ドリップコーヒーの淹れ方を詳しく知りたい!重要なコツやポイントって何?
コーヒーを淹れる器具はどれを選んだらいいの?基本的に揃える器具を教えてほしい…。
こういった疑問や要望にお答えします。
あなたはドリップコーヒーで揃えるべき器具や正しい淹れ方を知っていますか?
本当に美味しいドリップコーヒーの淹れ方を知りたい方は必見の情報です!
- ドリップコーヒーとは、コーヒー粉に湯を注いで抽出したもの
- ドリップコーヒーに必要な器具はドリッパーやサーバー、ペーパーフィルターなど
- ドリップコーヒーの美味しい淹れ方は良い素材を選ぶこと、基本の手順を守ること
- ペーパーフィルター以外にネルや金属フィルターなどがある
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
では早速見ていきましょう。
そもそもドリップコーヒーとは?淹れ方を見る前に知っておこう
「ドリップコーヒー」(drip coffee)とはコーヒー粉にお湯を注ぎ、お湯の重みを利用して濾過(ろか)し、成分を抽出した飲み物です。
ドリップ(drip)とは「滴る(したたる)」や「落ちる」を意味する英語。
海外ではドリップコーヒーのことを「プアオーバーコーヒー」などとも呼びます。※Pour Over Coffee(Pour=注ぐ、Over=上から)
コーヒーの抽出方法としての分類では「透過法(とうかほう)」になります。
ドリップコーヒーの種類や淹れ方について詳しく知りたい方は「【極みの一杯】ドリップコーヒーとは?その種類からいれ方からまで解説」の記事もチェック!
ペーパーフィルターが主流
日本ではペーパーフィルターを使用するのが主流。
そして手動で作る「ハンドドリップ」が最も一般的です。
ペーパーフィルターはコーヒーオイルが細かい繊維に吸着し濾過されます。
そのため透明感のある色で、すっきりした味わいに。
初心者から上級者まで淹れられるドリップコーヒーは技術によって差が出ます。
基本的なコツをおさえれば初心者でも挑戦が可能。
おうちで楽しめる要素が満載のドリップコーヒーは、心がワクワクする新しい趣味になりますよ。
ペーパーフィルターを使ったドリップ方法については「【コツ公開】ペーパードリップとは?美味しいコーヒーのいれ方を完全解説」の記事で詳しく解説しています。
ドリップコーヒーを淹れる際に必要な道具
ドリップコーヒーを淹れる器具は、身近なお店や通販で簡単に手に入ります。
種類がたくさんあるので、デザインや機能性にこだわると楽しくなってきますよ。
必要な器具を以下に分類してまとめたので見ていきましょう。
- 基本的な器具
- 応用編の器具
一つ一つ詳しく解説します。
基本的な器具
基本的に最初はこれさえあれば大丈夫というペーパードリップの器具を紹介します。
- ドリッパー
- ペーパーフィルター
- コーヒーポット
- コーヒーサーバー
- コーヒースプーン
順番に説明します。
ドリッパー
ドリッパーは台形や円錐形、穴の数、リブ(内側の表面の溝)など様々な種類があります。
素材もプラスチックや陶器・金属などさまざま。
数あるドリッパーの中では、なんといっても「HARIO(ハリオ)V60ドリッパー」がイチオシです。
世界標準で使われるほどの優秀なドリッパーで、プロも現場で使用しています。
ドリッパーについて詳しく知りたい方は「コーヒードリッパーのおすすめ7選!おしゃれに最高の1杯を淹れよう」の記事もチェック!
ペーパーフィルター
ペーパフィルターとはコーヒーの粉をお湯で濾過するための濾紙(ろし)のことをいいます。
使い捨てなのでお手入れ不要なのが嬉しいポイント。
メーカーによって素材や形が違います。
ドリッパーに密着させる必要があるので、同じメーカーのシリーズで揃えてください。
フィルターについて詳しく知りたい方は「コーヒーフィルターのおすすめ6選!種類から美味しい淹れ方まで解説」の記事もチェック!
コーヒーポット
ハンドドリップでコーヒー粉の上にお湯を注ぐために使うのが「コーヒーポット」です。
ドリップポットやドリップケトルとも呼ばれています。
注ぎ口は鶴の首のように細くて湾曲した形状で、根元はポットの底面に近いところにあります。
すなわち、お湯をコントロールしやすく、コーヒーの粉の上に静かに正確にお湯を注げるということ。
有名メーカー各社から多様なデザイン、素材のものが販売され、機能面から見ると電気で温度を設定しお湯が沸かせるタイプもあります。
コーヒーポットについて詳しく知りたい方は「【決定版】コーヒーポットのおすすめ7選!IH対応からステンレスまで」の記事もチェック!
コーヒーサーバー
コーヒーサーバーはドリッパーから落ちた淹れたてのコーヒーを保存する容器。
ドリッパーとサーバーがセットになったものや一体型のデザインもあります。
素材はガラス製が主流ですが、ホーロー製や陶器製などもあります。
機能的には密閉して保温できるものや電子レンジで温め直せるタイプなどさまざま。
コーヒーサーバーについて詳しく知りたい方は「コーヒーサーバーのおすすめ9選!おしゃれなものから機能的なものまで」の記事もチェック!
コーヒースプーン
コーヒースプーンはメジャースプーン、コーヒーメジャーとも呼びます。
一般的にコーヒー1杯分(140cc)当たり、コーヒー豆の量が10〜12gといわれています。
まずは10gが量れるコーヒースプーンを選ぶのがおすすめ。
コーヒースプーンについて詳しく知りたい方は「【決定版】コーヒースプーンのおすすめ9選!おしゃれで機能性も抜群」の記事もチェック!
応用編の器具
基本的な器具の次に揃えたい、応用編の道具は以下のとおりです。
- コーヒーミル
- キッチンスケール
- タイマー
- 温度計
- バースプーン
- コーヒー用ふるい
一つ一つ順に解説します。
コーヒーミル
コーヒーミルは、焙煎されたコーヒー豆をコーヒー粉に挽くための器具。
コーヒーを淹れるたびに挽くのが望ましいです。
理由はコーヒーの風味が飛んでしまうから。
プロ仕様の大きなものから、コンパクトなものまで数多くの種類があります。
分類としては以下のようなものがあります。
- 手動
- 電動
また、刃の形状では以下のものがあります。
- コニカル
- フラット
- プロペラ
コーヒーミルのおすすめを詳しく知りたい方は「【2022】コーヒーミルのおすすめ人気モデル20選!手動から電動まで」の記事もチェック!
キッチンスケール
キッチンスケールがあるとコーヒー豆・粉の重さが正確に計れます。
また、コーヒーサーバーを上に置いて、注いだお湯の量の重さを目で確かめられます。
コーヒー用スケールという専門の器具は、ドリップしたお湯の重さと時間の計測が同時にできて便利。
コーヒーの詳しい量について知りたい方は「コーヒー一杯の適切な量とは?カフェイン量から豆のグラム数まで解説」の記事もチェック!
タイマー
ドリップコーヒーの「時間の管理」は、上級者を目指すための第一歩。
抽出の時間を計るためのキッチンタイマーはとても大切。
お湯を注ぐときの時間を正確に計れます。
砂時計だと残りの時間が目でわかるから便利だという上級者もいます。
温度計
温度計はアナログとデジタルがあり、毎回安定した適度なお湯の温度を計れます。
電気ケトルならお湯の温度を調整して沸かせるから便利。
温度計の製品としてのタイプは、ガラス製や電子体温計のようなものまでいろいろ種類があります。
バースプーン
沸かしたてのお湯をバースプーンでかき混ぜて、適度な温度に下げるために使うのが「バースプーン」。
コーヒーサーバー内のコーヒーを撹拌(かくはん)するときにも使えます。
ドリップしたコーヒーの表面に浮いたアクもすくえます。
コーヒー用ふるい
挽いたコーヒー豆の粉の微粉末をふるいにかけて均一にします。
微粉を取りのぞくとことでクリアな味わいになります。
茶こしでも代用可能。
茶こしの淹れ方については「【初心者必見】茶こしで簡単コーヒー!味わいから分量・入れ方まで紹介」の記事をチェック!
この他に鍋敷きやミトン(鍋つかみ)などがあると便利です。
デザインや色などこだわりの器具を揃える楽しみが増えますね。
セットになっている便利なコーヒー器具について知りたい方は「【厳選】コーヒーセットのおすすめ7選!手軽に美味しいコーヒーが飲める」の記事もチェック!
器具まとめ
基礎と応用編のコーヒー道具をまとめると以下のとおりです。
基本の器具
最初に揃えたい基本の器具です。
- ドリッパー
- ペーパーフィルター
- コーヒーポット
- コーヒーサーバー
- コーヒースプーン
応用編の器具
買い足すと便利な器具です。
- コーヒーミル
- キッチンスケール
- タイマー
- 温度計
- バースプーン
- コーヒー用ふるい
以上が必要な器具です。
ドリップコーヒーを初めて淹れる方は是非参考にしてみてください。
最初は基本の器具から揃えてみてくださいね。慣れてきたら少しずつ買い足しましょう。
【簡単】ドリップコーヒーの美味しい淹れ方
ここではコーヒー初心者のためにペーパーフィルターをつかった「ハンドドリップ」の淹れ方を紹介します。
まずは基本編の大きな流れを簡単に説明します。
初心者は難しく考えずに基本の流れをつかんで、本格的なコーヒーを淹れられるようになりましょう。
ドリップコーヒーの簡単な淹れ方の流れは以下の5つ。
- ペーパーフィルターをドリッパーにセット
- コーヒー粉を計量しフィルターに入れる
- 湯を注ぎ、蒸らす
- 湯を3〜5回にわけて注ぐ
- コーヒーカップに注ぐ
ひとつひとつ順を追って詳しく解説します。
1. ペーパーフィルターをドリッパーにセット
ペーパーフィルターのシールされた線を交互に折り曲げて、ドリッパーにぴったり密着させてセットします。
ここでしっかりとセットすることが大切です。
2. コーヒー粉を計量しフィルターに入れる
コーヒー粉を飲む杯数分(1杯当たり10g)を計ってドリッパーに入れます。
ドリッパーを軽くゆすってコーヒーの粉の表面を平らにしておきます。
3. 湯を注ぎ、蒸らす
ドリップポットでコーヒー粉全体にまんべんなく少しずつ静かに注いで蒸らします。(20秒から30秒)
お湯はコーヒー粉が湿る程度で、ドリッパーの穴からポタポタ落ちるのが目安。
お湯を入れ過ぎないようにしてください。
新鮮なコーヒー粉なら表面にふわっと泡が盛り上がります。
4. 湯を数回にわけて注ぐ
蒸らしが終わったらコーヒー粉の中心から渦(うず)を巻くように外側に向かってお湯を回しかけます。
コーヒー粉の表面が膨張した後、お湯が沈んでいったら、泡が消えないうちに数回に分けてお湯を注ぎます。
サーバーに飲む杯数分のコーヒーが落ち切ったらドリッパーを外します。
5. コーヒーカップに注ぐ
コーヒーカップに注いで完成。
味を確かめてみてください。
何度も練習してコーヒー上級者を目指してください!
以下の動画も参考になるはずです。
【上級編】ドリップコーヒーの美味しい淹れ方
コーヒー上級者のこだわりの美味しい淹れ方は、材料の品質と挽き方、そして器具のこだわりでしょう。
8つのステップに分けて解説します。
- 器具やコーヒーカップをあらかじめ温めておく
- コーヒー豆を計る
- コーヒー豆を挽く
- ペーパーフィルターをドリッパーにセット
- コーヒーの粉を入れる
- 湯を注いで蒸らす
- 湯を3〜5回にわけて注ぐ
- コーヒーカップに注ぐ
順を追って見ていきましょう。
あらかじめドリッパーやコーヒーサーバー、コーヒーカップなどの器具をお湯で温めておきます。
こうすることでドリップした美味しいコーヒーの温度の急降下を防ぎ、風味を保たせます。
コーヒー豆を計量します。
コーヒー豆の量は1人分の場合10gが適切といわれています。
まずは基本を守り、慣れてきたらお好みにより調節してください。
コーヒー豆をコーヒーミルで挽きます。
あれば「粉ふるい」で微粉末を除去。
こうする理由はコーヒー粉の粒の大きさが均等になり、雑味のないクリアな味に仕上がるからです。
後味もスッキリします。
粒度(りゅうど)は中細挽きがペーパーフィルターのドリップコーヒーには適切。
粒度が大きくなればなるほど、抽出時間が速くなります。
反対に粒度が小さいほど、濃く、コーヒー感の強い味わいに。
ペーパーフィルターの密着部の線のところを互い違いに折ります。
ドリッパーの内壁にフィルターをぴったりと密着させます。
コーヒーの粉を飲む杯数分ペーパーフィルターに入れます。
ドリッパーを少しゆすり、コーヒーの粉の表面を平らにならします。
沸騰直後のお湯をすぐにドリップポットに移すと、95℃くらいのお湯になります。
抽出するためのお湯は85℃の温度がおすすめ。
95℃の温度で淹れたコーヒーは味の主張が強く、85℃の温度で淹れたコーヒーはライトテイストで飲みやすいからです。
バースプーンでかき混ぜて85℃くらいに調節しましょう。
温度計で測ると正確。
細かい泡がふっくらと出る程度
1回目はコーヒーの粉の表面全体にお湯が軽く浸る程度に注ぎます。
中央から外側に向かって静かに渦(うず)を描くようにていねいに注いだら、約20秒から30秒間蒸らします。
ドリッパーからしずくがポタポタと落ちる程度が目安。
新鮮なコーヒー粉であれば、表面に細かい泡がふっくらと盛り上がります。
コーヒーの蒸らしについて詳しく知りたい方は「【美味しさの秘訣】コーヒーの蒸らしとは?味の違いからコツまで解説」の記事もチェック!
蒸らしの後に、再び静かに中心から渦(うず)を巻くようにお湯を注ぎます。
静かに注ぐ理由はコーヒーの粉が暴れないようにするため。
お湯を注ぐとコーヒー粉の表面が細かい泡が出来て盛り上がるのがわかります。
そのあと表面のお湯が沈み平らになったのを確認して注ぎます。
3回目、4回目と同じように繰り返して注ぐお湯の量を少しずつ減らしていきます。
側面のペーパーに直接お湯がかからないようにご注意を。
可能な限り細く、速度を一定にする
ドリップポットから注ぐお湯は、可能な限り細く、速度を一定に保ってください。
サーバーの目盛りを見るかスケールの重さの量を見て、飲む杯数分のコーヒーが落ち切ったらドリッパーを外します。
この過程を3分くらいで完了させると、美味しいコーヒーになるといわれています。
温めていたコーヒーカップをきれいに拭きます。
サーバーに落ちたコーヒーをバースプーンでかき混ぜて、味を均等にしてください。
もしもアクが浮いていたらバースプーンで取り除きましょう。
カップに注いで提供します。
何度も練習して腕を上げてくださいね!
ドリップコーヒーの淹れ方として重要なコツ・ポイント
ドリップコーヒーの淹れ方として重要なコツは良い素材を選ぶことです。
そして基本の手順を守ること。
さらに蒸らしの時間は特に重要です。
3分以内に淹れきるなどの「時間の管理」もポイント。
淹れる直前にコーヒー豆を挽いたり正確に計るのも大事です。
何度も繰り返して手順を覚えましょう。
上記で解説したことを忠実に再現できれば、かなり美味しいコーヒーができること間違いなし!
ドリップコーヒーの淹れ方は他にもある
ドリップコーヒーはフィルターの種類により味が激変するので奥が深いです。
透過法であるドリップコーヒーにはペーパーフィルターだけではなくて、以下の種類があります。
- ネルフィルター:フランネルという布でできたフィルター
- 金属フィルター:ステンレスや金などの金属メッシュフィルター
- セラミックフィルター:セラミック製のフィルター
それぞれ個性的で味の差があります。
ネルフィルターでドリップした場合、ペーパーフィルターより繊維が粗く、コーヒーオイルが抽出されやすいです。
金属のフィルターもコーヒーオイルが抽出され、バターコーヒー考案者が推奨。
セラミック製のフィルターは遠赤外線の効果があります。
味や香りの奥深さに気づいたら、さまざまな種類や素材のフィルターをご自身で研究して楽しんでみてください。
自動ドリップは非常に手軽
さらにいうと、自動でドリップしてくれるのがコーヒーメーカーです。
毎回手動でドリップしなくていいので、忙しい朝などに非常に役立ちます。
ドリップ式のコーヒーメーカーについて詳しく知りたい方は、以下の記事もチェック!
温度は違いますが「水出しコーヒー」にもドリップ式があります。
水出しコーヒーについて知りたい方は「水出しコーヒーとは?美味しい作り方からおすすめ5選まで紹介」の記事もチェック!
ドリップコーヒーの正しい淹れ方を理解して美味しいコーヒーを飲もう!
いかがでしたでしょうか?
ドリップコーヒーの美味しい淹れ方について、コーヒーソムリエが解説しました。
お伝えした重要なポイントは以下のとおりです。
- ドリップコーヒーとは、コーヒー粉に湯を注いで成分を抽出した飲み物
- ドリップコーヒーを淹れる際に必要な道具はドリッパーやサーバー、ペーパーフィルターなどがある
- ドリップコーヒーの美味しい淹れ方は手順や時間を守ること
- ペーパー以外にも布製や金属性フィルターなどがある
奥が深いドリップコーヒーの淹れ方をマスターして、あなたが大好きなあの人に美味しいコーヒーを淹れてあげてください。
また今回はドリップコーヒーの美味しい淹れ方について紹介しましたが、より淹れ方を極めたいという方は「美味しいコーヒーのいれ方とは?通販のおすすめコーヒー豆&粉も紹介」の記事をチェック!