シンガポールの伝統的なコーヒーを知りたい
シンガポール産コーヒーの特徴は?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
シンガポールには独自のコーヒー文化があり、コーヒーは「コピ(Kopi)」の名前で親しまれています。
焙煎方法も淹れ方も独特な「コピ」。
この記事ではコピの歴史や特徴、日本でも飲める場所を紹介していきます!
- コピとはシンガポールで親しまれているコーヒーで、マレー語を語源としている
- しっかりと強めに抽出したコーヒーに、砂糖・コンデンスミルクなどをたっぷりいれて飲むのが特徴
- 19世紀にシンガポールはイギリスの支配下におかれますが、その頃からコピの文化が発展
- コピは特別に焙煎されたコーヒーを専用器具で抽出する
- コピの種類は18種類以上
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
シンガポールのコーヒー「コピ」とは?
シンガポールのコーヒー「コピ」について特徴から歴史、淹れ方を解説します。
コピの特徴
コピとはシンガポールで親しまれているコーヒーで、マレー語を語源としています。
しっかりと強めに抽出したコーヒーに、砂糖・コンデンスミルクなどをたっぷりいれて飲むのが特徴。
東南アジアでは似たような飲み方をする国が多いですが、その種類の多さや焙煎の仕方がシンガポール特有です。
コーヒーを焙煎する際、途中で砂糖をたっぷりと入れて甘さをつけます。
この焙煎方法はスペイン発祥の「トレファクト(Torrefacto)」というもの。
当時はコーヒーをより長く保存できると考えられていたり、低品質のコーヒーの風味を補うために行われていました。
コーヒー豆の品種は、アラビカ種は高級で手が届かないものであったため、ロブスタ種が主流となりました。
コピの歴史
東南アジア地域にコーヒー文化が根付いたのは、ヨーロッパからの影響があります。
16~17世紀にかけて、ポルトガルやオランド商人がコーヒーをもたらしたといわれています。
19世紀にシンガポールはイギリスの支配下におかれますが、その頃からコピの文化が発展。
当時シンガポールに移り住んだヨーロッパ人の家庭では、中華系の人が料理人として仕えていました。
ヨーロッパ人からもたらされたコーヒー文化が料理人たちを通じて広まり、現地の人の好みにもあうような形で普及していきます。
コピの淹れ方
コピを作るのに必要な基本材料は、コーヒー豆・お湯・練乳です。
コーヒー豆はロブスタ種が使われ、Wokという中華鍋でバターや砂糖とともに焙煎されます。
この焙煎により、独特の味わいとアロマが生み出されます。
コーヒーを粉に挽いたら、専用の形をしたポットとSockと呼ばれる円錐形の布フィルターのようなものを使って抽出します。
抽出時にはポットを2つ使い、そのうち1つにフィルターをセットしコーヒーを入れます。
フィルター付きのポットにお湯を注ぎ、撹拌・蒸らしの後、もう1つのポットに注ぎます。
ポットからカップに移し、砂糖・練乳を加えて完成です。
20種類以上あるシンガポールのコーヒー「コピ」の飲み方
シンガポールで親しまれているコピは、その種類がなんと18種もあるとされています。
この章ではコピの違いを紹介していきます!
基本のコピ
スタンダードなコピは、コーヒー+砂糖+練乳。
この3要素を好みに合わせて、いかに調整するかで種類が増えていきます。
オーダーの基本となるコピ3種は以下の通り。
オーダー名 | 内容 |
---|---|
コピ(Kopi) | コーヒー+砂糖+練乳 |
コピオ(Kopi-O) | コーヒー+砂糖 |
コピシー(Kopi-C) | コーヒー+砂糖+無糖練乳 |
練乳はコンデンスミルクの名前でも親しまれている甘いもの。
Kopi-Cに使われている無糖練乳は、エバミルクと呼ばれる甘さのないものです。
カスタマイズ編
3つの基本形は覚えられたでしょうか?
次はカスタマイズ方法を紹介していきます。
このカスタマイズを覚えると、甘さや練乳・コーヒーの濃さを調節できます。
カスタム項目 | オーダー方法 |
---|---|
氷 | Peng(ピン) |
コーヒー少なめ | Po(ポ) |
コーヒー多め | Gau/Gao(ガオ) |
かなり濃いコーヒー | Di Lo(ディロ) |
コンデンスミルク多め | Gah Dai(ガータイ) |
甘さ少なめ | Siew Dai(シュウタイ) |
上記のカスタマイズを、基本形にプラスして伝えると好みに調整できます。
Kopi(コーヒー+砂糖+練乳)ベースで飲みたい場合は以下の通りです。
オーダー | 読み方 | 内容 |
---|---|---|
Kopi | コピ | コーヒー+砂糖+練乳 |
Kopi Peng | コピ・ピン | コピ+氷 |
Kopi Gau | コピ・ガウ | コピ+コーヒー多め |
Kopi Po | コピ・ポー | コピ+コーヒー少なめ |
Kopi Siew Dai | コピ・シュー・タイ | コピ+甘さ少なめ |
Kopi Gah Dai | コピ・ガー・タイ | コピ+甘さ多め |
Kopi Di Lo | コピ・ディ・ロ | コピ+コーヒーかなり濃いめ |
甘さも練乳も入っていない、ブラックコーヒーが飲みたい!という方もいますよね?
ブラックコーヒーが欲しい場合には、ミルクのないKopi-Oをベースに頼みます。
オーダー | 読み方 | 内容 |
---|---|---|
Kopi-O Kosong | コピ・オー・コソン | コーヒー |
Kopi-O Kosong Peng | コピ・オー・コソン・ピン | コーヒー+氷 |
Kopi-O Gau Kosong | コピ・オー・ガウ・コソン | コーヒー多め(濃いめ) |
Kopi-O Po Kosong | コピ・オー・ポー・コソン | コーヒー少なめ(薄め) |
日本でもシンガポールのコーヒー「コピ」が飲める?
日本のコーヒースタイルとは違うコピですが、日本国内でも飲める場所があります。
コーヒーストール「Ya Kun Kaya Toast」
1944年創業のシンガポールカフェ「ヤクンカヤトースト」が東京都内に出店しています。
シンガポールでは、小さな喫茶室のような場所をコーヒーストールと呼びます。
伝統的なコーヒーストールから始まり、今ではシンガポール内で20店近くに増えています。
店舗情報
東京国際フォーラム店
店舗名 | Ya Kun Kaya Toast 東京国際フォーラム店 |
住所 | 〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5−番1号 区画名称:C-1-1 東京国際フォーラム 1階 |
営業時間 | 月~日 8:00~20:00(LO 19:00) 定休日 なし 12/29~1/3お休み(4日~通常OPEN) |
電話番号 | 03-6812-2633 |
アクセス | ・有楽町線有楽町駅D2出口から徒歩約3分 ・山手線有楽町駅国際フォーラム口から徒歩約2分 |
霞が関ビル店
店舗名 | Ya Kun Kaya Toast 霞が関ビル店 |
住所 | 〒100-6001 東京都千代田区霞が関3丁目2−5 霞が関ビルディング 1F 霞ダイニング |
営業時間 | 月~金 8:00~20:00(LO 19:00) 定休日 土・日・祝 12/29~1/3お休み(4日11~17時OPEN、5日~通常OPEN) |
電話番号 | 03-6268-8809 |
アクセス | ・銀座線虎ノ門駅から徒歩約5分 ・千代田線霞ヶ関駅から徒歩約8分 |
メニュー情報
Ya Kun Kaya Toastのメニューを紹介していきます。
ドリンク
コピはホット・コールド両方あり、ティーに変更できるのも特徴。
コピ(コーヒー)/ティー[コンデンスミルク+エバミルク入り] Regular:¥400
アイスコピ (アイスコーヒー) / アイスティー [コンデンスミルク+エバミルク入り] Regular:¥400
コピ-O/ティー-O[ミルク無し砂糖入り] Regular:¥350
コピ-C (コーヒー-C) / ティー-C [エバミルク+砂糖] Regular:¥400
カヤトースト
コピに以外に、店名にもなっているシンガポールのソウルフード「カヤトースト」も食べられます。
カヤ・ジャムという甘いペーストとバターがサンドされた、リッチなトーストです。
カヤトースト・バター:¥480
カヤ・ジャムは、マレーシアやシンガポールなどの東南アジアの国々で人気のあるスイーツの1つで、ココナッツと卵を主な材料として作られたジャムです。
カヤとは、マレーシア語やインドネシア語で「卵黄」という意味です。
一般的には、卵黄、砂糖、ココナッツミルク、パンダン葉などを混ぜ合わせて加熱し、濃厚な甘いジャム状に仕上げます。
朝食にトーストに塗ったり、パンケーキのトッピングとして使ったりすることが一般的です。
また、カヤ・ジャムは、カヤトーストと一緒に出されることが多い、シンガポールの代表的な朝食の一つでもあります。
トーストの焼き具合、カヤ・ジャムのレシピ、バターの厚さで微妙に味わいが変化するため、店舗によっても味が変わるのも魅力です。
シンガポールに根付くコーヒー文化「コピ」を飲んでみよう!
いかがでしょうか?
シンガポールスタイルのコーヒー、「コピ」について紹介していきました。
ポイントは以下の通りです。
- コピはシンガポール伝統の甘いコーヒー
- 特別な焙煎方法と専用の器具が使われる
- コピはカスタマイズ次第で18種類以上ある
- 日本でも飲める場所がある
日本とは違うスタイルの「コピ」、ぜひ一度飲んでみてください!