ジャコウネコから採れるコピルアクコーヒーって汚いの?
コピルアクコーヒーってどのようなコーヒーなの?
このような疑問や要望にお答えします。
- コーヒーの実を食べているジャコウネコの糞から採れるコーヒー豆をコピルアクコーヒーという
- 汚いように思われることもあるが生豆と糞が直接触れ合っているわけではないので汚くない
- 味は苦みの中に甘味のある独特の味わい
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修。
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コーヒーを愛し続けて約10年。現在はコーヒー専門家として活動し、様々な媒体・メディアにご紹介いただいています。独自ブランドのコーヒー豆を「ラボカフェ」で販売中。
では、早速見ていきましょう。
ジャコウネコから採れるコピルアクコーヒーは汚くない
美味しいコーヒーの実を選んで食べているジャコウネコは、当時インドネシアでコーヒーの実を採って飲むのが禁止だった時代に糞から生豆を採って、洗浄や焙煎をしたコーヒー豆を使いコーヒーを飲んだのが始まりです。
そんなジャコウネコの糞から採られる未消化のコーヒー豆のことを、コピルアクコーヒーと言います。
一般的に「糞の中から採取されている」と言われると、「汚い」というイメージがある方が多いですよね。
ですが、ジャコウネコは果物しか食べない猫。
コーヒーの実は、生豆とシルバースキン、パーチメント、果肉、皮という構成です。
ジャコウネコはコーヒーの実を食べるときに皮をむいて果肉だけをなめて、シルバースキンとパーチメントが覆われたままの生豆を飲み込んでいます。
パーチメントは硬く、ジャコウネコの胃や腸では分解ができず、そのままの状態で出てきます。
とは言え、糞の中にコーヒー豆が入っていると聞くと、中から探さなくてはいけないので糞が混じってしまうのではと汚いイメージがありますよね。
実は、生豆と糞が直接触れ合っていません。
その他の食べ物を食べることはなく、ニオイがない糞から採られるコーヒー豆は汚くないのです。
汚くないなら買いたいと思われる方もいるでしょう。
このコーヒー豆は、1匹のジャコウネコから1日3gくらいしか採ることができない希少な豆。
100gで1万円もする程高級ですが、中には安い価格のまがいものもあるので買うときには注意が必要ですよ。
もっとコピルアクについて知りたい方は、こちらの「高価な値段のコピ・ルアクとは?味の特徴からおすすめの豆まで紹介」記事をチェック。
ジャコウネコから採れるコピルアクコーヒーが汚いと言われる理由
では、なぜジャコウネコから採れるコピルアクコーヒーが汚いと言われるのか理由も知りたいですよね。
一番基本的な理由として、ジャコウネコの糞の中に生豆が入っているということでしょう。
普通に考えて、糞の中に自分たちの口に入るコーヒーになる豆が入っていると考えるとイヤだと思われる方もいますよね。
また、この豆を採取すればいいのですが、ジャコウネコの糞の中からただ採ればいいということがありません。
糞をしてから2時間以内に採取しないといけないルールがあります。
糞を採るという部分もですが、出してすぐに採らないといけないというところなどにも汚いと言われる理由があるのです。
2時間以上経過すると生豆が変化してしまうので、使うことができなくなってしまいます。
汚いと思われるでしょうが、糞の中から採取しなくてはいけない・常にいつ糞をするか観察しておかなくてはいけないのも大変なことです。
コピルアクコーヒーができるまでの工程の中で、生豆を採るのがとても難しい作業でしょう。
コピルアクの衛生処理
ジャコウネコから採れるコーヒー豆が実は汚くないとは言っても、コピルアクの衛星処理方法は気になるところですよね。
手順としては、次のような流れになります。
- ジャコウネコがコーヒーの実を食べる
- ジャコウネコの糞から生豆を採取
- 生豆を洗浄
- 乾燥
- 焙煎
ジャコウネコがコーヒーの実を食べると、お腹の中で発酵過程がされます。
消化しきれない生豆の混じった糞をして、2時間以内に採取。
ジャコウネコが噛んで砕けた豆と販売できる豆を分類し、パーチメントに覆われている状態で、全体を洗浄してきれいにしていきます。
きれいになったら、脱殻機でパーチメントとシルバースキンを分解させて生豆だけにします。
その後は、数日間野外で太陽の光に当てて乾燥させて、さらに100℃以上の高温で15分以上焙煎され完成です。
最終的には、加熱処理もされるので雑菌もほぼなくなり、衛生的にも問題なくなります。
ジャコウネコからできるコピルアクの味
インドネシアのコーヒー農業のお土産として、人気のあるコピルアクコーヒー。
インドネシア語で、コピはコーヒーを意味しており、ルクアはジャコウネコの呼び名があります。
このジャコウネコからできるコピルアクの味は、どのような味がするのか気になりますよね。
苦みは強いですが、バニラのようなチョコレートのような甘い香りでスッキリとした飲み心地。
苦みが強いとは言っても、ジャコウネコが食べるときから元々苦みが強いので、苦い中にも甘みがある感じです。
他のコーヒーとは、また違った独特の味わいがあります。
そして、カフェインは通常のコーヒーの半分と言われています。
カフェインがもっと含まれている方がいいという方には、物足りなさがあるかもしれませんね。
このような独特な香り・風味から香水まで作られています。
詳しくは「ジャコウネコの香水がある!有名なシャネルにも使われている匂いとは?」の記事をチェック!
コピルアクコーヒーの飲み方
喫茶店で注文して飲むという方もいますが、自分でコーヒー豆を購入して自宅で楽しむという方もいるでしょう。
喫茶店で注文すると2,000~5,000円、高いところで8,000円くらいするところもあるようです。
コーヒーの抽出方法は種類がありますが、コピルアクコーヒーを飲むのであれば、インドネシア式で本場の飲み方がおすすめです。
通常コーヒーを作るときにはフィルターを使いますが、インドネシア式はカップにコーヒーの粉を入れて直接お湯を注ぐだけです。
コーヒー豆の粒度は超極細挽き。
お湯を入れたあとは、かき混ぜて表面にコーヒーの粉が下に沈むまで数分待ち完成です。
お好みで砂糖やミルクを入れて飲みます。
ただ、カップの底の方は沈んだコーヒー粉が溜まっているのである程度のところで飲むのをやめるようにしましょう。
本場もいいですが、フィルターを使って淹れたいという場合には、フィルターに入れます。
このときの粒度は、中細挽きがおすすめ。
本場のと、フィルターを通したの・粒度によって味が違うので、飲み比べて好きだと感じる飲み方を探すのも楽しみの1つになりそうですね。
ジャコウネコから採れるコピルアクが汚いと思っている人は一度飲んでみるべき!
いかがでしたでしょうか?
ジャコウネコから採られるコピルアクコーヒーについて紹介しました。
最後に今回の内容をまとめてみましょう。
- ジャコウネコの糞から採られる未消化のコーヒー豆のことを、コピルアクコーヒーという
- 飲まれるようになったきっかけはインドネシア人がコーヒーを飲むために考えられた
- コピルアクコーヒーは衛星処理されているので衛生的には問題ない
- 味は苦みは強いがバニラのようなチョコレートのような甘い香りでスッキリとした飲み心地
- 飲み方は本場の飲み方であるインドネシア式がおすすめ
希少なコピルアクコーヒーで高級なコーヒー豆ですが、機会があるときにはぜひ飲んでみて下さいね。
インドネシアのコーヒーの特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。