ハリオのドリッパーってどんな特徴があるの?
V60は有名だけど、どうやって扱ったらいいの?
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
カフェによく行く方なら恐らく一度は目にしたことがあるであろうハリオのドリッパー。
なぜそんなに支持されているのか気になりませんか?
本記事ではハリオのドリッパーについて徹底解説し、その人気の理由を紐解いていきます!後半は通販で買えるドリッパーも紹介!
- ハリオのドリッパーの中でも「V60」シリーズは世界でも人気が高い
- 円錐形で大きな1つ穴とスパイラルリブが特徴的
- コクや余韻がありながらクリアな味わいが魅力
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
それでは早速見ていきましょう!
ドリッパーが大人気のハリオ(HARIO)とは?
V60を始めとしたドリッパーが非常に人気のハリオは、東京の日本橋に本社を置く耐熱ガラスメーカーです。
ハリオという社名の由来は、ガラスの王様という意味の「玻璃王」からきているのだそう。
ハリオは創業以来、コーヒーサーバーを始めとする様々なガラス食器を提案してきました。
現在でも愛されているV60透過ドリッパーは2007年にはグッドデザイン賞を受賞しています。
ハリオのドリッパー「V60」の特徴
ネルドリップに近い味わいを生み出すために試行錯誤され生まれたのがV60です。
2007年にグッドデザイン賞まで受賞したV60は、現在でもプロ・アマチュア問わず強く愛されています。
そんなV60の特徴に迫ってみましょう。
円錐形
V60の大きな特徴の1つが円錐になっている形状です。
円錐形となることで、フィルター内のコーヒーの層が非常に厚くなります。
そのため出口までの距離が長く、お湯がじっくりとコーヒー粉を通過し、しっかりとコーヒーの香りや味わいを抽出してくれるのです。
スパイラルリブ
V60のリブは独特のひねりを加えた構造になっています。
このスパイラルリブはドリッパーとの密着を防ぎ、抽出の際にコーヒーから出たガスをしっかりと逃し、スムーズな抽出を助けてくれるのです。
抽出する際に重要な工程である「蒸らし」の際に、ガスが抜けることによる膨張が起こりますが、スパイラルリブはその膨張を妨げません。
未抽出の原因となるガスをしっかりと逃がすことで、コーヒーの美味しさを引き出してくれます。
大きな1つ穴
V60は底面が非常に大きな1つ穴になっています。
この大きな1つ穴によって、V60は非常に湯溜まりが出来にくい構造となっているのです。
そのため、手元の注湯スピードなどによるコントロール1つで味わいが大きく変化します。
コーヒーの層をじっくりと通り旨味を抽出しながらも、大きな1つ穴によるスムーズなお湯抜けによって、味わいの幅が広く雑味のないクリーンなコーヒーに仕上がりやすくなっています。
種類
ハリオのV60は、その素材にいくつかのラインナップが存在します。
それが以下の4つです。
- プラスチック製
- セラミック製
- 耐熱ガラス製
- 金属製
形状はいずれも同じですが、素材によって価格帯や耐久性などが違うので、自身の好みに合わせたものを選択しましょう。
ハリオのドリッパーの味わい
ハリオのV60で抽出したコーヒーの味わいは、ネルドリップのようにコクや余韻がありつつも、全体としてはクリアな味わいです。
V60の特徴である円錐形やスパイラルリブは、コーヒーの美味しい成分十分に引き出す手助けをしてくれます。
また、大きな1つ穴のおかげでスムーズにお湯が抜けることによってコーヒーの雑味が出ることを防いでくれるため、濃厚とスッキリのどちらも叶えてくれるのです。
さらに手元のコントロールで自身の好みの味わいにすることもできます!
ネルドリップについては「【決定版】ネルドリップとは?美味しいコーヒーを淹れる方法も紹介」の記事で詳しく解説しています。
ハリオのドリッパーがプロにも人気の理由
ハリオのV60は自宅でコーヒーを楽しむ人だけでなく、実際の現場でプロにも愛用されています。
さらに日本のメーカーであるハリオのV60は、日本だけでなく世界中に愛用者がいるのです!
ではなぜアマチュアの方や国内だけでなく、コーヒーのプロや国外の人々からも人気が高いのでしょうか?
その背景をみてみましょう!
世界大会で使用されブームに
ハリオのV60が広まりを見せ始めたのは、アメリカのシアトルからでした。
その人の好みに合わせたコーヒーを提供するスペシャルティコーヒーのムーブメントが起きていた2008年当時、シアトル周辺のカフェで使用されていたのがV60だったのだそうです。
そんな人気を更に加速させたのが、スペシャルティコーヒーの世界大会でV60が使用されるという出来事でした。
それ以降、アメリカの西海岸を始めとした各国のカフェなどでV60が使用されるまでに至ったのです。
スターバックスでも採用されている
シアトルにあるスターバックスの新業態カフェ、15TH AVE COFFE & TEAでもハリオのV60が使用されています。
また、スターバックスの公式YOUTUBEチャンネルにおいても、ハリオのV60を使用したコーヒーの風味の実験動画が存在しているのです。
人気の決め手は味の自由度の高さ?
これだけプロの現場から支持されているのは、やはりその味わいの自由度の高さなのではないでしょうか。
その人の好みに合わせたコーヒーを淹れるためには、豆や焙煎といった素材選びはもちろん重要です。
そこに抽出によって味わいの変化がつけられるのであれば、よりその人の好みに合わせたコーヒーを提供することが可能となります。
もっと美味しいコーヒーを提供したいというバリスタのおもてなしの心が、味わいをコントロールできるハリオのV60人気に火をつけたのかも知れませんね。
当時のシアトルでも「Japan Hospitality(ジャパンホスピタリティ)」の代表格としてV60が人気だったそうだよ!
【V60編】ハリオのおすすめドリッパー3選!通販でも買える
ハリオのV60には様々なラインナップが存在します。
ここではその中のおすすめなドリッパーをいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
今回紹介するのは以下のとおりです。
- ハリオ V60 透過ドリッパー
- ハリオ V60 耐熱ガラス透過ドリッパー
- ハリオ V60 メタルドリッパー
それでは順番にみていきましょう!
1. ハリオのドリッパー選びに悩んだらとりあえずコレ「ハリオ V60 透過ドリッパー」
数多くあるハリオのV60シリーズの中でも、最も安価で入手しやすいのがこのドリッパーです。
安価な分、本格的なドリップでも気軽に始めることができます。
本体も軽くとても扱いやすいので、まずはこの1台から始めてみてはいかがでしょうか?
何台か必要なお店での使用にもぴったりです。
商品詳細
価格 | 492円 |
素材 | AS樹脂 |
サイズ | 幅 137× 奥行 116× 高 102mm 口径 116Φ |
2. 見た目もおしゃれなガラス製「ハリオ V60 耐熱ガラス透過ドリッパー」
手に馴染みやすいオリーブウッドのホルダーがついたガラス製のドリッパーです。
美しいガラス素材とオリーブウッドの組み合わせがとってもおしゃれな1台。
透明度の高いガラスは、視認性が高く抽出の様子を観察することができます。
匂いや傷もつきにくく、清潔を保ちたい方におすすめのドリッパーですよ!
商品詳細
価格 | 3316円 |
素材 | ドリッパー/耐熱ガラス ホルダー/オリーブウッド 内側ホルダー/シリコーンゴム |
サイズ | 幅12×奥行12×高さ7.7cm |
3. 丈夫だから長く使える「ハリオ V60 メタルドリッパー」
見た目もクールな金属製のドリッパーです。
見た目に反して重量が非常に軽く、金属製で大変丈夫なので扱いやすいのも嬉しいポイント!
その丈夫さはアウトドアなどにも向いています。
熱伝導性が高い素材のため、ドリッパーを温め手間が要らずスムーズな抽出が行える、格好良くて便利な1台です!
商品詳細
価格 | 1981円 |
素材 | 本体/ステンレス プレートマット/シリコーンゴム |
サイズ | 幅 145× 奥行 120× 高 90mm 口径 120Φ |
ハリオのおすすめドリッパーをもっと知りたい方は、以下の記事をチェック。
アウトドア・キャンプ用のコーヒーセットをお探しの方は以下の記事をチェック!
【番外編】ハリオ V60以外のおすすめドリッパー2選
ハリオのドリッパーはV60が1番ラインナップが多いのですが、中にはV60以外のドリッパーも存在します。
そんなV60以外のドリッパーを以下の2点紹介していきます。
- ハリオ V60 1回抽出ドリッパー MUGEN
- ハリオ 浸漬式ドリッパー スイッチ
ではそれぞれみてみましょう!
1.一回の注湯で抽出可能「ハリオ V60 1回抽出ドリッパー MUGEN」
こちらは厳密にいえばV60シリーズにあたるのですが、使い方が通常のV60と全く違うためこちらで紹介します。
このドリッパーの大きな特徴は、注湯が1度でいいことです。
通常のV60の特徴であるスパイラルリブの代わりに星型の溝が施されています。
リブがないためフィルターにドリッパーが張り付き、内側にある星型の溝を伝ってコーヒーが抽出されるのです。
ドリッパーが自動的にちょうどいいスピードで抽出を行ってくれるため、最初の一回で必要なお湯を投下したら完了となります。
お湯を注いだらあとは待つだけ!
商品詳細
価格 | 880円 |
素材 | 本体/AS樹脂 ホルダー/ポリプロピレン |
サイズ | 幅 142× 奥行 116× 高 94mm |
2.スイッチを押すとコーヒーが落ちてくる「ハリオ 浸漬式ドリッパー スイッチ」
ハリオのV60はいずれも透過式になりますが、このドリッパーはお湯に粉を浸してから抽出する浸漬式のドリッパーです。
このドリッパーは仕組みが非常に面白く、コーヒーの抽出が完了したらスイッチを押すことで底からコーヒーが一気に注がれる仕組みとなっています。
時間や粉・お湯といったレシピを忠実に守れば、いつでも誰でも均一な味わいのコーヒーを抽出することができます。
ちょっと変わったドリッパーをお探しの方にいかがでしょうか?
商品詳細
価格 | 3780円 |
素材 | 本体/耐熱ガラス ホルダー/シリコーンゴム スイッチ/PCT樹脂 ステンレス球/ステンレス鋼 |
サイズ | 幅 130× 奥行 115× 高 215mm |
ハリオ以外のおすすめドリッパーが知りたい方は「コーヒードリッパーのおすすめ15選!おしゃれに最高の1杯を淹れよう」の記事をチェック!
ハリオのドリッパーを使った美味しい淹れ方
ハリオのV60でコーヒーを美味しく抽出するための手順を紹介していきます。
基本の淹れ方は以下のとおり。
- フィルターに粉をセットする
- 粉を平らに慣らす
- フィルターを濡らさないように気をつけながら、粉全体が湿る程度のお湯を注ぐ
- 30秒程蒸らす
- 中心から渦を描くようにお湯を注ぐ
- 杯数に関係なく3分以内に抽出を終えて完成
細かい豆の分量やお湯の量は、以下の記事で公開しています。
色々試してあなたのお気に入りを見つけてみてくださいね!
注意点
ハリオのV60は味わいのコントロールがしやすい分、抽出時にコツが要るドリッパーでもあります。
まず1番大きな注意点は、お湯を注ぐ際にフィルターを濡らさないように粉の中心に注ぐこと。
フィルターにお湯を当ててしまうとコーヒー粉をお湯が通らず、未抽出の状態で薄いコーヒーとなる原因になってしまいます。
また、お湯を高い位置から注ぐと粉を撹拌してしまい、雑味が出る原因となってしまうのでそちらも注意が必要です。
注湯スピードによって味わいが大きく変化するドリッパーなので、再現性を高めたいのであれば時間を計りながら練習するのがおすすめ!
ハリオのドリッパーでこだわりのコーヒーを淹れよう!
いかがでしたでしょうか?
プロ・アマ問わず、国外でも大人気なハリオのドリッパーの中でも、特にV60を中心に詳しく紹介してきました。
本記事のまとめは以下のとおりです。
- ドリッパーが人気のハリオとは、日本の耐熱ガラスメーカー
- ハリオのドリッパーの中でもV60は日本のみでなく世界でも人気が高い
- 円錐形で大きな1つ穴とスパイラルリブが特徴
- コクや余韻がありながらクリアな味わい
- 抽出スピードが速く、味わいのコントロールが非常にしやすい
- 同じ味わいの再現には練習が必要
- 世界大会で使用されて以降世界に広まった
- 抽出時にはコツがある
味わいを自身で作ることができるため、好みの味わいで抽出することができるハリオのV60。
抽出は少し難しい分、本当に飲みたい味わいを作ることのできるハリオのドリッパーが世界中で人気が高いのも頷けます。
コーヒーをもっともっと探求したいという方にとってもおすすめのハリオのドリッパー。
ぜひあなたも新しいコーヒーの魅力に出会うことのできるハリオのドリッパーで、こだわりの1杯を淹れてみませんか?
コーヒー豆研究所では今回解説したハリオドリッパーを手掛ける、株式会社ハリオ商事の社長「柴田亘保」さんに実際にインタビューしています。
気になる方はぜひチェック!