
ハシエンダアルサシアって何のこと?



スタバ唯一の農園のハシエンダアルサシアについて知りたい
こういった要望や疑問にお答えしていきます。
ハシエンダアルサシアとは何か知っていますか?
ハシエンダアルサシアとは、スタバ唯一のコーヒー農園で自社のコーヒーを生産するために作られたわけではなく、コーヒーの未来を守るために作られました。
本記事では、未来のコーヒーを守るために農園が作られた「ハシエンダアルサシア」について徹底解説していきます。
- ハシエンダアルサシアはスタバ初の自社農園。
- 自社のコーヒー生産のためではなく、コーヒーの未来を守るのが目的で作られた農園。
- ハシエンダアルサシアで作られたコーヒーは限定された店舗がオンラインショップで購入することができる。


日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年、専門家として活動しています。運営する国内最大級のコーヒー情報サイト「コーヒー豆研究所」(月間60万PV)は多くの読者に支持され、テレビ番組『ZIP!』をはじめ各種メディアにも出演。自社ブランド「ラボカフェ」では、厳選したコーヒー豆を販売しています。
ハシエンダアルサシアとは?


世界中で愛されているスタバはコーヒーや居心地の良い空間提供だけでなく、自社農園でコーヒーも栽培しています。
その農園が「ハシエンダアルサシア農園」と呼ばれており、実はスタバのコーヒーを栽培するために作られた農園ではありません。
実は未来のコーヒーを守るために設立された農園です。
コーヒー業界では2050年問題が深刻な課題になっているなか、スタバが2050年問題に積極的に取り組むためにコスタリカを拠点におき、農学者が日々研究を行なっています。
2050年問題とは、地球の温暖化などによって、コーヒーの世界全体の生産量のうち、現在およそ6割を占めるアラビカ種のコーヒー栽培に適した土地が2050年までに半減してしまうという予測のこと。
引用:UCC上島珈琲
スタバ唯一の自社農園
スタバは2013年にコスタリカの火山の麓に広がる、世界唯一の自社農園となる「ハシエンダアルサシア農園」を入手しました。
多くのコーヒー生産者は小規模農家であり、近年では気候変動による異常気象やさび病の被害などが深刻化し、安定したコーヒーの栽培が困難になっているのが現状です。
このような問題の解決策や支援する方法を模索するために、ハシエンダアルサシア農園に常駐する農学者が日々研究に取り組んでいます。
そして、研究で得られた成果は世界中のコーヒー生産者に無償で公開しており、コーヒーの未来を守るために大いに貢献しています。
コスタリカに農園を持つ背景
スタバの自社農園がなぜコスタリカに拠点を置いたのには理由があります。
ハシエンダアルサシア農園はコスタリカにある火山の麓に位置し、火山灰を含む肥沃な土壌から風味豊かなコーヒー豆が栽培できるからでしょう。
また、スタバではコスタリカで生産されたコーヒーを多く愛用していることから、根強い関係性があり、とても重要な地域であることがわかります。
ハシエンダアルサシア農園誕生のストーリーと生産者の想い


ハシエンダアルサシア農園の誕生に至るまでと、サステナブルなコーヒー作りへの取り組みはどのように行われているのかを以下にまとめました。
農園立ち上げの経緯
ハシエンダアルサシア農園は、コーヒーの未来を守りたいという強い思いからでした。
近年、気候変動や病害の影響で高品質のアラビカ種の栽培が難しくなっており、世界中のコーヒー農家が苦境に立たされています。
コーヒー農家の支援をするために、スタバは初のファーマーサポートセンターを2004年に開設し、2013年に2050年問題にも取り組みながらコーヒーの未来を守るためにハシエンダアルサシア農園を開設しました。
サステナブルなコーヒー作りへの取り組み
ハシエンダ アルサシア農園は、ただ高品質なコーヒーを育てるだけでなく、地球と生産者を守る持続可能なモデルを目指しています。
スターバックスは世界で生産されるコーヒーの約3 %を調達していますが、豆の99 %をエシカルに調達するという目標を達成しており、これを支えるのがハシエンダアルサシア農園の研究と実践です。
このように、ハシエンダ アルサシアは単なる生産拠点ではなく、スターバックスの理念「コミュニティとプラネットを守る」を具現化する場所として機能しています。
農園の取り組みを通じて、私たちが手にする一杯のコーヒーが、生産者と地球への思いとともに紡がれていることを感じられるでしょう。
ハシエンダアルサシアで作られるコーヒー豆の特徴


ハシエンダアルサシア農園では350種類以上の異なる品種が植えられ、未来のコーヒーを守るために研究や開発が日々進められています。
ここでは、数多く栽培されている中でもゲイシャ種とハイブリッド種について紹介していきます。
ゲイシャ種とハイブリッド種の特徴をまとめた表が以下のとおりです。
| 品種 | 特徴 |
|---|---|
| ゲイシャ種 | ・生産数が低く、希少価値が高い ・スタバにある他のゲイシャに比べ、程よい苦味の味わい |
| ハイブリット種 | ・ハシエンダアルサシア農園で行われている研究で独自に開発された品種 ・他の品種に比べ、気候変動と病気などに強い耐性があるのが特徴 |
栽培されている主な品種
コーヒーには、主にアラビカ種とロブスタ種の2種類があり、スタバで取り扱っているのは高品質なアラビカ種のみになります。
アラビカ種はロブスタ種に比べて病害虫や干ばつに弱いのが難点ですが、ハシエンダアルサシア農園で研究や病害虫などに強い耐性の品種を開発しています。
ゲイシャ種
スタバは、2004年にゲイシャ種の研究をはじめ、少量ながらも収穫できるようになったのが2019年頃で、その後さらに味わいを追求するために研究を重ねました。
そして2021年にようやく「コスタリカ ハシエンダ アルサシア ゲイシャ」を提供できるようになりました。
スタバでは他の種類のゲイシャもありますが、ハシエンダアルサシア農園で栽培されたゲイシャは少しだけ長く焙煎されており、ほどよい苦味のある味に仕上げているのが特徴的です。
特別なストーリーから生まれた背景を感じながら「コスタリカ ハシエンダ アルサシア ゲイシャ」を楽しめることでしょう。
ハイブリッド種
ハシエンダアルサシア農園で独自に開発されたのがハイブリッド種と呼ばれる品種があり、特徴は気候変動と病気に強い品種です。
農園は世界中のコーヒー生産者が参考にできる試験農園としても機能しており、病害に強い高品質なハイブリッド種の開発が行われています。
特に、ラテンアメリカで深刻な被害をもたらしているさび病に抵抗できる、耐性品種の研究はコーヒー業界全体の注目を集めています。
このようなハイブリッド種の研究は、単に新しい豆を作るためではなく、未来のコーヒー生産者たちが安定して栽培を続けられる環境を守るための取り組みでもあります。
ハシエンダアルサシアの味わいとフレーバーを徹底解説
ハシエンダアルサシアで栽培されたコーヒーは、スターバックスリザーブに「ディカフェ コスタリカ ハシエンダ アルサシア」があります。
今現在販売しているのは1つしかありませんでしたが、ハシエンダアルサシアで栽培されたコーヒーは季節などによって期間が決まって販売されていることがあるので、気になる方は情報を随時確認すると良いでしょう。
ディカフェ コスタリカ ハシエンダ アルサシア






- 自社農園で栽培されたコーヒーを楽しめる特別感がある
- ディカフェなのでカフェインを気にしている方でも試しやすい
- 購入場所がオンラインや販売店舗と限られている
スタバの自社農園で栽培されたコーヒーを楽しむことができるので、普段のコーヒーよりも特別感を感じられます。
味わいはさっぱりして、コクを感じられないのが特徴的なので、コーヒーの苦味が苦手な方でも挑戦しやすいでしょう。
また、ディカフェなので夜寝る前に飲むコーヒーやカフェインを気にしている方でも飲みやすくなっています。
| 商品名 | ディカフェ コスタリカ ハシエンダ アルサシア |
|---|---|
| 生産地 | ラテンアメリカ |
| 生産国 | コスタリカ |
| 特徴 | カフェインレスコーヒー、さっぱりした味わい |
| 価格(税込) | 250g ¥2,790 |
ハシエンダアルサシアのコーヒーを楽しむ方法


ハシエンダアルサシアのコーヒーを楽しむ方法は主に3つあります。
- 店舗で飲む場合
- 自宅で飲む場合
- 実際に現地に訪れるツアーの場合
順番に紹介していきます。
店舗で飲む場合
現在店舗でハシエンダアルサシアのコーヒーが販売されているのは、スターバックスリザーブか限定された店舗での取り扱いのみになっています。
店舗に訪れて飲む場合は、事前にハシエンダアルサシア農園で栽培されたコーヒーがあるか確認した方が確実でしょう。
もし、店舗で飲める場合はスタッフにハシエンダアルサシア農園のコーヒーが出来上がるまでのストーリーや、生産者の想いを聞くことができれば、さらにコーヒーを飲む楽しさが広がっていくでしょう。




自宅で飲む場合
一番お手軽にハシエンダアルサシアのコーヒーを楽しめる方法は、オンラインショップで購入する方法です。
オンラインショップの場合、コーヒー豆の状態での販売になるのでグラインダーが無い場合は近くのコーヒーショップでコーヒー豆を挽いてもらう必要があります。
やや手間がかかるかもしれませんが、良い状態でコーヒーが味わえるように豆での販売のみにしているのでしょう。
実際に現地に訪れるツアーの場合
ハシエンダアルサシアに直接訪れることができるツアーがあります。
ガイド付きツアーで、コーヒー栽培や製造工程について現地で詳しく学ぶことができます。
もちろん、コーヒーの試飲もできるのでハシエンダアルサシアについてもっと知りたい方やコーヒーが好きな方など様々な方が楽しめる教育的ツアーです。
コーヒーだけでなく、コーヒー生産者の裏側など色々なことを知ることができ、有意義な時間になるので思い切って参加してみてはどうでしょうか。
ハシエンダアルサシアによくある質問
ハシエンダアルサシアについてよくある質問と回答を紹介します。
- ハシエンダアルサシア農園とは何ですか?
-
コスタリカの火山の麓にある、スターバックスが唯一所有する自社農園です。
高品質なコーヒー豆の研究や生産に加え、サステナブルな農業を実践する拠点として知られています。
- ハシエンダアルサシアで作られたコーヒーはどこで飲めますか?
-
スターバックスリザーブや一部の限定店舗で飲むことができます。
数量限定で販売されることが多く、希少なシングルオリジンとして人気があります。
- 一般の人でもハシエンダアルサシア農園を見学できますか?
-
どなたでも見学可能でツアー形式になります。
農園内では、コーヒーの栽培から焙煎までの工程を学ぶことができ、ハシエンダアルサシアのコーヒーの試飲やお土産も購入することができます。
- ハシエンダアルサシアで行われている研究はなんですか?
-
病害に強く、高品質なハイブリッド種の開発や、気候変動に対応できる栽培方法などの研究が行われています。
これらの研究の成果は、世界中のコーヒー生産者に共有され、持続可能なコーヒー業界の発展に役立てられています。
ハシエンダアルサシアはスタバ好きなら一度は味わいたい特別なコーヒー!


いかがでしたでしょうか?
ハシエンダアルサシアはスタバの自社農園であり、持続可能なコーヒー作りの発展に大いに貢献していることをわかりやすく紹介しました。
本記事の重要なポイントをまとめると以下のとおりです。
- ハシエンダアルサシアはスタバ唯一の自社農園。
- ハシエンダアルサシアは未来のコーヒーを守ることを目的に作られた研究場所。
- 病害や気候変動に対応できる品種の開発などが日々研究されている。
- ハシエンダアルサシアのコーヒーが飲めるのは、スターバックスリザーブか一部の限定店舗。
スタバ唯一の自社農園のハシエンダアルサシアはただのコーヒー農園ではなく、2050年問題を積極的に取り組んでおり、コーヒー業界全体の課題に先陣切って研究や開発が日々行われている場所です。
私たちが1杯のコーヒーを手にするとき、その裏にはハシエンダ アルサシアの情熱と努力があり、そう感じられるのも、この農園の最大の魅力です。



