コーヒーを飲んだあとに胸焼けするのはなぜ?原因が知りたい!
胸焼けせずにコーヒーを美味しく飲む方法を教えてください!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
あなたはコーヒーを飲むと胸焼け・ムカムカした経験はありませんか?
そこで今回はコーヒーと胸焼けの関係性について解説!またその原因と対処法を紹介します!
- そもそも胸焼けとは、胸の中央がジリジリと焼けるような不快感のこと
- コーヒーを飲むことで起こる原因としてはカフェインやクロロゲン酸、アレルギーなどが挙げられる
- 胸焼けが起きた際は何か食べながら飲んだり、牛乳を加えて飲むなどして対応する
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう。
そもそも胸焼けとは?コーヒーとの関係性の前におさえておこう
胸焼けとは、胸の中央がジリジリと焼けるような不快感です。
胸焼けになる多くの理由は、胃酸が食道に逆流することが原因。
胸の中央には食道があり、そのすぐ下には胃があります。
その胃と食道のつなぎ目を噴門(ふんもん)と呼び、そこには下部食道括約筋というリング状の筋肉があります。
この筋肉は、ふだんは閉じていますが何かの理由でゆるんでしまうと、胃酸が逆流し食道の粘膜を刺激するのです。
だから、胸の中央(みぞおち)に焼けたような不快感が生じるのです。
胃食道逆流症(GERD※)の主要な症状は、胸焼けや胃もたれ、のど元に酸っぱい味がこみあげてくるなどの不快感。
胃酸が食道に逆流することが原因です。
※GERD(Gastro Esophageal Reflux Disease)
胸焼けはどんな症状?
のど元から酸っぱい味がこみあげてきて嫌な感じがします。 胃がもたれて、ムカムカします。
チリチリと胸が焼けるようです。 なんだか、胸の途中で食べたものがつっかえているみたい…。
せっかくコーヒーの味や香りを楽しみたいのに、そんな不快感は味わいたくないし避けたいですよね。
胸焼けがあると作業効率が悪くなったり、楽しみなイベントも台無し。
まずは、この記事の対処法を読んでみてください。
この後、胸焼けの原因や対処法をくわしく説明します! コーヒー以外の原因で起こる胸焼けもありますよ。
コーヒーを飲むと胸焼け・胃のムカムカが起こる原因
コーヒーを飲むと胸焼けや胃がムカムカする原因を、以下の4つのポイントで解説します。
- カフェイン
- クロロゲン酸
- アレルギー
- 鮮度の悪いコーヒー
ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
カフェイン
カフェインには胃液の分泌を促し消化を助ける作用がある反面、胸焼けの原因になります。
理由はコーヒーをたくさん摂取すると、それだけ胃酸も多く分泌されるから。
それで胸焼けやムカムカするなどの症状が出ることがあると考えられます。
詳しいカフェインの効果については「コーヒーに含まれるカフェイン効果とは?摂取量の目安からおすすめまで」の記事を参考にしてください。
クロロゲン酸
クロロゲン酸も胃の機能を活性化させます。
コーヒーを飲む量が多いと胃酸が分泌されすぎて胸焼けがするかもしれません。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、さまざまな良い効果があります。
たとえばダイエットや糖尿病を予防してくれるなどです。
でも、空腹なのにコーヒーをごくごく飲んでしまうと胃酸が過剰に分泌し胸焼けになることがあるので注意が必要。
クロロゲン酸に関しては「コーヒーに含まれるクロロゲン酸の効果とは?含有量から飲み方まで解説」の記事で詳しく解説しています。
アレルギー
ひょっとしたらカフェインを原因としたアレルギー症状のひとつかもしれません。
めったにないとは思いますが、カフェインアレルギーがあるのだそうです。
カフェインが含まれたものを飲んだ時にかぎって体調が悪くなるなどの症状があれば、医師に相談しましょう。
また、アレルギーではないのですが食物不耐症(しょくもつふたいしょう)という、特定の食べ物に対して体質的に弱いという病気があります。
この場合は、コーヒーを体質的に受けつけることができない現象ですので、あわせて疑ってみてください。
とにかく病的な症状がある場合は、医師に相談するのが最優先です。
鮮度の悪いコーヒー
酸化した鮮度の悪いコーヒーを飲むと胸焼けします。
古くて質の悪いコーヒー豆は、胃が影響を受けるので不快な症状につながるかもしれません。
胸焼けの症状がある人は、コーヒー豆や粉の鮮度を確かめてください。
製造年月日が新しくても、真空パックの封を開けたら、できるだけ早く使い切るといいですね。
コーヒーで胸焼けする原因はカフェインやクロロゲン酸の作用、アレルギー、鮮度の悪いコーヒーだっていうことがわかりました!
このあとコーヒー以外の胸焼けの原因を説明します。 胸焼けの症状を起こす病気についても触れているので見ていきましょう。
コーヒーと胃の関係性については「コーヒーで胃が荒れる?胃もたれ・ムカムカの原因と対処法を完全解説」の記事を参考にしてください。
コーヒー以外にも胸焼けは起こる
コーヒー以外の視点から胸焼けの原因を見ていきましょう。
以下の6つのポイントに分けて解説します。
- 自分の身体側の原因
- 食べ過ぎ・早食い
- きついベルトや身体をしめつける服装
- 食後すぐの運動
- 食後すぐ横になる・姿勢が悪い
- 隠れた病気
ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
本人の身体側の原因
もともと体調が良くない時や空腹が続いたときにコーヒーを飲むと、胸焼けをしやすいです。
空腹時は胃酸過多になっていることがあるからです。
また、ストレスや肥満、体調なども胸焼けの原因になります。
食べ過ぎ・早食い
食べ過ぎて胃袋がいっぱいになると、胃の内圧が高まって胃酸などが逆流しやすいです。
食べ過ぎ・早食いは胸焼けの原因。
食事で胃がいっぱいになると、胃の中の空気をだすために「げっぷ」が出ますよね。
そのときに胃と食道のあいだにある下部食道括約筋がゆるみ、胃酸が「げっぷ」とともに逆流しやすいのです。
だから腹八分目がいちばん。
昔の人の知恵がつまったことわざが、この場合にはぴったりの教訓ですね。
きついベルトや身体をしめつける服装
身体を締め付けるベルトやコルセットのような矯正下着なども、食後に胸焼けがする原因になります。
お腹を圧迫するので、胃酸が逆流しやすいからです。
食後に胸焼けがする人は、お腹周りがゆったりした服装がよいでしょう。
食後すぐ横になったり前屈の姿勢をとったりする
食べた後、すぐに横になったり前かがみの姿勢をとると胃酸が逆流して胸焼けを起すかもしれません。
たとえば床の物を拾おうとして、おじぎするように身体を前屈させたときに食物が上がってくるように逆流した経験がありませんか?
食道には胃酸から粘膜を保護する機能が備わっていないので、刺激を感じます。
胃と食道のつなぎ目にある筋肉がゆるんでいる胃食道逆流症の人は、特に注意してください。
食後すぐに運動する
食べた後にすぐ運動すると、腹部に圧力がかかるため胃酸や胃の内容物が逆流しやすいです。
できれば1~2時間程度は急激な運動は避けてください。
胸焼けしやすい食品を摂る
胃が消化するのに負担がかかる食事は、胃酸が活発に分泌するので胸焼けしやすくなります。
油っこい食品やタンパク質が多いもの、酸味・辛みが強いもの、アルコールなども胃酸が出やすいので胸焼けの原因になることがあります。
胸焼けを避けるためには、薄味でやわらかく消化によいものをとることをおすすめ。
蒸したりゆでたりする食事や、油をあまり使わないものをメニューに取りいれましょう。
隠れた病気に注意
胃食道逆流症のほかにも胸焼けになる病気がひそんでいるかもしれません。
たとえば胃潰瘍や機能性胃腸症などは胃もたれや胸焼けの症状があります。
心疾患でも胃もたれに似た症状を示すことがあるんですよ。
胸焼けが続くようであれば、必ず医師に相談してください。
胸焼けを起さないように生活習慣を見直します!
次は胸焼けの対処法を説明していきます。
コーヒーを飲むと起こる胸焼けの対処法
コーヒーを飲むと胸焼けがする方は、以下の対処法を試してみてください。
- 何か食べながら飲む
- 牛乳を加えて飲む
- コーヒーの濃度や量を見直す
- デカフェコーヒーを試してみる
これらの対処は一時的なものです。
胸焼けが悪化したり継続するようであれば、必ず医師に相談しましょう。
では対処法を、ひとつひとつ説明します。
何か食べながらコーヒーを飲む
長く続いた空腹時にコーヒーを飲むと、胃に刺激が強いことが多いです。
空っぽの胃袋の中で胃酸が活発に分泌されると、胸焼けにつながるかもしれません。
そのため、できればコーヒーを飲むときは何かを食べながら飲むのがおすすめでしょう。
コーヒーに牛乳を加えて飲む
空腹が続いたときや胃が弱い方は、コーヒーを飲むときに牛乳を加えて飲むのが有効でしょう。
牛乳が胃粘膜への刺激を和らげてくれます。
コーヒーを牛乳で割ることで、カフェインの吸収のスピードもゆっくりになるというメリットもあります。
ブラックコーヒーばかりじゃなくて、カフェオレやカフェラテなどもお楽しみください。
おすすめのコーヒー牛乳については以下の記事をチェック!
コーヒーの濃度や摂取量を見直す
1日に摂取する安全なコーヒーの量は、コーヒーカップで3杯程度といわれています。(個人差があります)
コーヒーの味や香りが好きでも、体質的にカフェインの耐性が弱い方もいるのでご注意を。
コーヒーを飲み出してから長い歴史がある方は、カフェインに身体が慣れていて飲みすぎているかもしれません。
ご自分のコーヒーの摂取量を見直してみてください。
コーヒーの淹れ方の濃度を通常より薄めにするという手もあります。
濃いめのコーヒーは胃が活発に働くので、避けた方がいいでしょう。
コーヒーのカフェイン量については以下の記事をチェック!
デカフェ・カフェインレスコーヒーを試してみる
胃酸を活発に分泌させるカフェインが入っていないデカフェコーヒー、もしくはカフェインレスコーヒーを試してみましょう。
デカフェ・カフェインレスコーヒーにはカフェインがほとんど含まれていません。
妊娠中・授乳中でも安心して飲めるほどのコーヒーです。
デカフェコーヒーなら、胸焼けがしないかもしれないので試してみてください。
最近では各社から美味しいデカフェコーヒーが発売されていて、通販でも手に入りやすいです。
おすすめのデカフェコーヒーについては以下の記事をチェック!
おすすめのカフェインレスコーヒーについては以下の記事を参考にしてください。
それでもコーヒーを飲んで胸焼けになった場合の対処法
いろいろ対策しても胸やけになった場合は、次の対処法を試してみてください。
ただし、一時的な対処の方法です。
- 水や白湯をゆっくり飲み、コーヒーや食事を中止して様子をみる。
- 食後は横にならない、姿勢を正しくする。
胸焼けや胃もたれが長く続く場合は医師に相談してください。
水や白湯を飲みコーヒーや食事を中止する
まずは水や白湯を少しずつ飲んで、胃が受けているカフェインの作用を和らげるようにしてみましょう。
できればコーヒーも食事も一旦中止して、しばらく胃腸を休ませてください。
食事を再開するときは、油っこい食べ物や刺激のあるものは避けましょう。
薄めのスープや柔らかいお粥、ヨーグルトなど胃に優しいものから食べ始めて、症状が緩和しているか経過をみながら通常の食事に戻してください。
食後は横にならない・姿勢をよくする
「食後は必ずコーヒーを飲む」という方は、横になって昼寝をすると胸焼けしやすいです。
理由は、重力で胃酸が食道に逆流しやすいため。
だから胸焼けを避けるために、食直後1~2時間は横にならないでください。
コーヒーナップをする方は、リクライニングソファなどで頭の方がお腹より高くなるように工夫してみてください。
※コーヒーナップ:コーヒーを飲んだ後の短時間の昼寝で午後の眠気を避けて作業効率を上げるという方法。
もちろんベルトなどのお腹を締めつけるようなものは、外したりゆるめたりしてからお昼寝を。
座って休憩する方も、猫背の姿勢は避ける習慣を作ってほしいですね。
これは背中を丸めると腹部を圧迫するからです。
胸焼けが続く場合は医師に相談する
それでも胸焼けが治らない場合は、かかりつけの医師に相談してください。
長く続く胸焼けやムカムカする症状は、食道に炎症や「ただれ」が生じている可能性があります。
消化器系の内科などに相談してください。
実は胃の近くの症状は消化器の病気だけではなく、心臓などの隠れた病気がひそんでいるかもしれません。
コーヒーと胸焼けの関係性について理解しよう!
いかがでしたでしょうか?
この記事でお伝えした重要なポイントは以下のとおりです。
- コーヒーを飲むと胸焼け・ムカムカが起こる原因は、カフェインなどの作用で胃酸が逆流している可能性がある。
- 胸焼けしたときの対処法は、いったん水を飲んだりコーヒーを飲む量を減らしたりして様子をみる。
- 胸焼けが持続する場合は医師に相談するのを最優先にする。
せっかく美味しくて健康効果などがあるコーヒー。
胸焼けなどの不快な症状に悩まされるのは辛いし、作業効率も悪くなりますよね。
コーヒーを飲んで胸焼けになったときには、この記事を参考にして快適な生活を送ってください。