コーヒーはよく飲むけど、最適な時間帯ってあったりするの?
コーヒーは夜飲むといけないの?正しい飲み方も知りたい!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
- コーヒーを飲む最適な時間
- 夜の時間帯に飲むのはダメ
- コーヒーの効果が続く時間
- コーヒーの正しい飲み方
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
続きはこちら
コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
コーヒーは西洋医学が発展する以前から薬の代用としてもちいられてきました。
近年でもコーヒーの成分が人の心身へ様々な影響を与えるものであると明らかにしています。
この記事では、コーヒーを効果的に活用できる飲み方を紹介します。
それでは早速見ていきましょう。
コーヒーを飲む最適な時間・タイミング
結論、集中したい時、または有酸素運動前の1時間前に飲むのが最適です。
これはコーヒーに含まれるカフェインの血中濃度の最高到達時間がカフェイン摂取後30分~120分後だからです。
コーヒーに含まれるカフェインはアデノシンという物質に似ており、摂取すると、体に吸収されて血流に乗り、脳関門を通過し、脳内に入ります。
脳内にはアデノシン受容体というアデノシンを受け取る場所があり、アデノシン受容体とカフェインが結合すると、ドーパミン、ノルアドレナリン、グルタミン酸などの神経伝達物質が放出されます。
これらの神経伝達物質は興奮や覚醒といった交感神経が優位になる働きを脳にもたらします。
これらの神経伝達物質は脳の機能を活性させることにより、注意力や集中力、記憶力を向上させることがわかっています。
記憶力が向上したという研究結果もある
とある研究では、被験者にコーヒーを飲ませて、1時間後に記憶力のテストをしたところ、記憶力が向上したという結果が出ています。
また、有酸素運動などの持久運動の能力を最大限に引き出す作用があります。
このようなことから、コーヒーを飲むのに最適な時間は、集中して作業をしたい時や、試験勉強などの記憶をしたい時、マラソンなどの有酸素運動をする1時間前に飲むことをおすすめします。
参考資料:コーヒーと健康 栗原 久
コーヒーを夜の時間帯に飲むのはNG
コーヒーを夜の時間帯に飲むと睡眠の質が下がります。
コーヒーに含まれるカフェインは摂取後6時間以内は睡眠に大きな影響を及ぼすからです。
睡眠は副交感神経が優位になる事により、入眠、質の向上につながります。
逆に交感神経が優位になっている状態では、眠れない、眠っても途中で起きてしまう中途覚醒が起こってしまいます。
副交感神経が優位な状態とはリラックスした状態です。
交感神経が優位な状態とは興奮状態です。
コーヒーに含まれるカフェインは脳を興奮や覚醒する神経伝達物質の元になる成分なので、眠りを妨げる大きな要因になります。
カフェインは約6時間体内に残る
カフェインは摂取すると、6時間もの間は体内に残ると言われています。
夜の0時に寝るとしても、6時間前は午後18時です。
つまり、夜と言われる時間帯にコーヒーを飲んでしまうと、カフェインが寝る時間に体内に残留しており、副交感神経を優位にさせる働きが悪くなってしまいます。
睡眠は健康の基本です。
睡眠の質が悪くなると、日中の活動にも悪い影響を及ぼします。睡眠の質を低下させないように、夜の時間帯にはコーヒーを飲むことを控えましょう。
夜に飲むコーヒーについては「夜にコーヒーを飲むメリット・デメリット!飲みたい時の対処法とは?」の記事をチェック!
コーヒーの効果はどのくらいの時間続くのか
結論、コーヒーの効果は約2時間くらいです。
コーヒーに含まれるカフェインの血中濃度が最高値に達するのがコーヒー摂取後30分後から2時間後くらいまでだからです。
カフェインの研究で、高速道路での運転技術とカフェインの相関を調べた実験があります。
この実験によると、カフェインを含むコーヒー1杯を飲んで高速道路を運転すると、コーヒーを飲まないで運転した時と比較して、運転技術が向上したという結果が出ています。
その効果はコーヒーを飲んで約1時間くらいもの間続いたそうです。
つまり、カフェインの血液中の濃度が高い間は、カフェインの覚醒効果があり、集中力や判断力が高まっていたということになります。
このようなことから、コーヒーは飲んで2時間くらいの間は効果が持続すると言えます。
参考資料:日常生活の中におけるカフェイン摂取 -作用機序と安全性評価- 栗原 久
【時間帯別】コーヒーの正しい飲み方
集中して何か作業したい時は1杯、試験勉強の時は多くても2~3杯にしましょう。
有酸素運動時には1杯以上、日常的に気分を良くしたい時は2杯~5杯のコーヒーを飲むことをおすすめします。
カフェインの効果と摂取量についての研究で、大量に摂取しても効果は上がらないことが認められています。
実験によると、注意力や集中力向上にはコーヒー1杯分のカフェインが効果を発揮し、2杯以上飲んでも、更に効果が上がることはなかったと述べています。
カフェイン摂取量はある程度必要
また、有酸素運動とカフェインの実験では、コーヒー1杯以下だと効果が実証できず、1杯以上飲んでから、運動機能が上がることが確認されました。
つまり、運動機能向上の為には一定以上のカフェイン摂取量が必要であるということです。
不安が軽減
また、1日2杯~5杯のコーヒーを飲むと、快楽感を高めて、不安が軽減されます。
これは、コーヒーを飲む習慣がある人と、ない人を比較した実験で、メンタル疾患になる人の確率が、コーヒーを飲む習慣がある人の方が低く、コーヒーを飲む習慣がない人の方が高いという結果が出ていることにより、実証されています。
しかし、コーヒーを1日5杯以上飲むというカフェイン大量摂取は逆に不安感、神経質、イライラなどの緊張感を高めてしまい、マイナス要素になります。
健康な成人の効果的なカフェイン摂取量は1日400㎖gと言われ、これはコーヒー3杯~5杯程度になります。
その時の状況や目的に合わせて飲む量を調節し、飲み過ぎには注意をしましょう。
時間が経ったコーヒーはなるべく避ける
味がまずくなるだけではなく、コーヒーの健康効果がなくなります。
なぜなら、時間が経過したコーヒーはポリフェノールが減少するからです。
コーヒーの保存による成分や味への影響という研究によると、時間が経ったコーヒーはポリフェノールの一つであるクロロゲン酸が減少するという研究結果が明らかになりました。
クロロゲン酸はコーヒーの味に大きな影響を及ぼすので、クロロゲン酸が減少してしまうと、コーヒーの豊かな味や香りが台無しになります。
それだけではありません。
クロロゲン酸は抗酸化作用があり、体の活性酸素を除去してくれ、体の老化を予防してくれる作用があります。
認知症、肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病予防に効果があるのです。
クロロゲン酸の効果
コーヒーの健康への効果はこのクロロゲン酸の働きが大きいのです。
そのクロロゲン酸は、時間の経過と共にコーヒーの成分から減少してしまいます。
成分が少なくなるということは、健康効果も減少するということになります。
味が落ちるだけでなく、コーヒーの健康効果も期待できなくなり、コーヒーを飲む意味を失いかねません。
コーヒーは鮮度が命と言うのは、このようなことが関係しているのです。
なので、コーヒーは必ず新鮮な状態で飲むようにしましょう。
クロロゲン酸に関しては「コーヒーに含まれるクロロゲン酸の効果とは?含有量から飲み方まで解説」の記事で詳しく解説しています。
コーヒーを飲む時間帯を変えることで習慣も変わる!
いかがでしたでしょうか?
コーヒーを飲む最適な時間を紹介しつつ、気になる効果から飲み方まで完全解説しました!
今回の記事で重要なことをまとめると以下のとおりです。
- コーヒーを飲む時間帯としては、集中したい際や有酸素運動前の1時間前に飲むのが最適
- コーヒーを夜の時間帯に飲むと睡眠の質が下がる
- 集中して何か作業したい時は1杯、有酸素運動時には1杯以上がおすすめ
コーヒーは私たちの心や体に良い成分をたくさん含んでいます。
しかしながら、逆に飲み方や、飲む時間によって、その効果がマイナスに働いてしまうこともあります。
せっかくの良い作用を無駄にしないように、目的に合わせた効果的な飲み方を取り入れてみましょう。
コーヒーを飲む時間帯を変えることで習慣も変わるはずです!
またコーヒーを飲む時間が原因で動悸する場合もあります。詳しくは「【最新】コーヒーを飲んで動悸がする原因とは?その対処法・治し方も解説」の記事を参考にしてください。