
コーヒーと一緒にビタミンCをとると、ビタミンCが壊れるって本当?



コーヒーの成分でビタミンCが壊れるわけではありません。減る主な原因は熱と時間で、飲み合わせで気を付けたいのはビタミンより鉄です。
コーヒーを飲んでも、ビタミンCは問題なくとれます。ビタミンCを減らす主な原因はコーヒーの成分ではなく熱で、インスタントコーヒーにビタミンCを加えて溶かした実験では、冷水なら30分後も減少は約1割、熱湯では30分で約3割が失われました。ビタミンCのサプリや果物は、熱いコーヒーに溶かさず別々にとれば十分です。
コーヒーとの飲み合わせで本当に気を付けたいのは鉄です。コーヒーのタンニンは植物性食品の鉄(非ヘム鉄)の吸収を抑えます。この記事では、コーヒーとビタミンの関係を公的資料と実験データで整理し、ビタミン剤を飲むときの注意とカフェインの目安も紹介します。
- コーヒーの成分がビタミンCを壊すわけではない。減る原因は熱と時間(熱湯で30分に約3割)
- コーヒー自体のビタミンCは100mlあたり0mg。ビタミンCの補給源にはならない
- ビタミンCが尿に出るのは体内が満たされたとき。コーヒーで吸収した分が失われるわけではない
- 飲み合わせで注意したいのは鉄。タンニンが吸収を抑えるので、鉄剤や鉄の多い食事とコーヒーは同時を避ける
- カフェインは成人で1日400mgまでが目安。ドリップコーヒー1杯(150ml)は約90mg


コーヒー豆研究所の運営者、げんた(@topcoffeelab)のプロフィールです。
運営サイトについて
コーヒー情報サイト「コーヒー豆研究所」を運営しています。各記事の情報源や検証内容は本文をご確認ください。コーヒー豆のブランド「ラボカフェ」の情報も公開しています。
コーヒーでビタミンCは破壊される?減る原因は熱と時間


コーヒーの成分がビタミンCを壊すわけではありません。ビタミンCは熱に弱く、時間がたつほど分解が進むため、熱いコーヒーに溶かして置いておくと量が減ります。
コーヒーにはビタミンCがほとんど含まれない
そもそもコーヒーには、ビタミンCが含まれていません。日本食品標準成分表で淹れたコーヒー(浸出液)の値を見ると、ビタミン類で目立つのはナイアシンくらいです。
| 成分(コーヒー浸出液100gあたり) | 量 |
|---|---|
| ビタミンC | 0mg |
| ビタミンB1 | 0mg |
| ビタミンB2 | 0.01mg |
| ナイアシン | 0.8mg |
| カリウム | 65mg |
| マグネシウム | 6mg |
コーヒーはビタミンCの補給源にはならないので、ビタミンCは果物や野菜、サプリメントからとります。「コーヒーを飲んでいるからビタミンも足りている」とは考えないようにしましょう。
ホットコーヒーに溶かしたビタミンCは30分で約3割減る
長野県短期大学の荻原・箱山の研究(コーヒー中のビタミンCの安定性について)では、インスタントコーヒーにビタミンCを加え、保存中と溶かした後の残り方を調べています。
| 条件 | ビタミンCの変化 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 粉に混ぜて約20℃で90日保存 | ほとんど変化なし | コーヒーの成分でビタミンCは壊れにくい |
| 冷水で溶かして30分 | 約10%減少 | 冷たい状態なら大きくは減らない |
| 熱湯で溶かして30分 | 約30%減少 | 熱と時間で分解が進む |
たとえばビタミンC100mgを熱いコーヒーに溶かして30分置くと、残るのは約70mgの計算です。ビタミンCの粉末やサプリをホットコーヒーに溶かして飲む習慣がある人は、水で別に飲むか、冷たいコーヒーにするとロスを減らせます。
コーヒーはビタミンの吸収を阻害する?
コーヒーと一緒にとったビタミンCやビタミンB群が、コーヒーのせいで吸収されなくなるわけではありません。よく言われる「コーヒーの利尿作用でビタミンが流れ出る」という説明は、水溶性ビタミンが尿に出る仕組みと合っていません。
ビタミンCが尿に出るのは体内が満たされたとき
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会の資料では、尿に出るビタミンCの量について「体内不飽和時には排泄量が非常に少ない.飽和時には摂取量の増加に伴って排泄量が増加」と整理しています。体内のビタミンCが足りていないうちはほとんど尿に出ず、満たされたあとにとった分が尿へ出るということです。
つまり、尿に出るビタミンCは体が使い切れなかった分です。コーヒーを飲んでトイレが近くなっても、体に必要な分まで一緒に失われるわけではありません。ビタミンCを無駄なくとりたいなら、1回に大量にとるより、食事ごとに果物や野菜から分けてとるほうが理にかなっています。
ビタミンB群も同じ水溶性ビタミン
ビタミンB1やB2も水に溶ける水溶性ビタミンで、同じ資料では、体内が満たされると尿への排泄量が急に増えることを、必要量を決める目安に使っています。コーヒーとビタミンB群の関係も、ビタミンCと同じように考えて問題ありません。コーヒー自体にもナイアシンが100mlあたり0.8mg含まれ、150mlの1杯で約1.2mgとれます。
コーヒーとの飲み合わせで注意したいのは鉄


コーヒーとの飲み合わせで注意が必要なのは、ビタミンではなく鉄です。厚生労働省の日本人の食事摂取基準(鉄)では、植物性食品などに含まれる非ヘム鉄の吸収について、ビタミンC(アスコルビン酸)やたんぱく質が促進し、タンニンやフィチン酸、シュウ酸が抑えるとしています。タンニンはコーヒーや緑茶に含まれるポリフェノールの一種です。
| 栄養素 | コーヒーとの関係 | とり方のコツ |
|---|---|---|
| ビタミンC | コーヒーの成分では壊れない。熱で減る | 熱いコーヒーに溶かさず、水や冷たい飲み物で別にとる |
| ビタミンB群 | 吸収を妨げる心配は少ない | 食事からいつもどおりとる |
| 鉄(非ヘム鉄) | タンニンが吸収を抑える | 鉄剤や鉄の多い食事とは同時に飲まず、時間をあける |
| 鉄+ビタミンC | ビタミンCが鉄の吸収を助ける | ほうれん草や大豆製品にかんきつ類を合わせ、コーヒーは後にする |
貧血気味で鉄剤や鉄のサプリを飲んでいる人、ほうれん草・小松菜・大豆製品などで鉄をとりたい人は、食事中や服用直後のコーヒーを避け、食後少し時間をおいてから飲むのがおすすめです。食事の場面ではビタミンCを含む果物や野菜を一緒にとると、鉄の吸収を助けられます。食後にコーヒーを飲むタイミングは、以下の記事が参考になります。


タンニンの量と飲むときの注意点を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。


ビタミン剤やサプリはコーヒーで飲んでいい?
ビタミン剤やサプリは、製品の表示にある飲み方(水やぬるま湯など)で飲むのが基本です。成分ごとの注意点は次の3つです。
- ビタミンCのサプリ:熱いコーヒーで飲むと溶けた分が熱で減るので、水で飲む
- 鉄を含むマルチビタミン・鉄剤:タンニンで吸収が下がるので、コーヒーとは時間をあける
- カフェインを含む医薬品・ドリンク剤:コーヒーと合わせるとカフェインが重なるので量を確認する
医師から処方された薬や、持病で飲んでいる薬がある人は、コーヒーと一緒に飲んでよいかを処方した医師や薬剤師に確かめてください。サプリとコーヒーの飲み合わせは、以下の記事でも詳しく紹介しています。


コーヒーに含まれる成分と1日の目安量
コーヒーの主な成分はカフェインとポリフェノール(クロロゲン酸やタンニン)です。カフェインは栄養素ではなく、眠気を覚ます作用がある一方で、とりすぎると不眠や動悸の原因になるため、量の目安を知っておくと安心です。
| 飲み物 | カフェイン(100mlあたり) | 1杯あたり | 1日400mgに達する杯数 |
|---|---|---|---|
| ドリップコーヒー(粉10g・熱湯150ml) | 60mg | 約90mg(150ml) | 約4.4杯 |
| インスタントコーヒー(粉2g・熱湯140ml) | 57mg | 約80mg(140ml) | 約5杯 |
欧州食品安全機関(EFSA)は、健康な成人のカフェインを1日400mgまで、1回200mgまでとしています。妊娠中・授乳中の人は1日200mgまでです。ドリップコーヒーなら1日4杯程度が上限の目安で、エナジードリンクやカフェイン入りの薬と重ねるときは、その分を差し引きましょう。飲みすぎたときの症状は、以下の記事で解説しています。


カフェインの量と働き、カフェインレスの選び方を知りたい方は、以下の記事もどうぞ。


コーヒーとビタミンに関するよくある質問
- ビタミンCのサプリをコーヒーで飲んでもいいですか?
-
コーヒーの成分でビタミンCが壊れるわけではありませんが、熱いコーヒーに溶けた分は時間とともに熱で減ります。製品の表示どおり水で飲み、コーヒーは別に楽しむのがおすすめです。
- アイスコーヒーならビタミンCは減りませんか?
-
冷水で溶かした実験では、30分後の減少は約1割で、熱湯の約3割より少なく済みました。ただし冷たくても時間がたてば少しずつ減るので、混ぜたら早めに飲みましょう。
- レモンなどの果物とコーヒーを一緒にとってもいいですか?
-
問題ありません。果物のビタミンCは、果物を食べた時点で体に入るので、コーヒーと一緒でも吸収が妨げられることはありません。熱いコーヒーにレモン果汁を入れて長く置くと、その分のビタミンCは熱で減ります。
- コーヒーを飲むとビタミンB群が不足しますか?
-
コーヒーでビタミンB群が不足するという心配は少ないです。ビタミンB群が尿に出るのも、体内が満たされたあとの分です。コーヒー自体にもナイアシンが1杯(150ml)あたり約1.2mg含まれます。
- 食後すぐにコーヒーを飲んでもいいですか?
-
ビタミンのためには気にしなくて大丈夫です。気にしたいのは鉄で、貧血気味の人や鉄をしっかりとりたい食事のあとは、すぐにコーヒーを飲まず少し時間をおきましょう。
コーヒーとビタミンCは別々にとれば心配いらない
コーヒーの成分がビタミンCを壊したり、吸収を妨げたりするわけではありません。ビタミンCを減らすのは熱と時間で、尿に出るのは体内が満たされたあとの分です。
コーヒーとの飲み合わせで気を付けたいのは鉄です。鉄剤や鉄の多い食事とは時間をあけ、カフェインは1日400mgまでを目安にコーヒーを楽しみましょう。
- ビタミンCのサプリや粉末は、熱いコーヒーに溶かさず水で飲む
- ビタミンCは果物・野菜から食事ごとに分けてとる。コーヒーは補給源にならない
- 鉄剤・鉄の多い食事のときは、コーヒーを同時に飲まず時間をあける
- 鉄をとるときはビタミンCを含む食品を一緒に食べ、コーヒーは後にする
- ドリップコーヒーは1日4杯程度まで。カフェイン入りの薬やドリンクと重ねるときは減らす
コーヒーに含まれる栄養素とカフェイン量を種類別に知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。


\ 約1分でぴったりの1杯を見つけよう /
コーヒー豆研究所の記事を根拠に、関連情報と一緒に回答します。
この機能の利用にはJavaScriptが必要です。













