コーヒーを飲むとたまに吐き気や気持ち悪さが出るのってどうして?
コーヒーを飲んだ際の吐き気や気持ち悪さを防ぐ方法って無いの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
コーヒー好きで、たまに吐き気や気持ち悪さを催したことのある方は少なくないはず。
そこで本記事では、コーヒーを飲むと吐き気・気持ち悪くなる原因とその対処方法について解説します。
- 吐き気の根本的な原因は、コーヒーの飲み過ぎの可能性が非常に高い
- 飲み過ぎはカフェインの摂り過ぎに繋がる
- 飲む量・種類・時間の3つに気をつける
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
コーヒーを飲むと吐き気がしたり、気持ち悪いと感じてしまう原因
コーヒーを飲むと、胃がむかむかしたり、吐き気を感じたりと、体調が悪くなった経験がある方もいるかと思います。
一体何が原因なのでしょうか。
今回は食品安全委員会などのデータも用いて解説していきます!
根本は飲み過ぎにある可能性が高い
コーヒーは1日何杯までなら飲み過ぎにならないのでしょうか。
カナダ保健省が、カフェインの1日推奨最大摂取量に関する資料を発表しています。
3.保健省のカフェイン新推奨量
食品安全委員会
(1)このような考えから、保健省は12歳以下の子供に対するカフェインの1日最高推奨摂取量を2.5mg/kg 体重と定めた。これは平均体重から換算すると、4-6歳児でカフェイン45mg、7-9歳児で62.5mg、10-12歳児で85mgとなり、355ml(12oz)の缶コーラ1-2本分に相当する。
(2)妊娠適齢女性の1日最高推奨摂取量は300mgで、これは237ml(8oz)のコーヒーカップ約2杯分に相当する。その他の健康成人では1日当たり400-450mgが望ましい。
つまり、成人している人だと1日3杯まで、妊娠している女性だと1日2杯までです。
12歳以下の子供だと、1杯でもカフェイン推奨摂取量を超えてしまいます。
お子さんがいる家庭の人は、気を付けてあげてね。
カフェイン
コーヒーの飲み過ぎは、そのままカフェインの摂り過ぎに繋がります。
カフェインは少量なら集中力をアップしたり、眠気を覚ましてくれたりする効果があります。
ですが、摂り過ぎると以下のような副作用をもたらします。
コーヒーは、適切に摂取すれば、がんを抑えるなど、死亡リスクが減少する効果があるという科学的データも知られていますが、カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。長期的な作用としては、人によってはカフェインの摂取によって高血圧リスクが高くなる可能性があること、妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合に、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されています。
カフェインの過剰摂取について
またほかにも以下のような副作用が存在します。
カフェインの覚醒作用が働きすぎると、動悸が激しくなってしまいます。
結果的に眠れなくなり、疲れがとれなかったり肌が荒れたりと体調を崩す原因に。
また消化管系が刺激され、胃痛や腹痛といった症状を引き起こす可能性もあります。
カフェインの摂取量は1日コーヒー3杯までとなっていますが、人によってカフェインの影響が出やすい人もいるので、自分の許容量をきちんと見極めて飲む必要があります。
コーヒーの摂り過ぎについてより詳しく知りたい方は「【最新】コーヒーの飲み過ぎは危険?その症状と具体的な対処方法を紹介」の記事をチェック!
アレルギー
カフェインを摂り過ぎると神経が興奮状態になってしまい、アレルギーのような反応を起こすことがあります。
肌が痒くなる、咳が出るといったものから、吐き気・嘔吐や腹痛・下痢、動悸、不安を感じるなど、人によって症状も様々です。
重篤な場合だとアナフィラキシーが起こってしまうケースも。
小児のアレルギーと違って、大人が発症するアレルギーは疲れていたり、対象の物質を摂取し過ぎたりすることで症状が出ることがあります。
日頃からあまりカフェインを摂り過ぎないように心がけましょう。
コーヒーアレルギーについては「【最新】コーヒーアレルギーとは?気になる症状から検査方法まで完全解説」の記事を参考にしてください。
中毒
「カフェイン中毒」という言葉を聞いたことがありますか?
カフェインを摂取しすぎることで起こるもので、日常的にカフェインを摂り続けたいという依存性を持つようになります。
カフェインが切れてしまうと頭痛、不眠の反動で過眠になる、強い疲労感、集中力の欠如や短気を起こすなど、様々な症状を発症してしまいます。
体内からカフェインが排出されれば症状も収まりますが、その間上記のような症状に耐えなくてはいけません。
自分は中毒かも!と思った方は「【論文付き】コーヒーをやめるとどうなる?メリットやデメリットを解説!」の記事をチェック!
1日何杯まで飲むのかしっかり明確化しておこう
カフェインを危機的量摂取することで、最悪の場合命に係わるケースも見られます。
1日1杯までにする、週に1~2日はコーヒーを飲まないようにするなど、少しずつでも対策をとっていくことが重要ですよ。
ちなみに冒頭でも紹介したけど、コーヒーの一日の摂取量はコーヒーカップ2~3杯と言われています。
コーヒーの鮮度が悪い(酸化済)
コーヒー豆は開封した瞬間から劣化(酸化)が始まってしまうくらい、湿度や温度、光に弱いという性質があります。
開封して時間が経っていたり、正しく保管できていなかったりすると、鮮度が落ちていわゆる腐ったような状態になってしまうということですね。
酸化したコーヒーはより苦味や酸味、舌に残るような不快な後味が強くなります。
その結果、胃やお腹の調子、気分が悪くなるという症状を引き起こしてしまいます。
いつ開封したかをきちんと管理し、保存するときは密閉容器に入れて冷暗所に保存することをおすすめします。
適切な保存方法については、以下の記事をチェック!
カフェインを含むコーヒーを飲む際に注意したいポイント3つ!吐き気の原因に繋がる
飲み過ぎには注意しなければならないということは分かりましたが、それでもコーヒーを飲むのが習慣になっているといきなり止めるのは難しいですよね。
そこで、気持ち悪い思いをしないように気を付けるポイントを3つ紹介します。
まとめると以下の通りです。
- 飲む量
- 種類
- 時間
順番に解説します。
1. 飲む量
やはり1番気を付けるべきなのは、コーヒーを飲む量です。
例えば毎食後コーヒーを飲む人は1回減らしてみる、大きいサイズのコーヒーを買ってしまう人は1つ小さいサイズにするなど、地道なことですが改善できることから始めてみましょう。
家でコーヒーを淹れる人はマグカップのサイズを小さくするなど、少しずつでいいので慣らしていくことが大切です。
また、カフェインの量は焙煎の仕方によっても変わります。
浅煎りのコーヒー豆と深煎りのコーヒー豆だと、深煎りの方がカフェイン量は少なくなります。
2. 種類
コーヒー豆やインスタントコーヒーの種類によっても、カフェインの量は変わっていきます。
例えばアラビカ種とロブスタ種を比較すると、ロブスタ種の方が約2倍も多くカフェインが含まれています。
購入する際に豆の種類を見てみることも大切ですね。
インスタントコーヒーやドリップコーヒーは、1杯当たりのカフェイン量が記載されているものもあります。
たくさん飲みたいと思うなら、少しでもカフェイン量が少ない商品を買うと良いですよ。
3. 時間
1杯のコーヒーを飲んで、カフェインの効果が持続するのは摂取してから3~4時間と言われています。
また、体内から排出されるには個人差がありますが5~8時間程度です。
午前中に飲んだカフェインは寝るころにはほとんど効果を失っているので、睡眠にあまり影響がありません。
逆に夜遅い時間にコーヒーを飲んでしまうと、眠れなくなったり眠りが浅くなってしまったりと、当日だけでなく翌日の体調にも悪影響を及ぼしてしまいます。
寝る時間から逆算してコーヒーを飲むようにしましょう。
最適なコーヒーの飲む時間に関しては「コーヒーを飲む最適な時間とは?気になる効果から飲み方まで完全解説」の記事で解説しています。
コーヒーを飲んで吐き気やめまい・頭痛がする場合の対処方法
気を付けていても、疲れがたまっているなど、その時の体調によってコーヒーを飲んだ後に吐き気や気持ち悪いなどの症状に見舞われてしまうこともあります。
じっと横になっていたらいずれは治まると思いますが、少しでも早く症状を和らげたいですよね。
そんな時には以下の方法をおすすめします。
- 水もしくは白湯(さゆ)を飲む
- 深呼吸をする
- ストレッチをする
- 食事をしばらく摂取しない
- 病院に行く
水もしくは白湯を飲む
カフェインを摂り過ぎて具合が悪くなったと感じたら、体内のカフェイン濃度を下げるためにまず水を飲みましょう。
また、カフェインには利尿作用があるので、失った水分を補給するという意味でもぴったりなのが水を飲むことです。
冷たい水を飲み過ぎると冷えに繋がってしまうので、常温の水または白湯が良いですよ。
深呼吸をする
深呼吸することで動悸が和らいで、症状が緩和されることがあります。
また、頭痛時には脳に酸素を送ってあげることで痛みが和らぐことも。
興奮した神経を落ち着かせ、同時に気持ちも落ち着かせるためにも深呼吸は有効ですよ。
ストレッチをする
ストレッチにはいろいろな種類がありますが、中には自律神経を整える効果があります。
肩や首まわりが凝っていると、頭痛やめまいといった症状が重くなってしまうこともあるので、凝りをほぐすためにもストレッチは効果的ですよ。
無理をしない、痛く感じる一歩手前で伸ばすのを止めるというのも心掛けてストレッチを行いましょう。
食事をしばらく摂取しない
カフェインの摂り過ぎで吐き気や胃痛を感じる時は、消化管が刺激されて弱った状態になっています。
そんな時に食事を摂ると、また消化系が働くことで刺激を与えてしまう結果に。
いったん体内を休ませることが大切です。
病院に行く
あまりに頭痛や吐き気が続く、動悸が治まらないなどの症状が出たら、無理せず病院に行くことをおすすめします。
医師の指示のもと、利尿剤などを使ってより早く体内からカフェインを排出することができるので、苦しい時間が短く済みます。
症状が重くなってしまった場合は本格的な治療が必要になるので、自己判断で大丈夫だと思い込まないよう気を付けてください。
コーヒーを飲む度、頭痛がする場合は「コーヒーを飲むと頭痛が起きる?そう言われる原因と対処法を徹底解説」の記事を参考にしてください。
コーヒーを飲んで吐き気や気持ち悪くなるのを防ぐための3つの方法
カフェインによって吐き気や気持ち悪くなりたくないけど、どうしてもコーヒーが飲みたい時もありますよね。
眠たいけれどまだ仕事や作業をしなければならない時や、目覚めたばかり頭がすっきりしない時など、コーヒーは強い味方になります。
そんな時には以下の3つの対処法がありますよ。
- 新鮮なコーヒーを手に入れる
- カフェオレにしてみる
- カフェインレスコーヒーを飲む!妊婦さんにも安心
順番に解説します。
1. 新鮮なコーヒーを飲んでみる
上でも述べたように、酸化したコーヒーは具合を悪くさせる原因になってしまいます。
スーパーなどで売られているコーヒー豆は、いつ焙煎されたものか分からない商品もあるので、店頭に並んでいる時点で品質が劣化しているなんてことも。
コーヒー豆を販売している通販サイトで直接購入すれば、注文を受けてからコーヒー豆を焙煎して出荷してくれるので、新鮮な商品が手に入りますよ。
高品質で新鮮なコーヒーは体にいいだけでなく味も格別なので、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
新鮮なコーヒーに関しては、以下の記事で解説しています。
2. カフェオレにしてみる
ブラックコーヒーを100ml飲むのと、ブラックコーヒー50ml+ミルク50mlのカフェオレを飲むのでは、摂取するカフェイン量に2倍の差が生まれますよね。
吐き気や気持ち悪いといった症状も、その分起きにくくなると考えられます。
ブラックじゃないと飲めないという人以外は、体を労わってカフェオレにして飲んでみてください。
おすすめのカフェオレは、以下の記事をチェック!
3. カフェインレスコーヒーを飲む!妊婦さんにも安心
カフェインを大幅にカットしたカフェインレス(デカフェ)コーヒーは、今や市場にたくさん出回っています。
以前は「味が薄い」などあまり評判が良くない面もありましたが、今は製法にこだわることで普通のコーヒーに劣らないカフェインレスコーヒーがたくさんありますよ。
コーヒーを飲みたいけど子供への影響を考えてカフェインの摂取を控えている妊婦さんも、安心して飲むことができるのが嬉しいですよね。
もちろん少量はカフェインが含まれているので、こちらも飲み過ぎには注意が必要です。
おすすめのカフェインレスコーヒーが知りたい方は、以下の記事をチェック!
コーヒーを飲んで気持ちが悪くなる人に多い質問&回答
ここではコーヒーを飲んで気持ちが悪くなる人に多い質問とその回答を紹介します。
- カフェインはどれくらいで抜ける?
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カフェインの効果は個人差がありますが、一般的には摂取後約3〜5時間で半分になると言われています。
これはカフェインの「半減期」と呼ばれるもので、カフェインが体内で効果を示す期間を示しています。
ただし、この期間は年齢、体重、個人の代謝速度、および遺伝的要素などによって異なる場合があります。
完全にカフェインが体から排出されるまでには、だいたい8〜14時間ほどかかるとされています。
しかし、この時間も上記と同様、個人差がありますので、あくまで目安として捉えてください。
- コーヒーをやめたらどうなる?
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コーヒーをやめると、いくつかの身体的・精神的な変化が起こることがあります。
個人差があるため、すべての人に当てはまるわけではありませんが、一般的な変化をいくつか挙げます。
- カフェインの離脱症状: コーヒーをやめると、カフェインの離脱症状が現れることがあります。これには、頭痛、疲労、イライラ感、集中力の低下、うつ症状、筋肉痛、むくみなどが含まれます。これらの症状は通常数日から1週間ほどで緩和されます。
- 睡眠の質の向上: カフェインは覚醒作用があり、睡眠の質に影響を与えることがあります。コーヒーをやめることで、睡眠の質が向上し、疲労感が減少することがあります。
- 消化器系の変化: コーヒーは胃酸の分泌を促進するため、胃の不快感や胃酸逆流を引き起こすことがあります。コーヒーをやめることで、これらの症状が緩和されることがあります。
- 血圧の変化: カフェインは一時的に血圧を上げることがあります。高血圧のリスクがある場合、コーヒーをやめることで血圧が安定する可能性があります。
- 糖分摂取の減少: コーヒーに砂糖や甘味料を加えている場合、糖分摂取量が減少し、体重や血糖値に好影響を与える可能性があります。
コーヒーをやめることで生じる変化は、個人の体調やコーヒー摂取量、摂取方法によって異なります。
急にコーヒーをやめるのではなく、徐々にカフェイン摂取量を減らすことで、離脱症状を緩和することができます。
コーヒーを飲んで吐き気が出る原因と対処法を理解しよう!
いかがでしたでしょうか?
コーヒーを飲むと吐き気・気持ち悪くなる原因とその対処方法について完全解説しました!
今回の記事の内容をまとめると以下のとおりです。
- 吐き気の根本は飲み過ぎにある可能性が非常に高い
- コーヒーの飲み過ぎはカフェインの摂り過ぎに繋がる
- 飲む量・種類・時間の3つに気をつける
以上のことを踏まえて、是非充実したコーヒーライフを送っていただけたら幸いです。
コーヒーを飲んで吐き気が出る原因と対処法を理解しましょう!