
コーヒーに含まれるタンニンって何?



タンニンの含有量ってどのくらいなの?
コーヒーの「タンニン量」として紹介される数値の出典と限界を確認し、鉄分の吸収や歯の着色について解説します。デカフェの表示からタンニンが少ないと判断できない点も整理しました。
- 成分量の数値は測定対象と抽出条件の確認が必要。旧資料の参考値をすべてのコーヒーに当てはめない。
- 鉄欠乏性貧血がある場合は飲み方を医療者に相談する。抗酸化作用だけで飲用による美容・疾病予防効果を断定しない。
- デカフェはカフェインを減らしたコーヒーであり、タンニン除去率を保証する表示ではない。


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コーヒーの「タンニン量」は測定対象と条件に注意


コーヒーの成分を調べると、「タンニン」「クロロゲン酸類」「ポリフェノール」という言葉が出てきます。含有量の比較では、測定対象と方法の確認が重要です。
全日本コーヒー協会の分析報告では、クロロゲン酸類と総ポリフェノールを別の方法で測定しています。クロロゲン酸類はポリフェノールの一群ですが、総量と同じ数値ではありません。
下表は、千葉県薬剤師会の旧解説にある「タンニン」欄から5種類を抜粋した参考値です。ページには測定法や豆・茶葉の量などの条件が示されていません。現在飲んでいる1杯の量や、飲料一般の優劣を示すものではありません。
旧資料に掲載された参考値と限界
| 飲料(100ml) | 旧資料のタンニン参考値(mg) |
|---|---|
| コーヒー | 110 |
| インスタントコーヒー | 52 |
| 紅茶 | 37 |
| 緑茶 | 18 |
| ウーロン茶 | 32 |
表の110mgを150mlに換算すると計算上は165mgですが、実際の1杯に必ずこの量が含まれるという意味ではありません。



資料の数値を、今飲んでいる1杯の実測値と取り違えないようにしよう。
鉄の吸収やお腹の症状についての注意


コーヒーを飲む人が必ず貧血・便秘になるわけではありません。鉄の吸収への影響と、お腹の症状は分けて考えましょう。
- 鉄の吸収への影響
- 腹痛や下痢がある場合の注意
鉄欠乏性貧血がある場合は飲み方を相談する
NHSの鉄欠乏性貧血の解説では、多量のコーヒーやお茶は鉄の吸収を妨げるため、鉄欠乏性貧血のある人に控えるよう案内しています。
一方、鉄欠乏性貧血には出血や食事からの鉄不足など複数の原因があります。「コーヒーのタンニンが原因」と自己判断しないことが大切です。
貧血を指摘されている方や鉄剤を服用中の方は、飲む量や服薬との間隔を医師・薬剤師に確認してください。症状の原因や治療方針は、血液検査などを踏まえて判断します。
下痢止めとしてコーヒーを使わない
飲んだ後に腹痛や便通の変化があっても、原因をタンニンだけに特定することはできません。症状が続く場合は飲用を控え、医療機関へ相談してください。
下痢を治す目的でコーヒーを飲むことはおすすめしません。NIDDKの下痢時の食事に関する解説では、カフェインを含むコーヒーなどは症状を悪化させる可能性がある飲み物として挙げられています。
コーヒーと便通については、関連記事「コーヒーと便秘の関係」もご覧ください。


コーヒーによる歯の着色と対処法


コーヒーは歯の表面に着色を起こす飲み物の一つです。米国歯科医師会の一般向け解説では、コーヒー・紅茶・赤ワインの色素が着色の原因になると説明されています。
歯の着色には、飲食物による表面の汚れだけでなく、加齢やけがなどによる変色もあります。見た目だけで原因をタンニンと決めつけないでください。
着色が気になる場合の対処は、次のように分けて考えましょう。
- 日常の歯磨きで表面の着色汚れをケアする
- 取れない汚れや変色は歯科医師に相談する
表面の着色汚れは歯磨きで落とせる場合もあり、「歯磨きでは落とせない」とは一律にいえません。落ちにくい汚れや歯の色の変化は、歯科医院で原因と対処法を相談してください。
掲載商品「オーラパールプラス」の確認ポイント


「オーラパールプラス」は薬用歯磨き剤です。
メーカーの製品説明には、薬用ハイドロキシアパタイトを含む有効成分と、次の効能効果が記載されています。
- 歯を白くする
- 歯周炎・歯肉炎の予防
- 口臭の防止
- 歯がしみるのを防ぐ
製薬会社の製品であることだけを理由に、誰にとっても安全と判断することはできません。使用方法や注意表示を確認し、異常を感じたら使用を中止して歯科医師などに相談してください。
美容・健康効果を断定できない理由


成分の抗酸化作用と、コーヒーを飲んだ人に現れる美容・健康効果は別の話です。
飲んで美肌・美白効果が得られるとは限らない
コーヒーを飲むことで毛穴や皮脂腺が引き締まるとは判断できません。成分を肌に塗る場合の作用を、そのまま飲用の効果に置き換えることもできません。
タンニンの摂取でシミやくすみを防げるという説明も、飲用で確かめた根拠に乏しい内容です。



成分の説明と、飲んだ人への効果は分けて読もう。
コーヒーと美容の関係については「コーヒーの美容効果はウソ?ホント?正しい飲み方や活用法を徹底解説」の記事を参考にしてください。


抗酸化作用と老化防止は同じではない
NCCIHの解説では酸素を含む反応性の高い物質と酸化ストレスを説明していますが、抗酸化物質を多く摂れば常に健康に役立つわけではないとも指摘しています。これをコーヒーによる老化防止の根拠にはできません。



抗酸化作用という言葉だけで効果を判断しないようにしよう。
病気の予防効果には別の検証が必要
試験で成分の抗酸化作用が示されても、それだけでは人の病気を予防できる証明になりません。対象者・摂取量・期間・評価した結果を区別して読むことが重要です。
コーヒーのタンニンで動脈硬化・心筋梗塞・くも膜下出血・脳出血を防げるとは判断できません。



病気の予防や治療をコーヒーに任せないようにしよう。
コーヒー全体の効果・メリットが知りたい方は「驚くべきコーヒーの効果とは?メリット・デメリットを含めて完全解説」の記事をチェック!


デカフェとタンニン除去を混同しない
デカフェはカフェインを減らしたコーヒーのことです。FDAは、デカフェにもカフェインが残る場合があると説明しています。「タンニンを除いたコーヒー」という意味ではありません。
カフェインレスコーヒーについては、次の関連記事で解説しています。


コーヒーのタンニンと上手に付き合おう!


記事の要点をまとめます。
- タンニンの特徴:成分量の数値は測定対象と抽出条件の確認が必要。旧資料の参考値をすべてのコーヒーに当てはめない。
- 健康への影響:鉄欠乏性貧血がある場合は飲み方を医療者に相談する。抗酸化作用だけで飲用による美容・疾病予防効果を断定しない。
- タンニンを含むコーヒーの選び方:デカフェはカフェインを減らしたコーヒーであり、タンニン除去率を保証する表示ではない。
コーヒーを飲むことと、特定の成分の作用を混同しないようにしましょう。美白・老化防止・病気の予防を目的に、飲む量を増やすことはおすすめしません。
成分量や除去率を確認できない商品を「低タンニン」として選ぶことは避けましょう。体調や治療に関わる飲み方は、医療者の指示を優先してください。
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