による自家焙煎コーヒーが飲めるのがこの吉良屋珈琲です。
そんな吉良氏の焙煎で飲むブルンジコーヒーは、温度変化による味の変化が楽しめるため飲んでいる間も飽きがありません。
余韻も長く、時間をかけてじっくりと味わうのにとてもおすすめ!
商品詳細
価格 | 1836円 |
内容量 | 200g |
挽き方 | 豆のまま、粗挽き、中挽き、細挽き、極細挽き |
3. オーダーメイド焙煎で味わう「THE BEANS ブルンジ 大地の鼓動 300g」
ブルンジコーヒーの持つ味や香りの個性を最大限楽しめるのがこちら。
後述しますが、ブルンジのコーヒーは焙煎によって様々な味わいを見せてくれます。
そんなブルンジのコーヒーをオーダメイド焙煎で味わえるため、様々な焙煎を試してブルンジのコーヒーを徹底的に楽しんでみてはいかがでしょうか。
商品詳細
価格 | 2280円 |
内容量 | 300g |
挽き方 | 豆のまま、9〜1番まで(フレンチプレス〜エスプレッソマシン) |
ブルンジ産コーヒーのおすすめの飲み方
どうせなら1番美味しい方法でブルンジのコーヒーを味わいたいですよね。
ここではブルンジのコーヒーの美味しい飲み方を徹底解説していきます!
おすすめの焙煎度合い
ブルンジのコーヒーは、その焙煎度合いによって大きく味わいが変化します。
ミディアム〜ハイローストなどの浅めの焙煎の際は、ジャスミン茶のような華やかで上品な香りや味わいです。
苦味も控えめになるため、さっぱりとした味わいを楽しみたい方は比較的浅煎りで飲むといいでしょう。
フルシティロースト以降の深めの焙煎の際は、チョコレートのような甘みや深いコクを味わうことができます。
深煎りした際はミルクとの相性も良くなるため、ラテで楽しむのもおすすめです。
焙煎度合いについて詳しい知りたい方は「コーヒー豆のローストとは?焙煎の違いは全部で8段階【初心者必見】」の記事をチェック!
おすすめの抽出方法・淹れ方
ブルンジ産のコーヒーにおすすめの抽出方法はネルドリップです。
ブルンジのコーヒーが持つ甘みやコクを最大限引き出せる抽出方法になります。
苦味をおさえサラリとした味わいを楽しみたい方にはペーパードリップもおすすめです。
焙煎によって抽出方法を変えてみるのも面白いかもね!
ブルンジのコーヒーを飲んで世界の文化に触れてみよう!
今回はブルンジのコーヒーについて、特徴や味わいに至るまでを徹底解説していきましたが、いかがでしたでしょうか?
本記事をまとめると以下のとおりです。
- ブルンジにとってコーヒーは非常に重要な産業
- 気候条件が美味しいコーヒーを栽培するのに向いている
- 小規模農園による栽培がほとんどで、設備が少ない分手作業で行なうことが多い
- 殺虫剤や農薬を使用しない有機栽培コーヒーとして人気
- 味わいはサラリとしていて甘みが特徴的
- 焙煎によって様々な味わいが楽しめる
最貧国に数えられ裕福とはいえないブルンジですが、その分国がコーヒー産業に力を入れ高品質なコーヒーが栽培されています。
激動の時代を乗り越えて国としてもコーヒーの生産地としても成長しているブルンジ。
そんなブルンジのコーヒーを飲んで、良質なコーヒーを生産する国を支えてみませんか?
また同じ東アフリカで生産されている地域のコーヒーも美味しいので、ぜひチェックしてみてください。